静かな時が流れる｢風の庭」

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2025.08.29

朝顔、朝顔だらけ。原田マハ作「たゆたえども沈まず」。

(8)

テーマ：読書(9647)

カテゴリ：本

コボレからの朝顔が、無数に、縦横に広がっていて、
綺麗といえば綺麗と言えるけれど、
何しろ暑くて、庭に出る時間は限られているから、
言い訳ですが、まったくの放任状態です。

まさに、縦に、横に、縦横無尽です。

原田マハ作「たゆたえども沈まず」を読み終わりました。
フランスはパリを舞台に、ゴッホと弟テオを軸に、
印象派の画家たちが、日本の浮世絵に惹かれ、また、
新し好きの富豪たちが、こぞって浮世絵を買う時代。
日本では、紙屑として使い捨てていました。
タダ同然で仕入れ、パリで高額で売る画商が、
もうひとつの軸になっています。

クロード・モネも浮世絵に衝撃を受けた一人として、
登場してきますが、思い出したことがあります。
2010年に、パリはジベルニーの「モネの庭」に、
旅行で行きましたが、庭が主役なんですが、
屋敷の中も見学出来て、写真撮影は禁止でしたが、
壁に、収集した沢山の浮世絵が飾ってありました。
どんなに、浮世絵に惹かれていたことか、
私のささやかな記憶と繋がり、嬉しい気持ち。

ゴッホは、ゴーギャンと同居中のアルル地方で、
カミソリで自分の耳を削ぐという、耳切り事件のあと、
精神科の医師の保護を受けながら、絵を描き続け、
亡くなりますが、経済的にも精神的にも、
兄を支え続けた弟のテオも、わずか半年後に、
やはり精神病院で亡くなります。
兄の絵の価値を信じ、兄の絵を世間に認めて欲しい、
その願いはテオの妻ヨーが引き継ぎます。

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