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一度、金町をじっくり歩いてみたいと思っています。金町といっても水元方面の事で、実のところは以前そこそこじっくりと歩いてみたこともあるのです。でも朝方から彷徨いだしたということもあり、夕方頃になるとヘトヘトになってしまいました。目的は当然呑みでありまして、途中少し良さげな酒場なども見掛けたりもしましたが、まだ営業開始にはしばらくあったりして、止む無く通過することになるのです。そうなると徒歩で巡るにはいささか広大過ぎる土地であるため、再び元の場所に取って返すという労苦は敬遠してしまうのです。次の地点に向かえばまた別の良さそうな酒場だってあるだろうという考えなのです。ところが、そうした浮気めいた行動を取るとどうにも上手くいかぬ場合が多いようで、はるばる訪れた次の酒場は折悪しく休業していたりするのです。二兎を追う者は一兎をも得ずの諺が真理を言い当てているように感じるのです。しかしまあ一挙両得なんて言い方もある訳で、人というのはいかようにだって解釈してそれが真実だと思い込んでしまう身勝手な生き物のようです。無目的に旅に出ると気取ってみせたところで真に目的のない旅などあり得ない訳で、そこには無目的であることがニヒルでカッコいいとかの自己陶酔的に浸ろうとの目的を潜ませていたりするものだと思うのです。とまあ、水元に行きたいなんて話をするつもりだったのが、話が別の方向へと向かってしまった。今の無気力なぼくには駅側の酒場を訪れるだけでも怠惰に対して抗う気力を要するのでした。 やって来たのは「お食事処 よし甚」です。京成金町駅の呑み屋街の一軒です。この通りの酒場は一部の有名店を除くと、どこかしら似通ったムードのお店が多くて、初めてと思って2度3度と足を運んでしまう店も少なくないのです。そこがいい店だったらそれはそれで構わないのだけれど、ハズれの店に繰り返してお邪魔するとなると目も当てられません。本来は好きな酒場を記憶に留めるためにメモを取り続けてきたのですが(メモといってもほとんど渋い/退屈、好き/嫌い、高額/安価といったレベルに過ぎぬのです)、思ったようには役立てられていないのです。ともあれ、こちらにお邪魔したのは初めてだったようです。初めてならまあ外れでも最低限の目的は果たせたという気分には浸れます。さて、店内は思いがけず賑わっていますね。呑み屋っていうのは表から眺めてパッと見で繁盛ぶりが分かる店と扉を開かぬ限り全く様子の分からないタイプがありますが、前者は確実ではあるけれどスリルがない一方で、後者はリスクが高い分だけ達成感(一体何を達成したというのか)が圧倒的に高く、ぼくは言うまでもなく後者に魅力を覚えるのです。でもまあこちらは客層は必ずしも大人しくはないけれど、店の方たち(思いがけずお若い)や雰囲気はかなり上品目でありました。だから詰まんないかというとまあ面白味はないけれど、一軒の呑み屋としては非常に使い勝手がよろしくて、なるほどお客さんが入る訳だと納得させられるだけのものでありました。
2024/09/22
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ぼくは、大葉と茗荷が大好きなのです。薬味としてちょっぴりが小皿に盛られているとストレスを感じます。ちょっぴりならいっそのことない方がいい位に思えるのです。ところが、紫蘇や茗荷っていうのは庭付の一軒家暮らしの方たちから、庭の片隅からこれでもかって位、生えてきてとても食べ切れないなんて話を聞かされたりします。植物に関してはほとんどといっていい位に造詣が浅いので、スーパーで売られている商品化されたものであれば大体知っていると思うけれど、それがどうやって生育しているかなどについては、全くの無知なのです。紫蘇がわっさわっさと生えているとか茗荷がそこかしこからニョキニョキ生えてくるなんていうのは写真の一コマとして見たことはあるけれど、実物を目にする機会には不幸にも恵まれなかったのです。でもまあいずれも大概の小売店で販売されているからさほど不自由する訳ではないのですが、季節にもよりますが概して高額なのが問題なのです。大葉は10枚程度で100円近くすることもあれば100枚以上入ったパックが198円だったりすることもあって、それが季節というよりは販売店舗によって価格差があるっていうことになると誠に困ったことになるのです。うっかり買い求めてスーパーをハシゴしたらそこではバカ安で販売されていると思うと、スーパーを行ったり来たりということにもなりかねない(実際そうすることもある)。茗荷なんて都内では3個で158円とかしたりするのが、旅先で10個で80円なんかで売られていて大量購入して持ち帰るのに苦労したりもする。ああ、これらが家庭で簡単に水耕栽培できないもんだろうか。大葉と茗荷のカレー【材料】ごはん・豚肉・玉ねぎ(くし型切り)・ニンジン(拍子木切り)・大葉(千切り)・茗荷(縦2等分/斜め切り)・にんにく・生姜・カレーフレーク・顆粒だし・醤油・水・サラダ油 適宜【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱してにんにく、生姜を炒める。豚肉、玉ねぎ、ニンジンを加える。水、顆粒だしを加える。大葉、茗荷、カレーフレーク、醤油を加える。皿にごはんを盛ってかけ、大葉、茗荷を散らす。 カレーのパワー恐るべし。大葉も茗荷も普通にルーに溶け込んで、せっかくの風味も霞んでしまうのでした。旨いけどね。大葉と茗荷のしらす丼【材料】ごはん(すし酢を和える) 150g/しらす 40g/茗荷(縦2等分/斜め薄切り) 1個/大葉(千切り) 5枚/すし酢 小さじ2/めんつゆ 小さじ1/小ねぎ(小口切り) 2本/白ごま・わさび 小さじ1/刻みのり 適宜【作り方】1. 丼にごはんを盛ってしらす、茗荷、大葉をのせ、めんつゆをかける。小ねぎ、白ごま、刻みのりを散らして、わさびを添える。 やはりカレーなんかじゃなくこういう定番の穏当なもので用いるのが良さそうです。間違いのない美味しさ。鶏ひき肉と茗荷の炊き込みごはん【材料】米 2合/鶏ひき肉(下茹で) 100g/水カップ 1.5/酒 大さじ2/薄口醤油 大さじ2/茗荷(縦2等分/斜め薄切り) 3個/大葉(千切り) 10枚【作り方】1. 炊飯器(内釜)に米、水、酒、薄口醤油を入れて炊く。茗荷を加えて蒸らす。茶碗に盛って大葉を散らす。 茗荷って加熱すると美味しいんですよね。今は新店舗として営業している藤沢の名酒場「久昇」で食べた茗荷のチャンプルーの衝撃は今でも記憶に新しいのです。当然炊き込みごはんにしても旨いのだ。大葉と茗荷のわかめコーンラーメン【材料】中華麺(とんこつ/茹でる)・大葉(千切り)・茗荷(縦2等分/斜め薄切り)・わかめ・コーン・鶏ひき肉・酒・塩・白胡椒 適宜【作り方】1. 鍋で鶏ひき肉、コーンを炒める。2. 丼に付属のスープを入れて1.の茹で汁を注ぐ。中華麺を盛って1.の具、大葉、茗荷、わかめをのせる。 あれあれ、こんなの作ったかしら。推測するに後生大事に冷蔵庫で保存していたのが痛みそうになったので無理矢理トッピングしたんじゃなかろうか。でもそれだってきっととても美味しかったはずだと思うのです。
2024/09/21
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丼物をキーワードに青空文庫で検索してみました。すると以下の結果が表示されたのです。--林芙美子 濡れた葦子供たちは、いかにも心細さうにあたりをながめてゐる。ふじ子はひよいとしたら、丼物でもとつてもらへるかも知れないと、女中に、何か食べものを取りよせてもらへるかとき ...豊島与志雄 沼のほとり ――近代説話――黒ずんだ卓子が土間に並んでいて、やはり兵営での面会帰りと見える人たちが、代用食らしい丼物を食べていました。 八重子もそこにはいってゆき、お茶を飲みました ...山本周五郎 青べか物語... 丼物 ( どんぶりもの ) でも取ればいいほうだからだ。――で、こうして召集された女たちがかもを取り巻き、夜の明けるまで盛大に騒いだ。もちろん騒いだのは女たちで ...山本周五郎 季節のない街もし割箸があるとすれば、そばとか 丼物 ( どんぶりもの ) とか、なにかを家へ取ったことがあるのだろう、長屋のかみさんたちはそうにらんだ。 「みせびらかしてるん ...岸田國士 世帯休業... 丼物 ( どんぶりもの ) の勘定は、この限りにあらず. 以上. 詩人 なるほど、可なり厳重ですね。しかし、僕がゐないものとして作られた規約なんだから、そこを少し改正 ...-- ご覧になると敢えてぼくが指摘するまでもないことですが、丼物というのは出前で取ったり、表でお金を払って食べたりするものであって、余り自宅で拵えて食べるものではなかったように察せられるのです。でも丼物って大概は簡単に作れるはずなのにいちいち頼んだのは家庭内に冷蔵庫がまだなかったからなのかなあ。ぼくのようにケチな性格の持ち主は、届くなり提供されたらせいぜい3分もあれば片付いてしまう料理はまず頼もうと思わぬのだ。せいぜい呑むのが憚られる仕事中の昼飯に限られます。間違って夜に食べる場合は、当然のことながら丼ぶるものだって酒の肴と化するのです。常々思ってはいるし、語ってもいるのだけれど丼飯の上の肴をのせたら(一度のせた料理だけで丼飯が平らげられるという程度の条件は設けるべきでしょう)基本的に丼物だとすれば、そのヴァリエーションは実質的に無限大です。の割にはそんなにしょっちゅう食べぬのは飯が飲酒を邪魔するからなのかもしれません。肉玉ライス ソース・醤油・塩コショウ(無念、写真紛失)【材料】ごはん 1杯/豚肉(バラ) 100g/卵(半熟玉子焼き) 1個/塩・胡椒 適宜/ふりかけ(旅行の友)・濃厚ソース(センナリソース)・マヨネーズ 適宜【作り方】1. フライパンで豚肉(バラ)を焼き塩、胡椒する。2. 丼にごはんを盛ってふりかけをふる。卵、1.をのせる。濃厚ソース、マヨネーズをかける。 広島の呉にある「ポパイ」なる店で提供されている料理だそうな。ソース、醤油、塩・コショーの3種の味があるようです。こりゃまあ旨いに決まっているが、自分の年齢を慮るとそうは食えぬ料理であります。他人丼【材料】ごはん・豚肉(一口大)・玉ねぎ(薄切り)・卵・だし・醤油・みりん・砂糖・刻みのり・紅生姜 適宜【作り方】1. 鍋にだしを沸かして豚肉、玉ねぎを煮る。醤油、みりん、砂糖を加える。溶き卵を注ぐ。丼にごはんを盛ってのせ、刻みのりを散らして紅生姜を添える。 ぼくは、豚を卵でとじた丼をずっと他人丼と呼んでいました。でも西日本から東日本に越してくると他人丼が通じぬことが少なくなかったのです。どうやら開華丼と呼ばれたりもするようですが、余り見掛けることはないです。西日本でも豚ではなく牛を用いたりする場合もあるようですが、ぼくの印象ではほとんど豚だったはず。東日本の人はカレーなんかでもよく指摘されるように豚を好むのに豚の卵とじが余り食べられていないのは不思議な感じもします。かしわバター丼【材料】ごはん 300g/鶏肉(親鶏/もも/一口大/【下味】に漬ける) 300g/【ペースト(混ぜる)】バター・にんにく・胡椒・白胡椒・醤油・酒・みりん 適宜/【たれ】醤油・にんにく・一味唐辛子 適宜/青ねぎ(小口切り)・のり(千切る) 適宜/【トッピング】【カレー(全ての材料を沸かして水溶き片栗粉を加える)】カレー粉・醤油・鶏がらスープの素・水・片栗粉 適宜/【ガーリックマヨネーズ(混ぜる)】マヨネーズ・にんにく 適宜/卵黄・花山椒・白ごま 適宜【作り方】1. フライパンで鶏肉を焼いて【たれ】を加える。2. 丼にごはんを盛ってのりを散らし、1.をのせる。【トッピング】を添える。 ケンミンショーで紹介されていたのを見て初めてその存在を知りました。香川県の「武内食堂」とその関連するお店で提供されているようです。ネット上にレシピが出ていますがどれもテレビで紹介されていた作り方とは全く異なっていました。番組内ではバターなどの調味料なんかを全て混ぜてそれで鶏肉を漬込むようです。面倒ですが具なしカレーも作ってみました。さて実食すると、そんなに変わった食材を使っているわけでもないのに無性に中毒性のある味となりました。でもこれまた中高年にとっては危険な食い物と考えます。なんちゃってカツ丼【材料】豚肉 80g/玉ねぎ(薄切り) 1/4個/卵 1個/揚げ玉 大さじ4+3/【調味料】めんつゆ 小さじ5/砂糖 大さじ1/2/水 大さじ3【作り方】1. 耐熱ボウルに豚肉、【調味料】を入れて電子レンジで600W4分加熱する。卵を割り入れて溶き、50秒加熱する。揚げ玉を加えて混ぜる。丼にごはんを盛ってのせ、揚げ玉を散らす。 てぬキッチンさんで紹介されている料理は、レンジを多用するせいかぼくには逆に却って面倒な気もするのですが、そこはオリジナリティを尊重してじっと我慢で作ってみました。といいつつ、紅生姜や刻みのり(実はに切ったみりんも)を追加してしまうのです。まあ肝心なのは揚げ玉がカツの衣を代替してくれるかどうかにありますから良しとします。結論を申しますと、ちっともカツではなかったけれど、これはこれで充分旨かったということです。
2024/09/20
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三河島駅の改札を抜けて尾竹橋通りを京成本線の駅に向かって進んでいくと何軒かの居酒屋が立ち並んでいるのが目に入ってきます。ここら辺のお店、何が気になるかって、しょっちゅう居抜きで店が変わっていて、入ったことがあるんだったかちっとも覚えられないのです。初めての店ならまあこのブログの肥やしにはなるから良しとして、また、入ったことがある店でも気に入った店だったらそれはそれで構わないのでありますが、少なくともそれなりに気に入っていたとしたらいくらかは記憶に残っているはずです。いやいや、あんた(ぼくのことね)は初めてのつもりで何度も同じ店に入っては愚痴ってるじゃないかって指摘されたらぐうの音も出ないのです。ともあれ、これといった目星もなかったのでブラブラと歩いていたわけです。そしたら赤提灯を発見。ここらで赤提灯を下げた居酒屋は見たことがなかったのでちょっと気になります。でも店名がどうも気に食わない。やきとんの店らしいのだけれど、「29ちゃん」ってあんまりにも安直ではないかい。 といった訳で訪れたのは、「元祖炭火やきとり やきとん29ちゃん」でした。わずかのカウンター席と奥に卓席があるけれど、えらく狭苦しい造りのお店だなあ。雰囲気は嫌いではないけれど、これではキャパがなさすぎじゃないかな。と思ったらどうやら2階席もあるみたいです(未確認です)。お客さんは一人もいません。何となく嫌あな気分になります。新しい店(これも推測に過ぎない)で空いてるのってどうかと思うのです。ともあれサービスのセットを注文です。これは案外お得でないかな。串焼き3本と煮込み、ドリンク2杯で980円はなかなかだと思う。でも店の方に活気ってもんが感じられないんですね。しかも店長らしきおぢさんが何か様子を窺いに来ていたのですが、ちょっと感じが悪かったんだよなあ。これはこのセットだけでさっさと引き上げることにしようと思っていた矢先に嫌味を言いそうなオーナーが来てしまったので帰りにくいったらないのだ。でもこれ以上、浪費する気になれず気持ちを振り絞って勘定を済ませました。出る際に看板を見たら「29」は「にく」ではなく「ふく」だったみたいです。しかも何のことはない「串八珍」の系列だったとは。何だかさらに損した気分になりました。
2024/09/16
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映画というものが一度や二度見た程度では正確な評価など下せぬのと同様に居酒屋もまた一度や二度訪れただけで良し悪しを決するのは無理なものなのです。今でこそ世間の多くの人にとって映画館や居酒屋という場所は、せいぜいが週に一度程度訪れるかどうかといった場所となっていますが(全くの憶測でしかなく統計・調査に基づく事実ではありません)、1950年代(これまた漠然とイメージしているだけに過ぎぬのです)には散歩に出るついでに映画を見たり居酒屋で呑んだりしていたのではなかっただろうか。現代であればコンビニに買い物に立ち寄るような気軽な振舞いであったように思えるのです。ぼくの親世代になってしまうと家庭には冷蔵庫はもちろんテレビも当たり前に設置されるようになっていたから、映画館へ足を運ぶことも激減したはずでナイター中継を見ながら冷えたビールを茶の間で眺めるなんていうシチュエーションが一般化しつつあったはずです。ちなみに我が実家は少しも資産家ではなかったし、いわゆるリッチな生活とは縁遠かったけれど、父親が趣味人でとにかく電化製品に関しては新し物好きの気味があったのです。なので、有線リモコンの付属されたVHSビデオデッキもあったし、クーラーなんかも水冷式の巨大なのがあったりして、家庭生活はそれなりに先進的だったのです。 とまあ、話が逸れまくるのでとっとと本題に入ります。この夜は「小料理 梓」を訪れました。1カ月と経たぬうちに再訪するのはぼくとしては極めて稀有なことで、自らの選択を客観的に眺めると大いにこちらを気に入ったようです。前回はお客さんもお一人おられただけだったので、もったいないなあと感じたのですが、単に開店後間際だけだったようです。今回は危ない危ない、危うく入り損ねる程に賑わっていました。いやはやそうじゃないとおかしいよなあと思う一方で、コロナ後ということもあるからいい店に客が入らぬことがあっても仕方のないことであるという気もしたのです。空席は入口入ってすぐの座敷のみ。現代の体格のそこそこいい4名には窮屈な感じもしますが、贅沢は言ってられなません。それにしてもここの肴はどれもちゃんとしてるよなあ。極上の素材とかそういったんじゃないんだろうけど、寡黙なご主人が丁寧に仕事してくれるからそれが客の側にもちゃんと伝わってくるんだろうなあ。嬉しいことに他の3名も大いに気に入ってくれたみたいです。店の娘さん(?)はぼくのことを覚えておられたらしく、つい自慢げに振舞ってしまうのでした。それにしても皆さん気に入り過ぎてうっかり清酒を数えきれないほどに注文。当然ながら皆さん、翌朝は大変つらい思いをしたのでありました。
2024/09/15
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今回取り上げるのは、文筆業をはじめ旺盛に活躍を続け、一方で豊富な恋愛遍歴を持ち、ヴァイタリティを失うことなく97歳の晩年までを駆け抜けた宇野千代であります。現代人の多くが草食系どころか植物系と呼んでも不自然ではない程度に精力を喪失しているのと比べると宇野の肉食系ぶりは辟易とさせられるほどであります。実際,宇野は食事に関しても大いに肉を好んだらしいのです。文藝春秋『ノーサイド』編集の『美食家列伝』には、美食家として知られる日本の著名人の逸話が数多く紹介されています。宇野千代は月に七升の特級酒を料理に使った 味つけの秘密はもう一つ。最上等の牛肉である。牛肉のみじん切りを妙めて繊切り大根を入れ、歯ごたえのあるうちに調味、できたてをふうふう吹いて食べるのが千代風大根の煮しめだ。かぼちゃ、牛蒡、芽、どんな野菜も素揚げしてから煮るが、ここでも牛肉と酒でまろやかなコクと艶を出す。牛肉は別皿に取り出して保存、まとまったら佃煮にする。味噌汁の二番だしにした牛肉も同様に。旨味が逃げるので野菜のアク抜きはしない。 味噌汁のだしにまで牛肉を使うとは、まさに筋金入りの肉食人ですね。多用することもさることながら、何よりも財力があるんだなあという方面に感心するというのは何とも貧乏臭い話だなあ。牛そば【材料】そば(茹でる) 1人前/牛丼の具・青ねぎ(小口切り)・めんつゆ・ラー油・白ごま・揚げ玉 適宜【作り方】1. 器にそばを盛ってめんつゆを注ぎ、牛丼の具をのせる。青ねぎ、ラー油、白ごま、揚げ玉を散らす。 これって何のレシピだったかなあ。どこぞやで拾ったレシピだったはずですが。牛丼の具をそばやうどん、さらにはパスタに混ぜるんだって思い付く位、オリジナリティに欠けますが、間違いのない美味しさではありました。牛丼の具はどうしたんだっけなあ。肉吸い【材料】水 400ml/鰹節 1パック/牛肉(薄切り) 150g/生姜 適宜/長ねぎ(斜め薄切り) 1本/卵 1個/【調味料】薄口醤油 大さじ4/顆粒だし 大さじ1/砂糖 大さじ1【作り方】1. 鍋に湯を沸かして鰹節を加えて煮出す。生姜、牛肉を加える。長ねぎ(半量)、【調味料】を加える。溶き卵を注ぐ。器に盛って長ねぎ(半量)をのせる。 大阪でよく食べられているという肉吸いを作りました。シンプルなことこの上ないのですが、これで十分に美味しいのです。でも軽すぎて満足感というのは希薄です。牛肉の白ワイン煮【材料】牛肉(もも/10等分/塩、胡椒する) 600g/油 大さじ2/にんにく 1片/バター 大さじ2/玉ねぎ(薄切り) 1個/ニンジン(8mm厚) 1本/白ワイン・水 120ml/ブーケガルニ 1束/塩・胡椒 適宜【作り方】1. 鍋に油を熱して牛肉を焼き、取り出す。バターを熱してにんにくを炒める。玉ねぎ、ニンジンを加える。白ワインを加えて中火で2分煮る。水を加える。ブーケガルニを加える。塩、胡椒を加えて蓋をし、弱火で2時間煮る。【備考】大森由紀子著『フランス ふだんのおそうざい かんたんレシピとワインとチーズ』(柴田書店) このレシピ大好きなんです。これならいくらだってニンジンが食べられてしまうのです。ニンジンもさることながらその甘味を吸った肉とスープも抜群で簡単なのにいい料理です。大森氏のこのレシピ本、名著だと思うんだけどなあ。牛肉の白ワイン煮のパスタパスタ(茹でる)・牛肉の白ワイン煮・オリーブ油・粉チーズ 適宜1. フライパンにオリーブ油を熱してパスタ、牛肉の白ワイン煮を炒める。皿に盛って粉チーズを散らす。 ちょっと余ったのでパスタに変身。当然に美味しいのです。テシュティケバブ(Testi Kebap)[トルコ]【材料】牛肉 or 羊肉(3cm角/【マリネ用】材料に一晩漬ける) 500g/【マリネ用】ローズマリー(挽く) 1枝/塩 適宜/にんにく 5片/赤唐辛子(砕く)・胡椒(砕く) 小さじ1/オリーブ油 適宜/【シチュー】オリーブ油 大さじ1/玉ねぎ(粗みじん切り) 2個/パプリカ(緑/1cm角) 1個/トマト(皮を剥く/1cm角) 3個/ペッパーペースト(代替:生胡椒・塩・オリーブ油)・タイム 大さじ1/2/パプリカパウダー 小さじ1/2/塩・胡椒 小さじ1/4【作り方】1. 耐熱容器にオリーブ油(半量)を熱して玉ねぎを炒めて取り出す。オリーブ油(半量)を熱して肉を炒める。玉ねぎを戻す。パプリカ、トマト、ペッパーペースト、タイム、パプリカパウダー、塩、胡椒を加えて煮る。アルミホイルを被せてオーブンで160℃45分加熱する。 作り方の玉ねぎを炒める=>取り出す=>戻すの過程に何の意味があるのかちっとも分からないけれど、とりあえず言いつけに従ってやってみました。やはり意味はよく分かりませんでした。でもまあなかなかに美味しかったから問題なしなのだ。テシュティケバブのパスタ【材料】パスタ(茹でる)・テシュティケバブ・オリーブ油・イタリアンパセリ・胡椒・粉チーズ 適宜【作り方】1. 皿にパスタを盛ってテシュティケバブをのせ、イタリアンパセリ、胡椒、粉チーズを散らす。 またもちょっと残ったのでまたもパスタに変身。やはりこちらも美味しかったのです。
