市場へ行こう。小高い丘にも上ってみよう。

2004.03.04
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カテゴリ: 日常記
走り来る風景と。走り行く風景と。走り去った風景と。

先頭車の最前部から、座席から、最後部から。
列車や電車のどの窓から風景を眺めているかによって、
見え方が違ってきますね。

運転席から見える風景は、これからの迫りくるもの。
遠く目にしたなにかが、一つの姿やかたち・色として
近づいては、過ぎ去っていく。
同時に、前から前から新しい風景がやってくる。

運転席からの車窓風景を、首都圏各線ごとに延々、

と、何かの記事で読んだことがあります。
ずいぶんと前なので、今はどうなのか知りません。
もし、たまたま手に入れることができたとしたら、
ボ~っと眺めているかもしれませんね。

前からの風景も好きですが、座席…横の走り行く、
同時進行形の風景もなかなかいいもの。
家々の庭の紅白の梅の花、広い畑と古びたお堂、
小さな踏切の前で手をつなぎ、電車が過ぎるのを待つ高校生カップル、
自転車のおじさんと誰かの立ち話……
突然、目に飛び込んできては、過ぎ去った瞬間に忘れる。
というのが、走る風景として心地いいのです。


意識すれば、風景を置いてきたな、という感じで見ているかな。
いや、みたいんですね。
ちょっとは自分のなにかにつなげたい、という想いもあるのでしょう。
「ロマンチックが、したいなぁ。」ですね。

長い時間、乗り込むときは「行き帰りで本1,2冊読めるな」なんて、

あとは、ひたすら風景を眺めていることがほとんどです。
マイ心が自然と「こっちの方が楽しいよ」と欲しているのか。

「車窓」という言葉には、旅の匂いがします。
普段、乗らない路線で30分も走れば、そこは別世界。
自分の住む町と、さほど変わらない風景や時間が
流れているのでしょうが、「もう2度と出会わないかもな」
と思いながら眺めているので、旅情を増幅するのかもしれません。
マイカー通勤でも、酒屋さんに車でお買い物でも、
窓からの眺めがあるわけですが、情報になっています。

たとえすぐ近くだとしても、自分が旅だと思えば、
そこに気づかなかった風景や旅の感情がありますね。
ふと、吉行淳之介さんの「街角の煙草屋までの旅」という
本を思い出しました。



ちょっと家から駅まで、隣の町まで。歩いてみると、道はあちこち
マンホールのフタだらけ。小さな道や階段の途中、近づくとシャーシャーと
水の流れる音がしています。現代の暮らしは、穴ぼこだらけ。





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Last updated  2004.03.04 22:56:44
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