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2023.05.23
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カテゴリ: 報徳記を読む
報徳記  巻之二

【6】物井村無頼の農夫を導き善に帰せしむ(2)

 是(こゝ)に於て先生の前に出でたり。
怒氣益(ますます)盛にして曰く、
某(それがし)の便所貴君の僕(ぼく)に破られたり。
農夫便所なくして一日も農業のなるべきか、無道の者をして邑(いふ)民の便所を亂暴(らんぼう)せしめること何の謂れある。
我に彼(か)のものを渡さるべし。
十分に此の憤りを散ぜんと云ふ。

先生從容として問ひて曰く、
汝の便所を破れるは僕(ぼく)の不届なり、
然れども彼何ぞ意有て之を破らんや。
將(まさ)に倒れんとするの便所なるが故に過(あやま)りて倒せしならん。
便所而己(のみ)此(こ)の如くなるには有まじ。
本屋(ほんや)も定めて破損有べし、如何(いか)ん。


某(ぼう)曰く、
元來貧困なるを以て本屋(ほんや)も甚だ大破なれども之を修復するを得ず。
斯(かく)の如き貧人便所を破られたれば、憤恨に堪へずと。

先生曰く、
我が僕(ぼく)、汝の便所を破れり、速に之を普請し與(あた)へん。
其(そ)の序(ついで)を以て家屋をも新(あらた)に作り與(あた)ふべし如何(いかん)。



君(きみ)不肖の某(それがし)を憐み、新に家作(かさく)を給(たま)はらんと、何の幸(さいはひ)か之に過ぎん。

先生曰く、
汝家に帰り、大破の家を除き、地形(ちぎやう)の手配(てくばり)を爲すべし。
我速に工(こう)に命じて家作を與へん。
然らば僕(ぼく)に恨はなかるべし


某(ぼう)大いに慚愧(ざんき)して家に歸れり。
是より先生自ら其の所に臨みて指揮し、大木良材を以て長(ながさ)八間(けん)横三間(げん)の新家(しんか)を作り、外に小屋便所何れも作爲(さくゐ)し、之を與(あた)へたり。
某(ぼう)大いに悦び、前非を悔ゆること骨髄に徹し、其の恩を感ずること甚だ深し。
一生の間、人々に此の事を語りて涕(なみだ)を流せり。
自ら大酒を戒め、博奕(ばくえき)を止め、農業に力を盡し、數年の窮乏を免(まぬが)れ、富優(ふゆう)の良民と化せり。
三邑(いふ)之を聞き、之を見て大いに感じ、先生の寛仁なることを唱(とな)え、汚風一變(ぺん)し、勸農の道行われたり。
先生の其の人物に應(おう)じ恩澤(おんたく)を布(し)き、善に導くこと、往々此(こ)の如しと云ふ。

尊徳先生は。その無頼の農夫を陣屋に呼び入れた。
農夫は先生の僕(しもべ)に便所を壊され、6尺棒で打って懲らしめてやろうと大変な剣幕だった。
「それがしの便所をあなた様の僕に破られた。
 農夫が便所なくして農業が一日もできようか。
 あの者を私に渡されたい。懲らしめてくれよう。」

先生は静かにその農夫に問われた。
「なんじの便所を壊したには、私の僕の不届きである。
 しかしかの者がどうして故意に壊そうとしようか。
 まさに倒れようとするような便所だから誤って倒してしまったのだ。


「もともと貧乏で、本屋も大破しておりますが、修理することができません。
 このような貧乏人の便所を壊したから、怒りに堪えられないのです。」

すると先生はこうおっしゃった。
「私の僕がなんじの便所を壊したのだから、すぐにこれを新しく作り直して与えよう。
 そのついでに家屋も新たに作って与えようと思うが、どうか。」

その者は大変驚いて、怒りはたちまちに消えて、頭を地べたにつけて言った。
「あなた様はこんなそれがしを憐れんで、新しく家を作ってあげようといわれる。こんな幸せなことはありません。」

「なんじは家に帰って、大破の家を除いて家を建てる準備をせよ。
 私はすぐに大工に命じて家を作って与えよう。
 そうであれば僕に怨みはあるまい。
 僕が便所を壊したお陰でこの幸せを得たのだ。

と尊徳先生は笑われた。
そして先生自らその農夫の家に赴き、大木良材で新しい家を作って、外には小屋と便所も作ってこれを農夫に与えた。

農夫も前非を悔いること骨髄に徹して、先生の恩に感ずることが深かった。
その後酒を戒め、バクチを止め、農業に力を尽くし、それまでの窮乏を逃れ、富裕の良民となった。
尊徳先生のその人となりに応じて、人の心の田を開拓されることこのようであった。


現代文にして読んでわかるようにして、と依頼があった。

やってみると系図のところなど ややこしい。

「報徳の師父」シリーズ の続編 ともなろうか?

