ウンとかスンとか mamatamの日記

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2018.05.17
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カテゴリ: 読書
ここ2-3年、長く愛読している大好きな作家の新作が出ていないかと検索しては空振りでしょんぼり。。。ということが多くなり、古なじみにこだわることはやめて、若い作家さんの中から気に入りを見つけましょうと自分に言い聞かせるようになっていました。

実はタイトルの「V.I.との再会」も、最近そんな風に感激の再会を果たしたというオハナシです。
V.I.とは、ご存じの方もいらっしゃるでしょうが、V.I.ウォーショースキー、女性作家サラ・パレツキーが生み出した女性私立探偵です。
ポーランド系の警官を父に、イタリア系ユダヤ人のオペラ歌手を母に持ち、シカゴのサウスサイドという、あまり評判のよろしくない地域で生まれ育って、奨学金を得て大学を卒業、法律の学位と弁護士資格を持ちながら、エリートの香り漂う法曹界に背を向けて、今は、シカゴで最も無謀かつ有能な私立探偵として暮らし、バスケットとオペラとシカゴカブスを熱愛するアラフィフ女性、それがV.I.ウォーショースキーです。
洋の東西を問わず探偵といえば男性だった時代は、前世紀とはいえ、年数で言えばそれほど昔のことではありませんでした。
もちろんミス・マープルを筆頭として、女性が探偵役を務める推理小説は存在しましたが、それはいわゆるコージーミステリ、家を中心に半径〇Kmという感じの狭い地域で起きた事件、それらは決してとても暴力的だったり血腥かったりはしないのがお約束で、そんな事件を、警官や職業探偵でない素人が探偵になって解決するという(それはそれでとても面白く、わたしも好きな作品がたくさんありますが)、ほとんどがそういう作品でした。
でも、サラ・パレツキーのこのシリーズでは、V.I.はライセンスを持った本職の探偵で、必要とあらば拳銃も携行し、暴力にも一歩も引かずに立ち向かい、時には顔や体に醜いあざを作り、命にかかわるようなケガで親しい人々を心配と恐怖のどん底に落としたことも、それが理由で恋人に別れを告げられたことも枚挙にいとまがありません。
それでも、彼女が生き方を変えることはない。。。そんなオトコマエな、ハードボイルドでカッコいい女性、それが、このV.I.ウォーショースキーです。

わたしの、彼女との出会いは、その数年後、たぶん1992-3年ごろだっただろうと思います。
1986年に生まれた息子が小学校に入学し、授業時間も長くなった頃です。
それまでは、歩き始めてから幼稚園に入園するまでは、一日中公園で彼を追いかけて走りまわっていましたし、入園後は、往復数十分の徒歩での送り迎えが週に6日ありましたから、新聞で活字中毒を紛らわすのが精いっぱい、時間的にも体力的にも、精神的にも本を読む余裕がなく、その読書からは6‐7年くらいも遠ざかっていました。
出会いの場は図書館でした。
その頃もうすでに6作目ぐらいまで翻訳されていたこの作品で、初めて出会った本格的な女探偵に魅了され、既刊の作品を次々と予約して、読んでいきました。
シリーズ第一作では、V.I.の年齢は30代の初めだったと思います。
読み始めたころアラフォーだったわたしには、彼女は同年代の女性と思えていたようです。
息子の入学で暇と単独行動のできる環境ができたわたしの行動半径は、それまでの「徒歩圏内数百メートル」から「電車利用十数キロメートル」にまで広がりましたけれど、相変わらず子育てと家事に追われ、興味も志向もまさにcozyそのものだったわたしには、その対極にいるV.I.が本当にかっこよく輝いて見えたのだと、あの頃なら絶対そんな事認めなかったでしょうが、今はそう思います。
そして、巻を追うごとにV.I.の人となりや現在の生活、過去の暮らし、生い立ちなどが明らかになって、V.I.は1作ごとに、ただ単にカッコよくハードボイルドな女探偵ではなく血の通った女性になっていきました。
そうして、既刊の数冊を読み終わる頃には、彼女はわたしにとって、尊敬する友人のような存在になっていました。
それからは年に1作ずつ、といっても12か月毎というわけではなく、時には前作から20か月もたってから発行される次の作品を待ち焦がれて、図書館に資料がアップされればすかさず予約をして読んでいました。

その頃は、ある作家の新作が読みたくて調べてみると、その方は老齢や病気のため亡くなられていたとか、Wikiで検索するとご存命のようだけれど著作リストはここ数年増えていないことがわかったとか、そんなことが何度もあった時期でもありました。
ナメクジ長屋の都築道夫さん、SF作家の光瀬龍さん、慶次郎縁側日記や深川澪通り木戸番小屋の北原亞衣子さん、香菜里屋シリーズや親不孝通りシリーズの北森鴻さん、シャンディ教授シリーズのシャーロット・マクラウド、名無しのオプのビル・プロンジーニ、マット・スカダーシリーズの・ローレンス・ブロック、中でもショックだったのは、V.I.ウォーショースキーとともに女性探偵の双璧であるキンジー・ミルホーン(アルファベットシリーズ)を生み出したスー・グラフトン、などなど、などなど。。。
長いこと大好きだったのに、もう新作には会えない、あるいは会えそうにない、作者たちです。
V.I.シリーズも、新作に巡り合うことなく2年を過ごしたころから、正直なところ、作者のサラ・パレツキーは、わたしの曖昧な記憶では、わたしより年上で、夫よりは年下だったはずだけれど、もしかしたら、もう新作を発表してはいないのかもしれないと思い始め、正直なところもうほぼ諦めかけていました。
ところが、先日、そんな彼女の近作と、それも2冊同時に、新刊書店でばったりと巡り合ったのです。

本当にびっくりしました。
このタイトルは確かに未読のはずと、何度も何度も奥付を開いては出版年度を確かめてしまいました。
「カウンターポイント」は2016年12月刊、「フォールアウト」は2017年12月発行、どちらもこの2年のうちの新刊ですから、間違いありません、未読です!!
嬉しさのあまり、文庫本にしては厚くて高価なその2冊をまとめて購入してしまいました。
ヴィクとの、3年ぶりの再会でした。
買ってすぐに読み始め、あっという間に2冊読了。
第18作と第19作の2作、第1作から26年たったV.I.ウォーショースキーは、でもまだ50歳。
わたしはちゃんと26年分年をとりましたので、V.Iよりだいぶ歳上になっていました。
相変わらずかっこいいV.I.ですが、生き方は相変わらず不器用で、それがなんだかとてもいとおしく感じられ、わたしって成長した?というか、老いた?と、つい自分に突っ込みを入れてしまったmamatamでした。
そして、70歳を過ぎたパレツキーさんは、まだまだ活きのいい女探偵を描いてくれそうな勢いが作品のそこかしこに漲っていて、わたしまで元気をもらった気分になりました。
カウンターポイントもフォールアウトも相当長大な作品ですが、そんな元気なおばちゃんが、女性を主人公にどんなハードボイルドを繰り広げてくれているのか、頑張っていつか皆さんにご紹介させていただきたいと思います。
いつか、きっと。





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最終更新日  2018.05.17 09:30:02
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