2024/09/14
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世間一般で長芋ってどういった食べ方をされているのだろう。近頃では焼いて食べるのが普及してきたようですが、やはり今でも千切りにしたり擂ったりと生で食べる事が多いんだろうか。確かに生食できる芋って希少らしいから生で食べるってのもいいんですけど、火を通して食べる事を覚えてしまうと生での食べ方が単調に思えてしまうのです。生のショリショリした食感は他に類を見ないもので火を通すとその独特な食感は失われてしまうのですが、それでも火を通すことで生まれるねっとりとした食感は様々な料理に取り入れることができます。しかも火の通し方も炒める、蒸す、揚げる、焼くなどなどそれぞれで違った表情を生み出すのです。だから生食か加熱食かの二元論で区分せずに、生食も刻む、すりおろすがあるように火を通す調理法も一括りとせずに、今晩は蒸して、明日は炒める、明後日は生のまま叩いて食べようという風に理解すれば、再び生食を口にする機会も増えるんじゃないかと思い出しました。つまりは長芋はどうしたって美味しいのです。それこそ皮を剥いたまんまにマヨネーズをかけてかぶりついてみたい誘惑に駆られもするのです。長芋の生ハムとガーリックチーズパン粉焼のせ【材料】長芋(縦2等分) 20cm/生ハム(1cm幅) 1枚/オリーブ油 小さじ2/【A(混ぜる)】パン粉 大さじ1.5/粉チーズ 大さじ1/にんにく 小さじ1.5/塩・胡椒・ドライパセリ 適宜【作り方】1. 鍋でパン粉、にんにくを炒める。粉チーズ、塩、胡椒、ドライパセリを加える。2. フライパンにオリーブ油を熱して長芋を焼く。生ハムを加える。3. 皿に2.を盛って1.をのせる。 こちらは普段最も食べる機会の多い焼き長芋ですが、ちょっとヴァリエーションを増やすために作ってみました。悪くないけど思ったより単調な味になりました。とろろトースト【材料】食パン(トースト)/長芋(おろす/めんつゆを混ぜる)・めんつゆ・マヨネーズ・練り辛子・青のり 適宜【作り方】1. 食パンにマヨネーズ、練り辛子を塗って長芋をのせ、トースターで焼く。青のりを散らす。 これはどうかねえと思っていたけれどやはりいまいちでした。パンと合わせるならとろろよりも叩いたものかむしろ短冊に切ったのをのせた方が合いそうな気がします。豆腐とわかめと長芋の韓国風サラダ【材料】絹豆腐(1cm角) 1丁/わかめ(水で戻す) 2g/長芋(皮を剥く/1cm角) 3cm/ミニトマト(4等分) 3個/サニーレタス(千切る) 2枚/【ドレッシング(混ぜる)】酢・ごま油 小さじ2/醤油・白ごま・ 小さじ1/鶏がらスープの素・砂糖・コチュジャン・にんにく 小さじ1/2/塩 適宜【作り方】1. 皿にサニーレタス、豆腐、わかめ、長芋、ミニトマトを盛って【ドレッシング】をかける。 和風の食材で韓国風の味付けのコブサラダ風のものを作ってみました。さいの目に切った長芋は美味しいんですけどもう少しサイズが大きい方が食感が楽しめそうです。肉団子と長芋のスープ[ベトナム]【材料】豚ひき肉 200g/卵 1個/香菜 1束/塩 小さじ1/2/ごま油 小さじ1/長芋(輪切り) 200g/しめじ 1パック/ナンプラー 大さじ1/胡椒 小さじ1/4/水 600ml【作り方】1. 鍋にナンプラー、胡椒、水を入れて加熱する。2. ボウルに豚ひき肉、卵、香菜、塩、ごま油を入れて混ぜる。1.にスプーンですくって入れる。しめじ、長芋を加えて15分煮る。香菜を散らす。 滅茶苦茶シンプルな調味料で果たしてこれで美味しいのか若干の不安がありましたが、とても美味しかったです。この旨さは豚肉のエキスなのかナンプラーの風味なのか判然とはしないけれどとにかくこれだけの素朴ともいえる材料が長芋にほんのりとした旨味を添加してしみじみといい料理と思えました。
2024/09/13
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意外と思われるかもしれませんが、ぼくは案外、気取った店も嫌いではないのです。いや、なかったというのが正しいかも。近頃は気取って呑んだり、食べたりすることに余り意義を見出せなくなったみたいです。じゃあ、かつてはどの辺に意義を見出していたのかと問われるとハタと困ってしまうのだ。そうなんだよね、確かに旨いんだけれど、高いお金を払ってまで気疲れしに行くってどうなんだろうね。ぼくの場合、高級な料理を食べる事になると、最初こそ畏まって借りてきた猫のように落ち着きのない態度を晒すけれど、呑み始めるとすぐにそこが格式が高い店なんてことは忘れてしまって、普段呑んでる立ち?み屋と変わらぬ気持ちに陥ってしまうのです。前後不覚になることはまずない(ということはなったことはあるということです)けれど、少なくともマナーを弁えた紳士淑女からは蔑みの視線を浴びせられていたことがあるんじゃないかと思うのです。それで歳を取って世間の大人並の態度を身に付ける方向に向かうという生き方もあったはずなのですが、ぼくは格式を捨てて店選びの段階で身の丈に合わせるという道を選びました。今でも未知の食べ物や驚くべき味覚に遭遇することは愉しみなことであることは変わりありませんが、大枚を叩いて手に入れずとも、様々な食材が入手できる現在では、ある程度まで食材を買い求めて自分で作ることも可能になっています。ものさえ揃いさえすれば自作できる程度のもの、つまりは、家庭料理レベルでかなり満足できる位の食道楽で十分と割り切ったのです。そりゃまあご馳走になれるんだったら喜んでご馳走になりますが、身銭を切るなら財布にもそこそこ優しくてリラックスできる店にしようってことになります。だから呑みと同程度のプライオリティを食に据える場合の条件は、食材が入手困難で家ではまず食べる事ができないもしくは非常に手間が掛かる料理を食べる場合が大方ということになります。 とまあこういった言い訳でもしないとおちおちビストロで呑むのも気が引けてしまいます。もう何度も登場している「ル・マルカッサン(Le Marcassin)」は、もしかすると何とか食材を手配し、ものすごく丁寧に一つ一つの作業を積み重ねたらかなり近しい仕上がりに迫れるかもしれません。しかし、個人でこちらの料理で使われる食材を買い求めるとすると例えば2人分だったとすれば店で食べるのと変わらない程度の費用が掛かってしまうような気がします。また、マンガなんかでお隣の親切なおばさんが1人分も2人分も一緒だと言って弁当を作ってくれたりもするけれど、それは絶対違っていて10名分も12名分も大して変わらないってのなら何とか納得いけるといった具合です。少量をそれなりの段階を踏んで調理するってのはなかなかに骨の折れるものなんじゃないか。こちらのプレフィックスの一皿一皿が、家庭料理で出すのが困難なのです。アミューズのリエットならいけそうですが、お肉のテリーヌとスナギモのコンフィー、鴨のコンフィー・こんがりオーヴン焼き、ガトーショコラという大定番も皿の主役ばかりでなく脇役たちの準備を想像すると気が遠くなるのです。仕事だからできるのだといえばそれまでですが、それが例え仕事でも毎日毎日繰り返し調理し続ける労力は計り知れません。しかもこちらは全てをお一人で賄っているのだから驚くべきことです。ぼくはもとより飲食業の仕事は無理と思っているけれど、手を抜けばとことん手を抜けるという一面もあるから、もし仮にぼくが飲食業をやるならきっと居酒屋を選ぶことになりそうです。ぼくがここを訪れるのは家では食べられないものを食べるという楽しみもあるけれど、それと同じ位、こちらのシェフとお会いするのが楽しみであることをもう何度も書いたけれど改めて書き留めておきます。
2024/09/09
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宴会といえども拘りの酒場を利用したいとかねがね思っているのです。それもまあ幹事でなければなかなか思うままにならぬのです。わが職場においても数年来行われることのなかった比較的多人数による宴会が行われることになったのですが、なんとも情けのないことにこの会合の幹事が下戸ときたもんだ。下戸なら下戸でも構わぬのだけれど、酒呑み魂を揺さぶる酒場を選択肢に挙げることはまずないと思って間違いがない。この幹事役の男、酒は呑めないけれど、食うことにも興味がないかというとそんなことはちっともないのであります。旨いものを食うのは大好きなのであります。一方で、得てしてこういう人は宴席というものを大いに嫌うことが多いようです。酔っ払いどもがよっぱ勢いで失言、暴言を吐くのを眺めるなんて、それはそれで楽しそうではありますが、彼らの大部分にとっては苦痛の時間でしかないようです。だったら店の雰囲気はともかくとして、せめて旨い食い物を出す店を選んだっていいではないか。それが幹事の特権ってもんだろうが、と私などは思ってしまうのであるけれど、それには分かり易い条件があって、つまりは予算というものがあるのだ。だから彼は自分は呑まなくても人の呑み代まで計算に入れて店選び、コース選びをする必要があるのです。そりゃまあ、投げ出したくなることも分からぬではないのだ。でも探せばあるもんですよ。若い頃のぼくは幹事を務めると相当乱暴な場所決めをしたもんですが、それがどういう無理であったかを語ると、ぼくという人間の人格に関わりそうだし、それを人に勧めるのは気が引けるのです。 てなことで「鍛冶屋 文蔵 松戸店」に久々にやって来ました。こちらのお店のいいところは、当日の退社前に急に呑み会になっても10数人程度であればあっさり予約できてしまうところにあります。こうしたチェーン店としてはさほどオオバコって訳でもないのにね。かなりの大所帯での呑みとなることを見込んでいましたが、コロナの再流行もあって参加者は思った程ではありませんでした。これなら当日の予約でも大丈夫だったんじゃないかとはじめは思った訳ですが、しばらく呑んでから席を立つとほぼ全ての席が埋まっているのです。いつの間にこんな人気店になったんだろう。にしても肴の貧弱なことにはがっかりさせられます。そりゃまあ期待してはいなかったけれど、いくら何でもガッカリ過ぎるのです。以前は見た目にはそれなりに頑張っていた気がするけれど、今回は見た目すら貧層に思えます。これなら同じ食材でぼくが調理した方がよほど満足度の高い料理に仕立てられるんだけどなあ。ってこれは世間の居酒屋の半分近くには感じる事なのでした。まあ、こういう宴会で旨いまずいはあまり頓着してはならぬのです。というか店を指定したお偉いさんがいるかもしれぬからいらぬひと言が災いになることもあるし、何より現場で文句を垂れるのは他人にとっても不快だろうし、人格も疑われかねぬのです。にしても、な、ななんとこのコースメニューが呑み放題付きとはいえ5千円とは。トホホであります(偉い人が会費をもってくれてタダで呑めたのですが、だからといって手放しで喜べるものではないのだ)。4千円と思って愚痴ってたんだけどなあ。日本も世界的なインフレの波に飲み込まれたと思うことにしよう。
2024/09/08
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今年はとりわけ天候不順が酷くて米が小売店から消えてしまったりと日常生活にも影響が及んでいます。この記事をアップした9月初頭は迷走し過ぎの台風10号に振り回されて、農業のみならず交通機関がマヒしたりと大きな爪痕を残していきました(というか記事のストック切れでせっせとこうした文章を書いている今現在もまだまだ予断を許さぬ状況らしい)。昨今の気候は人類の積み上げてきた英知など嘲笑うかのように想像を遥かに凌駕する規模で襲い掛かってきています。と紋切り型の文章を連ねていても仕方がないことですが、野菜好きのぼくにはとにかく野菜が高騰していることが非常に困ったことなのです。もう毎年のように日本各地の多くの農家が致命的とも思えるような被害を被っているのを報道で知ると、ぼく自身の無念さもありますが、農家の方たちの悲嘆と苦渋に対しては掛ける言葉すら見出せないのでした。それでも気の毒がってばかりもおられず、まずは自分の食生活をなんとかせざるを得ないのが現実です。普段、食事を用意する場合、大雑把にはレシピを決めてから食材を買い求める方法とお得な食材からレシピを探るというやり方があると思うのですが、現状は後者を選ばざるを得ない状況です。節約マニュアルなんかでは前者が賢い生活術との指南が主流に思えますが、これはいらないもの―つまり無駄な買い物を控えることで予算内で買い物を済ませようという考え方です。でも現状の様にどれもこれもが値上がりしているような場合は、安価な時に逃さず購入するのが良いと思っています。今年はナスがそんな食材で先般ようやく安く売られているのを見つけたので慌てて購入したのですが、まだまだ食べたりないなあ。とナスの話だっていいたいがために無駄な文章を弄してしまった。弄したところで文章が上手くなる訳でもないんだけどなあ。ナスのかりかり焼き(唐揚げ風味)【材料】ナス(皮を剥く/輪切り/片栗粉、唐揚げ粉をまぶす) 1本/片栗粉・唐揚げ粉 大さじ1.5/サラダ油 大さじ2【作り方】1. フライパンにサラダ油を熱してナスを焼く。 西インド料理にバンゲチェカプというなすにスパイスをまぶして揚げ焼きする料理がありますが、これはその応用みたいなもの。ある意味、ミックススパイスと粉を混ぜたのが唐揚げ粉ですから、自前でスパイス等を調合することなく予め配合された粉をまぶすというアイデアですね。結論を言うと粉っぽくてもう少しバランスを考え他方がいいかも。【参考】唐揚げ粉【材料】薄力粉・片栗粉 大さじ3/顆粒コンソメ 小さじ2/オールスパイス・砂糖 小さじ1/胡椒 小さじ1/2/塩 適宜【作り方】1. 全ての材料を混ぜる。なすと挽き肉のミルフィーユ【材料】ナス(縦35mm幅/塩をまぶす) 2本/牛ひき肉 200g/トマトソース 200g/溶けるチーズ・ドライパセリ・オリーブ油 適宜【作り方】1. 耐熱皿にナス、牛ひき肉、トマトソースの順に4回重ねる。一番上にナスを並べてオリーブ油をかけ、電子レンジで600W5分30秒加熱して取り出す。溶けるチーズをのせて表面を焙る。ドライパセリを散らす。【備考】ELLE GOURMET 「なすと挽き肉のミルフィーユ」https://www.elle.com/jp/gourmet/gourmet-recipes/a61466184/8437/ 全くありふれた料理ではありますが、ナスっていうのはあんまり余計な手を賭けずとも美味しい物なんですよね。冷製なすとトマトのコラトゥーラだし漬け【材料】ナス(電子レンジで600W4分加熱/冷水で冷やす/一口大) 2本/トマト(一口大) 1個/赤玉ねぎ(みじん切り) 20g/好みのハーブ(ディル・バジル・パセリ・香菜 etc.) 適宜/オリーブ油 大さじ1/【調味料】コラトゥーラ 10g/水 30g/オリーブ油 大さじ3【作り方】1. ナス、トマト、赤玉ねぎを【調味料】で和える。皿に盛ってオリーブ油をかけ、ハーブを散らす。【備考】ELLE GOURMET 「冷製なすとトマトのコラトゥーラだし漬け」https://www.elle.com/jp/gourmet/gourmet-recipes/a61481089/8444/ そういった意味では、これは手を掛け過ぎかも。もう少しシンプルに仕上げた方が食べ易かったかな。鶏肉入り鍋しぎ【材料】ナス(一口大)・ピーマン(一口大)・鶏肉(笹身/一口大)・赤唐辛子(砕く)・ごま油/【調味料】酒・みりん・砂糖・味噌 適宜【作り方】1. 鍋にごま油を熱して赤唐辛子、鶏肉を炒める。ナスを加える。ピーマン、【調味料】を加える。 たまには和風の定番料理を食べたくなり鍋しぎを作ることにしました。肉なんて入れなくてもナスとピーマンだけで十分なんですけど、笹身の残りがあったので加えてみました。これがあればもう他に何もなくても酒も呑めるし、ごはんもイケちゃいます。
2024/09/07
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近頃、現地在住の方のアメリカ料理のレシピを眺めたり、試したりしていると、アメリカ料理っていう漠然としたカテゴリーに対してぼくがかねてより抱いていた漠然としたイメージがある一面のみを注視しただけの相当に偏向した見方であったことを思い知らされたのです。そりゃそうだよね、アメリカってネイティブ以外にも数多くの民族の寄り合い所帯国家なんだから。広大なアメリカ大陸の食材を各国・民族を出自とする人々が持ち込んだ伝統的な料理や調理法で作り上げるという側面もあるのだから多様性という意味では他国を抜きんでているのかもしれません。といった至極当然のことはともかくとして、そんな料理のひとつにマリーミーチキンという料理があります。マリーミーパスタってのもあるみたいなので、ドライトマトと生クリームなど乳製品をベースとした濃厚なソースを指してマリーミーと呼んでいるようです。それにしてもマリーミーというのは、どういう意味だろう。いやいや「結婚して!」って言ってること位分かるけど、これは女性が「こんな美味しい料理を作ってあげられるんだから結婚して!」って言っているのだろうか。そんなことはなさそうですね。普通に考えたら男性が「こんな美味しい料理を作ってくれるなんて、結婚してちょうだい!」って女性に訴えてると捉えるのが自然でしょうか。現在の風潮では男女を区別すること自体不味いのかもしれないからジェンダーは抜きにしても、後者が妥当なところだと思うのです。しかし、これが当たっていたとしても、この料理が果たして結婚して欲しい!っていう程のものかは疑問が残るのだ。美味しくないっていう意味ではありません。とにかく無茶苦茶簡単だから結婚して不自由となるよりも自分で作ってしまえばいいだけの料理に思えて仕方がないのです。以前作っているので興味ある方は、過去の記事を探ってみてください(なんて不親切!)。ちなみに今回はミートボールヴァージョンです。マリーミーチキンミートボール[アメリカ]【材料】【ミートボール(混ぜる/ゴルフボール状に成形)】鶏ひき肉 700g/パン粉 160ml/にんにく 大さじ1/塩・胡椒 小さじ1/2/オニオンパウダー・パプリカパウダー 小さじ1/パルミジャーノ 大さじ3/卵 1個/【ソース】玉ねぎ(みじん切り) 1/2個/にんにく 2片/ドライトマト(水で戻す/みじん切り) 4個/バター 大さじ2/ドライオレガノ・ドライタイム 小さじ1/胡椒・塩 小さじ1/2/トマトペースト 大さじ1/白ワイン 120ml/チキンブロス 120ml/生クリーム 100ml/パルミジャーノ 大さじ2/フレッシュハーブ(イタリアンパセリ・バジル etc./みじん切り) 適宜【作り方】1. 耐熱皿に【ミートボール】を並べてオーブンで190℃30分焼く。2. 鍋にバターを熱して玉ねぎを炒める。にんにくを加える。白ワインを加える。チキンブロス、トマトペースト、ドライトマト、ドライオレガノ、ドライタイム、塩、胡椒を加える。1.を加える。生クリーム、パルミジャーノを加える。フレッシュハーブを散らす。【備考】US Southern Kitchen アメリカ南部の台所 「マリーミーチキンミートボール」https://southern-kitchen.com/marry-me-chicken-meatballs/ あれれ。なんか塊肉で作ったものと比べると重ったるくてあんまり感心しないなあ。このソースの濃厚だけれど爽やかでもたれない面が希薄でただただ重ったるいのです。正直、これはそのままで食べるのはちょっと辛いなあと思いました。 ので、あれこれとアレンジして消費に努めます。マリーミーチキンミートボールのカレー【材料】ごはん・カレールー・マリーミーチキンミートボール 適宜【作り方】1. 皿にごはんを盛ってカレールーをかけ、マリーミーチキンミートボールをのせる。 まあ悪くないけれど、濃厚なミートボールカレーでしかないかも。マリーミーチキンミートボールのフジッリ【材料】フジッリ(茹でる)・マリーミーチキンミートボール・パルミジャーノ・胡椒・タバスコ 適宜【作り方】1. 器にフジッリを盛ってマリーミーチキンミートボールをのせ、パルミジャーノ、胡椒、タバスコを散らす。マリーミーチキンミートボールのファルファッレ【材料】ファルファッレ(茹でる)・マリーミーチキンミートボール・パセリ 適宜【作り方】1. 器に和えたファルファッレ、崩したマリーミーチキンミートボールを盛ってパセリを散らす。 2種のショートパスタのソース代わりにしました。まあ工夫も何もあったもんじゃないです。これでも重さは隠し切れません。マリーミーチキンミートボールとガパオのファルファッレ【材料】ファルファッレ(茹でる)・マリーミーチキンミートボール・ガパオ・パセリ 適宜【作り方】1. 器に和えたファルファッレ、マリーミーチキンミートボール、ガパオを盛ってパセリを散らす。 意外や一番美味しかったのがアジアンエスニックと合わせて食べるヴァージョンでした。3種のひき肉で作った2種のひき肉料理の競演です。まあ2度と作ることはなさそうではあります。
