*モナミ* SMAP・映画・本

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2010.07.07
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『赤い指』


ごく普通のサラリーマン、前原昭夫の家族は、息子を溺愛する妻と、
15歳のひきこもりの息子と、痴呆症の母親の4人。

嫁姑の不仲は息子が生まれて以来ずっと続いており、昭夫の妹が、
母親の面倒を見に通っている。

問題だらけで、とっくに幸福とは言えなくなっていた家庭に、
ある日、さらに事件が起こる。

息子が見ず知らずの少女を、自宅のリビングで殺してしまったのだ。
息子の将来を守り、自分の身を守るために、両親は必死で知恵を絞る。

そして、恐ろしい計画を考えつく。

「この家には、隠されている真実がある。
それはこの家の中で、彼等自身によって明かされなければならない」

刑事・加賀恭一郎の謎めいた言葉の意味は?



なんとも悲しいお話。
最近の、亡くなったかも分からない老人、亡くなってるのにも関わらず、
家族が年金をもらっていた老人に比べたら、いいのか…?
いや、比べるもんでもないか。


母親は息子に対してやや過保護気味だけれど、ごくごく普通の家族。
そんな普通の家族を襲った、思いもよらない事件。

時折世間を騒がせる少年犯罪のニュースなんてものはまるで他人事、
まさか自分が、自分の息子が、こんなことに巻き込まれるなんて、
夢にも思ってもいない普通の家族が、もしその当事者となったら…。

息子を守りたいという親としての情動と、自分自身の保身というエゴが、
息子の罪を罪と認める気持ちと葛藤する。

隠し通せるわけでもないのに、息子の罪を隠そうとする。
そして思いついたのは…。


自分の親と、自分の子。
どちらも大切に違いないけれど、天秤にかけなければならないとすれば、
どちらを取るか…。

多分、どの親も、子を取るんじゃないかなぁ。
そして、その親は、そんな子を許すんじゃないかなぁ。


孫可愛さ、息子可愛さもあったと思う。
未来ある彼らの罪を、老い先短い自分が被ることができるのなら、
そうしたいと思うのが親心だろう。

だからと言って…。


私じゃないよ、私は見て知っているよ、と言うこともできたはず。
だけども、無言で訴え続けていたお祖母ちゃん。

そんなお祖母ちゃんの気持ちを、実の親を罪人にしようとしてまで、
自分を守ろうとした親の気持ちを、この息子も分かる日が来るのだろうか。


ミステリーとしての仕掛けもさることながら、
色んなことを考えさせられる一冊でした。



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最終更新日  2010.08.09 11:16:29


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