近くのアップルストア銀座(東京・中央)には700人が列を成し、ビックカメラ有楽町店(東京・千代田)はドコモ版で100人、KDDI(au)版とソフトバンクモバイル版で各70人の行列ができた。
同日午後。「iPhone5s、今なら在庫あります。すぐお持ち帰りいただけます!」。都内の複数の家電量販店では、行列が途切れた後もiPhone5sを完売できていない。店舗により在庫状況は異なるが、本体色が黒(スペースグレー)のモデルや記憶容量32ギガバイト(GB)のモデルで「在庫あり」が目立つ。
発売1週間前の13日から予約を受け付けている低価格モデルのiPhone5cは、大半の店舗で5色いずれも在庫が残っている状態だ。ツイッターやフェイスブックでも「行列覚悟で行ったらあっさり買えた」「出かけたついでに販売店に寄り道したら在庫があった」といった書き込みが相次いでいる。
これまでのiPhoneといえば、家電量販店では予約のみで初回出荷分に達し、入手までに数週間~数カ月かかるのが当たり前。どうしても初日に欲しい人は、わずかな可能性に懸けて当日販売のみのアップルストアに並ぶというものだった。発売初日に売れ残るのは異例だ。
しかも今回、上位機のiPhone5sは初回出荷数の少なさが事前に指摘されていた。米報道によると、iPhone5sの発売後3日間の推定出荷台数は250万台、5cは300万台。従来機の「iPhone5」は推定500万台。しかも今回からは、日米欧などに加え中国も同時発売されている。日本向けの限られた初回出荷分を奪い合う構図になるとみられていたが、予想は裏切られた。ここ2年ほど大幅な転出超が続くドコモにとって、iPhone参入は劣勢を跳ね返す大きなチャンスとなる。しかし同社自身、今回のiPhone5s/5cでは追い風の強さがどの程度か測りかねているようだ。
13日から行っていた同社のiPhone5c予約では、予定していた3万台が未達となっており、強気の意気込みを語るのがはばかられる状況とも考えられる。
2008年に国内で初めてiPhoneの取り扱いを始め、以来iPhone販売を成長の原動力としてきたソフトバンク。KDDIに続きドコモが参入し3社体制となった今、iPhoneさえ売りまくれば成長できた時代は過去のものになりつつあり、同社のiPhone依存度の高さは潜在的な経営リスクとなりうる。沈黙の中で孫社長は、ポストiPhone時代の戦略を熟考しているのかもしれない。
出典: http://www.nikkei.com/article/DGXBZO59960020Q3A920C1000000/?dg=1
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