アメリカからイギリスへ空輸中のスペース・シャトル“ムーンレイカー”が、アラスカ上空で突如何者かにハイジャックされた。捜査を委任された英国情報部は、 007
ジェームズ・ボンド(ロジャー・ムーア)を任務に当てた。早速、上司M(バーナード・リー)から事件の背後に浮かぶ謎の大物について聞かされ、彼は現地に飛んだ。
その人物とは、独自の力で米国西部に宇宙センターを築き、NASA(米航空宇宙局)に協力して“ムーンレイカー”を開発、製造してきた謎の科学者ドラックス(ミシェル・ロンダール)だ。
出迎えの女秘書コリンヌ(コリンヌ・クレリー)の操縦するヘリで降り立ったボンドの前に、不気味なカリスマ的ムードのドラックスが姿を現わした。センター内を案内されたボンドは、そこでNASAの協力員として研究に従事する女性科学者ホリー(ロイス・チャイルズ)と会った。
その夜、ボンドは色仕掛けでコリンヌに迫り、ドラックスの書斎に侵入し、事件のカギとみられるマイクロ・フィルム撮影に成功した。しかし、手をかしたコリンヌは翌日猛犬のエジキにされた。
フィルムに写っていたガラス店をたよりにベニスに飛んだボンドは、そこでドラックスの指命を受けた殺し屋たちに襲われ、猛烈なカー・チェイスを展開する。敵を倒すと、昼間目をつけておいたガラス店奥の秘密ラボに潜り、そこで貴重と思われる薬品のサンプルを手にした彼は、ドラックスの部下チャン(トシロー・スガ)の攻撃をかわし、同じくベニスに来ていたホリーの宿泊先へと押しかけた。ボンドは、そこで彼女がCIAのスパイであることを見破った。
翌日、ロンドンから急行したMらの立ち合いのもとで、秘密ラボの現場検証が行なわれるが、それはドラックスらの陰謀により、跡形もなくなっていた。残る手がかりは、ガラス店にあったリオからの貨物便だ。現地に向かったボンドは、ドラックス産業系列の輸出入会社C&Wの慌しい動きを監視するが、その頃彼と同じ行動をホリーもとっていた。
互いに牽制しながらも行動を共にしていた 2
人は、シュガーロー山をケーブルで下山している途中、チャンの亡き後に雇われたジョーズ(リチャード・キール)に襲われ、ホリーが敵に捕えられてしまう。
リオの情報部出先に出頭したボンドは、Mから謎の毒ガスが、アマゾン上流で採れる黒蘭から抽出した特殊神経ガスであることを知らされた。秘境に向かったボンドを、またもやジョーズが襲った。
危機を脱したボンドの前に、一人の美女が現われ、彼を巨大な古代遺跡群に案内した。その地下にあるとてつもなく広がる宇宙基地こそ、敵の牙城だった。彼らは動植物を除いて地球人類を抹殺し、選ばれた新人類による帝国を築こうとしていた。
ボンドとホリーを閉じこめ毒ガスカプセルを積んだムーンレイカーがドラックスと新人類を乗せて飛び立った。そして辛くも脱出に成功したボンドとホリーも 6
号機を奪い、宇宙へ飛び立った。
巨大な宇宙ステーションにドッキングした 2
人は、スキを見てステーションの位置をNASAに知らせた。しかし、それに気がついたドラックスはすかさず地球へ向けて毒ガス・カプセルを投下した。
再び捕われの身になった 2
人は、ドラックスの新人類計画の盲点を衝いてドラックスとジョーズの引き離しに成功。その時、ボンドら救出のために駆けつけたコマンド部隊がドラックスの配下たちと戦闘を展開した。
ボンドはドラックスを追いつめ、彼を宇宙の永遠の塵に変えてしまう。そして爆発寸前のステーションから無傷のムーンレイカーにホリーともども乗り移り、投下された毒ガスの追跡を開始した。そして、すべてを壊滅させ、人類絶滅の危機から救うのだった。
(KINENOTE)
『 007/ ムーンレイカー 』(原題 : Moonraker )は、 ルイス・ギルバート 監督の 1979 年 の スパイ / アクション映画 。「 ジェームズ・ボンド 」シリーズの 第 11 作目 。イアン・フレミングの 同名の小説 を原作とする。
『
スター・ウォーズ
』( 1977
年)の成功がもたらした 世界的な SF
映画ブーム
