*Muku* Blog
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屋敷の隠し部屋に閉じこもった鑑定依頼の女。 彼女に心を奪われる天才オークショニア。 二人の心が近付いたとき、女は姿を消してしまう。 本物なら歴史的発見となる美術品を残して---。 監督・脚本 ジュゼッペ・トルナトーレ 主な登場人物ヴァージル・オールドマン 西洋古美術鑑定士、オークショニアクレア・イベットソン 屋敷を引き継いだ謎の女性ロバート・ラルキン 修理工の青年、オールドマンの友人ビリー・ホイッスラー 画家、オールドマンの秘密の協力者フレッド イベットソン家の門番 贋作には「製作者の自己顕示の痕跡」が残されているという持論から、その僅かに残されたサインを見つけ出し、本物か偽者かを見抜いていく天才鑑定士ヴァージル・オールドマン。「どんな贋作にも必ずどこか真実が秘められている」。なぜなら「他人の作品を写しながら、贋作者はその内に自分自身の何かを投入するという誘惑に抵抗できないからだ。しばしばそれは誰の興味も引かない無意味な細部、些細な一筆にすぎない。けれどもそこに贋作者は、まさにおのれの真実の表現を、うっかりと漏らしてしまうのだ」。幼い頃に両親を亡くし孤児院で育つ。孤児院の片隅にある修理工場で働き、美術品、絵画、古い家具や機械のことを知る。二十世紀初頭の無名画家の作とされていた「森の廃墟」、誰もが一顧だにしなかった凡庸な筆さばきの下に、マザッチョの作品を見いだして名声を博す。ヴァージルの私生活は謎に包まれていた。ドアやインターフォンのボタンに素手で触れることはなく一年中手袋をはめ、晩餐もいつもひとりで自分好みの高級レストランを選び、専用の皿、グラス、ナイフ、フォーク、ナプキンで食事をする。握手など他人の皮膚に直接触れることを厭い、食事中も手袋をはずさない。人生に女の影もなく、自ら孤独を選び人を遠ざけていた。彼にはカリスマ的鑑定士として名声の裏にもうひとつの顔があった。どうしても手に入れたい絵画がオークションに出品されると馴染みの友人のビリーに競りに参加させ落札させる。それを落札額に上積みした金額で返還させ自分のものにしていた。手に入れた絵画は全て、百双以上の手袋を収納する壁裏の秘密部屋に隠していた。そして、それは奇妙なことに全て女性の肖像であり際立った共通点を持っていた。女性たちの眼差しは光軸の中心を向いており、どの方向から眺めても目が合うという芸術品だった。ヴァージル・オールドマンはゆったりと椅子に座り、大勢の美女たちを独占していた。 ヴァージルが63歳を迎える日に端を発し、ドラマは壮絶なミステリーとしての歯車を回転させ始める。クレア・イベットソンと名乗る女性からの電話は、資産家の両親が亡くなったので屋敷に遺された絵画や家具を査定してほしいという内容だった。門番によると彼女の年は27歳で屋敷の中の隠し部屋に暮らし、15歳から外に出ていないという。他人がいる場所にいられない”広場恐怖症”という奇妙な病気を患っている。査定する期間、ヴァージルに全く姿を現さない依頼人は、情緒不安定な言動を繰り返し、彼を混乱させる。屋敷の中には、大量の絵画、さまざまな彫刻、いくつかの調度品、価値のありそうなものは特になかったが、足元に転がっていた少し錆びた小さな機械装置にヴァージルは興味を持つ。それには、十八世紀の名高いオートマタ(自動機械人形制作者)ジャック・ド・ヴォーカンソンの印字があり価値ある当時のオートマタの部品だった。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%B3ヴァージルは、孤独なクレアに惹かれて行く一方で鑑定士としての好奇心にも火がつく。 「愛も完璧に偽れる」 詐欺グループによって仕掛けられる巧妙な罠。 美術品は見抜けても女性の愛、その真贋を見抜くことはできるのか。忽然と愛するクレアは消え全てのコレクションを強奪される。残されたものはビリーが描いたクレアの肖像画一枚とロバートによって完全に修復されたヴァーカンソンの自動人形だった。ヴァージルは精神を錯乱させる。 何もかも失ったヴァージルはプラハに移り住む。そして中心街にあるというレストラン、ナイト・アンド・デイを探し歩く。古い歯車装置で覆い尽くされた風変わりなそのレストランは確かにあった。クレアが話してくれた店だった。手袋もはめず、身なりにもかまわずヴァージルは入り口がよく見えるテーブルに付き、もう1人来ますとウエイターに告げる。「どんな贋作にも必ずどこか真実が秘められている」 ヴァージルはナイト・アンド・デイで、消えてしまったクレアをひとり待つ・・・・・。 窓辺の椅子にちょこんと座り、向かいのカフェから屋敷を見ている小人の女性。屋敷のオーナー。本物のクレア・イベットソン。全ての数字を記憶できる彼女の存在感も、真実を喋る自動人形。18世紀のオートマタ製作者ピエール・ジャケ・ドローの動くお人形「ライター」や「ドロワー」を連想させるような演出でとてもミステリアスだった。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%B1%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%AD%E3%83%BC
2014.03.14