ウンとかスンとか mamatamの日記

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2019.12.15
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カテゴリ: 文楽
先週の金曜日のお出かけは実は文楽で、年に一度開催される文楽鑑賞教室でした。

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ここにもあるように伊達娘恋緋鹿子(だてむすめこいのひがのこ)火の見櫓の段と平家女護島(へいけにょごのしま)鬼界が島の段。
伊達娘恋緋鹿子は、有名な八百屋お七に題をとった作品で、火の見櫓の段は中でもクライマックスです。
火事のためお寺に避難したことから寺小姓の吉三郎と恋に落ちた八百屋の娘お七。
吉三郎は主君が盗まれた刀を100日のうちに取り戻さないと切腹しなくてはならない羽目に陥っています。
その刀を盗んだのは、お七の親に家の再建費用を貸していて、それをたてにお七との結婚を迫っている武兵衛です。使用人の盗み聞きからそれを知ったお七は武兵衛から刀を盗み、吉三郎のもとに届けようとしますが、町の木戸が閉まる刻限となり、行かれません。
お七は、火事を知らせる半鐘が鳴ると避難のために町木戸が開放されると思いつき、嘘で半鐘を鳴らしたものは捕らえられ、極刑に処せられることを知りながら、降りしきる雪の中、凍える手足を必死で動かし、滑る梯子を何とか上り切り、半鐘を打ち鳴らします。
(文楽のお七さんは、放火をしたのではなく、火事だと半鐘ならしただけということになっています。)

このあと、文楽の魅力の解説があり、平家女護島の上演です。
これは、平家物語、源平盛衰記などを基に近松門左衛門が書き下ろした作品で、鬼界が島の段は通称「俊寛」と呼ばれ、二段目の後半にあたる部分だそうです。
俊寛僧都たち3人は平清盛への謀叛を企てた罪では最果ての島、鬼界が島に流され、食べ物にも事欠く苦しい生活を送っていますが、そんな境遇の中、丹波少将成経は島の海女千鳥と恋仲になり、結婚しようとしていることを仲間に打ち明け、酒はないので水で杯を交わします。
そこに3人の恩赦を知らせる船がやってきて、大喜びで4人で赦免船に乗ろうとしますが、船に乗れるのは3人だけと言われてしまいます。
嘆きあう4人に上使の妹尾は俊寛の妻が清盛によって殺されたことを告げます。夢に見ていた妻との都での暮らしが叶わないと知った俊寛は、自分は残るので代わりに千鳥を船に乗せてくれるように妹尾に頼みます。
しかし妹尾に断られてしまい、俊寛は妹尾の刀を奪い取って切り殺します。そして自分は上使を殺した罪でこのまま島にとどまるので、千鳥を連れて行くようにともう一人の上使に頼み、船を見送ります。
けれども船が動き出すと俊寛はやはり強い望郷の想いに苛まれ、手を振り声の限りに船を呼び続けます。
のパンフレットの写真は最後のシーンで、船に向かって返せ戻せと手を振りながら叫び続ける俊寛の姿です。
俊寛って、野心家で強いけどズルくて食わせ物というイメージでしたが、この作品の俊寛は、強くて優しく温かい、とても人間味を感じる俊寛でした。
この日は、俊寛僧都を吉田玉男さんが遣っておられました。
なんだかとっても不思議なのですが、玉男さんは人形に、何か目につくような細かい動きや特別な仕草なんかをさせたりする方ではないのに、それなのに、玉男さんが遣うと、なぜかただの○○(役名)じゃなくて玉男さんの○○っていう印象がはっきり残るのです。

また、この日、桐竹勘十郎さんが遣っておられた海女千鳥にも、近松さんのたょっと特別な思い入れが見られたような気がしました。
千鳥は、文楽のヒロインらしく、初々しく可憐であると同時に、海女らしい気の強さも持った女性ですが、近松さんは、この千鳥さんの素朴な島の娘としての一面も描きたかったようで、それが千鳥が恋人成経から流人仲間?の俊寛と康頼に初めて紹介される場面に現れています。
床本を見ると、『。。。父様よ娘よ むぞうか 者と、りんによぎやつてくれめせ」というセリフがあるのですけど、最後の「りんに~~」は、可愛がってくださいという意味の島言葉だとパンフレットに注釈がありました。
鹿児島弁も島に行くとその島独特のなまりがあって、さらにわかりにくくなるそうで、わたしには
でも、その前の「むぞうか者」は特に注釈がなかったけれど、夫の郷里の霧島市でよく耳にしていた言葉で、「むぜ」、「むぞ」、「むぞか」、「むぞがっ」などいろんな言い方をしますが、鹿児島弁で可愛いっていう意味の言葉だと思いました。
近松さん、しっかり取材していらしたんだなあと感心する半面、これを見た当時(江戸時代)の大阪の人たちは意味が分かったのかしら?と首をかしげつつ、ちょっと笑ってしまいました。
そして、さすがに勘十郎さん。
そんな、ただ若くて綺麗なばかりではなくてちょっと訛っていたりもする、人間味のある「千鳥さん」を、わたしたちにしっかり見せてくださいました。





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最終更新日  2019.12.16 09:55:57
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