夢我夢中

夢我夢中

2013/03/18
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 病院に着いたばかりの血圧は上が127だったが、手術直前は152に上がっていた。本人は落ち着いているつもりだったが、体はそうではないことを証明していた。おそらく心もどきどきだったのだろう。
 一つには、1時間早くなった手術の時間もあるだろう。2時の予定と聞いていたが、1時にはそろそろなので着替えてくれと言われた。
 看護師さんたちは皆にこやかで、手術前の緊張をほぐしてくれようとしている。心配しないように、慌てないように、ゆったりとしかしキビキビと準備を進め、話しかけてくれる。チョット眠いので、静かにしてください。
 医者は手術に専念しているようで、話しかけられたのは「チョットぐりぐりします」くらいだった。

 右目が悪いので、右目から手術をして貰いたかった所だったので、気を使ってくれたのかと思いきや、今日は右目の日だった。患者はみんな右目の手術であり、医者のポジションも右目シフトだった。手術台はイスであり、歯医者の椅子席のように座って体を倒していく。光源や装置本体は左側にあり、医者は右側に座って患者を待つと言うポジションだった。

 何度も何度も目薬を注される。瞳孔を開く目薬を最初の内に注されてから、感染症を防ぐ目薬、出血を止める目薬、麻酔の目薬などを多分注されているはず。何かあったら目薬を注してくるので回数は覚えていない。これが注射なら副作用の心配をするところだ。

 右目を残して顔全体をガーゼで包む。左目では全く見えなくなる。麻酔が効いているので右目は見えないだろうと予想していたが、ちゃんと見えるので驚いた。その右目に何か被せてきた。おそらく目蓋を開いておくためのテープか何かじゃないか。3枚ほど重なられたようだ。それでも結構目は見えるものだ。見えるまま機械が右のほうから水晶体を吸い出すのではないかと、ちょっとビビった。
 「光ります」と医者。強い光が上方から射してきて、ホワイトアウトした。光だけがあって、何も見えない。これで手術中に水晶体がなくなった状態で外界を見る恐怖は無くなり、安心した。何か音が聞こえるが、行われていることはわからない。超音波で水晶体を破砕して吸い出しているのだろう。「ちょっとグリグリします」と医者。何かが眼球をグリグリしている。きっと眼内レンズを入れているのだろう。早く終わらないか、来週もう一度この恐怖を体験しなければならないのか、もうえんじゃね?
などと恐怖に慄いているうちに終わった。前の患者が何となく長かった気がしていたので、早く終わってほっとした気持ちになりたい自分がいた。まだ来週あるのか。もしオレが妖怪百目だったら、白内障手術など決してすまい。


 カップは翌日の検査までそのままにする。顔どころか風呂へも入れないので別段構わない。
 問題なのは、焦点がぴったり合う地点が無いことだ。

 30cm手前に合わせてもらう筈だったが、実際は70cmほど手前だった。騙されたか!これでは手元での細かい作業が出来ないじゃないか。もし職人なら商売替えをしなくてはならないだろう。それどころか現実が嫌になって自殺も考えるだろう。職人でなくて良かったかもしれない。
 このことはセカンドオピニオンの眼科からしっかり聞いていたので、想定内は想定内だったのだ。眼内レンズは入れてみないとどう見えるかはわからない、ボクの場合は右目の近視があまりに強すぎるので、予想よりも遠くになるかもしれない。それを聞いていなければ、職人までは行かなくてもかなりのショックはあったろう。手術の医者からは聞けなかったことだ。
 翌日の検査後にセカンドオピニオンを尋ねて色々ときいてみた。左目はもう良いのではないかと弱気なことを言ったら、ちゃんと否定してくれた。持つべきものはセカンドオピニオンである。手術自体はとても上手く行っているらしい。診てもらうとすごく綺麗な手術だと言われた。技術は確かなのだ、技術は。単に、医者のサービス業面が無さ過ぎるだけなのだろう。それでよいのか。

 しかし、1日に何件の白内障を手術するのか知らないが、次から次へとベルトコンベアのように患者を処理して寸分狂わない。職人技といえよう。病院自体は月間300人ほど白内障手術を行うらしい。手術は週2回のようなので、月に10人として1日30人か。聞いた話では2人体制でするのだが、4月から一人が抜けるため、二人分を一人で行っているとか。それは、止めてくれないかなぁ。
 失敗した話は聞かないから、相当に腕が良いのだろう。集中のため笑う余裕が無くなっているのかもしれない。ご苦労様な話だが、余裕は持ってほしい。少なくとも左目の手術が終わるまでは。

 目の細胞がはしゃぎ回っているので、視力が中々落ち着かないのだそうだが、ぴったり焦点が合うようになるのだろうか。ネットなどでもセカンドオピニオンの話でも、焦点の合い方に驚くとのことなのだが、本当に合うようになるのか大変不安である。手術から5日目である。視力が落ち着くのは1~2ヶ月とのことなので、様子を見るしかない。焦点が合い過ぎて、逆に困るってのは本当か。1ヵ月後を待て。

 焦点が手前に合わないのは仕方ないが、薄い老眼鏡を用意すればよいなどと、簡単に言ってくれるよなぁ。医者ってのは大体そうだな。眼科医は見えにくくなったらめがねを使えば良いと言う。ドブが臭かったら鼻をつまめば良いというのと変わらないんじゃないかな。本質的な解決策に至るまでの、あくまで一時的なものであるという気持ちは忘れてほしくないな。忘れてないのなら、持ってほしい。





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最終更新日  2013/03/18 09:25:37 PM
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