2024/09/06
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多くのファンを有するこの立ち呑み店に対してけして難癖をつけるつもりなど毛頭ないということをはじめにお断りしておきます。今書いたとおりファンを多く有するからにはきっとぼくの方に問題があると思うのだ。何が言いたいかというと赤羽の有名立ち呑み店である「いこい」がどうにも苦手だということであります。どこがどう苦手なのかを事細かに記述するつもりはないし、どう記したところで真意を充分に伝えきる自信はないから語らぬに留めるのが得策とかんがえる次第です。ともあれ今回苦手な酒場について、わざわざ書くのは、苦手な癖に王子にオープンしたという新店舗にのこのことお邪魔してしまったからなのです。今回、訪れたのは、S氏との呑みの約束に遅れてしまうこととなり、ここがオープンしたことを覚えていたから一度位は訪れてもよかろうと考えただけなのであります。唐突ですが、立ち呑み屋の利点として最低限の用向きを済ませさえすれば、短時間・低料金で店を立ち去ってもさほど申し訳ない気分にならずに済むということがあります。そういう意味で、立ち呑み屋を待ち合わせ場所に用いるのはぼくにとってはとても理にかなっているのです。とか何とか言い訳めいたことを愚図愚図と述べているけれど、ネタ切れ気味だからこうしたちょっとした機会は逃さぬのであります。 さて、「立ち飲み いこい 音無川店(3号店)」は、王子の有名酒場の一軒である「平澤かまぼこ」の並びにあって、こんな窮屈な場所ではお客が溢れて大変なんじゃないかと懸念していましたが、屋外に列ができているなんてこともなく、しかし店内はきっちり埋まっているといった状態でオーナーの読みはなかなか鋭いようです。おでん屋と丁度良くバランスを取り合っているということか。S氏はすでに呑み始めていました。2人用の止まり木で不機嫌な表情を浮かべています。どうやら彼もこの立ち吞み屋はさほど好きではないらしく、ぼくが店に入るとすぐに出たそうな素振りを見せるけれど、素知らぬふりしてチューハイなどなどを矢継ぎ早にオーダーします。彼もそれを見て観念しました。お客さんの顔ぶれを眺めると一人客が多くて、しかもサクッと呑んでサクっと立ち去るという理想的な振舞いが目立ちます。店は店側の人が作るというイメージが強いけれど、個々の場合はむしろ客が店の雰囲気を盛り立てているように思えます。とカウンター客の行儀の良さを称賛した傍から、恐縮なんですが、4人用の止まり木にいた若いリーマンメンバーは酷かったなあ。呑んでる最中にも時折、狭い店内を入れ替わり立ち替わりでやたらと入出店を繰り返していたのであります。察しのいい方ならお判りになったかもしれないけれど、おでん屋に4名分の場所を確保しようと躍起になっているのだ。先導役のひょろりとした男が、やったね、空いた空いたさっさと移動しようなんていうことを店内に響き渡るような大声でがなり立てていたのだ。これは何とも不愉快だなあ。客のぼくが不愉快な位だから店の方は憤慨物だろうなあと思ってそっと表情を窺うのだけれど、気にする風もなく淡々とした素振りであります。こういう馬鹿な客のことなど気にもかけないみたい。赤羽の方はともかくとしてこっちは好きになりそうかも。
2024/09/02
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三軒茶屋に昔馴染みのおぢさんが住んでいます。映画繋がりの人で、若い頃は良く呑んだものです。今はもう覚えている人も少なくなったかもしれませんが、三軒茶屋には名画座が2館あって、そこの映写技師のお兄ちゃんなんかも伴ってちょくちょく呑んだものです。しかし、年齢を重ねるにつれて会う機会も減ってしまっていました。若い頃からの友人、知人で今でも継続して呑む人は片手に余るほどになってしまいました。今でもたまにそうした人たちの顔を思い出しては呑みに行きたいなあと思ったりもするのですが、そもそも連絡手段を失ってしまった人も少なくないのだ。三軒茶屋のおぢさんについては、どういう経路を通じてかは分からぬけれど、突然LINEのお友達リストに出没したのであります。なので、久し振りとか何とかひと言メッセージを投げると反応があったので、そのうち呑みに行こうと書いたのだ。それがもう2年以上前のことらしいから、ぼくにとってのそのうちというものの時間的なスパンが明らかに長くなってきているようなのです。無論、年とともに筆不精が酷くなっていることもあるけれど、いずれとか近々になんていうことを言っていてはあっという間に1年や2年は経過してしまうのだ。久々に会った旧友なんかと町で偶然にすれ違ったりして、近いうちに呑もうよなんて言われることが稀にあるのだけれど、それで連絡がないからといって怒ってはいけないのだ。彼もぼくと同様に本当にそのうちって思っているのだけれど、パラパラ漫画をめくるように日めくりカレンダーが剥がされていくのだ。だからどうしても呑みたいのなら、その場で日取りを決めるのが一番なのだ。それで果たせないとなればその人とはもう縁が切れていると判断するのが賢明なのだと思うことにするのだ。さて、三軒茶屋のおぢさんとは会えたのかというと無事(ではないけれど)、会うことは叶ったのであります。。 しかしまあ、実際に再開してみてからの話はさておくこととして、約束の日の昼過ぎにちょっとした用事を済ませねばならないのですが、基本的に時間をやり過ごせばいいだけの用向きだから昼間っから軽めに一杯しつつ昼食を取ることにしたのです。うろうろしていたら「甲州屋」なるそば屋がありました。この界隈には他に目ぼしい店もなかったのであっさりここに決めます。雰囲気もいかにも町場のそば屋って感じで悪くないしね。混み合っていないことを願いつつ入ってみると先客はわずかにお一人だけ。昼めし時にしてこの状況はいささか寂しい気がしますが、ぼくにとっては空いている方がありがたい。品書きを眺め倒してみるとカツ丼が目に留まった。ぼくはあまりカツ丼を食べる事はありません。油があまり得意じゃないからですね。でもまあこの日は猛烈にカツ丼の気分だったのです。店のおばちゃんにビールとともにオーダーします。お新香を摘まみつつカツ丼の到来を待ちます。見ると先客もカツ丼のようです。厨房から漏れ聞こえる音に耳を澄ますとカツもその場で衣を付けているようで恐縮な気持ちになります。立て続けにバラバラと同じ品を頼むのは気が引けるものです。たとえそれが知らなかったこととはいえです。見た目にもごくオーソドックスで、だからこそまさに今食べたかったカツ丼が登場します。これが何とも分厚い肉でありまして、見かけ以上に食いでがあります。並にしたけれど特上にしたらどうなるのだろう。肉の質が向上するのであればいいんだけれど。と思っていたら続いてのお客さんが来店。前日もやって来たようでその際に特上を食べたらしいが非常にボリュームがあったらしい。おばちゃん曰く、以前この側になんとか薬科大学があって、そこの学生のために量を多くしたそうな。といったことでその体格のいい方はこの日は並を注文していました。といったやり取りをそっと眺めつつ食べ進んだわけですが、すっかり満腹してしまいました。旨かったんですけどね。ここまで満腹になるつもりはなかったので。これで午後の用件はほぼ夢見心地で過ごすことになりそうです。でもまた忘れた頃に無性にカツ丼が食べたくなるんでしょうが、その時にはこの店のような品が食べれたらいいのになあなんて思って店を後にしました。
2024/09/01
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世界的インフレと円安が原因と思われる輸入食材の高騰は、ぼくのような食い意地の張る者には非常に厳しい状況と言わざるを得ません。影響を被った食材は数多くてそれを列挙するのは虚しいのですが、例えばオリーブ油やアンチョビ、パッサータなどはとんでもない値上げで買い置きしておくべきだったと今になって後悔しています。と悉くが値上がりしている現状に合って、今回取り上げる黒いんげん豆が特段高額となった訳でもないのですが、成城石井でイタリア産の黒い豆の缶詰がここにしては比較的安価で取り扱いがあって重宝していたのですが、身近ないくつかの店舗を覗いてみても値上げどころか商品が棚から姿を消してしまったのです。何たる不覚か、豆の種類がどういったものであるかすら確認しておらず、いずれ再入荷するまではその豆の正体は知れぬままとなりかねませんが、まあ似たものであろうと乾燥の黒いんげん豆を買い求めてみたのです。乾燥豆を戻して煮るのは面倒だと思い込んでいましたが、缶詰商品がなかなか手に入らぬうずら豆なんかを煮ているうちに、実はさほどの事もないことを知ってからは色々な豆を試してみたくなったのです。で、最近になってイタリアの黒い豆に煮てるんじゃないかなと思われる黒いんげん豆を買ってみました。これがうまくいけば缶詰の入荷を待ち焦がれることもなく、いつでも食べられるようになりますしね。といったことで早速煮てみました。思ったよりも浸水時間はかかるけれど、非常に美味しく煮えました。これはいいと思った矢先、近所の大型スーパーが改装を終えてみると、何たることか、以前は陳列されていなかった黒いんげん豆の缶詰が並んでいるじゃないか。しかも成城石井よrお手頃だぞ。他にもひよこ豆やレッドキドニーなどの定番も不思議なことに値段も落ち着いていたのです。まあね、すぐに使いたい時など缶詰は重宝するからね。使い分けしたらいいんだもんね。ということで何にせよ手頃にすぐに豆が手に入るのは何にしたって有難いことです。 やはり黒いんげん豆を使った料理の代表選手はブラジル料理のフェジョアーダでしょうか。カリオカ豆や赤、白のいんげん豆を使う場合もあるみたいですが、定番はやはり黒いんげん豆のようです。ソーセージは本場ブラジルのリングイッサなるものを入手したいところですが、近所で取り扱っている店もなさそうですし、ネットで買うのもなあということで簡単に妥協してしまうのでした。【材料】黒いんげん豆(浸水[一晩]) 100g/ソーセージ(1cm角) 4本/ベーコン(1cm角) 2枚/豚肉(1cm角) 50g/玉ねぎ(くし型切り) 1/2個/にんにく 1片/ローリエ 2枚/塩 小さじ1/胡椒 小さじ1/4/オリーブ油 大さじ1/水 500ml【作り方】1. 鍋にオリーブ油を熱してにんにくを炒める。ベーコン、豚肉、玉ねぎ、ローリエを加える。黒いんげん豆(漬け汁も)、水を加えて煮る。塩、胡椒、ソーセージを加える。 おや、以前も作っているのですが今度のはとりわけ美味しくなりました。やはり豆を自ら煮たのが良かったのか。もう少し肉を控えて豆も割合を増やしてもいいかもしれないなあ。 フェジョアーダを春巻きの皮で包んでみました。そのままだとヘビーなので、千切りキャベツとみじん切りの玉ねぎをたっぷりとのせてみました。【材料】春巻きの皮(上:1枚/下:2枚) 3枚/フェジョアーダ・キャベツ(千切り)・玉ねぎ(みじん切り)・溶けるチーズ 適宜【備考】 そのままよりもむしろ食べやすい気がするなあ。本場ではそのままが基本なのかもしれませんが、ぼくにはサルサなどさっぱりしたトッピングを用意するのが正解に思えました。 フェジョアーダをフジッリにのせて食べてみました。【材料】フジッリ(茹でる)・フェジョアーダ・パルミジャーノ・胡椒 適宜【作り方】1. 器にフジッリを盛ってフェジョアーダをのせ、パルミジャーノ、胡椒を散らす。 こちらも当然美味しいですね。パルミジャーノとたっぷりの胡椒がいい感じでした。オリーブ油をかけてもよさそうですが、ちょっとくどくなるかもしれません。 スペインにアルビアス ネグラス コン ベルサという料理があるようです。こちらはギリシャ在住の日本人女性の方が紹介していたレシピですが、キャベツを炒めるヴァージョンもあるようです。【材料】黒いんげん豆(浸水[一晩]) 100g/ポロ葱(みじん切り) 3cm/ニンジン(みじん切り) 3cm/キャベツ(ざく切り/茹でる) 適宜/にんにく 1片/オリーブ油 小さじ1+α/塩 適宜/ローリエ1枚【作り方】1. 鍋に黒いんげん豆(漬け汁も)、ポロ葱、ニンジン、ローリエ、塩、オリーブ油を入れて煮る。2. フライパンにオリーブ油を熱してにんにくを炒め、1.にかける。皿に盛ってキャベツを添える。【備考】MIS FAVORITOS 「アルビアス ネグラス コン ベルサ」http://correcalles.blog.fc2.com/blog-entry-714.html これは驚いたなあ。無茶苦茶濃厚な味でしかも添え物のキャベツが実にいい役割を果たしているのです。こんな簡単なレシピなのにこれ程に旨いとはしてやられました。 キューバのフリホーレス・ネグロスなる豆の煮込みを作ります。こちらは上の料理よりスパイシーかつハービイな味付けですねえ。【材料】黒いんげん豆(浸水[一晩]) 300g/ピーマン(みじん切り) 1個/玉ねぎ(みじん切り) 1/2個/にんにく 4片/オリーブ油 大さじ1/クミンパウダー 小さじ1//ドライオレガノ 小さじ1/2/水 1200ml/ローリエ 2枚/塩 小さじ1/ライム(くし型切り) 1個/ごはん・胡椒 適宜【作り方】1. 鍋にオリーブ油を熱して玉ねぎを炒める。にんにくを加える。ピーマン、クミンパウダー、ドライオレガノを加える。黒いんげん豆、水、ローリエ、塩を加えて蓋をし、弱火で2時間煮る。皿にごはんを盛ってかけ、胡椒を散らしてライムを添える。【備考】Fish Trip Cafe 「Frijoles Negros」https://fishtripcafe.com/jp/?p=4627 あらら、これはこれで非常に美味しいんですが、どういうことかよりさっぱりした味わいになっています。不思議なものだなあ。これをごはんにかけただけじゃ物足りないんじゃないのって懸念もありましたが、これはこれでいいなあ。ライムを搾ったら(これうっそ、ポッカライム(?)をかけました)さらにさっぱりと頂けました。 と黒いんげん豆料理はかなりシンプルなレシピでも相当に濃い味が楽しめて大いに満足しました。また色々試してみたいけど、こうした素朴な位の調理法がいいのかも。アメリカ料理でもブラックビーンズは多用されるみたいですが、まずは手持ちのそれらレシピを作ってみようかな。
2024/08/31
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麩というとつい思い出す小説があります。室生犀星著『蜜のあわれ』です。ぼくが若い頃にはすっかり忘れられた小説だったはずで、ぼくも講談社文芸文庫に所収されてようやくこの小説の存在を知ったのです。全篇が会話で構成されていて、これは小説として評価していいものか迷いながらもその不可思議な生々しさに魅了されたことを思い出します。二階堂ふみ主演で若者層にも知られるようになったかなあと思っていたら、映画から小説に辿り着く若い人たちも多いようで、彼らはこの小説への賛辞を隠そうともしないのだ。それはそれで嬉しいような気もする一方で秘かに隠し事をするように読んでいたぼくにとっては、はしたなく思えるのでした。後ろめたさを伴って読むという背徳感というのは、今では過去の感情となったんでしょうか。ともあれ同書の麩が登場する場面を拾ってみる。「では麩でもおあがり。」「あたい、麩なんかぐにゃぐにゃしていや、塩からい、わかさぎの乾干がつっつきたいんですもの、くたびれちゃった。」--「論文なんていやね。そしてあたいが麩をたべているときに、いのちを感じると仰有りたいんでしょう。あたいの生きていることは、おじさまを困らせている時ばかりだ。」--「あ、お水が来たわ、そのお水ここに頂戴、あたいが入れてあげるから、みんなおつむをならべるのよ、したしたと、……どう、とても、さっぱりと快い気持でしょう、したしたというこの音たまらないわね、みんな鱗の色も悪いし痩せているのね、硬い麩ばかり食べているからよ、ほら、お好きなお塩よ、それをぐっと飲んで胃ぶくろがひりついたぐあいが、とても、たまらないでしょう、みてご覧、ほら、ほら、眼につやが出て来たし、紅鱗たちまち栄えて来たわ。」 おやっ、ぼくにはやけに印象的だったのですが、これだけだったのね。でも改めて読み返してみてもこれを読んで麩を食べたいとは少しも思えなかったということが確認できました。 正直なところ、麩という食材にはあまり縁がなかったし、好きってほどでもありませんでした。吸い物や味噌汁なんかに浮かべて食べるのはまあありかと思うけれど、なければないでさほど困りもしないはずです。例外的に好きだったのは生麩ですが、これは所謂麩とは別物なのでここでは取り上げません。ぼくが好きになったのは、仙台油麩を食べたから。今回はその仙台油麩を使った料理数品です。 油麩を好きになったのは、思い付きで作った油麩入りゴーヤチャンプルを食べてからです。多分、ここでは初めて紹介していますが、実はゴーヤの食べられる時期には何度となく食べているのでした。【材料】豚肉(一口大/塩、胡椒する) 150g/塩・胡椒 適宜/木綿豆腐(2等分/1cm幅) 200g/ゴーヤ(縦2等分/5mm幅) 1本/油麩(ぬるま湯で戻す/1cm厚) 1/2本/卵 2個/鰹節 1袋/【調味料】酒 大さじ1/醤油 大さじ1.5/オイスターソース・ごま油 大さじ1/顆粒だし 小さじ1/2【作り方】1. フライパンにごま油を熱して豚肉、豆腐を炒める。油麩を加える。ゴーヤを加える。【調味料】を加える。溶き卵を加える。皿に盛って鰹節をふる。 もはや油麩抜きのチャンプルーはぼくには詰まらなく思えるようになりました。ちなみにチャンプルーにオイスターソースは邪道かもしれませんが、これまたぼくには抜きはもはやあり得なくなっています。 仙台油麩の大定番料理、油麩丼です。以前も書いたことがありますが、その時は実はあまり感心しなかったのです。味がぼやけている気がするんですね。具材が麩だけだとそれ自体に味がある訳じゃないから一辺倒になってしまうからなんでしょうね。【材料】ごはん 適宜/油麩(ぬるま湯で戻す輪切り[1cm]) 1/4本/長ねぎ(斜め薄切り) 1/4本/卵 1個/だし 90ml/醤油 15ml/みりん 20ml/甘酢生姜(千切り) 適宜【作り方】1. 鍋にだし、醤油、みりん、油麩を入れて煮る。長ねぎを加える。溶き卵を注ぐ。丼にごはんを盛ってかけ、甘酢生姜をのせる。 このレシピでは甘酢生姜をトッピングしているだけなのです。でもこれがバッチリハマるのです。味のアクセントになるような食材をプラスするだけで一挙に印象がアップしました。 なんとなく気になったので油麩入りカレーライスを試してみました。【材料】ごはん・カレールー・油麩(ぬるま湯で戻す輪切り[1cm]) 適宜【作り方】 う~ん、別にダメってことじゃないんですけど、わざわざカレーに入れるまでもないかな。 沖縄では炒め物をチャンプルーと呼ぶってことらしいのですが、それじゃあ1品目のゴーヤチャンプル―も野菜炒めそのものなんですかね。だから油麩入り野菜炒めも馴染んだ味でしかなさそうです。【材料】キャベツ(一口大)・もやし・ニンジン(銀杏切り)・長ねぎ(斜め薄切り)・キクラゲ(水で戻す/一口大)・豚肉(一口大)・油麩(ぬるま湯で戻す輪切り[1cm])・にんにく・生姜・赤唐辛子・ごま油・【調味料】鶏がらスープの素・水・オイスターソース・豆板醤・甜面醤・酒・醤油・塩・胡椒 適宜【作り方】1. フライパンにごま油を熱してにんにく、生姜、赤唐辛子を炒める。豚肉を加える。キャベツ、ニンジン、油麩を加える。長ねぎ、キクラゲを加える。もやし、【調味料】を加える。 まあ凡庸な料理ではありますが、これはこれで美味しいからいいのだ。油麩に限らず麩料理はまだまだ色んなアイデアが試せそうではあります。が、グルテンの人気がガタ落ちしているみたいだからそのうち食べられなくなるのかもしれないなあ。
2024/08/30
