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凪2401

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2011年09月04日
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カテゴリ: 映画。
「アバター」を抑えてアカデミー賞を受賞した話題作でしたね。
夫婦対決も、確か話題になったように記憶しています。

初の3D映画という、映画史に残るようなあれだけの話題性を持った映画を、
おさえて受賞したということですから、どんな作品だろうと思っていましたが、
全く対照的な映画でしたね(アバターは見てないので雰囲気、ですが)。

「ハート・ロッカー」とは兵隊用語で「棺桶」とか「苦痛の極限地帯」を意味するそうです。
「ハート・ロッカー」はイラクに派遣された爆弾処理班の3人を主人公とした物語です。

戦争映画といえば、失われる命や破壊される街を悲劇的に描くものかと思いますが、
ハート・ロッカーは違いました。物語は、非常に淡々と進みます。


でもそれは、この映画がつまらなかった、というのではなく。
最初はなかなか、物語の中に入っていけないのですよ。

物語は、主人公の行動や心情に寄り添ってシーンを積み重ねる、というものではなく、
主人公は一応決まっていますが、もう少し高い客観の視点から、
誰に主眼を置くでもなく、米兵の姿もイラクの市民もただありのままに映されており、
そもそもが、物語の中に入ったり共感したりするような映画ではなかったんでしょう。

だからはじめは、急に始まった爆弾処理のシーンや、イラクの市街地、
基地であおるように酒を飲んでストレスを解消する姿、
そういったものに戸惑ってしまい、気づけば眠ってしまったんですね。はい。
言い訳でした。

それで、もう1回最初から見たわけですが。


ただひたすらに戦争という現場に参加する者、
巻き込まれる者の姿を映したすばらしい映画だったと思います。

大義のなかったイラク戦争という出来事の現実に、少し近づけたような気がしました。
正義も悪もなく、善も悪も訴えず、ヒーローも悪役もいない、というところが、
この映画の特徴の1つではないでしょうか。


常にどこにいるとも分からない起爆装置を持った人間やスナイパーの存在に、
注意を払わなければなりませんし、その緊張は本当に極限で、
心を失っていくことに疑問をもてないほどです。

そんな彼らに向けられる街のイラクの人々の視線は冷たく、
自分たちが何のために働いているのか、正義という言葉一つではあまりに弱く、実感もない。

そういった戦争の現実の、今まで考えなかった面を見せ付けられた作品でした。
そうですね、ただただ知らしめるための作品だったのかもしれません。

イラクでの戦争も、ビンラディン氏の暗殺も、報復という側面が非常に強いものです。
正義とか、秩序を守るとか、そういう言葉を重ねても、
それが隠せないほどには、人間はもう、成熟しているのだと思うのですよ。

9・11から10年が経って、「アメリカの正義」が成し遂げられ、若者がわいたこの年に、
おとといの新聞でアメリカの監督さんが言っていた一言が印象的です。
「無垢なアメリカは、失われてしまった」と。

と、同時にですね、3・11で福島の原発事故が起こったときに、
アメリカの学生さんたちは学校で原爆のときに白血病になった少女の物語を学ぶそうで、
それにならって、日本のことを祈って折鶴を折ってくれた、なんて話もあるんです。

報復も許しも、憎むこともいたわることも、同時にできるこの複雑な存在を、
どちらにしてもいとしいなあ、とは思うこのごろです。






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最終更新日  2011年09月04日 19時20分42秒
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