成定 竜一~高速バス新時代~

成定 竜一~高速バス新時代~

2010.04.13
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カテゴリ: バス産業
バスに限らない話だが、いまどき、おおよそほとんどの企業が自社サイト、いわゆる「ホームページ」を持っている。その企業または商品に興味を持った消費者に対しウェブ上で商品情報を見せる、という最低限のウェブの役割は、多くの企業がとりあえずのことはやっている。その上で商品の種類によって、そのままウェブで購入や予約するのに向いているものと、そうでないものがある(バスで言えば、予約制の長距離高速バスは前者だし、予約制ではない、あるいは予約率が低い短距離高速バスや平場の路線バスは後者だ。バスツアーは前者に当たるが、貸切バスをチャーターするといった場合は、見積もりから始まり細かい打ち合わせまで全てをウェブ上で完結するのは難しいからウェブ化がなかなか進まない。例えば何千万円もするマンションを購入するとか、個人の体格に合わせてオーダーメイドのスーツを作ってもらう、などの商行為を完全にウェブ化することは難しいだろう)ものの、ウェブ購入や予約に向いている商品ならば、確実にウェブ購入・予約率は上がっているだろう。

これまでなら消費者が店舗まで出向いて購入し自分で持って帰らないといけなかった商品を、ウェブ上で注文すれば宅配便で配達してもらえる。書籍や音楽なら媒体物の配達すら不要でダウンロードしてその場からコンテンツを楽しめる。あるいはホテルや交通機関であれば、旅行会社の窓口に行ってクーポンを購入したり電話で予約したりする代わりにウェブ上で必要事項を入力し予約が完了する。そのように、「来店」「電話」といった購入方法から「ウェブ購入」「ウェブ予約」へ移行するというのは、消費者の側では「24時間、いつでもどこでも可能だから便利」「対面のわずらわしさがない」「手元に確認書などが届くので安心」といったメリットがあり、企業の側に「対面よりもコストが低い」「消費者との接触機会が増え売上も増える」というメリットがある限り(現在のウェブよりももっと便利な技術が開発され定着するまでは)、確実にウェブ化は進展する。

しかし、それぞれの商品について爆発的にウェブ化が急速に進展する時期というのもある。それは、各企業が個別に自社サイト(「ホームページ」)を作りそのサイトに対し個別に集客するに留まる段階から、各社の商品について業界横断的に比較検討するサイトが生まれ定着した時だ。高速バス、わけても高速ツアーバスで言えば、一義的には私のサイトやその競合である「スカイゲート」「高速バスドットコム」、最近では「バスサガス」「バス探」といった総合予約サイトの誕生がそれに当たる。しかしまた、それだけでは爆発的な成長とまでは行かない。第二段階として、上記の総合予約サイトが「バス比較ドットコム」「YAHOO!トラベル」「じゃらんネット」や大手ポータルサイト(「@ニフティ」「ビッグローブ」など)の旅行コンテンツなどにOEMまたはアフィリエイト提携することで裾野が広がり、最終的には「夜行バス比較ナビ」のようなメタサーチ(同サイトは空席検索をしていないので厳密にはメタサーチとは言えないが、現状ではもっともメタサーチに近い高速バス関連サイトだ。したがって高速バス、あるいは高速ツアーバスのメタサーチサイトは未だ誕生していないと言うべきか)が誕生する過程で、高速バスをウェブで予約するという「文化」が定着する。

特に高速バスの場合は、YAHOO!などの検索サイトで「高速バス」と検索される回数は「航空券」の4倍、「ホテル」の2倍もあることからわかるように、潜在需要の大きさの割に各事業者のブランド認知、あるいは予約購入方法の認知が不足していて、ウェブ化の進展によって、それまでなら「高速バスに乗りたいが、どの会社がやっているのか、どうやって予約したらいいかわからなかくて困っていた」という「利用者予備軍」を予約にまで結びつけたわけだが、それ以上に「高速バスをウェブで予約するという文化」が出来上がったことで、理屈ではうまく言えないが、その「利用者予備軍」にさえ入っていなかった正に潜在的利用者にまで高速バスの利用を喚起できたと考えている。それを実現する条件は、多くの企業の商品を簡単に比較検討できるサイトの登場であり、同時のそれらのサイトもまた、比較検討される競合環境が生まれることだ。

では、となると、数あるバス商品の中で今後ウェブ化が爆発的に進展し需要を大きく喚起できる可能性があるのはどのような商品だろう。上に書いたように、貸切バスのチャーター契約(例えば合宿を企画した学生サークルのイベント幹事と貸切バス事業者が、価格はもちろん細かい配車場所や目的地などを打ち合わせること)が今すぐ完全にウェブ化するとは思えない。それよりはB to C(個人向け)商品であるバスツアーや定期観光バスが先であろう。バスツアーでは、特にクラブツーリズムがパンフレット掲載の全商品をウェブに対応させウェブ予約比率も上がっているということだが、1社単独の努力では自社内での予約受付方法のシフトに留まり、「バスツアーをウェブで予約するという文化」が定着しそれによって新たな需要を喚起するまでには至らないだろう。

高速ツアーバスがそうであったように、横串で簡単に目当ての商品を検索でき、かつ複数の企業の商品を一つのサイト上で比較検討した上で一つの会員ログインで容易に予約・決済まで成立するサイトの存在がまず必要だろうし、それを踏まえて、無色透明な商品作りから個性を主張する商品作りへの変革も必要だろう。その最たるものが、全国の既存事業者の多くが手がける定期観光バスだ。上記に挙げたクラブツーリズムなどのバスツアーを「発地型ツアー」とすれば、定期観光バスは本来「着地型ツアー」であり、マーケットにもっともっと受け入れられる潜在力はあるはずだ。だが現実には悲しいような乗車率の商品ばかりだ。ある既存事業者の若手社員から「そもそも、“定期観光バス”という名称自体を考え直さないと」という意見も聞いたがまさにその通りで、名称もそうだが商品自体も(はとバスなど一部を除き)「古きよき時代」を思わせるものが多い。これでは残念ながら、せっかくの潜在力も発揮できそうにない。例えば、若い学生のカップルにとって日帰りバスツアーや定期観光バスに乗ることがデートや旅先でのお洒落なイベントの一つ、として定着すること辺りが、この課題の一つのゴールになろう。繰り返すが、そのためには販売サイドも商品サイドも両方が、ますます利用者の「比較・検討」の目にさらされ変革・成長することが必要だろう。





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Last updated  2010.04.13 20:04:31
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京帝117@ ご参考まで この度 K電鉄バスの取締役安全技術部長に…
京帝117@ 残念でした 他にメッセージをお送りする方法を知らな…
成定竜一@ Re[1]:中央高速バス~ふたつの路線~(02/24) 京帝117さん、コメントありがとうございま…
京帝117@ Re:中央高速バス~この風は、山なみの遙かから~(03/02) 86年に私と、その後KKKに入社したH君の2…
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