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とある土曜日の昼間に日暮里在住の知人から「軽く呑まない、ご馳走するから」とのお誘いを受けました。昔のぼくなら仮に誰かと会うなどの予定があったとしても何とかやり繰りして一目散に駆け付けたものです(ただし1度限りの映画上映の場合は迷いに迷って泣く泣く映画を取ったはずです)。ぼくは何度も言うように極端なぐうたらものですから、インドア生活が理想なのです。歩くのは嫌いではないですけど、願わくば巨大迷宮のような西洋の城なんかを彷徨っていたいと思うのです。人気の疎らなアーケード街や地下街なんかもいいですねえ。って話がそれてしまいましたが、そんな都合のいい話はないから休みの日には読書なんかで引き籠り生活を堪能したいのです。といった次第で若い頃は色気もあったりしてそういう呼び出しには、面倒ではあるけれどそれなりに嬉々として出向いたのですが、今は一日が若い頃より圧倒的に短く感じられるので、うっかり昼呑みなどしようものなら本当に瞬く間に時が過ぎ去るのです。それはそれでその場はいいのだけれど(酒場は大概インドアですから)、でも気付いて目を覚ましてそのまま出勤となるとさすがにゾっとしない。といったようなことをつらつら思っている間に出掛ける準備をしたらいいんですけどね。でも何だかんだとお付き合いすることにしたのでした。 出向いたのは、「日暮里 串まる」。見たとこはごくありふれた今風の居酒屋さんで、貴重な土曜日の昼下がりをここで過ごすというもの抵抗感を抱いた原因ではあります。何度かお邪魔していて悪い印象はないけれど、特段いい印象もなかったんですね。以前は表の立ち呑みコーナーは割引料金となっていたけれど(もっとも3人も並ぶと定員一杯といったキャパではありました)、今はそのシステムもなさそうです(西日暮里の系列店はそもそもそんなシステムはなかったような)。15時に開店だったかな、近頃は土日祝日には開店を早める酒場が増えていますが、ぼくとは違って世間の皆さんは昼呑みがお気に召しておられるようです。需要がなければ供給もないというのが道理ですからきっとそうなのでしょう。こちらも15時の開店前だというのにすでに数名のお客さんが今や遅しと店が開くのを待ち構えています。若い店主らしき人がオープン開始を告げるのですが、あらあら並んでいたのはその方のご家族のようですね。自分の家族に身銭を切らせるというのは余程自信をもって商品を提供されているに違いない、とこれまでの印象を拭い去って、まっさらな気持ちでこの店と対峙しようと思うのです。なんてことは思ってもいなかったわけで、スポンサーさんがお勧めメニューの恐らくぼくならまず注文することのない一串300円以上するサーロインだったかイチボだったかよく分からないけれど高級牛肉の串揚げなどなどを迷うことなくオーダーするのでありました。これを覚えていたのはこれがですねとりわけ美味しかったからでありまして、家族を呼んじゃうような店主がやってる店に関してはお勧めメニューってのは非常に有効かつ信用がおけると思ったのです。そして美味しい物を食べていると当然に酒も進み、時間もどんどん過ぎ去って、やがて飛び込みの知人も参戦して、さらには店も移って昼呑みはいつしか夜吞みとなり果てるのでした。ふう。
2024/08/26
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近頃、やけに西日暮里で呑む機会が増えています。コロナ以前には、お気に入りの「はやしや」に通うため、しばしば立ち寄っていましたが、理由は分からぬけれどとにかくそこがひっそりと閉店して以降は、西日暮里駅で下車することはめっきり少なくなりました。それでもこの駅をヘビーユーズする知人がいて、たまにはご一緒することもあったから全く縁が途絶えたって訳ではなかったけれど、激減したことは間違いないはずです。でも酒場巡りへの意欲の減退が著しいなりにゆるゆる書き継いでいるこのブログを継続してご覧くださっている方なら、むしろ近頃は西日暮里を大いに気に入っていると感じられるかもしれません。実際に新規オープンのお店にもお邪魔していたりします。でも何度か登場願っているそば屋さんはちょくちょくお邪魔しているけれど、基本的には改めてもう一回って思える酒場はそうはないのです。一度行っておけばいいかなって程度ですね。それを言いだすと多くの町が再訪に値しないとぼくが感じる酒場が大部分だからことさらに西日暮里に限ったことではないのだろうなあとも思うのです。でも先日、実に8年ぶりに訪れた酒場が記憶していたよりずっと感じの良いお店だったということが判明したのです。どういう理由から8年振りに訪れようと思ったのか、その理由は極めて退屈で、たびたび登場のO氏がやはり久々に立ち寄ってみたらとても良かったとの報告があったからなのです。 道灌山通り沿いを駅西側方面に進むとご存じ開成学園があるんですが、それを通り越してすぐに「とり花」はあります。前回お邪魔した際にはまだそう古い酒場に思えなかったのですが、改めてよくよく観察すると結構古びた印象に変わっています。8年という歳月が如実に反映されただけなのかぼくの加齢がもたらす感受性の変化が原因なのかは定かではありません。でも店内の印象はぼくの印象の変化などではなく明らかに経年劣化を被っているように感じられました。女将さんの印象も以前よりぐっとマイルドになっていたような気がします。でも数多いアレンジ料理の品書きとそのお手頃価格は変わっていません。当時、あんまりお手頃ではないなあと感じてその後、縁が切れてしまっていたのですが、少なくとも現在の相場と比べると変わらず頑張ってくれているということはいえそうです。こちらの肴は、店のムードが予想させる典型的な居酒屋メニューとは一線を画していて通り一遍の品よりむしろちょっと手の込んだものが数多いから日頃、正統派の酒場を好んで利用される方にむしろ支持されるんじゃないかなあ。ぼくなんかもそうあれこれは頼めないけれど、気になる品がたくさんで目移りしてしまうのでした。最近、決まりきった酒場で呑むことが多いから、週に一度交えてもいいかもしれないなあなんて思ったりするのでした。しかし、実際にはあれから早くも2カ月が経過。それほど気に入ったのならすでに再訪しているかとお思いかもしれませんが、実のところはそれっきりになってしまっているのです。
2024/08/25
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本格的なラーメンじゃなくて、そこらの中華屋さんのラーメンで一向に構わない。できることならラーメンは家では作りたくないのです。ラーメンを作ると麺を茹でる鍋やスープ用の湯を沸かす鍋、物によっては具を炒めるための中華鍋(はうちにはないので本当はフライパンであす)と3つ口のガスコンロがフル稼働して特に夏場は熱くて敵わんのです。しかも作るにはそれなりの時間を要するのに比して食べる時間はほんの数分、しかも食べ終えると大量の洗い物が待っている(実際には調理しつつ大部分の洗い物を片付けているけれど)。そうまでしてもあまり外食せずに自宅で食べるのは、端的に自分で作った方がお手頃なのと食べに行く時間がもったいないからに過ぎないのです。そして自宅の方が安価で時間の節約になると書いたけれど、それが事実であるかどうかは非常に怪しいとも思っているのだ。特に町場の中華屋さんで提供されている中華そば(醤油ラーメン)なんかは、ぼくの思うところの相場の500円前後を正しいとすると自宅では、その費用で済ますのは案外難しいかもしれないのだ。中華麺、スープ(これは麺の付属のものとする)、これ以外にチャーシュー、メンマ、ねぎという必需品に加えて、ナルト、ほうれん草、茹で卵、のりといった推奨品の王道トッピングを用意するとなると優に500円オーバーとなるのだ。最近ではコンビニでチャーシュー、メンマなどを1袋のセットとして販売しているが、これが結構お高い割にサイズも小さく、味もイマイチとくるから考え者であります。それでも家で作るのは、時として思ったよりも手間を要することなくそれなりに実際売られているのと遜色のない仕上がりに近くなるのが面白く思えるからなのです。ということで今回は実際に提供されているもしくは提供されていたラーメンのあれこれを試みた記録になります。 横浜名物のサンマーメンは、何度か食べていますが、基本は醤油ベースのスープに麺を入れて野菜炒めをのせただけって印象です。実際に色々とレシピを眺めてみても大概そんなところであります。【材料】中華麺(細麺/茹でる) 2玉/豚肉(一口大) 100g/にんにく 1片/水 300ml/【A】ニンジン(薄切り) 1/8本/長ねぎ(斜め薄切り) 1/4本/キクラゲ(細切り) 20g/もやし 1/2袋/片栗粉・ごま油 大さじ1/【B】昆布 4g/鯖節(厚削り) 5g/干し椎茸 10g/醤油 大さじ5/みりん・酒 大さじ1/塩・ポン酢 適宜【作り方】1. 鍋に【B】の材料を入れて3分煮る。2. フライパンにごま油を熱してにんにくを炒める。豚肉を加える。【A】を加えて取り出す。鶏がらスープ(600ml)を加える。1.、塩を加える。3. 1.の鍋に湯を沸かし、2.の具材、もやし、ポン酢を加えて水溶き片栗粉を加える4. 丼に中華麺を盛って1.のスープ、3.のあんを盛る。 そんな簡単なシロモノなのにこれがなかなか美味しいのは不思議です。既製品の手抜き感を具沢山で野菜の旨味が染み出したあんが覆い隠してしまうからだろうか。一応レシピになるべく忠実な材料を揃えたけれど、残り物野菜でもイケそうではあります。 続いては店名指定のあるレシピ。「玉泉亭」という老舗店のサンマーメンの再現レシピを再現しました。【材料】中華麺(醤油/細麺) 1玉/豚肉(こま) 30g/もやし・キャベツ(1cm幅)40g/ほうれん草(ざく切り)・ニンジン(細切り) 8g/玉ねぎ(5mm幅薄切り) 25g/キクラゲ(水で戻す) 5g/中華スープの素 小さじ2/水 200ml/塩 小さじ1/4/砂糖 小さじ1/2/白胡椒 適宜/片栗粉・水 大さじ1/ごま油 大さじ1/湯 300ml/サラダ油 大さじ1【作り方】1. 鍋に湯を沸かし、鶏がらスープの素を加える。2. フライパンにサラダ油を熱して豚肉を炒める。もやし、キャベツ、ほうれん草、ニンジン、玉ねぎ、キクラゲを加える。1.を加える。塩、砂糖、胡椒を加える。水溶き片栗粉を加える。ごま油を加える。3. 丼に付属のタレ、湯を注いで中華麺を入れる。1.をのせる。 これがなんてことないようなのにかなり旨い。このレベルが家で食べられるのなら店に行くことがあっても他のメニューを頼むことになりそうです。 何度も書いていますが、ぼくは和歌山に住んでいたので、お茶屋さんの玉林園が出しているグリーンコーナーというフードコート風のお店にはしばしば立ち寄っていました。といっても今回の天かけラーメンなる品は食べたこともなく、いつもグリーンソフトを食べていました。天かけラーメンなんて覚えがないのですね。きっと今、グリーンコーナーいっても抹茶ソフトを選ぶだろうな。【材料】中華麺(醤油) 1人前/わかめ・揚げ玉・紅生姜・青ねぎ(小口切り)・ヤンニョンジャン 適宜【作り方】1. 丼に付属のタレ、湯を注いで中華麺を盛り、わかめ、揚げ玉、紅生姜、青ねぎをのせる。ヤンニョンジャンを添える。 というのもこれなら家でそれなりに本物に近い物ができると感じたからです。実際とは全く違っているかもしれないけれど、これでもまずまず旨いからそれでいいのだ。 参考までにトッピングとして用意されているというヤンニョンジャンのレシピも。【材料】長ねぎ(みじん切り) 5cm/はちみつ 小さじ1/コチュジャン・ごま油 大さじ1/すりごま・醤油・酢 大さじ1/2/にんにく・生姜 小さじ1【作り方】1. 全ての材料を混ぜる。 さっぱりしたラーメンだからこれを入れるとかなり味に変化が生じます。そのままの方が好みかなあ。 埼玉の岩槻の市民会館にある「レストラン 大手門」で提供されている豆腐ラーメンを作ってみました。豆腐をひし形に切るといった妙な拘りもありますが、材料を見る限りはコクのない麻婆豆腐でしかないと思っていたのです。【材料】中華麺(醤油/茹でる) 1玉/絹豆腐(ひし形) 1/2丁/豚ひき肉 40g/サラダ油・ラード 大さじ1/片栗粉・水 小さじ2/わかめ・長ねぎ(小口切り) 適宜/豆板醤 小さじ1/2/にんにく・生姜 小さじ1/【調味料】水 100ml/鶏がらスープの素 小さじ1/2/醤油 小さじ1/酒 大さじ1/2/ラー油 小さじ1/2【作り方】1. フライパンにサラダ油、ラードを熱して豚ひき肉を炒める。豆板醤、にんにく、生姜を加える。【調味料】、豆腐を加える。水溶き片栗粉を加える。2. 丼に付属のスープ、湯を注いで中華麺を入れる。1.をのせてわかめ、長ねぎを添える。 ところが食べてみるとこのシンプルな味付けが実にいいのです。ちゃんとした麻婆豆腐とは違ったチープさが不思議と癖になります。わかめがさり気なくもいい働きをしているような気もします。これは書きながらまた作ってみたくなってます。いや、実物を食べてみたいかも。
2024/08/24
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実家を出てから随分と日が経ってしまったし、その後、引っ越しもしているから現在はどうなっているのか確認しているわけではないけれど、きっと当時と変わっていないとぼくが確信していることがあります。それは実家の食器棚かどこか知らないけれど、カニ缶が開缶されることなく放置されたままとなっているだろうということなのです。それは両親たちが自ら買い求めたものでないことは明白なのだ。恐らくは中元か歳暮かどちらだって構わないけれど、どこかの誰かがどういう意図があってかは知らぬけれど、送ってくれたものだと思われるのだ。カニ缶というのは、専ら貰ったりあげたりするものであって自分で買うことのない食料品の代表的な商品だと思われるのです。それは、値段が高いことが最大の理由でありますが、サイズが中途半端に大きいことも特徴として挙げられるでしょうか。開缶して一度に使い切れる量ではないのです。それもあって開缶するのが躊躇われるらしく、いつまで経っても台所の片隅に追いやられ、やがて風景の一部として溶け込んでしまうことになるのです。実はツナ缶と同様に様々な料理に活用できそうなものですが、公開されているレシピを眺めるとそのヴァリエーションの少なさがよく分かります。カニ玉、カニチャーハン、カニピラフといった辺りが大定番でしょうか。炊き込みご飯や酢の物、サラダ、ちょっと気張ってカニクリームコロッケやグラタン、ムースなんていった使い方もあって、こうして改めて思い起こしてみると結構色々な食べ方がある気もしてくるけれどどうも定番以外の料理を作るのは気が向きません。というか正直なところカニ缶ってあんまり美味しいと思えないんですよね。もっと言えばカニそのものにあまり興味がないんですよね。身はいらないから味噌が欲しいというのが本当のところなのです。実はさほど好きじゃないっていう事こそがなかなか料理しない理由なのかもしれません。と今回はカニ缶を使った料理ですが、左記のとおり随分以前にもらったものをさすがにそろそろ食べておこうと思ったまでで、結局は定番ばかり作ってしまったのです。 カニ玉がカニ缶を使った料理では一番好きです。というかこれまでカニ缶があるとこればかり作ってきたような気がします。でもカニ玉単品で食べる事はせず、大概は天津飯として食べていたのです。ごはん 200g/カニ缶(ほぐす) 1/2缶/卵 2個/牛乳 大さじ1/ごま油 大さじ1/小ねぎ(小口切り) 適宜【あん】椎茸(薄切り) 2個/水 200ml/オイスターソース・醤油・鶏がらスープの素 小さじ1/片栗粉(水で溶く) 小さじ2/水 大さじ21. 鍋に水溶き片栗粉以外の【あん】の材料を加熱する。水溶き片栗粉を加える。2. ボウルにカニ、卵、牛乳を入れて混ぜる。フライパンにごま油を熱して炒める。3. 皿にごはんを盛って2.をのせる。1.をかけて小ねぎを散らす。 天津飯っていう料理は卵とカニ以上にあんの主張が強くって、例えば「餃子の王将」のそれが関東と関西ではまったく別物だったりして好みが分かれるものです。ぼくはどっちも住んでいたからどっちも好きです。これは酸味なしのヴァージョンです。安定の美味しさ。 せっかくなので、同じあんを使って天津麺を作ることにします。中華麺(醤油/茹でる) 1玉/カニ缶(ほぐす) 1/2缶/卵 2個/牛乳 大さじ1/ごま油 大さじ1/小ねぎ(小口切り) 適宜【あん】椎茸(薄切り) 2個/水 200ml/オイスターソース・醤油・鶏がらスープの素 小さじ1/片栗粉(水で溶く) 小さじ2/水 大さじ21. 鍋に水溶き片栗粉以外の【あん】の材料を加熱する。水溶き片栗粉を加える。2. ボウルにカニ、卵、牛乳を入れて混ぜる。フライパンにごま油を熱して炒める。3. 丼に付属のスープ、湯を注いで中華麺を盛り、2.をのせて1.をかけ、小ねぎを散らす。2024/7/24 自分で天津麺を作った事なかったですけど、美味しくできました。天津飯は味が単調になりがちですが、こちらは醤油のラーメンスープとの混じり方で味に変化があるのがいいみたい。 蟹肉炒蛋を作ります。中華風の名前ですがこれもカニ玉。あんに酸味を加えています。【材料】卵 6個/カニ缶 60g/生姜 1片/小ねぎ・油・グリーンピース 適宜/【甘酢あん(混ぜる)】水 150ml/鶏がらスープの素 小さじ1/2/カニ缶 20g/砂糖・醤油・酢 大さじ1/片栗粉・水 小さじ2【作り方】1. フライパンに油を熱して生姜を炒める。カニ、溶き卵を加える。2. フライパンに【甘酢あん】の材料を入れて加熱する。3. 皿に1.を盛って2.をかける。グリーンピースを散らす。 天津飯にするならぼくはこの酸っぱい方が好みでした。今回は作りませんでしたが、トマトケチャップでさらに膨らみをもたせるタイプもありますね。 残りはカニピラフにしました。ピラフっていってもチャーハン方式でざっといため合わせただけのもの。【材料】ごはん 1膳分/カニ缶 1/4缶/マッシュルーム(水煮/薄切り) 5枚/ミックスベジタブル 大さじ4/玉ねぎ(みじん切り) 1/4個/オリーブ油・バター 小さじ2/顆粒コンソメ 小さじ1/2・オニオンパウダー・ガーリックパウダー・塩・白胡椒・ドライパセリ 小さじ1/4【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱して玉ねぎを炒める。カニ缶、マッシュルーム、ミックスベジタブルを加える。ごはんを加える。顆粒コンソメ、オニオンパウダー、ガーリックパウダー、塩、白胡椒を加える。バターを加える。皿に盛ってドライパセリを散らす。 まあそこそこ美味しいのですが、同じ魚介ならエビのピラフの方が好きかなあ。カニの方がだしが出て美味しくなりそうなんですけど。
2024/08/23
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モルドバという東欧の国家について、ぼくが知ることは実に少ないのです。ある程度の蘊蓄を持っていると自負している映画に関してさえ知ることはほとんどありません。それもそのはず、Wikipediaを頼ってみたところ以下の記載があるばかりです。--モルドバにおける映画文化は1960年代初頭のソ連時代に発展していたが、様々な要因が重なったことから停滞が続き、1991年にMSSRが現在のモルドバ共和国として独立した後、同国における映画業界は事実上ほぼ完全に消滅している状態である。-- なるほど。ソ連時代には映画が作られてはいたようです。ということで今度はソ連映画を調べてみると、--ソビエト連邦の映画には、ソビエト連邦を構成する共和国によって製作された映画が含まれている。それらすべてはモスクワ中央政府によって統制されていたが、ソビエト以前の文化、言語、歴史的要素の要素を反映している。ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国に続き、共和国の映画製作においてアルメニア、アゼルバイジャン、ジョージア、ウクライナが最も多作であり、次いでリトアニア、ベラルーシ、モルダヴィアも、それほど多くはないが映画を製作した。-- モルダヴィアと現在のモルドバとは同一ではない。とにかく非常にややこしいのだ。世界史の窓https://www.y-history.net/appendix/wh1202-015_1.html とにかく「発展していた」とまではいえないんじゃないかと思うけれど、映画というのは現物を見ない限りは、何もいえない。映画はいつだって遅れて発見されるものなのだ。 ちなみに正確にはモルドバではないけれど(モルドバ内の分離国家「沿ドニエストル共和国(トランスニストリア)」とのこと)でエウジェン・マリヤンという人が『鳥のミルク』を作ったそうです。これがこの国初の劇映画とのこと。https://centralasia.jinsha.tsukuba.ac.jp/info/6724 とまあ何にしても渦中のウクライナやロシアとも深い深い関りを持つモルドバですが、日本唯一を標榜するお店がどういうことか亀有にあるので行ってみることにしました。「NOROC」です。店の雰囲気はごく一般的なレストラン風であまり東欧色が感じられません。もうちょっと内装を工夫して気分を盛り上げるようにしてもいいんでないかな。以前、テレビで見た際には現地出身の女性が応対してくれていましたが、我々(我々以外はお客さんがいなかったのですが)には日本人男性が対応してくれました。テレビで見た彼女も店内で見掛けたんですけどね。調理の様子は見えませんでしたが、盛り付けなども男性がしていたようです。NOROCのHPhttps://www.noroc2014.com/ さて、詳しい紹介は、以下をご覧ください。でもうこれを見てもらえば概ねの情報は伝わってしまうと思いますが、実食した感想位は追記することにします。有名なモルドバワインを呑みたいところですが、思っていたよりお高かったので今後の課題とし、今回は料理を中心に感想を述べる所存です。お通しはインゲンのサラダとビーツのサラダ ごく普通に美味しいです。地味な料理なのに不思議と美味しいです。こういうの家で作るとレシピ通りにやってもあまり美味しく感じられないんですよね。キングレバ(pecionacinii tort)※レバーを薄く焼いてタマネギ、人参、マヨネーズを間に挟みミルフィーユにしました(HPより)。 これは濃厚だけどさっぱりもしていてとても美味しいです。にしてもいかつい料理名です。ペレメニ(Peremeni)肉(豚肉ミックス)※お好みでサワークリームを付けてお召し上がりください(HPより)。 東欧風の餃子ですね。ほぼ見たまんまの味で美味しい。これがお手頃価格になれば、もっと普及すると思うんですけど。ニシンのマリネ※モルドバ風にヴィネガーを利かせた1品!ワインに合います(HPより)。 ニシンのマリネ、大好きなんですよね。北欧なんかでも良く食べられていますけど、さほど違いはないかな。日本でももっと普及して普通に食べられるようになればいいのに。ミッチ※モルドバの調味料を使った牛肉のハンバーグ1個250g牛肉ハンバーグが2個ついています(HPより)。「モルドバの調味料」ってのが今となっては謎ですが、ぼくにはとても食べやすい味でした。もはや大概のスパイスやハーブでは驚けなくなってます(ジョージアのミックススパイス、フメリスネリにはその不可思議な風味に驚かされました)。サルマーレ(葡萄の葉)モルドバの葡萄の葉の中に豚肉、野菜、お米で包まれてトマトソースでこんがり※オーブン焼きして作られるモルドバの郷土料理!NOROC自家製サワークリームを付けてお召し上がりください(HPより)。 これが一番食べたかったのです。ヨーロッパ各地で葡萄の葉を使ったロールキャベツ風の料理がありますが、日本でも普及して良さそうなものだと思ってるんですが、そうはなっていませんね。 といった辺りを頂きました。ぼくにはとても食べやすく美味しかったのですが、他の3名で1名が好きなだけで、2名はどうも苦手だったようです。和食舌の人たちではあることは知っていましたが、そう癖がないので大丈夫かと思ったんですけどね。