の中で製作され、「遂にボンドが宇宙へ進出した作品」として注目された。
そのため、 ボンドの数多い冒険の中でも最も荒唐無稽なもの
となった。
また、物語の舞台もカリフォルニア、ベニス、リオ、アマゾン、宇宙とめまぐるしく変わり、全編通して非常にスピーディーな展開となっている。
本作は 1979
年の映画の世界興行成績において、 2
億 1030
万ドルとシリーズ最高額を更新し
[9]
、『
ダイヤモンドは永遠に
』以来 4
作、 8
年ぶりに第 1
位
[10]
[11]
に返り咲いた。日本では 1980
年度の外国映画の配給収入で、『
スター・ウォーズ/
帝国の逆襲
』に次ぐ第 2
位
[12]
[13]
全体配給収入は 4
位。
(ウィキ)
宇宙に飛び出した007、ぶっ飛んだストーリーでどうかと思いましたが、結構楽しめました。
カリフォルニアと言っても、舞台はベルサイユ宮殿のような豪邸、アマゾンのシーンではイグアスの滝や中米の遺跡が登場です。
この映画ですごいと思ったのは、冒頭のこのシーンです。
どうやって撮ったの?と思ってしまいます。
オープニングクレジット前のボンドがパラシュート無しで飛行機から突き落とされ、敵のパラシュートを奪い、ジョーズから逃げるシーンは CG はおろか VFX すら使用しておらず、全て実写で撮影。
パラシュート降下にかけては世界一とされる名人を収集した製作チームは、どうやってパラシュートを隠すか、 35 ミリカメラをヘルメットの上に取り付けてパラシュートが開いたときにカメラマンが怪我をしないためにどうするかという二つの問題を解決した。
ウィルソンとジョン・グレンはカリフォルニアに飛び、超軽量チタニウムカメラの本体と実験段階のプラスチック製パナビジョン・レンズで撮影。完成したシーンはシリーズ屈指の完成度を誇る名シーンの一つとして高く評価された。
(ウィキ)
ベネチアのゴンドラが、ホバークラフトに変身というのは、笑ってしまいました。
こういうお遊びはいいですね。
観ていて残念だったのは、ひとり目の殺し屋 チャン
です。
黄色い帯の着物姿、日本人なのに名前はチャン、防具をつけて真剣ではなくて竹刀で襲うといった具合で
何ともへんてこなキャラクターです。
菅敏郎
という役者だそうです。
参考:
ムーンレイカー (moonrakers) とは、 イギリス の ウィルトシャー州 の人、または馬鹿者・阿呆者を表す 英語 の古典的 隠語 である。
ムーン (moon)
は「 月
」、レイク (rake)
は「 熊手
」を意味し、直訳すると「ムーンレイカー」とは「熊手を使って月を集める人」となる。
元になった伝承:
ある満月が煌々と照る晩、ある村の外れを 密輸品 業者たちが夜道を急いでいた。彼らは高価な品物を 樽 の中に隠し、これを ロバ に積んで運んでいた。
しかし、ある池のほとりでロバが急停止し、その拍子に樽が外れて池に落ちてしまった。男達は辺りにあった熊手で何とかこの樽を岸まで引き寄せようと悪戦苦闘するが、運悪くその最中、村の 税務署 の役人がそこを通りかかった。
男たちは池の中から何かをすくい上げようとしているようだが、暗がりの中で池の中に見えるのは水面に映った満月だけ。役人が不審に思って事情を尋ねると、男の 1 人が「そこにでっけえチーズが浮いてますでしょう、あれをなんとか取れないもんかと思いやしてねえ」と機転を利かせた。すると、役人は大笑いしてその場を立ち去った。
役人は馬鹿なムーンレイカー達の笑い話をことあるごとに友人達に話して回った。しかし、本当に最後に笑ったのは密輸業者達だった。
(ウィキ)
荒唐無稽なストーリーでお金を稼いで最後に笑ったのは、制作者の アルバート・R・ブロッコリ
ということになるでしょうか。
*
アルバート・ R
・ブロッコリの伯父であるパスクァーレ・デ・チッコは、食用
野菜
として世界的に広く食されている
ブロッコリ
を
リトアニア
からアメリカへ持ち込み広めた人物である。
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