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2023.09.29
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カテゴリ: 報徳記を読む
二宮翁夜話巻の1

【13】翁曰(いわ)く、
世の中に事なしといへども、変なき事あたはず、是(こ)れ恐るべきの第一なり。
変ありといへども、是を補ふの道あれば、変なきが如し。
変ありて是を補ふ事あたはざれば、大変に至る。
古語に、三年の貯蓄(たくはへ)なければ、国にあらずと云へり、
兵隊ありといへども、武具軍用備らざればすべきやうなし。
只国のみにあらず、家も又然り、
夫(そ)れ万(よろず)の事有余(ゆうよ)無ければ、必ず差支へ出来て家を保つ事能はず。
然るをいはんや、国天下をや、
人は云ふ、
我が教へ、倹約を専らにすと。
倹約を専らとするにあらず、変に備へんが爲なり。
人は云ふ、
我が道、積財を勤むと。
積財を勤(つと)むるにあらず、世を救ひ世を開かんが爲めなり、 
古語に、 飲食を薄うして、孝を鬼神(きしん)に致し、服を悪(わろ)うして美を黻冕(ふつべん)に致し、宮室を卑(いやし)うして、力を溝洫(こうきょく)に尽すと。
能々(よくよく)此の理を玩味(ぐわんみ)せば、吝(りん)か倹か弁を待(ま)たずして明かなるべし。 





【13】尊徳先生はこうおっしゃった。

世の中に事がないといっても、変が全くない事というわけにはいかない。

これが恐るべきの第一である。

変があるといっても、これを補う道があれば、変がないのと同じである。

変があって、これを補う事ができなければ、大変となってしまう。



兵隊があるといっても、武具や軍用が備わなければしようがない。

ただ国だけがそうなのではなく、家もまたそうである。

すべての事は、有余が無ければ、必ず差し支えができて、家を保つ事はできない。

ましてや、国や天下はなおさらである。

人は言う。

私の教えは、倹約を専らにすると。

倹約を専らとするのではない、変に備えるためである。

人は言う。

私の道は、積財を勤めると。

積財を勤めるのではない、世を救い、世を開かんがためである。

古語(論語)に、「飲食を薄うして、孝を鬼神(きしん)に致し、服を悪(わろ)うして美を黻冕(ふつべん)に致し、宮室を卑(いやし)うして、力を溝洫(こうきょく)に尽す」と。
(論語に古代の聖王禹(う)の働きをたたえたもの。飲食を粗末にして、神や先祖を敬い、普段の衣服を粗末にしてお祭りのときの冠や服は立派にし、宮殿は粗末にして民の農業を助ける水路工事などに力を尽くした)

よくよくこの理を味われば、吝嗇か倹約か弁を待たないで明かであろう。


倹約を専らとするのではない、変に備えるためである。
実に尊徳先生は天明の大飢饉に当たって、関東の多くの人々の命を救い、天変に備えた。

積財を勤めるのではない、世を救い、世を開かんがためである。

尊徳先生の事業は単なる村や藩の再建屋ではない、
その願いは、世を救い、世を開かれることにあった。
人々の心の田を開き、一人ひとりが自覚をもって自分の人生を切り開き、そして一人ひとりがそれぞれに世を救うことを願われた。
それは飯泉観音で国訳観音経を聞いて、「金次郎よ、観音になれ、世を救い世を開け」と受け取られて、急ぐことなく、休むことなく一生を通してその願に生きられたのであった。

「二宮大先生御説徳聞書略」(岡田佐平治)より

衆人救助なくして諸道成就すること難きなり。

人と生まれては衆生を助ける道を勤めなければ、人にして人にあらず。


譲り助けるを押し広げて誠心厚ければ天下も治まるなり。





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最終更新日  2023.09.29 06:00:12


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