成定 竜一~高速バス新時代~

成定 竜一~高速バス新時代~

2010.02.09
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カテゴリ: 高速路線バス
日本企業を取り巻く大きなニュースが相次いだ。キリンとサントリーが経営統合を断念し、トヨタは大量リコールを決めた。その傍から、トヨタと関係が深い座席メーカーによる航空座席に関する不正がニュースになり、その航空業界では、日本航空が現在の提携関係を維持することを決定した。対するANAも基本労働時間の延長を労組に提案するのだという。その意味では、既存バス事業者では数年前から、分社化などの手法による労働条件の見直しが行なわれている。今の労働条件や給与水準を恵まれているとみるかどうかは主観の問題かつ相対的な問題ではあるが、全体では事業として赤字を出している中ちゃんとメシを食わせてもらっていることには、バスにたずさわる誰もが真摯に感謝しないといけないだろう。

さて航空に話を戻すと、国土交通省による「成長戦略会議」では、航空分野における提言案が発表された。 『トラベルジャーナル・オンライン』 の該当記事によると<00年の航空法の改正で国内空港への撤退・参入が自由化されたものの運用上は規制が続いているとし、地域の事情も勘案しつつ、法改正の本来の意義に基づく自由化を推進するべきだとした>とある。法改正により参入が自由化されたはずなのに運用面であまり実現されていないのは乗合バスも同じである(高速バス分野に限っては、高速ツアーバスというまったく別のルールが生まれたことで事実上その壁を突破したわけだが)……

話は変わって、私のサイトで高速路線バスの取扱を始めたことで、私の提案営業活動には大きく二つの変化があった。一つは、私がお会いしている各事業者の経営者・担当者の皆様はこれまで、私と会っていることは他の事業者には秘密にしたがっておられたので「横のつながり」が広がらないようなるだけ注意していたが、その必要がなくなったことだ。少なくとも(まだ3社だが)既存事業者が既に私のサイトを活用している事実がある以上、私が他の事業者に営業に伺うこと事態はなんら不思議なことではない。複雑な共同運行関係が張り巡らされている狭い業界だけに、「○○交通の△△課長さんのところには既にご挨拶には伺っています」と言える意義は大きい。もちろん、△△課長さんのご了解が必要だが、その了解がこれまでなかなかいただけなかった。

それが最近では、既存事業者にお邪魔すると、「いやあ、先日共同運行各社の会議があって、その後△△課長と飲みにいったら成定さんの話で盛り上がっちゃってさあ」というような挨拶に出迎えられることが多くなった。実際に契約をいただけるかどうかは会社としての判断ということになるが、そのようにおっしゃっていただけるのは営業としては冥利に尽きる。まあ、私も一生いまの会社にいるわけではないだろうから、そのように言っていただく方が業界内に多くいるのは、これからの人生で様々な形で役に立つだろう。

もう一つの変化は、これまでは提案営業に回る事業者の順番にも気を使っていたが、今ではその必要がなくなったことだ。例えば、仮に私のサイトで最初に乗合商品の販売を始めたのが、地方部の事業者である九州産交バスと弘南バスの2社(あるいはそのうちの1社)だけだったら……その2社は、業界で微妙な立場になった可能性がある。ましてや、既存事業者の高速バスより先に、新規参入事業者の高速路線バスを取扱うことなど、全国の既存事業者をさらに敵に回す結果になってしまう。だから私にとって「一番乗り」は、首都圏や関西などの「大手私鉄系」事業者の高速路線バスか、または東京空港交通など厳密には高速バスと言えないものの大手私鉄系各社と共同運行を行なっている大規模事業者でなくてはならなかった。しかも「リムジンバスだけ」「定期観光バスだけ」なら、「あれは高速バスじゃない」ということになってしまうので、今回の組み合わせ3社は、私の中では最低限越えなければならないと自らに課したハードルであり、なんとかぎりぎりそのハードルを越えることができたのである。

今はようやくフリーハンドを得て、もう少し幅広い事業者にお邪魔することができるようになった。逆に今ぶち当たっている壁と言えば、日本の古い、かつ大きい会社特有の社内政治というか、誰から先に会ってどんな段取りで最終的に誰と会うか、というような話だ。こればっかりは本当に難しい(特に既存バス事業者は!)が、自分が選んだ道である。ある方に「同じ内容でも、別の会社からの提案だったら契約してるんだけどなあ」と言われたこともあるが、いや、高速ツアーバスをここまで育て上げる力(販売力・集客力、という意味でもそうだし、単にシステムを提供するのではなくウェブでの売り方を本気でコンサルテーションする姿勢など)を持つ会社だからこそ、今の会社が高速路線バスを取扱うことに意味があるのだ。他の会社で私が同じ仕事をやっても、あるいは独立して自分の会社を作って同じことに取り組んでも、私が思い描く高速バスの将来像の半分も実現しないだろう。私が望んでいるのは、単に「多くの高速路線バスをウェブで取扱う」ということではなく(それなら既にやっている会社がある)、「ウェブを通して高速路線バスに(そして高速ツアーバスにも)新しい乗客をどんどん送り込む」ことであり、さらにその成功体験を通して既存事業者が「平場」の路線バスのあり方などにも、よりアグレッシブな動きを始めてくれることである。

一方、足元では高速ツアーバスに新しく参入したいというご相談も続いているし、現在の取引先も干上がらせるわけにはいかないから、がんばって集客しないとならない。長期的には旅行形態の変化(団体旅行の減少や少子化による教育旅行市場の縮小)、短期的には昨今の経済不順にさらにインバウンド(訪日客)の減少が加わり、貸切バス業界はジリ貧の状態だ。貸切バス業界の皆さんは、今では老舗も新免も関係なく、藁をもすがるように高速ツアーバスに期待をしてくださっている。気がついたら、私たちのマーケティングの成否が、多くの人たちの生活に影響するようになってしまった。気を抜かず、将来像は将来像とし、それを助けてくれる方々に感謝をしながらも、足元の数字はしっかり固めていかないと。





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Last updated  2010.02.09 20:10:55
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京帝117@ ご参考まで この度 K電鉄バスの取締役安全技術部長に…
京帝117@ 残念でした 他にメッセージをお送りする方法を知らな…
成定竜一@ Re[1]:中央高速バス~ふたつの路線~(02/24) 京帝117さん、コメントありがとうございま…
京帝117@ Re:中央高速バス~この風は、山なみの遙かから~(03/02) 86年に私と、その後KKKに入社したH君の2…
京帝117@ Re:新宿高速バスターミナル(02/21) 私がカウンターに座っていた時は、空いて…

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