成定 竜一~高速バス新時代~

成定 竜一~高速バス新時代~

2010.07.02
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カテゴリ: バス産業
月が替わって、本格的に夏休みの予約が入り始めた。私たちのサイトの今年の取扱高は、予算では対前年+30%強を目指しており、その達成は夏休みの結果にかかっている。予算達成は少し厳しいかと今から胃が痛いが、それでも、明確に予約が動き始めた手ごたえがある。スタッフたちも皆、取引先にあたる高速ツアーバス各社に続々と電話やメールをして、刻々と変わる予約状況やそこから導かれるフォーキャスト(販売予測)をリアルタイムで伝えている。

このところ、高速ツアーバスは少し供給過剰感がある。ウィラー・トラベルなどの企画実施会社や、私たちのような受託販売会社の数はさほど増えていないのだが、長らく「大人の事情」で、企画実施会社から引き合いがあっても高速ツアーバスの運行を請け負うことを避けていた比較的大手の貸切バス事業者がどんどん運行業務に参入してきており、結果として高速ツアーバスに供されるバスの台数は大きく伸びているのだ。そのため、せっかく需要が強い日であっても、各社とも弱含みの価格設定をする傾向にある。しかし、夏休みである。データから導かれる市況は、強気だ。ウチのスタッフたちは、具体的に日にちと区間を示しながら、「ここは、あともうちょっと値上げしても大丈夫だと思いますよ」と企画実施会社各社に対しコンサルティングを続けているのだ。もっとも、価格を決定するのはあくまでも企画実施会社。弱気が抜けないのか、みな値上げを渋っている印象だ。リアルタイムに価格を変動させられるようにシステムを改修してから3年、このリアルタイムの価格変動は、各社の相場観、弱気と強気のメリハリの利いた切り替えによって支えられている。みんな、もっと自信を持たないと。

そんな中、高速路線バス2社も「カスタマイズページ」を充実させてきた( 西東京バス と 南海バス 。※カスタマイズページを見ることができるのはPCのみ。モバイルサイトからは見られません)。この「カスタマイズページ」は、あくまでも各事業者(高速ツアーバスの場合は各企画実施会社)が、自身のバスを選んでもらうために自身で作成するものだ。今回両社はいずれも、乗降場所のわかりやすさ、自社で整備工場を持つ大手事業者ならではの安心感などを訴求している(西東京バスのページの各乗り場の写真や南海バスの整備工場の写真は、もしかしてどなたか社員さんがわざわざ撮りに行ったのかなあ……)。従来なら、私たちのサイトを訪れたお客様には高速ツアーバスしか選択肢がなかった区間である。そこに新たな選択肢として上記2社の高速路線バスが加わって、特に東京-金沢は思ったよりも多くのお客様が高速路線バスを選んでいる(昼行は西東京便のみ、という事情が、もともと昼行も夜行も高速ツアーバスが運行している大阪-広島とは違うところだ)。高速ツアーバス各社に対して、相場観に自信を持って単価を引き上げてもらいたいのと同様、まだご縁がない高速路線バス各社には、高速ツアーバスと同一サイト上に並んでも十分にお客様の支持が得られるということに、もっと自信を持っていただきたい。

話は変わるが、先月、ある地方の既存路線バス事業者を訪問し、社長さんと長い時間お話させていただいた。失礼ながら「地味で保守的な地方の事業者」だと思い込んでいたその事業者の社長さんが、こうおっしゃるのだ。<他の地域の路線バス会社の経営者たちと会うと、二言目には「ツアーバス対策」と言う言葉が出てくる。でも、実際にツアーバスへの「対策」をやっている会社は見たことがない>。いやいや、全く同感である。その意味では、西東京や南海、弘南や九州産交といった事業者たちは、黙って見ていると高速ツアーバスしか予約しない私たちのサイトのお客様を、一人でも二人でも自社の高速路線バスに誘導するという「対策」に成功している数少ない会社ということか。本気になって考えれば「一人でも多くのお客様に自社のバスに乗ってもらうにはどうすればいいのか」という問題は、さほど難しいものではないはずである。さて、この事業者が、この夏休みにどのような「ツアーバス対策」を打ってくるか、楽しみである。

最後に、ありきたりだが、サッカーの話題を。テレビ番組でコメンテーターの寺島実郎氏がこんなことを言っていた。<こんなにも日本人に「愛国心」があるとは思わなかった。これだけの愛国心があるのなら、もっとこの国の将来について考えて欲しい>。わかる気がする。目の前の戦いに興奮するのは、それはそれで悪い話ではない。しかし本当にこの国が大切なら、サッカーに興奮するのと同じくらいの熱心さで、この国の、政治や経済や社会の将来に目を向けるはずである。既存事業者各社の、あるいはそのファンたちの「ツアーバスが憎い」という気持ちは私にもわかる。高速ツアーバス各社のあら捜しをし、それに一喜一憂したくなる感覚はよくよくわかる。ただ、本当に「我が国のバス産業の将来」を真剣に考えるなら、旧来の免許秩序に基づく護送船団方式で、この国におけるバスという交通機関の将来と、この国におけるバスという産業の将来を守れるのか、疑問を感じるはずである。免許秩序と内部補助理論が全て間違いだという気はないが、少なくとも、従前の固定観念に縛られそこから抜け出せなければ、この国のバス産業がここ数十年たどってきた、ずるずると衰亡してきた道をトラックするだけになってしまう。バスが大事であればあるほど、「数年」ではなく「数十年」単位で物を見る歴史家的な視点を、いまのバス事業者の経営者たちは求められているのである。





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Last updated  2010.07.02 19:44:40
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京帝117@ ご参考まで この度 K電鉄バスの取締役安全技術部長に…
京帝117@ 残念でした 他にメッセージをお送りする方法を知らな…
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