成定 竜一~高速バス新時代~

成定 竜一~高速バス新時代~

2010.10.21
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カテゴリ: 高速路線バス
バスの話ではないが、JR東日本との提携により 「新幹線または特急列車+宿泊+レンタカー」の準ダイナミックパッケージ(DP) の取扱が昨日スタートした。交通機関との大型提携としては、ANA、JALに続いて3社目である。過去、もう少し簡易な形でテスト展開したこともある商品だが今回あらためての本格スタートとなった。旅行業界の新参者がJRの取扱を始めるのは決して簡単ではなかった。私が高速路線バスについてストーカー的?な提案営業を重ねてきたのと同様、鉄道について異常なほどの知識と情熱に溢れた担当メンバー達の長期間にわたる努力の賜物である。

まずは東京地区から東日本エリア全域への観光客の送客を念頭に置いてのスタートだ。従来、試行的に販売した際は新幹線のみの取扱だったが、今回は特急列車も対象に加わっている。私個人としては、学生バイト時代から「ライバル」だと感じてきた特急「あずさ号」「かいじ号」を自分たちのサイトで取扱っているのはなんとなく不思議な感じ。もっともそんなことを言うと、あれだけ「アンチ・ツアーバス」論者だった私が高速ツアーバスの予約を担当していることの方が何倍も不思議だと、当時の仲間たちから突っ込まれそうだが。

高速道路の新料金制度は未だ決まらないまま「休日1000円」は継続されているが、鉄道事業者はおそらく、高速道路料金の下落傾向に大きな危機感を持っているだろう。昨年、「休日1000円」が導入された際、高速バス事業者からはその影響による乗客減について様々なコメントが出された。もちろん影響は小さくはなかったとはいえ、現実問題としては、利用者にとって「バスに乗るかクルマで行くか」という選択はそれなりに大きな選択であるのに対し「バスにするか電車にするか」という選択は気軽である。つまり高速バスにとって最も危惧すべきなのは、高速道路料金の下落そのものではなく、直接のライバルである鉄道側がそれに触発され様々な施策を打ってくることの方だと思う(もちろん明石海峡ルートのように、鉄道と競合はなく高めの高速料金のおかげで自家用車からバスに乗客が流れていた路線では、高速料金そのものの影響も大きい)。今回、JR東日本は、観光需要喚起の場を、従来型の旅行会社だけではなくウェブに対しても広げる決断をしたわけだが、今後、サービス(車両設備などを含む)や価格を多様化させるなどより積極的な施策を展開してくると、なにせテレビCMなど大規模なプロモーションを展開させる体力が彼らにはあるだけに高速バスへの影響は大きいだろう。

東北、九州における新幹線の延長も同じことが言え、新幹線延長そのものの影響とともに、それによってこれまで圧倒的な市場シェアを背景に高止まりしてきた大阪~鹿児島などの航空運賃が実質的に低下することも高速バスに影響を与える。私たちで販売を手伝ってきた九州産交バスの「トワイライト神戸」も残念ながら運行休止となるが、高止まりした航空と、乗換が必要な鉄道しか選択肢がなかった頃に比べ競合環境が悪化することは明確であり、やむを得ぬところか。もっとも同社の場合、もう少し積極的な営業施策を行なう余地はあったように思え残念ではある。全国的に見ても、平日のみ適用される割引運賃を設定するなど簡易とはいえレベニューマネジメントが導入されつつあるのにそれは見送られているし、私たちのサイトでの販売も毎日3席ずつ決め打ちの登録だった。他の高速路線バス事業者が、予約の入り具合に応じてリアルタイムに座席の出し入れを行ない(なので、サイト上の空席カレンダーを見て「空席5」となっていても、それが5席登録して1席も売れていないのか、それとも15席登録して既に10席売れているのかは判断できない)、さらに多少の運賃施策を行っているのに比べるとちょっと物足りないのは事実。高速路線バス取扱第1号だけに、私たちの側にも若干遠慮があって積極的にご提案しなかった点を大きく反省である。

ただ、状況が厳しい路線について私たちのサイトの活用を試みるという選択はもちろん間違いではない。私たちは何も、全国の高速バスをただただ全て羅列したサイトになる気もないし、高速バスのインターネット予約を集約して、ウチでしか予約できないという独占状況を作ることなど望んでいない。JR東日本が、「えきねっと」(高速バスで言えば、自社サイトである「発車オーライネット」や「ハイウェイバスドットコム」などに当たる)とは別に、まずは首都圏からの観光需要の喚起を目論んで東京発の商品のみで外部サイトと提携を始めたように、販路しだいで「伸びしろ」が見込める分野や、各社の集客力の弱点に当たる部分のお手伝いをする立場なのだ。バスで言えば、観光客の喚起が見込める、大都市を午前中に出発する便や、満席にはなりえない平日の便、実質回送になりがちな続行便の復路など、事業者の判断でリアルタイムに席を出し入れしてもらえばいい。そして初期費用や固定費がかかるわけではなく、予約が入った分についてのみ手数料を頂戴する。「このままの乗車率だと撤退もやむを得ないかなあ」という路線を手伝わせてもらうのは一つの立派な活用法だし、私たちも喜んで受け入れるパターンなのである。

話は戻って、JR東日本との提携が実現したというニュースは、会社としては非常に喜ばしいことだ。ただ個人的には、石和温泉や上諏訪温泉、那須高原や南房総に旅行を考えているお客様が、高速バスの存在など知りもしないまま鉄道を選んでしまう姿を想像すると、やっぱりちょっと悔しいのは事実である。





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Last updated  2010.10.21 18:13:15コメント(0) | コメントを書く


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京帝117@ ご参考まで この度 K電鉄バスの取締役安全技術部長に…
京帝117@ 残念でした 他にメッセージをお送りする方法を知らな…
成定竜一@ Re[1]:中央高速バス~ふたつの路線~(02/24) 京帝117さん、コメントありがとうございま…
京帝117@ Re:中央高速バス~この風は、山なみの遙かから~(03/02) 86年に私と、その後KKKに入社したH君の2…
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