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2003年01月13日
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エリク(仮名)は、生後6か月の男の子です。ところが、身長や体重は、生後一、二か月の赤ちゃんほどしかありません。体重が大幅に不足しているのに、脚やおなかは膨れ、顔はむくんで丸くなっています。顔色は悪く、髪の毛はかさかさでつやがなく、皮膚には発疹ができています。エリクはとてもいらいらしているように見えます。医師がエリクの目を検査するときには、細心の注意が要ります。眼球の組織が傷つきやすいからです。エリクは知的な発達も阻害されているようです。残念ながら、この子の状況は、決して例外的なものではありません。

「世界の子どもの死の半分以上がその影響を受けており、その恐ろしさはペスト以来のどんな伝染病も及ばない。だがそれは伝染病ではない。その惨害は死を免れた人たちに及んで、無数の子供に障害を負わせ、病気に対する抵抗力を弱め、知的能力を損なっている。それは女性や家族、ひいては社会全体の生存を脅かしている」。―「世界子供白書」(英語)、国連児童基金。
 これは、どんな病気について述べているのだろうか。栄養不良、特にたんぱくエネルギー栄養障害(PEM)について述べたものである。世界保健機関(WHO)は、栄養不良を「静かな緊急事態」と呼んでいる。この悲劇は、どれほどの範囲に及んでいるだろうか。WHOによると、栄養不良は、「毎年死亡する1,040万人もの子どもの少なくとも半数の死にかかわって」いる。
 栄養は、さまざまな疾病にかかわっている。ビタミンやミネラルの欠乏など、一つないしそれ以上の栄養素の不足による栄養不足から、肥満や食事関連の他の慢性疾患に至るまで広範に及ぶ。しかし、「栄養不良の最も致命的な形態の一つ」はPEMである、とWHOは述べている。その主な犠牲となるのは、5歳未満の子どもたちである。
 冒頭で触れたエリクや、栄養不良に苦しむ大勢の子供たちについて、ちょっと考えてみてほしい。その状況を子どものせいにすることはできないし、子どもたちはそこから逃れることができない。ある小児専門の栄養士は「苦しんで犠牲となる側は最も責任がないのに、最も害を受けています」と、語っている。
 すべての人に十分な量の食料がある。いや、それ以上にあるのである。さらに、栄養不良は、最も容易に予防でき、最も安く治療できる疾患なのである。こうした事実を知ると憤りをさえ感じるのではないだろうか。
 栄養不良は子どもに限った問題ではない。2001年7月のWHOの報告によると、「栄養不良は長い影を投じ、発展途上世界の国民全体の20%に当たるほぼ8億人に影響を及ぼして」いる。これは、世界の8人に1人が栄養不良で苦しんでいる、ということである。
 栄養不足人口が最も多いのはアジア、それも特に南アジアや中央アジア一帯だが、栄養不足の人口比率が最も高いのはアフリカである。次は、ラテンアメリカとカリブ海の幾つかの発展途上国である。
 先進国は栄養不良とは無縁なのだろうか。いや、そうではないのである。「2001年世界の食糧不安定事情」(英語)によると、先進国にも栄養不良の人が1,100万人いる。さらに2,700万人の栄養不足の人が、特に東ヨーロッパや旧ソビエト連邦の共和国などの、いわゆる途上国と呼ばれる国々にいる。





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最終更新日  2003年01月14日 00時00分39秒
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