7月の暦占いダイジェスト総合版です。
世の中は夏休みやバカンスの空気が漂う7月。
でも、暦の世界ではここから「陰の気」が入り始め、運気は徐々に内向きへと転じていきます。
この月の流れは、「前へ前へ」と動くよりも、一度立ち止まり、方向や足元を見直すことに吉があるとされる時期。
暑さが極まり、人の動きが活発になる季節ですが、暦の気配はすでに秋に向けて静かにシフトを始めているのです。
無理にスピードを上げようとせず、今の自分に本当に必要なものは何か、
外の熱さにのまれずに、自分のペースで暮らしと気持ちを整えていく。
そんな「整理と切り替えの準備」にふさわしいひと月です。
癸未の月
癸未の月は「小暑(しょうしょ)」の節入りである7月7日(七夕)から始まります。
今月の干支は「癸未(みずのと・ひつじ)」です。
* 癸(みずのと)は水の気。やさしく、柔らかく、感受性を高める流れ。
* 未(ひつじ)は土の気。日々の暮らしや習慣に関わることを見直す流れ。
*
この組み合わせは、「感情を整理すること」「心の奥にある本音を丁寧に掘り起こすこと」がテーマになります。誰かと比べたり、世の中のスピードに合わせたりするより、自分の感覚を大事にして過ごすことが大切な一ヶ月です。
二十八宿の井宿から見える心の働き
今月の宿は「井宿」です。
「井」は井戸の象徴。
地中深くに水をたたえるように、静かに養うこと、そして備えることを意味します。
忙しく立ち働くというよりも、内側の準備をする、必要なものを蓄える、そんな過ごし方が求められます。
たとえば、生活リズムを見直す・食習慣を整える・身の回りの整理をするなど、「整備」と「備え」がキーワードです。
7月は林鐘
ミニ解説:「林鐘」って?
7月は、古い暦の中で「林鐘(りんしょう)」という音の節にあたります。
日本でも雅楽などの伝統音楽ではこの音階が用いられてもいますね。
少し難しそうな言葉に感じるかもしれませんが、「林鐘」は季節の気配を音でとらえた暦の表現のひとつ。
古代中国の「十二律」という暦の中で、1年を12の音に分けて、自然の移ろいを感じ取ろうとしていた名残です。
この「林鐘」は、五行でいうと金の性質にあたり、夏の盛りの中にある、秋に向かう静けさや収束の気配をそっと伝えてくれる音です。
まだ暑さはこれからという季節なのに、どこか心が落ち着いてきたり、ふと「ちょっと立ち止まろうかな」と感じたりするとしたら、それはこの林鐘の響きかもしれません。
大きな音ではなく、静かな合図。
自然が奏でる季節の音に、そっと耳をすませる7月です。
心と暮らしに寄り添う、季節のめぐり
今月の二十四節気
7月には、季節の節目となる「小暑」と「大暑」が訪れます。
小暑 7月7日
梅雨が明けるころ。いよいよ夏本番の気配が近づいてきます。
蝉の声が響き始め、暑さが日に日に増していく時期。
けれどどこかに、まだ湿り気を含んだ空気も残っています。
大暑 7月22日
一年で最も暑さが厳しくなる頃。
まるで太陽に背中を押されるように、気持ちも身体も外向きになりやすい季節です。
ただし、体力や感情の起伏が出やすい時期でもあるため、無理は禁物。
今月の七十二候
自然の細やかな変化を伝える「七十二候」。
7月は、夏から秋へのほんのりとした移ろいも感じられる時期です。
以下は主な候の内容です
・半夏生(はんげしょう) 7月1日
半夏生という植物が花を咲かせる時期です。
* 温風至(あつかぜいたる) 7月7日
夏の風が本格的に吹き始め、湿った空気から乾いた熱気へと変わっていくころ。
* 蓮始開(はすはじめてひらく)7月12日
蓮の花が静かに咲き始める時期。
早朝、花の開く音に耳を澄ませたくなるような、凛とした静けさが漂います。
* 鷹乃学習(たかすなわちがくしゅうす)|7月17日
巣立ちの時期を迎えた鷹が飛ぶ練習を始めるころ。
自分らしい羽ばたき方を探すような、そんなタイミングかもしれません。
* 桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)|7月22日
桐の花が実を結び始める頃。
蒸し暑さの中にも、「実り」へ向かう気配が立ち上ってきます。
* 土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)|7月28日
土が湿り、空気が重たく感じられるような、まさに盛夏。
五感がととのいにくい日こそ、静けさと余白が助けになります。
夏土用について
土用とは?