2024/08/19
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書くこともないのでこの夜訪れたそば屋のある通りについて、蘊蓄を述べることにします。この通りの名前は、冠新道といいます。なかなかに風情のあるいわくありげな感じで、ずっと気になりつつも怠惰ゆえに調べることもせぬままとなっていたのです(余談ですが、こうして日々何某かの文章を書くことがきっかけとなり、かねてからの疑問の解決に繋がることがあります)。実は、冠新道の「冠」は江戸時代に新堀村の名主を務めた冠家の名字にあやかっているそうです。大地主であった冠権四郎氏が自身の所有地を区画整理し、冠町と名付ける同時に、新設した道路を冠新道と命名したのでした。と分かってみると案外面白くもない答えが明るみに出たのでありますが、それでも知らずに悶々としているよりは余程いい。とさも自らが汗水垂らして郷土史を掘り起こしたような書きっぷりとなりましたが、実は以下の資料によっているだけのことなのです。荒川ふるさと文化館だよりhttps://www.city.arakawa.tokyo.jp/a016/bunkageijutsu/furusato/dayori.html こちらの第2号により詳細な記述があるので興味ある方は一読されるのもよろしいかと。とかく歴史というのは大文字で記された歴史に視線は向きがちですが、ぼくにはこうした地に足のついた身近な歴史がとても大事に思えます。図書館なんかには、大文字の歴史には残されることのない記述が含まれる資料やそれらを参照して執筆された市井の研究者たちの業績が郷土資料として保管されていますが、そうしたささやかな成果は大学などの研究機関では行き届かない重要な財産として永く残され人目に触れていくことを願うのです。 とまあ、もっともらしい感想を述べたところで、もう何度も書いていてこれ以上書くこともなさそうな「蕎麦吉里 童心舎」について、書くことにします。と今年の冬場に集中的に訪れたこちらですが、この日を境にパッタリ訪れる機会を逸してしまいました。近頃、こちら方面で呑むことの多い方と呑む機会が減っているのです。嫌われてしまったのかしら。それはともかく、何か書いておくことはないかと写真を見返してみたら、おお、すっかり失念していましたが、重要なことがありました。美味しいそば屋というのは、当然そばも美味しいけれど、そば湯も実に旨いものです。酒を呑ますそば屋の半分程度では焼酎のそば湯割りという他の飲食業界ではまずお目に掛かることのできないメニューが用意されています。身体に良さそうだし、そんなことより何よりもまったりと甘くて風味が良いのでぼくも大いに好んで頼むことが多いのですが、不思議とこちらで呑むのは初めてなのでした。そば湯割りとなると湯と付くこともあって熱々の焼酎割りであるのが定番ですが、こちらは何と冷たいそば湯(?)割りが存在するのです。そば湯が覚めるとそば粉が澱の様にデロデロになってしまうという印象がありますが、こちらのはさらりと舌触りもサラリとしていて実に上品で美味しいのです。焼酎の嫌味さをまったりと包み込んでくれてついつい呑み過ぎてしまいそうな危険な美味しさです。いやはやこんなに旨いなら早く勧めてくれたら良かったのにと、田端の立ち呑み屋のセミレギュラーである息子さんについ毒づいてしまうのです。にしてもこちらはそばも美味しいけれど、肴もどれもとてもいいのだ。外れがない。ご一緒した方は大の卵好きで、あれば大概玉子焼きを頼んじゃうんですが、ぼくはいい加減に呑んでからの玉子焼きはどうも胃に重く感じられて苦手なのですが、ここのはペロリと食べてしまいます。また、ここはそば屋の定番の鴨焼きもいいけれど、若鶏だって遜色のない美味しさなのです。ぼくの自宅の近所に数年前までお気に入りの酒が呑めるそば屋がありましたが、店を畳んでしまいました。叶う事ならこちらのお店、うちの近所に動いてきてくれないかなあ。老後のたまの愉しみに通えたら僥倖なんだけどなあ。
2024/08/18
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昨日は中華料理の定番をアップしましたが、今日はアメリカ南部の定番料理を作ってみることにしました。各サイトの仕上がり写真を見るといかにもアメリカって感じのジャンクな見た目ですが、レシピを眺めてみるとそこそこ材料も多いし、手間が掛かってるんですね。というかナチョスっていう料理はリフライドビーンを始め、色んな常備菜を組合わせて賑々しく盛合せた料理って感じです。考えてみるとアメリカの食べ物の多くが、いくつかの料理の寄せ集めって気がします。ハンバーガーにせよサンドイッチにせよ、作り置きしてあったあれやこれやを一緒くたにしてみましたってもののように思えるのです。こういう料理って日本料理や中華料理、ヨーロッパの料理ではあまり見かけない気がするんですけど気のせいだろうか。中南米の料理にそうした流れが見受けられそうですが、考えてみるとインドやネパールのカレー料理も似たところがあります。南アジアと中南米の食文化にはなんとなく共通点が多いように感じられるのですが、それを検討するだけの気力と興味はなかったりするのでした。にしてもジャンクな料理ばかり食べている印象のあるアメリカですが、アメリカの料理を紹介されているブログなどを拝見していると、従来のイメージが覆されるような思いです。まあ、そういう人たちも余程に意識の高い人でもない限りは毎日毎食ちゃんと自らで料理した食事を撮っているとは限らないんでしょうね。 ナチョスという料理がずっと気になっていました。その理由は、アメリカの特に南部を代表するような料理でありながら食べたことがなかったからってこともあるにはあるのですが、それよりも切迫した理由があったのです。というのが気まぐれで買い求めたトルティーヤチップスが封を切ったはいいけれどちっとも減る気配がないので、これが料理のキモとなるというこの料理はその消費にうってつけであろうと思ったのです。【材料】トルティーヤチップス 160g/溶けるチーズ 80g/牛ひき肉 300g/オリーブ油 大さじ2/リフライドビーン 300g/サルサ 180ml/香菜(みじん切り) 適宜/【スパイス類】塩・胡椒・ガーリックパウダー 小さじ1/2/パプリカパウダー 小さじ1/ドライオレガノ・クミンパウダー 小さじ1/2【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱して牛ひき肉を炒める。【スパイス類】を加える。リフライドビーンを加える。2. 耐熱容器にトルティーヤチップを敷いて溶けるチーズ(半量)を散らす。オーブントースターで5分焼く。1.、溶けるチーズ(半量)をのせてオーブントースターで5分焼く。サルサ、ピコデガロ、香菜を添える。【備考】US Southern Kitchen アメリカ南部の台所 「ナチョス」https://southern-kitchen.com/nachos/ これ自体は大した手間ではないのだ。でもその材料にあるリフライドビーンをまずは用意せねばならぬのだ。だから思い付いたその日にいきなり作り出すって訳にはいかず、前夜からの事前準備が必要なのです。【材料】玉ねぎ(みじん切り) 1個/にんにく・クミンパウダー・ドライオレガノ 小さじ1/塩 小さじ1/2/オリーブ油 大さじ2/香菜 1枝/ライム 1/2個/溶けるチーズ 大さじ2/【ピントービーン】ピントービーンズ(うずら豆/乾燥/浸水[6時間]) 190g/玉ねぎ(くし型切り) 1/2個/にんにく 1片/ローリエ 1枚/水 適宜【作り方】1. 鍋にピントービーンズ、玉ねぎ、にんにく、ローリエ、水を入れて中火で煮る。玉ねぎ、にんにく、ローリエを取り除いて豆、煮汁(300ml)を取り置く。2. フライパンにオリーブ油を熱して玉ねぎを炒める。にんにくを加える。1.を加える。クミンパウダー、ドライオレガノ、塩を加える。豆を潰す。皿に盛って香菜、溶けるチーズ、ライムを添える。【備考】US Southern Kitchen アメリカ南部の台所 「リフライドビーン」https://southern-kitchen.com/refried-beans/ せっかくだからピコデガロも作ることにするのです。【材料】トマト(粗みじん切り) 4個/にんにく 2片/ライム汁 大さじ2/赤玉ねぎ(みじん切り) 1/4個/ハラペーノ(代替:青唐辛子/みじん切り) 1本/香菜 3枝/クミンパウダー 小さじ1/2/ドライオレガノ 小さじ1/2/塩 適宜【作り方】1. 全ての材料を混ぜる。【備考】US Southern Kitchen アメリカ南部の台所 「ピコデガロ」https://southern-kitchen.com/pico-de-gallo/ 同じくサルサも作ることにするのです。【材料】トマト(粗みじん切り) 5個/にんにく 2片/ライム汁 大さじ2/玉ねぎ(みじん切り) 1/2個/ハラペーノ(代替:青唐辛子/みじん切り) 1本/香菜 3枝/クミンパウダー 小さじ1/2/塩・カイエンヌペッパー 適宜【作り方】1. 全ての材料をフードプロセッサーにかける。【備考】US Southern Kitchen アメリカ南部の台所 「サルサ」https://southern-kitchen.com/salsa/ 当然ながら結構な量が出来上がるので、色々とアレンジするのであります。リフライドビーンのサンドイッチ【材料】バゲット(切れ目を入れる/バター、マスタード、マヨネーズを塗る) 1/3本/リフライドビーン 適宜/ベーコン(2等分/焼く) 1枚/溶けるチーズ・レタス 適宜/バター・マスタード・マヨネーズ 適宜【作り方】1. バゲットにリフライドビーン、溶けるチーズをのせてトースターで焼く。ベーコン、レタスを挟む。ピコデガロとサルサのそば【材料】そば(茹でる/冷水で冷やす)・ピコデガロ・サルサ・めんつゆ 適宜【作り方】1. 器にめんつゆを注いでそばを盛る。ピコデガロ、サルサをのせる。ナチョスとピコデガロのペンネ【材料】ペンネ(茹でる)・ナチョス・ピコデガロ・オリーブ油 適宜【作り方】1. 器にペンネを盛ってナチョス、ピコデガロをのせ、オリーブ油をかける。ナチョスとピコデガロのサンドイッチ【材料】バゲット(切れ目を入れる/トースト/バター、マスタードを塗る) 1/3本/ナチョス・ピコデガロ 適宜【作り方】1. バゲットにナチョス、ピコデガロを挟む。 結論としては、手間の割にはそこまでじゃないなあというのが本音です。ここまで手間をかけてもう一度作ろうとは思わないかな。ということで結局トルティーヤチップスは今でも中途半端な状態で残っているのです(さすがに処分した方がいいかな)。
2024/08/17
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子供の頃は、中華料理ってとんでもなく作るのが大変だと思っていました。だじゃら家で食べるものではなく、外食するしかないないなって。大変さの理由としては、まず思ったのが食材の多さ。これは今となっては実はそんなでもないんですけどね。炒め物をするのにもにんにく、生姜、ねぎをみじん切りしたりするようなレシピが多くてこれが結構な負担に感じられたのだ。それから単なる炒め物でも食材ごとに油通し、湯通しなんかしなくてはならないこと。家庭料理で例えば野菜炒めを作るためにたっぷりの湯を沸かしたり、揚げ油を用意するなんてのは、あまり現実的とは思えないのでした。当然、洗い物も増えるし。それと今では調味料や食材など大概のものは手に入れることができますが、ひと昔前まではプロですら容易に入手できなかったものが今ではネットに限らずそこら辺に当たり前にある中華食材店で買い求めることができるようになったのです。町中華と呼ばれる類の古くからやっている中華屋さんなんかで麻婆豆腐を食べると、いやいやこれは違うでしょと思わず口走りそうになる料理が出されることがあるけれど、かつてはなかなか揃わなかった甜面醤や豆鼓(ちなみに「鼓」の字が誤りであることは分かっています)などの調味料の穴を埋めるために工夫を凝らしたその名残を見て取ることができますが、本場風のレシピではそんなにも多くの食材を用いる訳ではないことを我々は知るに至ったのです。かつての料理人は多くの調味料を駆使して煩雑な手順を踏んで麻婆豆腐を仕上げていたのです。だから時代とともに我々が目にするレシピも修正を加えられています。そしてぼくの感想としては、ひと昔前よりずっと食材と調味料の数も減り、入手も容易く、そしてシンプルに手早く調理することができるようになったと思うのです。 この鶏肉とカシューナッツ炒めだって、以前はカシューナッツすら入手するにはそれなりの苦労が伴ったはずです。でもこのレシピを見ると調味料さえ合わせておけば実に手早く作れそうです。【材料】鶏肉(もも/2cm角/【下味】に漬ける) 150g/カシューナッツ 50g/ピーマン(1.5cm角) 1個/赤ピーマン(1.5cm角) 1個/長ねぎ(縦2等分/斜め切り) 1/4本/にんにく 1片/生姜 10g/赤唐辛子(輪切り) 適宜/サラダ油 大さじ1/2+1/2/【下味】醤油 小さじ2/紹興酒・サラダ油 小さじ1.5/片栗粉 大さじ1/【調味料(混ぜる)】醤油・紹興酒・酢・砂糖 大さじ1/2/鶏がらスープの素・片栗粉 小さじ1/水 大さじ1/2【作り方】1. フライパンにサラダ油を熱してカシューナッツを炒めて取り出す。サラダ油を熱してにんにく、生姜、赤唐辛子を炒める。鶏肉を加える。長ねぎ、ピーマン、赤ピーマンを加える。火を止めて【調味料】を加える。火を付けて中火で炒める。カシューナッツを加える。 なんと簡単なんだろう。しかも美味しいではないか。店で食べるよりずっとお手頃に好きな量が食べられるんだから、もう中華屋さんでこれを注文しなくてもいいかもしれません。 続いてもお馴染みの定番中華料理、青椒肉絲(チンジャオロース)です。調理は簡単なのに味がピタッと決まることがなくてこれまたよく外食していました。レトルト調味料もこれぞという商品がなくて、近頃この料理もまた外食のお楽しみと化していました。【材料】豚肉(5mm幅/片栗粉をまぶす) 200g/タケノコ(茹でる/細切り) 100g/ピーマン(縦2等分/5mm幅) 5個/片栗粉 大さじ1/【調味料(混ぜる)】オイスターソース・酒 大さじ1/塩 適宜/醤油 大さじ1/2/ごま油 小さじ1【作り方】1. フライパンを熱して豚肉を炒める。タケノコを加える。ピーマンを加える。【調味料】を熱して混ぜる。 なんて美味しいんだろう。ちょっとだけいいオイスターソースとそれを他の調味料合わせたものをしっかり煮詰めておくだけだけのことでこんなに味が決まるとは。もうこれは自宅でなんとでもなりそうです。『町中華で飲ろうぜ』で「啓ちゃん」というお店が出してるrキクラゲ卵」が何度も登場していたので、これまた食材そのものはシンプルで作るのに時間を要さないのだから有難い。【材料】卵3個/豚肉(バラ/4cm幅/茹でる) 100g/キクラゲ(水で戻す/一口大) 10切/玉ねぎ(薄切り) 30g/にんにく・豆板醤 小さじ1/片栗粉・水 大さじ1.5/ラード 大さじ1.5+1.5/ごま油 大さじ1/【タレ(沸かす)】水 75ml/鶏がらスープの素 小さじ1/2/砂糖 大さじ1/2/醤油 大さじ1/オイスターソース 小さじ1/2【作り方】1. フライパンにラードを熱して溶き卵を炒めて取り出す。ラードを熱して豚肉、キクラゲ、玉ねぎを炒める。にんにくを加える。【タレ】、豆板醤を加える。卵を加える水溶き片栗粉を加える。ごま油を加える。 なるほど、キクラゲを欲張って使い過ぎて味が薄めでボンヤリしてしまいましたが、次はかなりいい具合に仕上がる予感があります。また、無性にキクラゲが食べたくなったら作ってみることにしよう。 蒸水蛋、つまりは中華風茶碗蒸しといったものを作ってみることにしました。以前から何度も色んなレシピを試していますが、まだまだ納得のいく仕上がりに至っていません。【材料】香菜 適宜/【具材】蛤・帆立・皮蛋(ピータン)・鹹蛋(塩漬け卵) 適宜/【卵液】卵 3個/春雨(水で戻す/4cm幅) 30g/鶏がらスープの素・醤油 小さじ1/水 200ml/酒 大さじ1/みりん 小さじ1.5/胡椒 適宜/【たれ(混ぜる)】醤油・ごま油 小さじ2【作り方】1. 丼に【具材】、【卵液】を入れて蒸し器で20分蒸す。【たれ】をかけて香菜を散らす。 混ぜて蒸すだけなのだからなんも難しいことがなさそうなのにやはりぼくのイメージとは異なってしまいました。今回、具材を入れずにプレーンタイプを作りましたがやはり何かしら具材を入れた方が味が決まるのでしょうか。
2024/08/16
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埼玉高速鉄道線は全長14.6 km、わずか8駅だけの小規模な鉄道路線です。そこまでの鉄道オタクでもないのに走行距離を覚えているはずもなく、今さっきネットでお手軽に調べた情報を並べてみせているだけなのです。ともあれあえてこの路線を紹介するような書き出しとしたのには、相応の理由がある訳ですが、けして初めてこの路線を使ったといったことではなかったりするのです。いやまあほぼそれに近しいのですが、実は初めてこの鉄道で沿線の酒場に呑みに行ったのです。沿線の2駅の近隣で呑んだことはあります。赤羽岩淵駅と川口元郷駅の周辺です。って実際には前者は赤羽駅、後者はやや距離はあるけれど川口駅の利用して訪れているのです。しかし、開業が2001年とのことですが、ちょうどその頃に所用でこの路線を使って鳩ヶ谷駅に行ったことがあります。しかし、記憶にある限りにおいて、この路線で同車したのはこの1度きりだと記憶します。酒場巡りを始めてから何度もこの路線への進出を目論んではいたのですが、果たせぬままとなっていたのです。どうもこの路線の高額な運賃が足枷となってしまっていたようです。一方で、アクセスもイマイチなんじゃないかという思い込みもありましたが、こちらは勘違い、ぼくの住処からは案外利便な場所でもあるのです。足枷が一つ外れただけで急激に訪れたい気分が高まるのですが、運賃は確かに安くないけれど、近場に未知の町があって容易に行けるのならば行かぬ手はないと思い出したのです。我ながら単純にできているなあ。 さて、先の2駅はあえて電車に乗るまでもない、せっかくなら降りたことのある鳩ヶ谷駅は避けてまずは南鳩ヶ谷駅に向かうことを決めました。何となく町並みのイメージを確認するためにGoogle Mapを眺めていたらぼく好みのやきとん店に辿り着いたのです。これはもう南鳩ヶ谷駅に行くしかないでしょ。ってそのお店、駅から10数分の距離があって、灼熱の夏の日差しの下を向かうのは非常に気分が萎えるのです。でも怠けている暇はありません。高速鉄道は近頃黒字に転じたらしく、素人考えでは沿線住民が増加したのがその理由ではないかと思ったのだ。こうした公共交通僻地だった土地には地元住民以外は訪れることのない土着の酒場があるはずです。一定数以上の人が住む土地に酒場が存在しないなんてことはないのだ。しかし、その地域が便利になると好んで地元で呑む必要もなくなるのだ。客が減れば当然店を続けるのも困難になるというのが道理でありまして、それでも続ける人がいるとすれば、再三覚悟の趣味と割り切るか、営業時間を短縮するなりで合理化を図るというパターンが多いようです。南鳩ヶ谷の「やきとんの名店」と評される店は後者でした。と決めつけてしまったけれど、酒場の仕事というのが営業時間のみの客の目に触れる仕事だけで成り立っていないことなど百も承知なのです。さて、気になったのは外観に負っています。サッシ戸に紺暖簾というぼくが最も好みにする外観です。一軒家の感じからするとこちらは住居も兼ねているのだろうか。カウンター8卓、2人掛け1卓(ここは持ち帰り客の待機場所として使われているようです)、奥には意外にもそこそこ広い座敷席もあります。400円の酎ハイは樽ハイ倶楽部でありました。早速焼き物を注文します。やきとん以外にも煮込み、もつ刺などを始め定番の枝豆なんかも用意されていますが、周囲の方たちの器を見るとかなりのボリュームでぼくには厳しそうであります。数人で分け合えればいいのですが、ここでグループで呑むのは難しそうです。脇目を振らずにやきとんを食べる事にしました。トロットロのホルモンがちょっと珍しいだけでなくかなりの美味しさでした。さすがにアド街で紹介されるだけある。って実はそのことこの後に訪れた酒場で伺ったのですが、さて翻ってみても2020年4月18日の川口のベストには登場しない。さらに調べを進めてようやく見つけました。2012年5月26日の鳩ヶ谷篇に登場したようです。もう随分以前の事じゃないの。ところで放映当時営業時間は17~21時だったみたいですが、今では17~20時の営業となっていました。店名は「やまとや」です。駅からはちょっと歩きますが、やきとん好きなら一度は行っておきたいお店です。なんて迷惑な言葉を残すのでした。
