以前、「魔法の木」のマスターから、「もてない男の話しも書いたら」って言う言葉をいただきましたが、もてない男の話っていうのは「身につまされて」なかなか書けません。
それに、もてる男の話だと・・・なんだかんだあって、最終的に「ハッピーエンド」で終わることができるんですけど、もてない男の話だと・・・「一生もてないままで終わりました。」ってとこまで書かないといけませんので、だらだらと長くなりそうな気がします。
でもそれを覚悟で、書き始めましょうか・・・・・・・
当時中学2年生の私、「大山健二」は、自分の平凡さに自分自身があきれるほどであった。
なにをやっても中途半端・・・・
成績がいいわけでもなければ、スポーツもだめ・・・・運動音痴というほどではないのだが所属している野球部の中では「ライトで8番バッター」というのが彼のポジションで、ようするに、レギュラーと補欠を行ったり来たりしているようなところだった。
もちろん、クラスに必ず一人はいる「お笑い系の人気者」にはほどとおく、冗談を言っても、ウケることは先ずない。
一度、クラスの「お笑い系人気者」と呼ばれる中島の駄洒落が気に入って、そのまま塾で使ったことがあるのだが、すべってしまった。
すべったというより、はっきり「泣かれて」しまった。
いつも地味な洋服のセンスの女の子に、「お前のセンスは犬の卒倒・・・ワン・パターン」といってしまったのだ。
その女の子は机に泣き伏してしまい、私は塾の講師から「廊下に立たされる」という、塾としてはありえない「お仕置き」を受けてしまった。
翌日、学校に行って中島に話したら、「お前冗談を言うにしても、TPOを考えなくちゃ」といわれたのだが、おそらくそういったセンスも元々ないのだろうとあきらめた。
勉強もだめ、スポーツもだめ、駄洒落のひとつもいえないのなら、姿形だけでもよければいいのだが、身長はちょうどクラスの真ん中でちょっと太め・・・・・
「顔のつくり」に至っては親友の斉藤から
「お前の顔の部品一つ一つはいいんだけどなあ・・・・配置がわるいのかなあ」
なんていわれる始末で、私としては照れ隠しに笑ってごまかさなければならなかった。
「斉藤だって、人の顔のことをいえた義理か」と文句を付けてみても、彼にはちゃんとした「彼女」がいる。
そういう意味では、斉藤に余裕が感じられた。
「ほんとに俺って、なにやっても中途半端だなあ」
そう感ぜずにはいられなかったのだが、そんな私でも好きな女の子がいなかったわけではなかった。
「会田真由美」・・・・今年の4月、大阪から転校してきた子で、可愛いというより活発な女の子の印象があった。
それはこの田舎では珍しい関西弁の影響があったのかもしれない。
いじめっ子の軍団が、真由美の言葉をからかったのだが、その速射砲のような関西弁で、いじめっ子達をねじ伏せてしまったのだ。
当然、それからというもの、いじめっ子達は真由美の刃向かおうとしなくなり、クラスの女の子達からも絶大な信頼を勝ち取ってしまった。
数人の男子生徒が真由美にラブレターを手渡したという話しもあったが、ことごとく失敗したようで、そんな勇気もない私てきには、心の中で彼女に喝采を送っていた。
中島もラブレターを送った一人だったと自ら告白したが、
「あんた駄洒落の名人ておもてるかも知らんけど、そんなん、大阪では日常会話やよ」
と口頭で返事を返されたともらしていた。
しからば真由美に好きな男の子はいないのだろうかと、あちこち情報を収集して見ると、どうやら仲のよい女の子達に
「この辺の男の子は、ほっぺたが赤うて坊主頭やし、あたしの好みはおらんなあ・・・・」
といってるらしく、いつもその他大勢の私には手も足も出ない状況だった。
当時、私の中学校では「男子生徒はみな坊主頭」と校則で決まっており、少しでも髪の毛を伸ばしたりすると、生徒指導の先生がバリカンを持って追いかけてきて、たちまちのうちに「5厘刈り」にしてしまうのだ。
「5厘刈り」というと、今でいうところの「スキンヘッド」一歩手前で、「番長グループ」の悪たれどもも、これだけは逆らえなかった。
今日は忙しいので、少しずつ続きを書くね
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