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[月曜日の嘆き]
それは子供の残酷な思い出。
そして、自分がいかに外道なのかを猛省する思い出です。
当時住んでいた住処の裏は、ヘラブナ釣りではけっこう有名な川(沼?)でした。
某1級河川の旧川で、流れもゆるやかでした。
川の淵は林になっており、ちょっとした密林気分です。
ヘラブナはもちろん、ナマズ、ウシガエル、ウナギや雷魚までも住んでいる、
子供の冒険にはふさわしい場所だったのです。
まあ、日中は竿をだしている人だらけになるのですが。
そんな場所で、遊んでいたある日。
僕より年下の男の子が、戦艦武蔵のプラモデルをもってきたのです。
それは精密な出来のみごとな雄姿でした。
かっこよかったのです。
僕は思いました。
「川に浮かべてみたい!」
男の子に、川にもっていって浮かべようと提案したのです!
戦艦が川に浮く...なんて燃えるのでしょう!
最初は、男の子は乗る気ではありませんでした。
しかし、僕は川に浮かぶ武蔵のかっこよさを主張して...
二人は裏の川のほとりにいました。
僕とその男の子は、期待に盛り上がりながら、川のほとりに武蔵を浮かべました。
はたして--おお! プラモデルながら、そこには戦艦武蔵が水を切って走る姿が
再現されていたのです!
思わず、宇宙戦艦ヤマトの歌を歌ってしまいたくなりした。おっと、ヤマトのところをムサシに変えるのを忘れてはいけません。
うちゅう~せんかん~む~さ~しぃ~
そんな中、浮かぶ武蔵を押す方向をあやまり、武蔵は川の沖の方向へ。
思いのほか速い前進でありました。
そして、あっというまに武蔵は子供の手に届かない沖のほうへ進んでしまったのです。
「ああっ、どうしよう、お父さんのなのに!」
男の子の叫び。な、なんと、お父さんのプラモデルだったのです!
そのお父さんのプラモデル--戦艦武蔵は、水を切りながら、どんどん沖へ沖へ。
台を出してヘラブナを釣っていたおじさんがきがつき、竿で武蔵の進行を止めようと
してくれましたが、残念なことに止められませんでした。
そして...停止したのは川の真ん中あたりでした。
泣く友人に申し訳なくなり、僕は川に入り始めました。
「だめだ、川にはいっちゃ! 沖は深いからあぶない」
釣りのおじさんから強く言われ、僕はそれ以上、川に入れませんでした。
そして--
数十分ほど後、戦艦武蔵はゆっくり沈没していったのです。
それは宇宙戦艦ヤマト完結編で、アクエリアスの海水に沈むヤマトを見ているようでした。
その日の夜--友人はお父さんからこっぴどく怒られたのです。
ああ、すいません。ごめんなさい。
僕が川に浮かべよう、なんて言わなければ...
酷いヤツです...僕は。
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