2024/08/12
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金町には何度も訪れているけれど、書き洩らしていることがあったことを思い出しました。思い出したといっても書誌的なレベルで思い出しただけで体験としての具体的な記憶は抜け落ちてしまっています。と抽象的なことばかり述べていますが、金町というと『瞼の母』がパッと出てくるようであれば教養があるねえってことで一目置かれる存在に慣れるんじゃないかなんて思ってみたりするのだ。しかしまあ、時代劇をみることのほとんどなくなっているであろう若い世代の人にとっては、大方、股旅物なんていってもキョトンとされるばかりで、その代表的な作品である『瞼の母』なんて聞いたこともないかもしれない。そもそもこのタイトルを見ただけでゲンナリとした気分になるんだろうなあ。実はぼくもそうでした。何度か映画化されているこの作品ですが、加藤泰による作品を見るまではその存在を知らなかったので、今の若い人たちとそう大差ないのです(股旅物はさすがに知ってたけどね)。この映画で主役の番場の忠太郎を演じるのは中村錦之助(この人も忘れ去られているかもしれないなあ)。物語の序盤に松方弘樹(さすがにこの役者の事は知ってるだろう)が演じる金町の半次郎の窮地を救うのでありますが、通り名にあるとおりやくざ者に追われて故郷の金町に逃げ込んだっていう設定なのでした。物識り顔で語って見せましたが、映画の中で具体的に金町を指し示す描写があったかとなると正直ちっとも覚えがないのです。恐らく江戸川とその河川敷は描写されたものと思われますが、確実なことは言えないのが現状です。そのうち見返す機会があればいいのだけど、加藤泰なら見返したい作品が他にもわんさとあるからねえ。とこの先の酒場巡りとこの豆知識程度の話題がリンクすればそれなりに気が利いているのだけれど、そんなことはありはしないのでした。 今回お邪魔したのは京成金町駅を発着する金町線の踏切を渡った先にある呑み屋街の一軒、「呑み処 たまりば」なのでした。たまりばって響きは悪くないけれど、字面をどうするかで迷ってしまいそうです。「溜り場」と書くと酒場らしくないし、「たまりBar」はいかにも安直(そういや「多摩リバー」とかいうお店もあったような)です。五感はいいのに文字に落とすとしっくりこない言葉って案外あるんですよね。それはともかく「たまりば」っていう言葉は嫌いではないけれど、ちょっと考えてみると溜り場っていうのは、仲間たちが寄り集まる場所って意味だから仲間でもない通りすがりの酒呑みには、これ程入り辛い店もない訳です。店が綺麗だったせいか、お客さんは馴染みの方ばかり、しかも女性が男性客を圧倒しているし、さらには子供なども混じっています。たまりばではあるかもしれませんが、呑み処という感じではないですね。呑み処でたまりばっていうとどうしても新宿のゴールデン街なんかのワイルドな雰囲気が想起されるけれど、ここにはそうしたアブナイ印象は微塵も感じられないのです。それが悪いってことではありませんが、思っていたのとは違っていたということです。こちらのコンセプトは美味い肴をお手頃な価格でってところにありそうで、家庭料理の延長線上にあるけれど、家庭ではなかなか行き届かない丁寧な仕上がりとなっており、なるほどこれは女性が好むだろうなって合点するのでした。加えて、とんがった料理じゃないから子供にも食べさせたいって思うだろうし、子供たちもまた好んで食べたいと思えるんだろうな。と通常であれば好ましい印象のお店なんですが、どうもぼくには座りが悪いのだ。気に入って通っている方が多勢なんだろうからこれは全くぼく個人の特殊な受け止めではあるのだけれど、ここは酒を呑む場所ではなく、美味しい肴や家族、友人との語らいを楽しむためにある場所で酒はそのおまけに過ぎないんじゃないか。それはもはやぼくの求める酒場とは違ったものだ、そんな風に感じてしまったのです。
2024/08/11
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今でもレタスについて思いを巡らせると思い出す小説があります。梅崎春生著『ボロ家の春秋』です。うろ覚えだったのですが、青空文庫で確認したら大体記憶していたとおりの内容でした。以下に引用しますが、不快な気分になられる方もおられるかもしれないので、神経質な方は以下はスルーしてください。-- そこで僕は怒りを静めあれこれ考えた揚句、向う一箇月毎日レタスを一株僕に提供すること、それも野呂菜園のは虫の卵がないから八百屋より買い求めること、その条件で許すことにしました。野呂はしきりに一箇月を半月に値切って来たが、僕は頑として受けつけなかった。こうしてこの件は一応僕の言い分が通った形ですが、実際に八百屋のレタスを食べたのは、十日ぐらいなものです。経済的に毎日毎日レタスを購うことの非を悟った野呂は、ついに野呂菜園のレタスに人肥を使い始めたのです。勿論それを僕に食べさせようという魂胆からです。しかもその人肥は、我が家のそれであって、野呂の言によるとこれには卵が確実に多量に含有していると言う。それは確実に含有しているでしょうが、自分のハイセツ物をかぶって汚染したレタスを食べることは、流石の僕も感覚において忍びず、仮釈放という形で以後のレタスの提供は免じてやりました。しかし野呂の側からしても、賠償義務は免除されはしたものの、自分の菜園のレタスが卵持ちになったわけですから、大したトクにはならなかったでしょう。-- 他愛無いと言えばそれまでですが、改めて読むと昔より楽しく読めました。いつか時間ができたらまとめて読み返してみてもいいかな。なんて本題のレタスとは全く関係のない話で終始してしまいました。 そうそう、前の日の青梗菜に続いてレタスでもこの食べ方してしまいました。レタスの油菜(ヤウチョイ)です。【材料】レタス(千切る.油を入れた湯で茹でる) 1玉/湯・油 適宜/オイスターソース・ごま油 大さじ1【作り方】1. 皿にレタスを盛って熱したごま油を、オイスターソースをかける。 美味しいですね。これも悪くない。生のサラダもいいけどそればかりだと飽きちゃいますしね。買ってから日が絶ったレタスはこうして火を通すのもありですね。 レタスはコンソメのスープだったり味噌汁の具材としても美味しいのです。それは分かっているんですが、やりそうでなかなかやる機会がないんですね。たまたま歯の調子が悪くて咀嚼が辛くなったことがあったので、その際にレタスの中華スープを作ってみました。【材料】レタス 4枚/春雨(水で戻す/3cm幅) 15g/鶏肉(笹身/ほぐす) 1本/生姜 1/4片/白ごま 小さじ2/水 2カップ/ごま油 小さじ1/香酢 適宜/【調味料】鶏がらスープの素 小さじ2/酒・醤油・塩・胡椒 適宜【作り方】1. 鍋に水を沸かして鶏肉を茹でて取り出し、ほぐす。【調味料】を加える。レタス、春雨、鶏肉、生姜、白ごま、ごま油を加える。香酢を添える。 まあ、ごく普通に美味しいです。スープ系は具材や味付け次第でいくらでもヴァリエーションを増やせそうです。食感だけで味を左右する食材ではないですから。 このレシピを見た時から作ってみたいと思っていました。レタスのお浸し2種です。ネット上には似たようなレシピが散見されいずれがオリジナルか分かりませんが、すりごまが黒だったりと色んなパターンがあります。【材料】レタス(茹でる) 1個/すりごま(白) 大さじ1/胡椒 適宜/梅干し(包丁で叩く) 2個/めんつゆ 大さじ1.5/ごま油 大さじ1/2【作り方】1. レタスを広げてすりごま、胡椒を散らし、巻いてひと口大に切る。2. レタスを広げて梅干しをのせ、巻いてひと口大に切る。3. 皿に1.、2.を盛って和えためんつゆ、ごま油を添える。 なるほどねえ。くるくる巻くことでそのまま食べるのとは食感がまるで違ってくるものですね。それと巻き込む材料にも色んなアレンジが可能と思われます。のりの佃煮とかも色合いだけでなく味も良さそうです。大葉にしらすやタラコなんかも美味しいかな。 なんでこれまで試さなかったんだろう。レタスカレーを作ってみました。大した捻りはありませんが、クミンシードとたっぷりの生姜(ベースと針生姜の2弾使い)が合うんじゃないかと思って使ってみることにしました。【材料】ごはん 1膳分/レタス(千切る) 5枚/豚ひき肉 50g/玉ねぎ(粗みじん切り) 1/4個/ニンジン(銀杏切り) 2cm/生姜 小さじ1/2+1/4片(千切り)/にんにく 小さじ1/2/赤唐辛子(砕く) 1本/オリーブ油 小さじ1/クミンシード 小さじ1/4/カレーフレーク 大さじ2/水 200ml【作り方】1. 鍋にオリーブ油を熱して生姜、にんにくを炒める。クミンシード、赤唐辛子、豚ひき肉を炒める。玉ねぎ、ニンジンを加える。水を加える。カレーフレークを加える。皿にごはんを盛ってかけ、生姜をのせる。 クミンも生姜も悪くないですね。でもどちらか一方にしておくのが風味がより際立ったかもしれません。それと肝心のレタスですが、思った以上にいいです。嵩増しになるばかりでなく、カレーでは通常感じられないシャキシャキ食感が楽しめました。
2024/08/10
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青梗菜は、今では日本でもそこら辺のスーパーマーケットでも簡単に手に入るメジャーな野菜となりましたが、日本に持ち込まれたのはなんと1972年の日中国交回復以降だったんですね。ぼくにとっては、思いがけずに最近のことのように思えますが、すでに半世紀を経ていることを踏まえるとまあそんなものなのかなという気もしてきます。何にせよ今のリタイア世代の人たちが子供時代に通った中華屋さんでは青梗菜は見られなかったということで何だか不思議な気がします。東坡肉(トンポーロー)の盛り付けられた皿には肉を囲むように青梗菜が飾られているものと思い込んでいましたが、1903年に刊行された村井弦斎著『食道楽』はもちろん、1970年に刊行された東坡肉のレシピを紹介した檀一雄著『檀流クッキング』ですら青梗菜が飾られてはいなかったということになります。ちなみに青梗菜は、緑黄色野菜として栄養が豊富なのはもちろんのこと、胸焼けを抑える効用もあるとのことで、肉料理に加えたり添え物とするのは誠に理にかなっているとのことであります。が、今回の青梗菜の食べ方ではあくまでも主役として青梗菜を調理しています。青梗菜メインの料理が果たしてぼくを満足させ得るのか、その結果は以下をご覧ください。 まずは定番の青菜炒めです。青梗菜のオイスターソース炒めという直球の料理名で紹介されていました。蒸し焼きにするタイプの調理法です。【材料】青梗菜(10cm幅) 1/2株/生姜・にんにく 小さじ1/赤唐辛子(小口切り) 1/2本/オイスターソース・醤油・水・ごま油 小さじ1【作り方】1. フライパンにごま油を熱して生姜、にんにく、赤唐辛子を炒める。青梗菜(茎)を炒める。水を加えて蓋をし、1分加熱する。青梗菜(葉)を加える。醤油、オイスターソースを加える。 改めて食べると青梗菜って美味しいものですねえ。にしても青梗菜などの青菜は淡泊だからオイスターソースの濃厚さが不可欠に思えてしまいます。実際今回のレシピは全てオイスターソースを使っています。 今井亮って人が紹介していたヴァージョンです。どれも似たり寄ったりですけど。砂糖をちょっぴり加えているのが特徴かな。水に浸すことでシャッキリさせているのかな。【材料】青梗菜(3等分/浸水[2分]) 2株/サラダ油 大さじ1/にんにく 1片/赤唐辛子 1本/【調味料】オイスターソース・ごま油 小さじ1/酒 大さじ1/砂糖 小さじ1/2/塩 小さじ1【作り方】1. フライパンにサラダ油をを熱してにんにく、赤唐辛子を炒める。青梗菜(軸)を加える。青梗菜(葉)を加える。【調味料】を熱して混ぜる。 砂糖の効果はともかくとして非常に美味しいです。単に炒めただけの方が好みってことなのかなあ。 最もシンプルな茹であげ青梗菜です。青梗菜のお浸しにオイスターソースとごま油を掛けるだけです。【材料】青梗菜(縦8等分) 2株/サラダ油 大さじ1/塩 小さじ1/【ソース(混ぜる)】オイスターソース 大さじ2/ごま油・湯 小さじ1【作り方】1. 鍋に湯を沸かして塩、油を加え、青梗菜を茹でる。皿に盛って【ソース】をかける。 これが美味しいんですね。これにハマってからは、色んな青菜で試しています。 横浜の中華街に「北京飯店」って店があるそうで、そこで青菜飯なる料理が提供されているようです。果たして青梗菜だけで満足できる丼物になるのだろうか。【材料】青梗菜(8等分/葉と茎を切り分ける) 4把/にんにく 4片/創味シャンタン・酒 大さじ2/水 200ml/オイスターソース・塩 小さじ1/2/胡椒 適宜/片栗粉 大さじ1.5/水 大さじ3/油 大さじ2/ごま油 小さじ1/ごはん 1膳分【作り方】1. 中華鍋に油を熱してにんにくを炒める。青梗菜(茎)を加える。青梗菜(葉)を加える。水を加える。創味シャンタン、オイスターソース、塩、胡椒を加える。水溶き片栗粉を加える。ごま油を加える。ご飯を盛った皿にかける。 これはびっくり。青梗菜だけでもバッチリ満足できました。これは旨いなあ。しかもヘルシーな感じがするし。でもこれって創味シャンタンとオイスターソースの旨味で食べてるんじゃないのって気がしなくもない。ひとつ大事なことがあって、オイスターソースは敢えて銘柄は書きませんが、安物はダメね。そこそこいいのを使うというのがポイントといえばポイントかと。
2024/08/09
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もう随分長いこと居酒屋巡りをしてきたし、随分ペースダウンはしたけれど未だにゆるゆるとレポートも書き継いできました。と書くとさもこのブログを幕引きしようって話みたいですが、そんなものではなくて単に今更の話をしようと思っているだけなのです。そもそも話をするってだけなのです。でそもそもでありますが、ぼくにとって酒場を巡るのは観光スポットを巡るのと同様な行為なのです。ぼくは観光スポットの食事処で美味しい料理を期待したりはしません。腹が減っていたとして、それなりに食べられさえすればそれで十分なのだ。だから酒場でも肴や酒には大した拘りはないのです。また、超有名だったり立派過ぎる観光スポットにもさほどの興味は抱けません。一度位見てもいいけれど、長々と見惚れたりすることにはならないものです。酒場だって似たようなものです。だからといってB級スポットと呼ばれるような施設・場所がいいかといえばそうでもないんですね。そうしたレッテルが貼られて人々が群がるようになると途端に魅力を失ってしまうのは、ご周知のとおりです。観光地よりは酒場の方が愛好者の数が絞られると思われるし、施設としての寿命も短いのが普通だから一過性のブームで終わる場合が多いようには思います。言いたいのは単純で誰もが知るような観光地というのは確かにそれなりに見ごたえがあるものであるのと同様に良く知られた酒場というのもそりゃまあ有名になるだけの価値はあるはずなのです。でもそういう観光地や酒場というのは有名になった時点で何某かの美徳を損なってしまうもののようです。訪れる客側が勝手に美化したり場合によっては神格化してしまったりするとより一層実物に接した際のギャップの開きに落ち込むことになるのです。結局のところなるべく早く下手な情報には振り回されなくなることが肝要です。 そうなるとまあ、情報によって盲目化されていた視界が開けてくることがあります。それまで意識に留めることのできなかった酒場が視界に浮上してくるのです。浮上してきた酒場はきっとぼくが魅力的だと感じている酒場なんだと思うのです。それには時としてリスクが伴います。好きな酒場の傾向が似ているのだから当然に以前訪れた酒場に繰り返しお邪魔してしまうことがあるのです。自分が好ましいと思っている似た傾向の酒場を目指すのだからいかにも起こり得ることではありますが、2度ならまだしも3度目なのに初めてと思い込むのはいかにも脳の老化を疑いたくもなるのです。しかも今回のお店は亀有の地下飲食店街という非常に印象的な場にあるのだから、そのつもりで訪れていない以上、さすがにまずい気がするのです。そのお店は「三京」。それでも入店した瞬間にここには何度か訪れていると思えたからまあギリギリセーフとしておくことにしよう。外観がちょっといい感じであるという加減が最も陥りがちですが、ここはいかにもそういったタイプのお店であります。何かが特別に秀でたお店ではありません。値段もそこそこで酒も肴も定番でちょっと古めかしい感じがあるし、店の人たちもアットホームではあるけれど、ちょっと緩すぎる気もします。でもなぜだかとても落ち着くんですね。そういえば有名酒場でぼくが気に入っている酒場というのは、決まって居心地の面では必ずしも良くない店が多い気がします。もしかすると記憶が曖昧な場合、いかにも寛いだりのんびりできそうな店を本能で嗅ぎ取っているのかもしれません。
2024/08/05
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日本から四季が失われつつあるのは、事実かどうかはともかく実感として受け止めざるを得ないところです。そもそも四季というものがきっちりと定義付けできるものではないのであって、その曖昧となることはぼくがたどたどしい言葉でくどくどと語ってみるまでもないことです。でもぼくが子供の頃には確かに春なら春、夏なら夏、秋なら秋、冬なら冬って感じられる期間が確かにあったように思うのです。でも今では、夏と冬ばっかりで春と秋はあるかないかってな具合で、近頃は今年はなかったなんて思うこともあったりします。でも子供の頃には、春秋よりも夏冬が圧倒的に好きでした。そしてそれが望み通りとなったのだから本来であればぼくは喜ぶべき状況のはずなのだ。と書きはしたけれど、お察しのとおりちっとも喜べてはいないのです。現代の夏がぼくの子供時代の夏であれば喜んでいたかもしれません。当時の夏は今の夏に比べるとせいぜいが爽やかさを留める初夏の陽気でしかなかったと思えるのだ。だとすれば現代の酷暑を経験しているぼくには、むしろ当時の夏は物足りなく思えて、それこそこれは夏ではなかったと感じてしまうのかもしれません。結局、人(自分が人を代表しているような書き方は品がよろしくないけれど)なんてのは、いつだって現状に不満を抱いてしまう生き物なんだろうなあってみっともない結論に至るのでありました。 四季のことを語ったのは、一応今回お邪魔した「四海春」に引っ掛けたからなのです。不勉強というか無教養なのでこの語の意味どころかこういう熟語があることすら知らなかったのですが、ネットで見ると「海山すべてのものが春の足音をたたえていること」とのこと。となると「四」というのは「山」を意味する語なのかねえと思わぬでもないけれど、それは違っている気がします。ともあれ何やらおめでたい言葉だから店名にしてみましたってところなのでしょう。広くはないけれど、上品でもうちょっと飾れば高級中華屋風な印象にもなりそうなお店でありました。この夜はシミタレオヤジが一緒だったので、このセミ高級路線のお店では2人で1品の注文となりそうで、厚顔無恥を決め込みましたが、幸いにも牛肉のオイスターソース炒めと餃子の2品を頼んでいました。この前者の料理については、彼には思い入れがあったようです。彼が若かりし頃にアメリカ(確かシカゴだったかなあ)に留学していたそうで、そこの中華料理店でよく頼んだ品だったようです。この人、事あるごとに自分や家族の自慢話を話題として投入してくる人で近頃はさすがに自慢ネタも一巡りしたのでさほどイラっとすることもなく聞き流すことができましたし、自慢ネタを繰り出すため料理を注文してくれるのならばいくらだって自慢話にも付き合おうってものです。ただでさえ旨味の強い牛肉に危険な量の旨味成分を含有しているように思えるオイスターソースを掛け合わせたら、いかにもくどくなるんじゃなかろうか。実際、パーティメニューなどでこの料理は定番となっていますが、味が濃厚過ぎてくどく感じられしかも冷め切っていることがほとんどだからより一層にいい印象を持てずにいたのです。でもここのはちゃんとしてます。ちゃんと作って熱々のうちに食べたら美味しいものだなあ。でもこの料理、その気になれば自分でも簡単に作れそうって思うのは間違いだろうか。餃子を食べてみるとこれが素人ではなかなか至れないレベルのかなり本気の餃子だったことを思うと、きっと牛肉炒めも仕上がりが雲泥の差になりそうだと考え直すのでした。
2024/08/04