7月19日〜8月6日(夏土用)
「土用」は季節と季節のはざまに訪れる、心身の調整期間。
一年に4回ありますが、夏の土用は特に有名で、体調や気持ちが不安定になりやすい時期とも言われています。
土用は「季節の仕上げと切り替えの時間」。
無理に動くよりも、整える・調えることが吉とされます。
家の工事や引越しなど、大きな動きは慎重に。
とくに「土」に関すること(土を掘る、家の基礎に関わることなど)は避けられがちです。
しかし、すべてがNGではありません。
間日について
2025年夏土用の間日
間日はそれぞれの季節の土用によって変わってきます。
夏土用は、卯・辰・申の日にあたります。
7/21、 22、 26 、31、 8/2、 3 、6
「間日」とは、土公神が留守にしている日とされ、
土用期間中でも「土を動かしてよい」とされる特別な日です。
家まわりの整備やガーデニング、掃除、片付け
模様替えや、場所のエネルギーを変える行動
これら間日を選ぶと安心して動きやすくなります。
2025年 夏の土用の丑の日
一の丑:7/19
二の丑:7/31
「丑(うし)の日」は、十二支の「丑」にあたる日のこと。
特に夏の土用期間中の「丑の日」は、暑さに負けないように滋養をつける日として、うなぎを食べる風習があります。
そのほかにも食べるといいものがあるので、丑の日にどうぞ。
「う」のつく食べ物(丑のうの字からうのつくもの)
うなぎ、瓜、梅干し、うどん、馬肉など
黒い食べ物(五行で冬の色は黒で夏の反対側なので)
うなぎ、黒鯛、ドジョウ、シジミ、ナス、黒豆、黒砂糖、黒ゴマなど
でも本来は、「体をいたわる日」として考えるのが本質。
食べるもの・休む時間・整える空間…
自分をねぎらうことすべてが養生になりますので日頃から以下のようなことを取り入れてみてくださいね。
体に優しい食事を心がける
胃腸を冷やさない
暑くても少し贅沢なお風呂タイム
「今日の私はよくがんばってる」って自分に声をかける
今月の月のリズム帖
3日(木)04:30天秤座上弦の月
11日(金)05:36山羊座満月
18日(金)09:37牡羊座下弦の月
13:44 獅子座水星逆行スタート(8/11まで)
25日(金)04:11 獅子座新月 アファメーションタイム 04:11〜12:11
他の惑星の運行状況
5日(土)に金星が双子座へ
同じく5日に海王星がステーション(留)からの逆行開始
7日(月)に天王星が双子座へ
13日(日)土星がステーションからの逆行開始
18日(金)水星がステーションからの逆行開始
月暦易
月卦:天山遯(てんざんとん)
運勢:40点 金運:45点
今月は、「一歩引くこと」が大きな意味を持つときです。
無理に前へ進もうとするよりも、心や体をいったん休ませて、
目の前の状況を静かに見直す時間を持つことが、
かえって次のチャンスを整えることにつながります。
「退く」ことは、あきらめではなく、選ぶという行動でもあります。
波の流れを読むように、タイミングを見極めるひと月に。
◎ 今月のおすすめ行動
・新しいことを始めるより、今あるものを見直す
・人間関係は観察と距離感を意識して
・心と身体の小さな違和感を見逃さず、無理をしない
願望・新しい計画: 今月は見送りが吉。焦らず、来月以降に備えて。
仕事・対人関係: 対立よりも和解へ。強く出るより「引く」が功を奏します。
事業運: 外に広げるよりも、内側の見直し・調整に専念を。
恋愛・結婚: 相手を見る目が試されるとき。慎重に。女性は特に用心深く。
家庭・住まい: 引越しは急がず、今の空間を整える方向で。
旅行・外出: 遠出は控えめに。留まることが運を育てます。
金運・投資: 大きな動きは避け、維持に努めるのが無難。
健康面: 見えない不調に注意。検査や早めのケアがおすすめ。
失せ物・待ち人: はっきりしない流れ。あえて探さず、いまに集中を。
天気・気配: 曇り空のような心模様。湿気と気圧に負けない過ごし方を。
今月は、押すよりも引くが効くとき。
流れを見極めながら、
「今、自分にとって何が必要か」を見つめる時間として、
この7月を穏やかに歩んでみてくださいね。
気の色で整える 7月の運気バランス
今月は「土」の気がじわじわと強まりやすいひと月です。
湿気・重だるさ・思考の停滞……
目には見えないけれど、身体の内側や心の奥に詰まりが出やすいタイミングでもあります。
とくに7月19日からは夏の土用も始まり、
「動きすぎず、整えること」にエネルギーを向けると、流れが落ち着きやすくなります。
今月の整えカラー
ベージュ・黄土色・淡いブラウン
土の気を穏やかに整え、思考や感情の流れをなめらかにしてくれます。
青緑・グレーがかった緑
湿気を逃し、心の湿度をクールダウンしてくれる色。
色は、気持ちを言葉より早く切り替えるやさしい合図です。
服、小物、食卓、寝具など、身の回りにひとつ添えるだけで、気の流れが変わります。
整えると良い日(「土」が特に強まりやすい日)
7月8日・12日・15日・20日・25日・28日
これらの日は、気圧や湿気、胃腸の疲れ、心の重たさが出やすいタイミング。
がんばるより「ゆるめる、ぬくめる」ことが、整えの近道です。
今月は、「うまく進む」よりも「詰まりを取る」ことを意識してみてくださいね。
あなたの中にある本来のリズムが、ゆっくりと戻ってきます。
おわりに
暑さが厳しくなるこの時期こそ、無理に勢いをつけて動こうとせず、ひとつひとつをゆったりと丁寧に進める時間が大切です。
にぎやかな空気や、周りのスピードに気持ちを急かされそうになったときこそ、自分自身の声に耳を澄ませてみてください。
大きなことを成し遂げるよりも、「好き」「やってみたい」と感じることを、小さくても形にしていくこと。
それが、この月の流れに沿った、運を育てる動きになります。
焦らず、比べず、自分のリズムで。
そんなひと月を過ごせますように。
ということで、焦らずにいきましょ。
暑いしね。
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