『無理』
合併でできた地方都市、「ゆめの」で暮らす5人。
相原友則―弱者を主張する身勝手な市民に嫌気がさしているケースワーカー。
久保史恵―東京の大学に進学し、この町を出ようと心に決めている高校2年生。
加藤裕也―暴走族上がりで詐欺まがいの商品を売りつけるセールスマン。
堀部妙子―スーパーの保安員をしながら新興宗教にすがる、孤独な48歳。
山本順一―もっと大きな仕事がしたいと、県議会に出る腹づもりの市議会議員。
出口のないこの社会で、彼らに未来は開けるのか。
どいつもこいつも、揃いも揃って馬鹿というか。
もうちょっと上手く人生運べないものか?と思うけれども、
これこそが、私たちと同じ小市民の、リアルな生活なのかもしれない。
登場人物の全員が、さえない自分がいるのは、この町のせいだと感じ。
この町に生活する自分以外の人々のせいで、自分の今の生活は、
こんなにもつまらないものだと、不満たらたらの人生を送っている。
高校を卒業し、この町さえ出れば、と思っていた女子高生。
4月になって県庁に転任さえすれば、と思っていた公務員。
もっと稼いで、もっといい生活さえできれば、と思っていたセールスマン。
そんな、何もかも人のせいにして生きていた普通の平凡な彼らの身に、
ちょっとした油断から、普通ではないことが起きる。
今まで以上に悲惨な状態に引き込まれまいとあがく彼らが、
とある事故で出会ってしまう。
それは、人生のリセットへの始まりなのか、崩壊への始まりなのか…?
うわーこんなの無理!と思いながらも、身近にいそうな人々(私含め)、
起こりそうな出来事に、理不尽ながらも魅了された一冊でした。
メイキング・オブ・マッドマックス 怒り… 2015.07.24
『家族の言い訳』 著:森浩美 2015.02.07
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