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2025.04.26
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カテゴリ: 報徳の歌
「報徳の歌ー二宮尊徳道歌から学ぶー」小関栄著 Image

久方の光のどけき春の日に 静心なく花の散るらむ

 この歌は紀友則の作で、太陽の光が空に満ちてうららかな「春の日に」
桜の花が散っている。

 尊徳はこの歌を引用して藤曲村仕法書「難村取り直し相続手段帳」に自身の道歌に交えて掲載しています。
 二宮先生語録にも「静心なく」は世の移り変わりと解釈していたのです。

「春の末の暖かい日に人は皆よろこび浮かれていて、爛漫たる桜の花の下では誰ひとり風雪の寒さが来ることを考えないものである。このような時に、雪のように散る花を見て、人の世の移り変わりと同じと悟って、静心なく無限の感慨にふけり、よく世態・人情を述べ尽した名歌」(語録425より)と観賞していたのでした。

二宮先生語録巻の5 【425】 その1
【四二五】 くわ かい いは く、 暮春 ぼしゆん だん じつ ひと みな くわい かつ あう くわ らん まん もと だれ ふう せつ さむき おも はん。 とき くわ ゆき ごと きを て、 じん せい へん せん かん がい するや、 ひと すで うまる れば、 すなは つき ちかづ くのみ。七 じやう はつ するも、 また いた るの じよ (始め)なり。 しか るに だん ちやう ずるを たのし み、 ぢよ するを よろこ び、 そん うま るゝを しゆく する もの すなは はなの した くわい くわつ なり。 しか るに だん ちやう ずるは、 すなは ちゝ おゆ るなり。 ぢよ するは、 すなは はゝ おとろ ふるなり。 そん うま るゝは、 すなは ちかづ くなり
二宮先生語録巻の5 【425】その2
だん じつ くわい くわつ たちま ふう せつ さん る。 あう くわ すみやか さん ずるごとくなり。 ひと かなし らず。 かへつ えつ らく やす んず。 じつ さん きはま きの あら ずや。 すなは あう くわ さん て、 げん かん がい はつ し、 たい にん じやう つく す。 めい ふべし。

1『報徳秘稿』二四九「桜ちる木の下風は寒からで空にしられぬ雪ぞ降りける。此の歌、暮春桜下の遅日、春暖人皆快然、何ぞ雪風の寒さを思わん、桜花の散る雪の如きを見て、人世の意外に往来するを感慨する句なり。実に一言にして浮世の形勢を尽せりと云うべし。夫れ、人世の哀れなる、此の世に生まるれば一日一日皆死に近くのみ。喜怒哀楽七情(喜怒哀懼愛悪欲)に迷う、皆死に至るの序也、限て死遠ることを得ず。然るを子の長ぜしを喜び、女の嫁せしを喜び、孫の産るるを祝す。是桜下の暖に快然たるの事にして、子長ずるは父の老する也、女の嫁するは死に近く也。孫の産るは祖の死至るなり。意(おもわ)ざるに老い来り、衰え死ぬの雪風来る、桜花の散るよりも疾し。皆是、憂うべきを忘れて喜ぶ人情の儚さを、桜を見て倩(つらつら)感慨するの歌なり。」

《訳》紀貫之の桜の花が散る歌を解して言われた。春の末の暖かい日に、人は皆喜び浮かれ、桜は満開の下で、誰が風雪の寒さなど思おう。その時に散る花が雪のように舞うのを見て、人の世の変遷を感慨する歌だ。人が生まれれば日に月に死に近づく。喜怒哀楽を発するのもまた死に至る始めだ。それなのに男児が成長するのを楽しみ、娘の嫁するを喜び、孫が生れるのを祝うのは花の下の浮かれだ。男児が成長すれば、父が老い、娘が嫁すれば母が衰え、孫が生れるのは祖父が死に近づくことだ。暖かい日の快活もたちまち風雪の悲惨となる。ちょうど桜の花がすぐに散るようなものだ。人はその悲しむべきことを知らずに、かえって悦楽に安んじている。実に悲惨極まりない世の中ではないか。そこで桜の花の飛び散るのを見て、無限の感慨を発し、よく世間の人情を尽した、名歌というべきだ





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最終更新日  2025.04.26 12:00:15


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