鷲山恭平著

報徳開拓者 安居院義道 

          大日本報徳社

序  文
 私の友人の話では、農業経営上の進んだ事例を研究するときには、必ず静岡県の農業が問題になるということである。つまりそういう学者の目から見れば、静岡県の農業は全国農業の最先端を進んで来たというわけになる。
 「どうして静岡県の農業がこんな具合に発展して来たか」を考察することは、日本農業の発展の言動力は何かというより大きな課題の解決のためのカギを与える重要な問題である。
 これについて従来は静岡県特有の報徳社運動との関連が考えられ、静岡県農業発展のかげに報徳運動ありと考えられていたと思う。しかしこれには二つの疑問が残されている。一つには静岡県の報徳運動がいかにして起こったか、また起こっただけでなく百年後の今日までなぜに存続されているのかという問題である。他の一つは静岡県農業の最重要部門である茶業の発展の問題である。茶業発展の基礎は何といっても牧の原大茶園の開墾であって、それの着手は遠州報徳運動と無関係に見えるのである。
 本書の著者鷲山氏がこの問題を眼中に置かれたか否か私は知らない。しかし氏の五十余年の研究と雄大な人格から流れ出る自ずからなる科学的筆力はこの大問題に痛快な解答を与えられたと私は深く信じる。
 それだけでなくて平々凡々と前半生を終えた一戸の人間が二宮尊徳という偉大な人格にふれ、この「大死一番の発心」がいかに偉大な業績をなし得るものであるか。またそれがいかに永続的な影響を後世に与えるものであるかを、読むものをして悟らしめなければやまないであろう。
 しかし以上のような学問上の意味や、農業発展への功績等の世俗半世俗的な人間の仕事についての論述であるだけならば、八十を超えられた鷲山氏が文字通りの心血をそそいでこの著述に没頭されるはずがない。このことは本書を手にされるほどの読者ならば私以上にそれを感得されるに違いない。そして、安居院先生と共に一個の人間であることの「このましさを」また偶然と必然の錯行する人生の深みと、真の日本社会史の妙味をつくづくと味われるであろう。
   昭和二十八年十二月二月八日
          神 谷 慶 治

安居院義道

   目  次
 題字      河合弥八
 序       神谷慶治
 はしがき    鷲山恭平
一 家系と生い立ち     ・・・・・・ 1
二 安居院家をつぎ商人となる・・・・・・ 5
三 野州に報徳を聞いて大転換・・・・  12
四 信心作兵衛を訪ね万人講へ・・・・  12
五 万人講から報徳の開拓へ
六 遠州報徳連代表七人日光に大先生
を尋ねる
七 先生の指導型と石田村の仕法
八 駿河遠州を家とし足跡点々
九 その人柄と才芸、逸話の数々
十 先生の臨終、葬儀とその遺物
十一 没後の余韻
十二 浅田勇次郎氏伝
十三 先生の残された著作物等々
  〇莫妄想
  〇人間算当勘定
  〇報徳作大益細伝記
  〇算法地方大成金
  〇万作徳用鏡


💛アントニオ猪木さんと『ツキを呼ぶ魔法の言葉』
小冊子「ツキを呼ぶ魔法の言葉」[30冊未満] - とやの健康ヴィレッジ 本店 公式サイト

元日本ライト級チャンピオン嶋田雄大(たけひろ)さんが「アントニオ猪木さんが私に『魔法の言葉』の話を始めたんですよ・・・」と話したという。

猪木さんは、その時、「 感謝する気持ちを持つと大きな力が発揮できる 」ということを伝えたくて「魔法の言葉」の話をしたのだという。

「ツキを呼ぶ魔法の言葉」の小冊子は130万部以上売れているが、猪木さんはそれが冊子として発行される前から五日市さんの講演のコピーをもらっていて知っていて、面白くて何回も読んだのだという。

猪木さんはすぐ実行した。するとこれがなかなか心地よい。心にも体にも全然悪くない。

猪木さんは本当に親しいそして嘱望している人にだけ『魔法の言葉』の話をしたのである。





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最終更新日  2023.05.23 00:00:18


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