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[月曜日の嘆き]
最近、僕の不幸な体験が多かったので、ここらで僕が他の人を不幸にした例を、
すなわち、他の人の嘆きをお伝えしよう。
関係者からの復讐が怖いのだが...具体的な地名を上げなければバレはしまい。
たぶん、きっと、お願い。
それは平日の夕方であった。
仕事を終えた帰り道であった。
ある駅につき、線路を渡るため...僕は踏み切りに立っていた。
ここはいわゆる"開かずの踏み切り"である。
特に夕方は踏切が開いている時の方がめずらしい。
踏切が開いても、渡り終えるくらいにはあの音が鳴り始めるのだ。
カンカンカンカンカンカンカンカン
上野のパンダじゃないよ。四匹くらいいるけど。
きつい太陽の陽射しでも無い。今の蒸し暑さからそっちの話題に移したくなる
ような衝動にかられなくもないけど。
さて、踏み切りの音が鳴り始めるという事は、電車がくるという事だ。
踏切がしまるという事だ。
僕は走った。
ッ!?
足がとられ、僕は踏み切りの中に倒れこんだ。
「なっ!」
足を見たら...手。青白い手。
地面から生えた手が僕の足首をつかんでいたのだ!
ほどけない! なんて握力だ! 電車の音が近づいてくる!
そもそも、この手はなんだ? 何者の手だ?
ちくしょう、こんなところで死んでたまるか!
僕は足をつかむ手の甲を"つねった"。
「もう、いけない人ッ!」
すいません、白昼夢を見てました。暑さゆえ、という事でおゆるしください。
とにかく、その踏み切りはなかなか開かない上に、開いたと思ったらすぐに閉まる
のである。
やっと開いた踏み切りの棒をくぐり、足早に線路を渡る。
駅の近くの踏み切りだけあって、通る人がたくさんいる。
腰をすこし曲げたおばあさん、子供連れの母親、サラリーマン、おじさん、
どっかの女子高生、自転車にのる人、バイクの人。
すぐ閉まる踏み切りだという事はみんな知っている。
だから皆、せかせかと渡るのである。
でも、渡り終える頃には...ほら、さっそく鳴り出した。
カンカンカンカンカンカンカンカン
黄色と黒の踏み切り棒がゆっくり降りてくる。
ちょうど、僕の目の高さまで棒が降りてきた時、後ろを見ると、
まだ子供やおばあさん、女子高生2人が渡り終えていなかった。
さあ、みなさんならここでどうしますか?
踏み切りの棒をもってくぐりやすいようにしますか?
ええ、僕もそうしたのです。
踏み切り棒をガシッとつかみ、くぐりやすいように止めたのです。
弾力のある棒でした。竹かもしれませんし、プラスチックかかもしれません。
僕のささえる高さで踏み切り棒はグニャ~~~と曲がっています。
子供がくぐりました。
おばあさんが「すいませんねえ」とくぐりました。
女子高生2人がさも当然のようにおしゃべりしながらくぐりました。
さ、もういいだろう。
僕は棒から手を離したのです。
その時! 抑えられていた弾力で棒がビヨーーーーンとはねました!
「あいた!」
な、なんと女子高生の後頭部に棒がぶつかったのです!
後頭部をバシッとはたくように!
け、けしてワザとではありません!
上下にビヨヨンだったら問題なかったのですが、僕が棒をつかんでいた位置は、
棒に上下方向だけではなく、左右にも弾力をあたえていたようなのです!
うわ、やっべ、親切心の逆効果ってやつか!?
後頭部をおさえ、「いって~~~~~~」と唸りながらしゃがみこむ女子高生を見て、僕は...
逃げました。あ、もちろん、「すいませんっ」と言いながらですよ。
それから...僕は踏み切りで棒をもってあげるのをやめました。
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