成定 竜一~高速バス新時代~

成定 竜一~高速バス新時代~

2010.12.31
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カテゴリ: バス産業
昨日から、「西口バイト」時代の仲間たちと1泊でバスを乗りに。今回は、なぜか某路線バス事業者の高速バス担当の2人も加わり合計5人で銚子に向かった。もちろん単純に銚子を往復しただけのはずもない。蒲田駅東口集合→羽田空港→箱崎……コースの詳細はご想像にお任せするが…。バイト時代の仲間には卒業したあと路線バス事業者に就職した者も多いから、<路線バス事業者の社員と一緒>であること自体は以前と変わらないし、仕事で知り合った事業者の高速バス担当者の皆さんと食事に行ったりする機会は多いわけだが、今回のように仕事上でのお付き合い先(それも取扱をご提案中の相手)と趣味の場を同席するのは初めてで、いつも以上に盛り上がって大満足。もっとも、メンバーがどうであれ、車内で、またお酒を飲みながら話すその内容は変わらないのも事実だが。ちなみに復路のコースは、路線バス事業者の若手から<成田空港へ移動して、キャブさんのスーパーシャトル>というアイデアも出たが、ガチガチの「アンチ・ツアーバス論者」である(?)私が即却下。平場の路線と高速路線バスを乗り継いで戻ってきた。

宿泊したのは銚子の 「居酒屋民宿」 。1階の居酒屋で遅くまでうまい魚を楽しみそのまま2階で寝るという、今回の目的にはぴったりの宿。腰の低いご主人と愛想のいい奥様(たぶん)で切り盛りなさっていた。もちろん期待通りの味とサービスで、ご主人によれば私たちのような目的での宿泊が、それもウェブで予約する例が増えているのだという。たしかにそうだ。ウェブが無ければ私はこの宿を予約しなかっただろう。理由は二つ。一つは、そもそもこの宿を知る術がない。2~3室程度で、さらに単価も安い宿では、大手旅行会社も取扱うことができないしガイドブックに掲載されることもない。広告出稿したところで、この部屋数では広告費を取り戻す売上にはつながらない。もう一つ、民宿というと若干の不安がある。今回、気心知れているといえ仕事上の付き合い先も一緒だから変な宿を選ぶわけにはいかない。その点、他の利用者のレビュー(感想)をウェブで確認できるのは安心だ。たとえ多少ネガティブなコメントがあっても、それを許すかどうか私自身が判断すればいいのだ。

できれば、この宿には、さらにサイトを活用して欲しい。新鮮なお魚、民宿ながらタオル類や歯ブラシなど完備している様子、そしてご主人と奥様のお人柄が伝わるような笑顔の写真などを掲載(簡単な操作で宿自身が掲載することができる。それは高速バスも同じ)し、ぜひ、お二人の「体温」をサイト上で再現すれば、予約はもっと増えるはずである。

話は変わるが、今回の旅では利根川を何度か渡った。河口に近い銚子では、川というより海峡といった迫力がある。利根川を渡る度、思い出すことがある。それは「利根川の東遷」という歴史的事実だ。江戸初期まで、利根川は現在の隅田川や江戸川の流路で江戸(東京湾)へ流れていた。江戸幕府は、その流れを徐々に東へ移し最終的には鬼怒川の流路に合流させ銚子で太平洋へ注ぐよう大規模な土木工事を実施する(厳密には、明治以降、足尾銅山事件の影響などもあって現在の形ができあがる)。その結果、政治と経済の中心地江戸は洪水から守られ、広大な農地も誕生し、北日本と江戸を結ぶ流通網が一気に成長し多くの人々に豊かさをもたらした。ご先祖様たちは、川の流れを変えるという壮大な事業を考え、300年もかけてそれを実現したのである。

私たちは、ついステレオタイプ的に、この国を「平和主義的で協調主義的で、どちらかというと手堅く守るタイプの国民性」と規定しがちである。特に江戸時代を、平和だったが進歩がなかった時代と捉えがちである。しかしこのような歴史を振返り、大規模な「人工河川」とも言える利根川の壮大な流れを目にするとき、実はこの国は常に挑戦をし成長を目指してきたことに気づかされる。この国の長い歴史の中で、<十分に豊かだし、これ以上成長しなくてもいいよね>と守りに入っていた時期はおそらく無い。

今回、思い出話のなかであらためて感じたこと。私は長野線開業の直後からバイトを始め高山線開業の直前に卒業した。5年もいながら路線の新規開業に立ち会ったことがない。卒業後就職したホテルでも新規オープンの機会はなかった。仲間たちとバスに乗りに岐阜に行ったとき、急成長中の格安ビジネスホテルチェーンの岐阜店が開業初日ということで特別料金で宿泊した。翌朝、ロビーで朝食をいただいていると、壁側に置かれた棚が気になった。<私なら、あの棚をあっちの壁側に置くな。その方がお客様の動線がいい>。5分後、チェーン本社から派遣されたらしい若い担当者が現地の支配人らしき人に対し、私が感じたことと全く同じ指示を出しているのを見て<どうしても新規オープンに立ち会いたい>という衝動にかられた。翌日出社して上司に<私を3年間、格安チェーンに出向させてください。絶対にいい勉強をして帰ってきます>と伝えたら<お前アホか>と一言返ってきた。

しかし今、私は新規開業にどうしても立ち会いたいとは思わない。高速ツアーバスにたずさわってそれなりに楽しんだというのもあるが、それ以上に私の役割をよく認識したからだ。ローソクが消える直前のように輝いたバブルの崩壊とともに高度経済成長が終焉した直後、私たちの世代は社会に出た。長かった「いい時代」を忘れられず変革を拒むこの国の中で、それでも必要な変革を推進することこそ、私たちの世代に求められた役割なのだ、きっと。私には国全体を変える様な力は無いが、愛するバス産業だけは、なんとか変え抜きたい。その黒子として、その宣教師として、バス産業に変革を呼びかけ続けよう。

本年、本ブログ読み続けていただいた皆様に心から感謝を申し上げる。そして来年は、私自身にとって大きな大きな意義ある1年になる予定だ。さあ、もうすぐ、その大きな1年の幕が開く。





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Last updated  2011.01.01 09:57:09
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京帝117@ ご参考まで この度 K電鉄バスの取締役安全技術部長に…
京帝117@ 残念でした 他にメッセージをお送りする方法を知らな…
成定竜一@ Re[1]:中央高速バス~ふたつの路線~(02/24) 京帝117さん、コメントありがとうございま…
京帝117@ Re:中央高速バス~この風は、山なみの遙かから~(03/02) 86年に私と、その後KKKに入社したH君の2…
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