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2025.05.30
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カテゴリ: 報徳記を読む
天保11年、12年(尊徳先生54歳、55歳)

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[報徳記&二宮翁夜話] 197

「安居院庄七と鷲山恭平」を本年2月出版しました。本書は安居院庄七の生誕地・秦野市及び足柄上郡各町の教育委員会を通して、秦野市立図書館・同公民館図書室・全小学校・中学校に寄贈し、図書館・公民館図書室では「貸出中」となっています。神奈川県では伊勢原市、相模原市、平塚市、藤沢市、松田町の各図書館で閲覧できます。
 また安居院庄七が主に報徳活動を行った遠州各地の図書館でも多く所蔵されています。終焉の地、浜松市の全図書館にも寄贈し、浜松市立中央図書館と11の図書館で貸出ができます。静岡県内では御殿場市、富士宮市、沼津市、袋井市、湖西市、森町の各図書館で閲覧できます。
また東京都立図書館の蔵書にもなっております。なお「安居院庄七と鷲山恭平」の本は、大日本報徳社で販売しています。

天保11年<54歳>
1月14日 駿河藩藤曲村に仕法を行う
2月 神奈川県平塚の片岡村(大澤小才太)に仕法を発業する。

7月 桜町に帰る。門人ますます多く、在塾出入者100人を下らなかった。
11月 駿河御殿場村に仕法を行う。
12月 相州(神奈川県)金目村(平塚市)兵左衛門のために仕法を授け、負債返済永安の道を立てる。

天保12年<55歳>

3月6日  小林平兵衛が来て面会する。
5月6日  富田高慶疱瘡にかかる。
10月14日 川崎屋孫右衛門、宮原屋清兵衛の弟えい洲来て、大学料理の書簡を与える。
11月4日  相馬藩は一條七郎右衛門を遣わして教えを請うも許さず。

○年譜には、天保10年6月4日中村藩士富田高慶が桜町に来て教えを請うも許さず。9月前にこれを許す。高慶27歳とある。「報徳記」の著者である。実に尊徳先生53歳のときの弟子である。これより富田の名が年賦にも頻出する。

「江戸の家計簿」(新井恵美子著)

尊徳が幕臣となる少し前、尊徳を畏敬し、片腕となって仕事をする弟子が二宮家にやってきた。富田久助、のちの高慶である。

富田は相馬藩士斎藤三太夫嘉隆の次男で、5代前に途絶えていた富田姓を興して名乗っていた。
父嘉隆は禄高40石、相馬藩主3代に仕え忠勤を励んでいた。
また子どもの教育にも熱心だった。
久助は、利発で、藩主の子息の勉強相手に選ばれ、長じては若殿の近侍となった。
だが、久助は相馬藩の疲弊を救う救済する方策を見つけるため、天保元年に江戸に単身出てきた。
最初成島司直の塾に入るつもりだったが、成島塾は当時火災で入門できず、屋代弘賢の塾に入った。
屋代は国学史学が専門で、久助は後に昌平校に入学し、儒官依田源太衛門の塾生となった。こうして相馬を出てから10年が経った。
儒学を学んでも、藩を復興する具体の方法を得られないのに絶望感まで味わっていた。
江戸家老草野半右衛門は大人物で藩内の信頼が厚く、富田を心にかけていた。学問をやめて養子にいくことを勧めた。
富田はある日、医師磯野の待合で不思議な話を聞いた。
奥田公民という患者が二宮金次郎という農民出身の男が次々と村や藩の復興に成功しているという話だった。
「この人だ。」
富田久助は江戸の暮らしをたたみ、野州を目指した。
そんな富田に京都の医者荒木勝悦が同行した。

桜町陣屋の日記にはこうある。
「天保10年6月1日
一 下高田村より太助 相馬儒者富田久助殿
  伯耆国荒木勝悦殿は医者
  四ツ半つれ参候事」

尊徳先生は面会を拒絶された。
富田たちは毎日陣屋に通ったが、面会できなかった。
荒木は断念して帰っていった。
富田は相馬藩を救いたいという志があった。
下高田村で寺子屋をはじめ、子ども達を教えた。
その時、久助の講義を受けた子に鶴松と貞助がいて二人は生涯富田久助の弟子であり続けた。

 季節は移り、秋となり、ある日尊徳先生は思い出したかのように
「かの学者はまだ居るか」と聞いた。
「あいかわらず入門を許されたいと待っております」と門人が答えると
「会ってみよう」とここに初めて面会がかなったのである。
時に天保十年(1839)8月17日の午後だった。
いつものように訪ねてきた富田に尊徳先生は面談を許した。
話し合いは深夜まで及び、富田はその頃門弟となっていた川崎屋孫右衛門の部屋に泊まった。
話は次の日も続き実に4日間に及んだ。

この後、一ヶ月を経て正式な入門が許された。

天保10年9月27日 
一 相馬藩中儒者 富田久助 今七ツ時
 谷田貝よりまかり越されそうろう事

と日記にある。





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最終更新日  2025.05.30 00:00:12


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