退院後の義父、季節的なこともあってかなかなか元気が出ず、看護師のIさんの訪問を週2回に増やしてもらいました。
明るく冷静なIさんに介助してもらうシャワー浴で義父も少しずつ自信をつけてきた頃。「今日は4人めのお風呂介助でしたけど、Kさんが一番お若いかな~」と言われました。
「若い」とか「元気」という言葉にはシッカリ反応する義父。少し嬉しそうでした。
「看取りの方がいらっしゃるので今日はこれで・・・」とその日は冷たい飲み物もそこそこにIさんは車に飛び乗って帰りました。
「看取り」という言葉がずっと気になったままでしたので次の訪問日にそれとなくIさんに様子を聞いてみました。
「100歳のおばあちゃんなんですけどね。昨日亡くなられました。でもね、寝込まれたのは1週間でしたし、最期もご自宅で本当に安らかだったんですよ。何よりご家族がどっしり構えておられて私達も心残りのない看取りができました」とIさんは淡々と話してくれました。
お仕事柄、守秘義務があるのは重々承知しています。それでも私は100歳のおばあちゃんのことがもう少し知りたくてIさんに尋ねてしまいました。
Iさんも慎重に言葉を選びながら話を続けてくれました。「大きな農家のおばあちゃんで、寝込むまでは家の手伝いをしたり身の回りのことをしたり。古い文化財のようなお家でしたからバリアフリーなんてひとつもなくて・・・。でもああやって体を動かしていたのがよかったのでしょうね。親戚の方たちも近所に沢山いらっしゃるので誰かしらおばあちゃんの側にいるようで・・・」
100歳のおばあちゃんの生き方とご家族の大らかな接し方を聞いたからでしょうか、人が亡くなったお話を聞いてこんなに静かな気持になったのは初めてだったかもしれません。
決してしゃべりすぎないIさんがこれだけ話されたのは、やはり高齢者がいる家族に伝えたいものがあったのでしょう。Iさんありがとう、いいお話をきくことができました。

最後になりましたが、100年をしっかりと生き抜いたおばあちゃんのご冥福を心よりお祈りいたします。
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