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片岡義男に『夏と少年の短篇』に収録された「夏はすぐに終る」は、主人公の青年が人生で初めてもずくを食べることになります。この作家らしく小説の大部分が会話から成り立っています。-- 今日は焼き魚の日だと、真理子は言った。彼女は焼き魚を注文し、晴彦は煮た魚にした。魚のほかに、ほうれん草の胡麻あえとひじき、そしてもずくを、真理子は注文に加えた。晴彦は魚に天丼だった。それだけではいけないと真理子は言い、野菜の煮つけともずくを彼の注文につけ加えた。(中略) ほうれん草の胡麻あえとひじき、そしてもずくが、ふたりのテーブルに届いた。真理子は御飯をもらい、ふたりは食べはじめた。(中略) 話をしながらふたりは昼食を食べていった。もずくを気にいった晴彦は、小さな容器に入っているのをもうひとつ、注文した。白い上っぱりにミニ・スカート、そして金色のサンダルの女性が、もずくの入った容器を退屈そうにふたりのテーブルに置いた。彼女が配膳カウンターまで戻ってから、(中略)「もずくがおいしい」(中略) 真理子に勧められて、ほうれん草の胡麻あえをひとかたまり、晴彦は割り箸でつまみ上げた。-- もずくの記述を含む段落をピックアップしてみました。(中略)箇所はすべて会話です。この引用箇所だけを読んで二人の関係性を読み取るのは困難と思うのですが、いかがでしょう。母子もしくは姉弟のような関係性を読み取りたくなります。しかし、このお話は、車で旅する青年と同級生の看護学生が食事して語り合うという物語です。地の文章だけでは二人の関係を誤解してしまうということを抜きにすると会話箇所が無駄に思えてきます。というかこれによって引用中たった一文の会話が際立ってくるようです。にしてもなぜもずくなのだろう。 もずくって買ったはいいけれど、三杯酢なんかで食べる以外、それほど多くのレシピがあるわけじゃないようです。天ぷらが定番ですが、揚げ物は例によってパスします。ということで、まずはオリジナルの韓国風もずくの冷製スープです。【材料】もずく・きゅうり(細切り)・水・ダシダ・顆粒だし・醤油・酢・砂糖・にんにく・胡椒・ごま油・白ごま 適宜【作り方】1. 全ての材料を混ぜる。 まあ、この味付けならわかめだって合うんですけどね。スープの具材にするとスルっと喉を通り抜けてしまうから、もずくを堪能できないような気もして果たしてこれがもずく料理として成功しているかは微妙なところ。味は悪くないんですけど。 大定番のもずくときゅうりの甘酢和えをすしのこで作ってみました。もずくときゅうりのすしのこ和えです。【材料】もずく・きゅうり(包丁で叩く)・生姜(千切り)・すしのこ 適宜【作り方】1. 全ての材料を和える。 手軽に作れはするけれど、どうも味がぼんやりとして決まらなかったかな。いっそのことごはんを混ぜてもずく寿司にするとよかったかも。 もずくそばです。実際に食べられていても不思議ではないけれど、まだぼくはであったことがありません。【材料】そば(茹でる/冷水で洗う) 1人分/もずく・揚げ玉・めんつゆ 適宜【作り方】1. 器にそばを盛ってめんつゆを注ぎ、もずく、揚げ玉をのせる。 そばのツルシコともずくのゾゾツルが混じって思わぬか化学変化を及ぼすことはなかったのでした。 最後は沖縄で実際に食べられているというもずくのヒラヤーチーを作ってみました。【材料】サラダ油 大さじ2/【ヒラヤーチー(混ぜる)】薄力粉 100g/水 100ml/卵 1個/顆粒だし 小さじ1/2/もずく 100g/ニラ(3cm幅) 50g/【タレ(混ぜる)】醤油・酢 大さじ1.5/一味唐辛子 小さじ1/4【作り方】1. フライパンにサラダ油を熱して【ヒラヤーチー】を焼く。一口大に切って皿に盛って【タレ】を添える。 もずくって火を通すとモチモチするんですよね。天ぷらなんかがそうですね。でも天ぷら同様、もずくの風味はどこかへ消し飛んでしまうみたいでなんだかもったいない気もします。
2024/08/03
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ひと口にニラ玉といっても色んなタイプがあるようです。食べログまとめ 「【へぇぇ~!】ニラ玉研究家によるニラ玉の種類いろいろ」https://tabelog.com/matome/1633/ そりゃまあ、ニラと卵を使った料理をニラ玉って料理名で括れるのであれば、ここに紹介されている以外にもいくらだって作ることはできるのです。単にニラと卵を炒めるといっても炒り卵タイプもあれば、オムレツタイプもあるし、玉子焼きだったり、お好み焼き風もあったりするし、焼き加減にも作り手毎の拘りもあったりする。味付けはそれこそ千差万別です。当然、オプションの具材も肉、魚介、野菜、きのこなどなどありとあらゆる食材が対象となってきます。となるとぼくはミニマムなニラ玉にこそ真価を問いたくなるのです。材料はニラと卵、あとせいぜい一品目程度に留めたい。ベストなニラ玉のレシピをひと通り試しておきたいのには理由があります。実はニラに限ったことではないのですが、青菜系の食材というのは値段が極端に乱高下するので、安価で売られているとついつい必要以上に買い過ぎてしまったりします。案の定、調理する間もないうちに傷みだして、捨てるのはもったいないからと傷んだ箇所を間引いたりすることになる。その処理に要する時間が余りにももったいない。なので、さっと下茹でしてヤバくなってきたら冷凍庫に放り込んでそれがまた冷凍庫の肥やしとなるなどなかなかに厄介なのだ。シンプルなニラ玉のヴァリエーションがあれば日替わりで消費に勤しむことができるであろうという思惑があるのだ。 まずは、ニラ玉炊き込みご飯です。2カ月前に作ったようですが、実は全く記憶がないのです。ある意味でこれほどに簡単な料理はそうはないと思うのですが、作った記憶も食べた記憶もないのです。【材料】米 2合/ニラ(3cm幅) 5本/卵 3個/水 適宜/【調味料】酒 大さじ1/塩 小さじ1/4/めんつゆ 大さじ2【作り方】1. 炊飯器(内釜)に米、【調味料】、水を入れて卵をのせ、炊く。ニラを混ぜて蒸らす。 記憶にないということは、やはりそれ相応の手間と味であったということでありましょう。 ニラと卵を別個調理(というほどのものではないけれど)するタイプのニラ玉ユッケ丼です。冒頭のサイトでも紹介されていますが、茹でニラと生の卵黄というユッケスタイルは、ニラ玉そのものであるけれど、以前はニラ玉とは呼ばれていなかったはずです。が、ぼくはこれも確かにニラ玉だなあと思っています。【材料】ごはん 200g/ニラ(3cm幅/電子レンジで600W2分加熱/塩をふる/【調味料】と和える) 1束/塩 適宜/卵黄(醤油に漬ける) 1個分/醤油 小さじ1/2/【調味料】オイスターソース 大さじ1/2/だし 大さじ1/にんにく・ごま油・白ごま 小さじ1【作り方】1. 丼にごはんを盛ってニラ、卵黄をのせる。 これは間違いのない旨さ。でもこれって朝メシ向きの食事という気がするけれど、平日には危険だし、かといって昼には寂しい気もする。夜をこれで終えるのもちょっとなあってなるといつ食べるのが適当なんだろうかと悩んでしまうのだ。ぼくは休みの朝に食べました。 山谷にある「遠州屋髙尾」式ニラ玉であります。ニラ炒めにトロトロ炒り卵をのせるスタイル。【材料】卵(三温糖、酒、醤油を混ぜる) 2個/ニラ(4等分) 1束/白ごま 小さじ1/2/ラード 大さじ1/2/サラダ油 小さじ1/三温糖 小さじ1/4/酒 小さじ1/2/醤油 小さじ1/2/塩・胡椒・旨味調味料 適宜/酒 小さじ1/酢 小さじ1/4/醤油・ごま油 小さじ1/2【作り方】1. フライパンにラード、サラダ油を熱して溶き卵を焼き、取り出す。ニラを炒める。塩、胡椒、旨味調味料を加える。酒、酢、醤油を加える。ごま油を加えて皿に盛る。白ごまを散らして卵をのせる。 酒の肴に悪くないんだけどねえ。でも何か物足りない感じがするんですね。これをごはんにのせて食べるならいいんですけど、このままってなるともうひと具材欲しい気がします。 ニラ玉ラーメンです。和風のニラ玉というと炒めるんじゃなく濃い目のタレで炊くのが定番です。玉子は溶き卵を注いだかきたまスタイルが一般的かな。これをラーメンの具材にしてしまいました。【材料】中華麺(醤油/茹でる) 1人前/ニラ(3cm幅) 1/3束/卵 1個/ごま油 小さじ1/湯・胡椒 適宜【作り方】1. 鍋に湯を沸かして付属のタレ(半量)を加える。ニラを加える。溶き卵を加える。ごま油を加える。2. 丼に付属のタレ(半量)、湯を注いで中華麺を盛る。1.を注いで胡椒を散らす。 当初、想定していたより美味しいですね。ニラと卵の風味がスープに溶け出してなかなか旨し。家ラーメンは本格派は材料を用意するだけで一苦労ですが、こういう手軽な材料でも美味しくなるもんです。
2024/08/02
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今は歩くのがだるいなあと思うようになったけれど、歩くのがさして苦にならない時代がありました。そりゃまあ好んで30km歩いたりはしないけれど、30kmまでなら週に一回程度であれば苦もなく歩けていたと思うのです(つまり30kmを越えると一挙にハードになるのだ)。別にここで健脚自慢をするつもりなどなくて、ひと頃、池袋の自宅と御茶ノ水の職場を歩いて往復していた時期がありました。Googl Mapで調べると駅間は6.3kmが最短なので往復で12.6km通っていたことになります。改めて調べるとさほど大した距離ではなかったのだなあ。思えばちっちゃな頃から歩いてばかりでした。最初の小学校は片道2kmの山道だったし、次が700mと近かったものの、その次はまたも1.5km、中学校は400mと近くなったと思ったら、次が1km、そして高校が3.4kmあったけれどこれは自転車。大学も同様。就職後は自宅から最寄り駅まで1.2kmあったけれど、あとは基本は電車通勤。ひと頃、電車通勤にうんざりして職場まで5.2kmもしくは6.3kmを歩いていたこともあるけれど、これはまあ趣味みたいなものだし、帰りに呑んだら電車に乗っちゃう場合も少なくなかった。でも今は自宅から最寄り駅は600m程度ですが、職場までは2kmあります(バスがあるけど本数が少ないし、待たされたり時間が読めないのが嫌でほとんど利用していません)。案外歩いている方かと思うのですがいかがでしょう。ここまでが酔っ払いながらもわざわざGoogle Mapで距離を計測して書いたようだけれど、何を語りたかったのか。 実は、自宅と職場の6.3kmを歩いていた頃にたまに「遠州屋」の前を通り過ぎていました。当時はまだドハマりするほどには居酒屋巡りもしておらず、むしろお値頃感をメインテーマに酒場巡りをしていました。だからここもちょっと良さそうだなあとは思いはしたけれど、大して気に留めるといったこともなかったのです。というか古い酒場はまだ結構な数が存在していたからここが特段目立っていたということもなかったのです。そのうち古酒場が日を追うごとに数を減らしていって初めてそうした酒場で呑むことが貴重な記憶となることを認識できたのです。失ってみて初めてそのかけがいのなさに気付かされるのはありふれた経験でしかありませんが、好んで経験したいものではありません。と何やらもっともらしいことを書こうとしていたようですが、実はこんな事を書きたいと思っていたわけではないのです。「遠州屋」には酒場巡りを初めてすぐの時期にお邪魔しました。通り過ぎていた頃にはちょっと良さそうって思うだけだったのが、いざお邪魔しようとなった際にはとても魅力的といった具合で、つまりは興味の対象となった時点でかつてとは別物として意識されるというごく平凡な感慨に浸ったのであります。店内もいい加減に枯れていて実に心地良かったのです。ところが今回、外観はかねてと変わらぬ風情を漂わせていたのに、内装はといえば大胆過ぎる程の大幅なリニューアルが施されていたのです。古い店を改修しながら延命することは共感できるし、仕方ないことでもありますが、もう少しだけでもかつての風情を留めるよう気を配ってくれるとありがたいのです。それって予算が嵩みそうだから無理を言ってるのは重々承知しているんですけど。でも今、改めて写真を張り付けてながら眺めてみると案外悪くないなあ。若い人たちも清潔でありながら酒場らしい風景を楽しんでいたことを思い出しました。風情があっても汚いんじゃ仕方ないからなあ。また、この界隈に来ることがあったらやはりまた立ち寄るんだろうなあ。
2024/07/29
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コロナが五類とやらに移行してもう随分と歳月が経過した気がするけれど、蔓延の最中もそれ以後も幸いなことにぼくは一度の感染もなく(自覚しうる範囲では)平穏にやり過ごすことができています(この先もそうとは限らないけれど)。しかし、この感染症がもたらしたのは生命や健康に悪影響を及ぼすだけでは済まされなかったようです。ぼくにとっては、外出自粛といった行動制限によって本来のぼくの性癖である怠惰が一挙に噴出することとなったのです。この症状は当分(もしかすると死に至るまでずっと)収まることはなさそうなのです。というのもぼくの興味の対象は、大概の場合インドアで完結できるので、仕事なんかで外出を余儀なくされない以外ではわざわざ外出準備(これが一番いや!)を整えてまで出掛ける気になれないのです。出掛けちゃいさえすれば案外、張り切ってあちこち立ち寄ったりするのですが、とにかく一歩を踏み出すのに若い頃のようには身軽ではなくなってしまったのです。今書いたように老化が端的に気力の減退に直結しているようです。それとこれは年を取ったことだけが理由とは思えませんが、特に暑い季節が長くなったのが辛い。この夏も冷房のない酒場をホームに呑み続けていておきながら、暑さに弱いと訴えるのもどうかと思うけれど、やはり炎天下を歩き回るのと一箇所に留まって呑むのとは身体への負荷に相当な差異があるものです(と書きましたが、以前はこの酒場で呑むとただ呑んでいるだけでも汗がしたたったのに、今では10数分もすると汗を拭う必要がなくなりました)。 と己のぐうたらっぷりを訴えてしまいましたが、呑み出すと大概の場合、気分が高揚してついハシゴしてしまうのです(近隣にこれといった酒場がない限りは必ずそうなる)が、町屋という酒場密集エリアにありながら、ハシゴしなかったのだから相当弱ってきているということか。お邪魔したのは「もつ焼 だるま」です。町屋文化センターの入るタワーマンションの1階、表通りから奥まって扉があるのが隠れ家っぽくて新しい店ではあるけれどちょっといい雰囲気です。奥の小上がりに通されつつ店内の様子を観察します。思ったより狭いお店なんだなあって印象を抱きました。もつ焼きって煙が出やすいからなんとなく店内が広いっていう先入観を抱きがちなんですが、実は狭小のお店も少なくないんですね。でぼくはもつ焼きはオオバコよりも狭い方が好みなのです。服が煙たくなるのはまあ仕方ないってことで。実際にはさほど煙たくはなかったんですが。もつ焼き屋だというのになぜか串揚げばかり頼んでしまったようです。同じ串ものなんだから両方あっても確かにいいかもね。もつ焼きは旨いし、串揚げも旨いけど、どちらもそればっかりだとねえ。基本的にもつ焼き屋は必要最低限の品があったらそれでいいと思っているけれど、串揚げは種類も豊富(野菜なども定番だけでもそれなりに種類があります)で手間もかからず店側としてもいい商売になるんじゃないだ思うのです。とくにこれっていう目立ったところはないけれど、いちいち頃合いを計って店を映ったりせずにゆっくりと呑むのならとてもいい店なのかも。
2024/07/28
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今回は珍しくドライカレーを立て続けに作りました。ぼくはカレー好きではありますが、ドライカレーはさほど好みではありません。なぜだろう。その理由を考えてみたのですが、恐らくこうなんじゃないか。味が終始満遍なく同じってところが飽きちゃうんだと思うのです。そういやぼくは炒飯やピラフなんかもまあ好きといえば好きですが、ひたすら同じ味と触感を食べ進むことに退屈を感じてしまうのかもしれません。ルーのカレーの場合は、大概は具材が不均等に含まれているのでごはんの量や混ぜ方の加減次第で変化を付けることができます。でもWikipediaによると、1. 挽肉とみじん切りにした野菜を炒め、カレー粉で風味をつけ、スープストックで味付けをして煮詰め、平皿に盛った飯に載せた料理。一種のキーマカレー。(挽肉タイプ)2. カレー風味の炒飯。家庭で簡単に作れる「ドライカレーの素」や、冷凍食品が各社から発売されている。「カレーチャーハン」とも呼ばれる。3. 生の米とカレー粉を具材と一緒に炒め、炊き上げたもの。カレーピラフ。の3タイプに分類しています。ぼくが飽きると言ってるのは、主にこの2.と3.が該当するようです。細かく刻んだ具材が均等に混じっていることが単調さに繋がっているようです。かといって1.ではどうかというとこれまた量の加減のバランスに変化は付けられるけれど、味は一辺倒になってしまいます。1.と2.もしくは3.であればある程度の食事の進捗に応じて変化を付けることができそうですが、作るのが面倒だなあ。と書いていて気付いたけれど、この3つの具材を細かく刻んだりせず大振りのままで用いればいいだけのことなんじゃないか。そういや、カレールーが半端に残った時、それをごはんを炒め合わせて食べたことが何度もあるじゃないか。ドリアにもしてるし。 ちなみにドライカレーについては、古川緑波が『古川ロッパ昭和日記』で以下のような文章を残しています。昭和十一年八月十九日(水曜)帰り、千吉へ寄る、ドライカレーライスがうまし。つまらん。昭和十四年七月十四日(金曜) 十時起き、今日は小林富佐雄氏の招待で、正午、本町のセンコーレン会館へ行く、冷房があるのでとてもいゝ。此処の食事、キャビアその他オルドヴル中々よろしい、冷コンソメ、次にトルネードにドライカレー付、レタスとトマト。レタスが一ばんうまかった。 う~ん、何だかよく分からんですね。 カンニング竹山と似てるって評判の蒲田「寳華園」の主人が作るカレーめしをネットで見掛けたので、レシピの詳細は分からないけれど、主人の発言などに一応は留意しつつ真似てみることにしました。【材料】ごはん・豚ひき肉・玉ねぎ(縦3等分/くし型切り)・生姜・にんにく・卵・ラード・水・鶏がらスープの素・とんこつスープの素・顆粒ベジタブルコンソメ・カレー粉・カレーフレーク・塩・醤油・みりん・胡椒 適宜【作り方】1. 鍋にラードを熱して豚ひき肉、玉ねぎ、生姜、にんにくを炒める。ごはん、水、鶏がらスープの素、とんこつスープの素、顆粒ベジタブルコンソメ、カレー粉を加える。カレーフレーク、塩、醤油、みりん、胡椒を加えて煮る。皿に盛って生卵を落とす。 おっ、これ案外美味しいですね。具も和風の味付けも相当シンプルなんですけど、生卵が案外いい働きをしているのかも。ぼくは生卵の白身があんまり好きじゃないんですけどね。 ちょっと作り過ぎたので、ちょっと残してしまいました。なので、焼きカレーめしに仕立ててみます。【材料】カレーめし・溶けるチーズ・卵 適宜【作り方】1. 耐熱皿にカレーメシを盛って溶けるチーズ、卵をのせ、トースターで焼く。 おやっ、むしろこちらの方がさらに良くなってるかも。 うえやまとち著『クッキングパパ』に登場したドラオムです。料理名については、説明は不要かと。オーソドックスな炒飯系ドライカレーを薄焼き卵で包んだだけだからさして期待もせず(旨くないってことじゃなく想像の域を超えることはないって意味)作ったのです。【材料】サラダ油 小さじ2/にんにく 1片/豚肉(バラ) 50g/ニンジン(みじん切り) 3cm/玉ねぎ(みじん切り) 1/4個/ピーマン(みじん切り) 1個/パセリ 大さじ1/塩・胡椒 小さじ1/2/ごはん 1合/カレー粉 小さじ2/醤油・ウスターソース 小さじ1/バター 小さじ2/卵(砂糖、塩を加える) 2個/砂糖 小さじ1/塩 適宜/ウスターソース 適宜【作り方】1. フライパンにサラダ油を熱してにんにくを炒める。豚肉(バラ)を加える。ニンジンを加える。玉ねぎ、ピーマン、パセリを加える。塩、胡椒する。カレー粉、醤油、ウスターソースを加えて取り出す。2. フライパンにバターを熱して溶き卵を注ぐ。1.をのせて包む。皿に盛ってウスターソースをかける。 卵2個は多いかなってケチって1個で作ったら相当に薄っぺらになって包み方も中途半端になってしまいました。まあ破かなかったから良しとするか。でも食べてみたらこの薄さが良かったみたい。卵の風味が強いとドライカレーが負けてしまったかも。
2024/07/27
