「クルマと運転手の関係や、将来のモビリティー(移動手段)に革新をもたらす技術だ」
開幕に先立つ28日の報道陣への公開で、日産自動車のカルロス・ゴーン社長はこう語り、2020年代を想定したコンセプト車を紹介した。自動運転時はハンドルを計器パネル部分に収納。クルマがレーダーやカメラから周囲の状況を検知して事故を防ぎ、GPS(衛星利用測位システム)や地図情報を基に目的地に向かう。
さらに、人工知能で運転手の走り方を“学習”し、徐々に乗り心地も向上するという。ゴーン社長は「渋滞時は自動運転でリラックスしてメールを確認したり、テレビ会議に参加したりできる」と語る。
三菱自動車は20年の市販を目指すSUV(スポーツ用多目的車)のコンセプト車を公開。自動運転技術の進化を見込み、「降りた後にスマートフォンで指示すれば自動駐車する」(相川哲郎社長)。ホンダも自動運転時に車内ディスプレーで、周辺の観光情報などを表示するコンセプト車を出展した。
各社が開発を進めるのは、自動運転が事故防止や環境負荷の低減に役立つためだ。交通死亡事故の約9割を占める運転者のミスは自動運転でなくなり、渋滞も緩和できるとみられる。さらに、「高齢者や過疎地域の住民にとって公共交通機関に代わる自由な移動手段になる」(日本自動車工業会の池史彦会長)。
だが、自動運転は自動車業界に新たな課題も突きつける。第一に、ハッキング対策だ。クルマが通信技術でつながることで、ハッキングの可能性も高まる。米FCAUS(旧クライスラー)は7月、米国内でハッキング対策として140万台をリコール(回収・無償修理)すると発表した。ハッカーが同社の車載専用無線回線を乗っ取り、遠隔操作でエンジンを切ったりしたことがきっかけだった。
20年ごろに高速道で自動運転の実用化を目指すトヨタ自動車の友山茂樹専務役員は、「専用回線でアクセスを制限し、データを二重、三重に暗号化しているが、セキュリティーに完璧はないので日々改善する」と警戒する。
また、自動車業界の技術的優位性を崩す恐れもある。米IT大手、グーグルは通信技術などを武器に自動運転に参入を表明。無人運転も視野に開発しているとみられ、自動車メーカーの新たな脅威になる可能性もある。
出典: http://www.sankeibiz.jp/business/news/151030/bsa1510300500001-n1.htm
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