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カテゴリ: 茶会記
英国庭園英国庭園英国庭園



その中に、中国塔や日本茶室があります。

いや、本当の話。

この日本茶室「閑松庵」[Kanshoan]は、日本から寄贈されたもの。

鳥居茶室茶室

島のようになっていて、橋で渡ります。

通常はこの橋の所の門に鍵がかかっているため、中までは観られないのですが、
土日にお茶会があって、そのタイミングで開くと知り、行ってきました。

-----
こういう時、本当に、お茶をやっていて良かった、と思います。


「お茶会」というだけで、しり込みしてたでしょうから。

=====
さて、こういうこともあろうかと、今回のドイツ旅行には
和服を持ってきています。

しかし、さすがに街の中を和服で歩くのは気が引けます。
(フライブルクの時は、上にコートを羽織っていましたから…。)

場所をお借りして着替えようかと思ったのですが、
前の回をやっている間は、門が閉まっていて、中に入れない。

-----
ふむ。
立ったまま着替えますか。


上を脱ぐ必要はないですし。

着物を羽織って帯を結び、少々帯を上げて、ジーンズを脱ぎます。
足袋靴下を履いて着替完了。

5分程度ですかね…。早くなったものです。
結構動いても、帯が解けることはなくなりましたし。


前の組と入替えで、いよいよ入場です。
和服姿のドイツ人のおじさんが、入場料を徴収。

「おお、日本人だ」みたいな目で見られてるなぁ…。

いや、まぁ、その、他のお客様にも、既に興味津々な視線を注がれているのですが。

お客様は、全部で15-20人くらいでしょうか。
ちなみに日本人は私だけ。

=====
中に入ってびっくり。
造りが大変面白い。

茶室内

和室が舞台のようにしつらえられていて、お客は椅子席に座って、
和室を見られるようになっています。

-----
先程のおじさんから、お茶とは何か、という説明が(ドイツ語で)あり、
ティーセレモニーが始まります。

おじさんが、改めて「舞台上」にお正客として登場。
掛軸・お花の拝見をして席に着きます。

亭主が登場して、お正客にお菓子を渡し、水差を運ぶところからお点前の始まり。
日本人の女性の方ですね。

あ。袱紗捌きとか微妙に違う。

-----
ちなみに、ここは、裏千家の方が、お点前をなされています。
私は、表千家の流れを引く、江戸千家。

流派によって、「こういう風にした方が見た目良くない?」という感じで
細かい動作や、声をかけるタイミングに違いがあったりするのです。

とは言え、基本的には、
お茶は服のよきように 」(by 千利休
なので、お点前がどう違おうと、美味しく点てられれば良いんですけどね。

-----
今日の掛軸は「 昨夜一※雁

…えっと、いや、その、読めません。てか「夜」すら危ない。
「さくや、いっきんのかり」と聞こえましたが、うーむ?
雁の数え方って?

いずれにせよ、秋だねぇ、ということです(苦笑)。

=====
しかし、黙々と「セレモニー」が続くのは、他のお客様は飽きないかしら?

どうせ「舞台」になっているなら、無粋を承知で、客席の所で、
「解説付き実況中継」をしても面白いし、分かりやすいと思うのですけど。


「床の間には、掛軸と花があり、掛け軸から…」
「お茶を飲む時は、正面を外すように、お茶碗を回します…」


とか、後で説明がありましたけど、やっている時に説明した方が合理的だと思うなぁ。

-----
いや、ただでさえ、人手が少なくて大変そうでしたから、
難しいのは分かっているのですけど。

うーん。
ミュンヘンにずっといるなら、そういうのボランティアでやっても良いんだけどなぁ。
てか、むしろやりたいんだけどなぁ。

ミュンヘンにはずっといられないのがつらい。
ベルリンか他の街で、そういうのが出来れば面白いのですけど…。

=====
「セレモニー」が終わって、客席にお菓子とお茶が運ばれます。

あはは。こんにちは。
頂戴いたします。

お茶菓子お抹茶

(お菓子は、ちょっと端を割ってからの写真になってしまいましたけど。)

はぁ。
お抹茶を頂くのも久しぶり。
いやはや、甘くて美味しい。

=====
お茶を頂きながらの質問タイム。

おわ。皆さん、めちゃくちゃ熱心なのですが…。

茶碗を回す意味を教えて欲しい。
掛軸はどのような意味をもって掲げられているのか?
挨拶の時に扇子を置くのはどういう意味か?
何故、靴下の先は割れているのか?
 :
 :

えっとですね、お客様方。

私の方を見られても、私はどうこう言っても初心者ですし、
何よりドイツ語が不自由なんですってば。
(上の質問は、やり取りからの類推。)

-----
私の前に座っていたカップルは、 超パンク な格好(男の子なんて、
耳と鼻がピアスでつながっているんですよ!)で、ちょっと怖かったのですが、
えらく熱心に「セレモニー」に見入っていて、真剣に質問をしていました。

超パンクな若者の熱心な質問に、和服姿のドイツ人が真面目に答える。

何て言うか、シュールな絵柄ではあります。

=====
終わってから、水屋へ御挨拶にお邪魔させて頂きました。
日本人女性の方がお二人と、先程のドイツ人男性。

本日最後の組への説明の裏で、いろいろとお話をお伺いし、
ちょこっと、陰点てなどお手伝い。

ドイツには靴を脱ぐ習慣がないので、お稽古の際に、そこから教えたという話や、
最初の頃は道具もなく大変だった話など、いやはや、計り知れない苦労があるものです。

今は、多い時には一回に20-30人来ることもある、とのこと。

日本の文化紹介を支えているのは、「国」ではなく、
こういう地道な活動なのだなぁ、と思います。

=====
「旅行者」として、ここに立ち寄る機会は、あまりないかもしれません。

でも、こういう素敵な空間があって、素敵な方々が活動されている。
日本の文化に興味を持って、学んでいるドイツの人たちがいる。

このことは、是非ともお伝えしたいと思うのです。

=====
@英国庭園内 日本茶室 「閑松庵」

http://www.schloesser.bayern.de/deutsch/garten/objekte/mu_engl.htm
http://www.urasenke.de/Muenchen/kanshoan.html





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Last updated  November 10, 2006 03:58:51 AM
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RonaldBus@ Transforming your landscape with gorgeous blue stone slabs. Understanding the Benefits of Choosing …
mrtk@jp @ Re[1]:本と共に~「ぼくらはそれでも肉を食う」(06/19) >そらねこさん コメントありがとうござ…
そらねこ@ Re:本と共に~「ぼくらはそれでも肉を食う」(06/19) はじめまして。本の題名につられてお邪魔…
浅葱斑@ 心のハレっていいですよね? こんにちは。 誕生日の暦から今の自分、未…
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