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2023.07.29
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カテゴリ: マザーとマハトマ
アンセルモ・マタイス - 株式会社 主婦の友社 主婦の友社の本


「マザー・テレサ 愛のこころ最後の祈り」より

「しばらく前から、私たちはガテマラにシスターたちの小さな共同体を持っています。
わたしたちがそこへ行ったのは、かなりの被害をもたらした、1972年のあの地震が続いているときでした。
 ガテマラのシシターたちは、どこでもするように、愛し、奉仕するためにやってきたのです。
彼女たちは、私にあるすばらしい話をしてくれました。
街路から助けられて、わたしたちのホームの一つに運ばれたとても哀れな人についての話です。
彼は重い病気で、障害者でもあり、おなかをすかせて、自分の力でどうすることもできませんでした。
それでも、助けを受けて、なんとかまた元気になりました。
彼はシスターにこう話しました。

わたしがここへ来たときに受けた助けと同じだけの助けが必要な、ほかのだれかのためにね」

 現在彼は、仕事を持っています。
たいした稼ぎがあるとは思いませんが、とにかく働いてはいるのです。
わずかなお金を得るたびに、ホームにいる障害を持った人たちのことを思い出して、会いにやってきます。
彼はいつも彼らのために何かを持ってきます。
たとえ、ほんのわずかでも、いつも何かを持ってくるのです。

 このような気持ちこそ、貧しい人たちからの大きな贈り物です。
すなわち、彼らが持っている、愛そのものなのです。」

☆なにか貧者の一灯を思い出させるエピソードだ。貧しい人がなけなしのものを捧げるとき、それは豊かな者が余裕があるなかから差し出すものよりも心がこもっていて尊い、愛そのものの深さが違うということか。ああ。

先日、小田原の飯泉観音に参った帰り道に「復活書房」という大きな古本屋さんがあった。日野原さんのCD付きの本にも心ひかれたが、結局、神渡良平さんの「生き方のヒント」を一冊だけ買った。
パラパラめくっていたら、マザー・テレサにかかわる話が載っていた。


「森泉由美子さんは、マザーテレサが亡くなってから2年後の1999年の夏休み1ヶ月、インド・カルカッタのマザー・テレサの宣教会でボランティアをして過ごした。
ボランティアを志していったものの、「死を待つ家」で汚物にまみれた衣服やシャツを洗い、ベッドや床を掃除し、食事や排泄の介護をするのは並大抵のことではない。
手洗いの最中、衣類から汚物が出てきたり、患者の崩れ落ちた皮膚やがりがりに痩せた体を見ると、耐え切れずに逃げ出したくなった。
 言葉も分らず、患者から要求されていることも理解できず途方に暮れる毎日が続いた。
 そんな不安の中でのボランティアだったが、不思議と森泉さん自身が癒されていた。

(外に出たいのだろうか、大切な家族に会いたいのだろうか)
そう思うと会いたい人に会えない切なさに涙があふれてきた。
するとその女性は、手で森泉さんの涙を拭ってくれて抱きしめてくれた。
この出来事でそれまで言葉に頼っていた、相手の気持ちを分ろうとする気持ちがあれば言葉の壁はこえていけるのだと気づいた。

 森泉さんは5日ほど休みを貰って、ベナレス、ブッダガヤ、ラージギール、サールナートなどの仏跡を巡ることができた。
ナーランダの遺跡を訪ねたとき、大勢の物乞いの子どもにまとわりつかれた。森泉さんはあまりのしつこさに、いらないお菓子を与えて追い払おうとした。すると子どもたちの顔がゆがんだ。
そのとき、森泉さんの脳裏にマザー・テレサの教えが浮かんだ。

「いらないものに思いはこめられていない。
 余っているものを与えたとしても、決して自分が満たされることはないのです。」

 森泉さんは深く後悔した。
ベナレスのガンジス河のほとりの沐浴場に来た時は、そんな反省もあって、子ども達と一緒に遊んだ。子ども達は喜んで見送って、いつまでもいつまでも「サヨーナラ」と叫んでいた。

 再びボランティアに戻った森泉さんは、患者の中に自分から飛び込んでいった。
歌が好きなおばあちゃんと一緒に歌い、衰弱したおじいちゃんの体をマッサージし、体が硬直したおばあちゃんのリハビリを手伝った。
相手が求めているものは、こちらが一心に耳を澄ますと魂に聞こえてくる。
森泉さんは自然と笑みが絶えることがなかった。
 ある日、ガリガリに痩せ、苦しそうに肩で息をし、肺結核の少女の世話をした。乾いた咳をし、目は赤く変容していた。
森泉さんは気を奮い立たせてお世話をした。
固形物が飲み込めないので、ミルクをすくってのませようとするが、床に吐き出す。
「お願い、少しだけでも飲んで・・・」とつぶやきながら、スプーンを口に運ぶと、少女は少し目を開けて森泉さんを見た。
そして苦しそうに顔をゆがめながらも飲んでくれた。
森泉さんはうれしくて、ココナツオイルを塗って顔をマッサージしてあげた。
翌日森泉さんがその少女のそばにいくと、目をうっすらと開けて微笑んだ。
森泉さんがきのうと同じように顔をマッサージすると少女は森泉さんを抱きしめた。涙を浮かべながら何か話しかけてきた。森泉さんも涙を浮かべ、しっかりと彼女を抱きしめた。
森泉さんはカルカッタに来てよかったと思った。





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最終更新日  2023.07.29 17:30:13


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