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ぼくは、食べるものをその料理名で決めてしまうことがよくあります。ピョートル・ワイリ/アレクサンドル・ゲニス著の『新装版 亡命ロシア料理』で紹介された「帰れ、鶏肉へ!」が話題になると食材の調達と調理の容易さもあってすぐ様に作りました。イギリスの"Toad in the hole"(「穴の中のヒキガエル」)なんてのもありますね。トルコ料理の「アナル・クズル・チョルバス(母と娘のスープ)」や「ヴェズィル・パルマウ (大宰相の指)」なんてのも気になります。「Spotted Dick(ほくろだらけのDick)」なんてえげつないのもあるそうです。とあえて選んで並べてみるとさほど面白くもないですね。これは一体どんな料理なんだって疑問は沸いてもさほど愉快ではないと思えてきました。ところで、変な料理名といえばイタリアのパスタ料理にはとてもたくさんの変な料理名がありますね。貧乏人だったり暗殺者だったり、絶望なんてのも冠されたパスタがありますが、改めて見ると余りにも直接的でさほど面白くはないような気もしてきました。料理名なんてのはどう付けたって構いはしないのだろうから、その気になればいくらでも奇天烈なネーミングが可能です。ただし、重要なのは、突飛だったりえげつなかったりしてもその流布に成功していない限りはちっとも注目には当たらないということです。今すぐ思い出すことはできないのですが、数多くの料理がラインナップされていてそれがどれもこれも変な名前が付けられているってことで話題になることがあります。そうだ、料理じゃないけれど、150種類のサワーを提供する店がありましたね。https://www.favy.jp/topics/22254 まあ、確かにすごいっていえばすごいけれど、人口に膾炙しているわけじゃないから単にPR効果を狙っているだけのように思えてならないのです。 クロアチアにシュポルキ・マカルリ(汚いマカロニ)ってのがあると知り、ずっと作ってみたいと思っていたのですが、ようやく悲願(大袈裟すぎではある)が叶って作ることができました。【材料】牛肉(塊/一口大/塩、胡椒する) 800g/玉ねぎ(粗みじん切り) 2個/にんにく 3片/ニンジン(みじん切り) 1/2本/トマトペースト 大さじ3/シナモンパウダー 小さじ1/赤ワイン 1カップ/ローリエ 2枚/塩・胡椒 適宜/ペンネ or リガトーニ or フジッリ(茹でる) 600g【作り方】1. 鍋に油を熱して牛肉を焼いて取り出す。玉ねぎ、ニンジンを炒める。にんにく、ローリエを加える。トマトペースト、シナモンを加える。牛肉を戻して赤ワインを加える。弱火で1時間煮る。パスタを加える。塩、胡椒する。 仕上がりの色合いが麗しくないというのが理由できと「汚い」っていう形容詞が使われたんでしょうけど、想像通りの見た目でさほど汚らしいとは思えないのでした。 初めてプッタネスカというパスタレシピを知ったのはもう20年以上昔の事だったと思います。川津幸子さんのレシピ集で知ったのでした。当時はケーパーもそんなに簡単には手に入らなかったはずですが、どうにか売られている店を見つける(取扱いが少ない割に随分お手頃価格だったことを覚えています)と早速購入してそのレシピを試してみたのです。これが無茶苦茶旨くてすっかりハマってしまうまでの定番になったのです。【材料】フジッリ(茹でる) 100g/トマトソース 大さじ3/ケーパー 5粒/オリーブ(黒/緑) 5粒/アンチョビ 1切/赤唐辛子 1本/にんにく 1片/オリーブ油 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してにんにく、赤唐辛子を炒める。ケーパー、オリーブ、アンチョビを加える。トマトソースを加える。フジッリを加える。皿に盛ってオリーブ油をかける。【備考】パスタの聖書https://pasta-bible.com/entry/Puttanesca でも、あれほど好きだったのに近頃食べる機会がめっきり減っていました。今回はフジッリのレシピとして見掛けたので作ってみたのですが、ロングパスタと思い込んでいたけれど、フジッリも合いますね。 パンチェッタと玉ねぎのフジッリを作りました。なんじゃこりゃっていうようなレシピですけど、果たして味はどうなんだろう。【材料】フジッリ 100g/パンチェッタ(拍子木切り) 50g/玉ねぎ(薄切り) 1個/オリーブ油 大さじ4+α/にんにく 1片/赤唐辛子(砕く) 1本/塩・白ワイン・パルミジャーノ・バジル 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してにんにくを炒める。赤唐辛子を加える。パンチェッタを加える。白ワインを加える。玉ねぎを加える。茹で汁、バジルを加える。フジッリを加える。オリーブ油、茹で汁、塩を加える。皿に盛ってパルミジャーノ、オリーブ油を散らす。 意外や、案外旨いんですね。なんともショボいレシピですが、本場イタリア風のパスタ了以にはこうしたわざわざレシピが普及する以前のレシピってのが多くて楽しいです。 フジッリのトラパネーゼ風です。トラパネーゼってのはナッツのペーストですね。以前まではナッツのペーストっていうものに苦手意識があったのですが、食べてみたら無茶苦茶濃厚で美味しいんですね。ナッツそのものよりずっと濃厚な味わいが堪能できます。【材料】フジッリ(茹でる) 150g/トマト(5mm角) 1/2個/【A(ミキサーに粗めにかける)】トマト 1個(ざく切り)/オリーブ油 小さじ1/2/バジル(千切り) 25g/塩・胡椒 適宜/【B(ミキサーにかける)】アーモンド 35g/オリーブ油 小さじ1/にんにく・パルミジャーノ 適宜【作り方】1. ボウルにフジッリ、茹で汁、1.、2.を入れて和える。皿に盛ってトマトを散らす。 コリャ旨いに決まってます。重要なポイントとしては折角だからと余り欲張って作り過ぎないことです。その時の了以に使ったらなくなる猟に加減するのが大事です。
2024/07/26
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呑み屋横丁のある町って、ぼくにとってはそれだけで町としての必要十分条件を満たしていると思っています。無論、そこが遺構となっているのでは十分ではありません。必ずしも全盛期の活況を呈してはいなくとも、2、3軒は現役であることを求めます。できることなら横丁の黎明期からの生き残り店が混じっていてくれると何よりです。少なくともここ数年のレトロブームに乗っかった開店したての店だけでは条件の半分も満たしてはいないと考えてしまうのです。でも、その薄っぺらい理由をここで述べるつもりはないのだ。ただそう遠くない将来にこうした横丁が一掃されてしまうという予感を拭えない以上、好奇心が正しく働いている限りにおいては、無理のない範囲で通っておきたいと思うのです。ところで、今さっき横丁が淘汰されると書いたばかりですが、もしかするとそれは間違いなのかもしれません。大きな町の場合は、横丁のような小規模寄り合い所帯は巨大タワーマンションなど地価に応じた施設に呑み込まれてしまうのかもしれません。また、人口減少などに呼応して町としての体裁をなさなくなった小都市もかなり危なそうです。列車の廃線も止まぬ現況にあっては、駅前横丁のかなり多くが遺構としてのみ残置されることになるのではないか。しかし、一方で、中規模の町ではそこそこ規模の大きな呑み屋街が再開発に晒されることで横丁化するような近未来を想像してしまうのです。でもまあ何事につけ未来など約束されたものではないのであって、インフレ化がさらに進行して外で呑み食いするのはとんでもない浪費ってことになっちゃうかもしれない。もしくは身体面に疾患が生じて飲酒に対してドクターストップが掛かってしまう、いやそれどころかポックリ逝ってしまう可能性だってあるのだ。だから無駄遣いは極力控えて、翌日に差支えが及ぶような無理をしないよう留意してのんびりとして呑み歩き生活を送りたいものです。 ということで金町栄通りを訪れました。何度も来ているので訪れるまでは幾分かのうんざり感はいなめなかったのですが、しばらく来ないうちにどことなく変化が感じられます。以前は見掛けた覚えのない店がチラホラあるように思えます。「遊吉」には見覚えがあるようなないような。ちょっとだけ気になるので入ってみることにしました。表の看板が軽い気がしていましたが、店内は案外いい感じです。お値段も非常に良心的といえます。厨房には控え目サイズのおでん鍋で10種ほどのおでん種が煮えているのが見えます。これはもう頼まざるを得ないでしょう。って焼鳥屋で焼鳥を食わなかったり、煮込みの店で煮込みを食わないなんていう無体なことをやらかすのだから全く嘘くさい話なのだ。それはともかくとしてなんかいいのです。店の雰囲気は悪くないけどとびきりいいって訳でもない。料理もすごい旨いってこともないし変わったところもない。酒だって普通です。店主は丁寧で感じもいいけれど、そんなに愛想がいいってこともないのです。値段はちょっとお安めな点がいいところかな。でも、そんな個別の評価などお構いなしに全般に受ける印象こそが酒場を繰り返し劣るれる原動力なのです。気になった肴として麻婆豆腐と麻婆ナスを合わせてしまった品があります。これ、実はぼくもよくやることで、豆腐と春雨だったり、春雨とナスの組合せも作ったことがあります。なのでぼくにはさほど意外性のある料理ではなかったけれど、あらゆる麻婆料理はよほどの料理下手でない限りは最低限の品質を担保されるのです。それほどハイブリッド麻婆を見掛けないのは不思議です。調べてみるとこちらには以前お邪魔していたみたいです。変わっていたのは通りではなくぼくの記憶だったようです。
2024/07/22
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子供の頃は駅ビルが大好きでした。当時和歌山に住んでいたのですが、家のあった最寄りの駅から電車で10分弱で和歌山駅に到着します。家の近くには飲食店は片手に余る程度しかなく、本を買うにも化粧品店の棚売りの雑誌程度が手に入るばかりで、町の方に出る以外は専ら駄菓子屋ばかりに足を運んでいました。でも夏休みなどは昼時になるとたまに和歌山駅に出て駅ビルの地下の飲食店街で明石焼きを食べたりして上階の書店や玩具屋、ゲームセンターで親の仕事の終わる夕方頃まで時間を調整したものです。調整すると書くと無理に時間を潰していたみたいですが、実際には時を忘れて遊び惚けていたのです。それに飽きても駅の隣は近鉄デパートがあるし(ここのお茶の玉林園のグリーンソフトが大好きでした、ちなみにここには天かけラーメンという名物料理もあったらしく先日、簡単に模倣してみました)、その先には映画館もあったと記憶しています。当時のぼくが町に求めるあらゆる施設がそこに集中していたといってもいいのでした。夕方になって親と合流するとたまにはちょっと歩いたところにある一膳めし屋に連れて行かれたりもしてそれが本当に楽しかったことを思い出すこともあるのです。 幼かったぼくが訪れるのが今時の駅ビルだったとして当時のように充実した時間を送ることができたのでしょうか。というのも今の駅ビルって大概がどの駅ビルでも似たり寄ったりの施設ばかりで、特にJR東日本管内はアトレという愛想の欠片もないのに置き換わっています。当時、駅ビルというと和歌山駅のそれしか知らなかったぼくには、駅ごとの個性的な駅ビルの存在は知らなかったけれど、それでもそこが他の駅ビルとは異なる個性があるということは何となく分かっていたはずなのです。と書きながら思うのが、仮に当時の父親より年長となった今となっては当時の和歌山駅の駅ビルも面白いものと感じられたかどうかは幾分の懸念があるところですが、少なくとも地下の飲食店街には興奮を禁じ得ないはずと思うことにします。ともあれ数年前に少なくとも施設名だけはボックスヒル(今では取手駅だけになったんじゃなかろうか)と個性的であったのですが、今は松戸駅ビルも多くの駅と同様にアトレとなってしまいました。そんなビル上階の飲食店街に「大かまど飯 寅福 アトレ松戸」があります。他店が閑散とする中にあってここはやけに客の入りがいいのです。しかも女性客が大部分を占めるというのが不思議な気もします。みると皆さん吞み物を呑んではいるけれど、酒類を呑む人は見掛けなかったように思うのです。皆さん、ぼくなら5分程度で食べ終えてしまいそうな定食っぽいのをゆっくりと時間を掛けて召し上がっているのでした。酒なしで時間を潰すことはぼくにはできない技ですねえ。酒ありなら時間がもったいないとか思わないのにねえ。われわれはけして不味くはなくとも必ずしもうまいとまではいえない肴を並べてちょっと薄いお茶割りなどを矢継ぎ早に呑み干していくのです。そして他の客がこの店の名物らしきかまどで炊いた炊き込みご飯を召し上がるのを横目に、最後までその存在を黙殺してしまったのでした。結構なお値段となってしまったので、当分来る機会はなさそうだし、きっとその時もその名物を口にすることはなさそうです。
2024/07/21
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日本の文学者はらっきょうがお好きなようです。いつものようにらっきょうをキーワードにして青空文庫で検索してみたら、ズラズラっと日本を代表する文学者たちの名前と作品が表示されました。ざっとピックアップしただけでも芥川龍之介 少年幸田露伴 貧乏谷崎潤一郎 少年夏目漱石 カーライル博物館夏目漱石 三四郎太宰治 秋風記太宰治 パンドラの匣太宰治 正義と微笑泉鏡花 眉かくしの霊島崎藤村 千曲川のスケッチといった錚々たるラインナップが出揃います。今後らっきょうをネタにする場合は、当分話のタネに困ることはなさそうです。それにしてもらっきょうの一体どこに文学としての源泉を見出したのだろうか。仏教で禁葷食とされる五葷の一つである辺りに文学臭を見出せそうではあるけれど、それよりもらっきょうという単語一つが白くプリッとした形状といった視覚的イメージや強烈でつい何度も嗅いでしまいたくなる臭気、刺激的な辛味を含んだ風味、そして噛み締めた時の爽快な歯触りとシャキっという響き、などといったものが想起されるのだから、そのイメージの喚起力に理由を求めるのが適当なんでしょうか。 立ち呑み屋の常連さんかららっきょう塩酢漬け一瓶分を貰いました。しょっぱくなり過ぎたので持て余していたそうです。甘酢ではないところがその方の拘り。作り方を尋ねたのですが、分量は詳しいところは聞けませんでした。ネットにもレシピが出ていたので以下はそちらを参照したものです。【材料】らっきょう(薄皮を剥く) 800g/【塩酢(沸かす/冷ます)】塩 70g/酢 1/2カップ/赤唐辛子(輪切り) 2本/水 3.5カップ【作り方】1. 保存瓶にらっきょう、【塩酢】を入れて2週間漬ける。2024/6/8 食べてみると確かに塩辛い。ちまちま食べるのもありですが、刻んで調味料代わりに使うのが健康に留意が必要なおぢさん世代には良さそうです。 ということで、色々な味付けに用いていますが、まずは三種の焼きそばに用いてみました。らっきょう塩酢漬け入りカレー焼きそば【材料】焼きそば麺(電子レンジで600W30秒)・カレールー・らっきょう塩酢漬け(薄切り)・ニラ(4cm幅)・もやし・サラダ油 適宜【作り方】1. フライパンにサラダ油を熱して焼きそば麺を炒める。カレールー、もやしを加える。ニラを加える。皿に盛ってらっきょう塩酢漬けを散らす。らっきょう塩酢漬け入り塩焼きそば【材料】焼きそば麺(電子レンジで600W30秒)・らっきょう塩酢漬け(薄切り)・豚肉(細切り)・ニラ(4cm幅)・もやし・酒・鶏がらスープの素・塩・胡椒・ラード 適宜【作り方】1. フライパンにラードを熱して豚肉を炒める。焼きそば麺を加える。もやしを加える。ニラ、らっきょう塩酢漬け、酒、鶏がらスープの素、塩、胡椒を加える。らっきょう塩酢漬け入りソース焼きそば【材料】焼きそば麺(電子レンジで600W30秒)・らっきょう塩酢漬け(薄切り)・豚肉(細切り)・ニラ(4cm幅)・もやし・付属の粉末ソース・ラード 適宜【作り方】1. フライパンにラードを熱して豚肉を炒める。焼きそば麺を加える。もやしを加える。付属の粉末ソース、ニラを加える。皿に盛ってらっきょう塩酢漬けを散らす。 カレーにらっきょうは定番ということです。シンプルな塩味にも合いそうです。ところがいざ食べてみるとソース焼きそばと一緒に食べるのが最も好みでした。らっきょうがしょっぱいので味付けは控え目にすべきです。
2024/07/20
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繰り返しになりますが、ぼくは刺身好きではありますが、刺身大好きではありません。好きと大好きの違いが何かを説明する言葉の持ち合わせはありませんけれど、暫定的な基準を設けてみることにします。「好き」は週に一回で満足するもの、「大好き」は週に最低二、三回は欲するものと定義してみます。「二、三回」などと曖昧さを残しておいて定義とするのはいかにも雑ではあります。しかも「大好き」ではあるけれど、週に一回どころか月に一回でも満足してしまう―例えば、ステーキだったりハンバーグだったり―ものもあるのだから、やはりこの定義は便宜的なものとご理解いただきたいのです。しかしまあ、刺身などというものはぼくは週に一回で十分であることを言いたいのだ。刺身というのはちょっと違っていて、魚介を生食するといった方が適当であります。なので、焼き魚や煮魚など火を通した魚介料理は別物ということになります。ところで、鰹のたたきという料理があります。これは軽く焙っているから生食とは言わぬのではないかという疑問が湧いてきます。見た目にはステーキのレア状態みたいなものです。ステーキを生肉と言わぬ以上はたたきも生魚ではないのではないか。これはまあステーキというのが見た目は赤くて生っぽくても実際には内部まで加熱されている(はず)である一方で、たたきは表面だけを焙っているという違いがあると思われます。だからまあたたきを食べるのは生食に当たると考えて差し支えないようです。と長々と書きましたが、つい先日、鰹を結構な量、買い込んでしまったんですね。近所のスーパーで1パック100円引きだったのです。そのパックが1パック150~300円位と値段がマチマチだったので、当然ケチなぼくは限りなく安いパックばかり買い漁ってしまったのでした。見切り品だから当日、せいぜい翌日までは食べ切らねばなるまい。ってことでせっせと食べる事にしたのでした。 安いパックはやはり小さめのサクが中心です。以下のレシピを試してみたかったので、切り分けてみると思った以上に量があったので、慌てて大き目な切り身をより分けて刺身で食べる事にしました。ぼくは鰹はたたきより刺身で食べるのが最も好きな食べ方なのです。ちょっと少ないかなって思いましたが、これ位が適量のようです。 続いては、鰹のカルパッチョです。ひと頃はこれが最も好きな食べ方でした。シンプルなのにこれだけでそれなりの一品っぽくなるのがいいです。本当はもっと色んな野菜をのっけたかったんですけどね。【材料】鰹(刺身用/8mm厚)・パルミジャーノ・塩・胡椒・レモン汁・オリーブ油 適宜【作り方】1. 皿に鰹を盛ってパルミジャーノ、塩、胡椒を散らし、レモン汁、オリーブ油をかける。 カツオのタルタルです。まあ、悪くないのですが、手間をかけて悪くない程度ならシンプルに食べた方がいいかななんて思ってしまう。鰹漁師だったら毎日一緒は飽きちゃうから知っていてもいいかなってレシピでした。【材料】鰹(刺身用/5mm角) 150g/らっきょう(甘酢漬/みじん切り) 6粒/あさつき(小口切り) 2本/スモークチーズ(おろす) 30g/フレンチマスタード 大さじ1.5/塩 小さじ1/4/サラダ菜 適宜【作り方】1. ボウルに鰹、らっきょう、あさつき、スモークチーズ、フレンチマスタード、塩を入れて混ぜる。皿に盛ってサラダ菜を添える。【備考】dancyu 「スモークチーズの風味とカツオの旨味が渾然一体!"カツオのタルタル"」 https://dancyu.jp/recipe/2020_00003821.html 鰹のごま酢漬けを作りました。ごま酢漬けって赤身の魚って印象は余りないけれど、まあ悪くないです。でも主役の鰹より玉ねぎが美味しく思えました。鰹の量を減らし、逆に玉ねぎの量を増やしてオニオンスライスのつもりで食べた方がいいかも。【材料】鰹のたたき(1cm幅) 200g/玉ねぎ(薄切り) 1/4個/【ごま酢(混ぜる)】すりごま 大さじ1.5/だし汁 1/4カップ/酢 1/4カップ/薄口醤油 大さじ2/みりん 小さじ2/砂糖 小さじ2【作り方】1. 【ごま酢】に鰹を30分漬ける。 2. 皿に漬け汁とともに鰹を盛って玉ねぎをのせる。
2024/07/19
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韓国の居酒屋の歴史については、高麗の時代に設けられた酒幕(チュマク)に起源を置く説がある一方で、酒を振舞う簡易宿泊所といった側面が強いせいかこれを居酒屋と見做すのは適当ではないという意見もあるようです。そもそも居酒屋の定義が曖昧なものなのだから、泊れる居酒屋というのはぼくにとっては、とても魅力的に思えるのだけれど、そうと考えたくない人もいることも分かるのです。例えば、妻帯者なら帰宅までの仕事とも家庭とも切り離された、短くも開放的なひと時を過ごすための場所として居酒屋の存在する意義を見出している人だって少なくなさそうです。宿泊するなんてもってのほかなのだ。ぼくとしては、居酒屋にはもっと多様性があってもいいと思っています。古代ローマの人々のようにゴロゴロしながら呑める店があってもいいし、湯につかりながら呑める居酒屋があってもいいと思うのだ。電車やバスで酒の提供があったら愉快なのになあなんてことを思ったりもする。この場合、臨時的なイベントなんかじゃなく、毎週決まった曜日の決まった時刻の路線で定期的に運行されることが大事なのだ。そういう意味では韓国って流しマッコリなどトンデモアイデアを現実のものとする出鱈目な実行力があるようだし、この先、驚きのサービスを提供してくれるのは韓国なんじゃないかと思うのだ。なんて韓国に対して好感を抱いているかのような発言をしてしまったけれど、正直言えば幾分かは嫌悪感が勝っている気もするのだ。相互の漠然とした嫌悪感が明確な憎悪に転嫁するにのはごくごく小さなきっかけがあれば良いのであって、逆に漠然とした好感に取って代わることもそれほど大きな出来事を経験する必要はなさそうです。それは個人的な経験をもってして、より大きな集団の意思と見做すことが往々にしてあると感じています。 と悠長に書いている場合ではないです。これでも最近ちょっとばかり忙しいので本題に映ります。三河島に「KJ Diner 10(Ten)」なる、いかにもこのブログというかぼく向けとはいえぬお店に行ってきました。店も外観から住宅街の気張らない程度におしゃれしたカフェみたいだし、店内はカフェには見えないけれど、居酒屋とも思えぬ雰囲気なのです。さて、ここまで書いても前段の文章との繋がりが分かんないと思うのですが、こちらは韓国料理を出してくれるお店なんですね。メニューを見ると純日本風のおつまみも混じっていたりしますね。Kマークが付いたのが韓国料理、Jマークが付いているのが和食メニューって訳ね。って、実は今さっきネットで見るまでKJってどういう意味よなんて憤っておったのです。とりあえずは店名の謎は半分解決しました。Dinerはよく分からないけれどまあLunchよりはDinerなんだろうなって程度の意味合いで付けたのかな。分からないのが10(Ten)ですね。住所でもないし、三河島の3(Three)でもない、インスタグラムに店主らしき方(お邪魔した際におられた物腰柔らかな女性がそうだったのでしょうか)の名刺も掲載されていますが、そこから10(Ten)を読み取ることはできませんでした。どうもこのままでは回答に辿り着ける気がしないので、もう忘れることにします。さて、お手頃な300円の肴メニューが2種あります。料理名は失念しましたが、緑豆を使ったチヂミみたいなものがあったので注文します。素朴ながら美味しいです。まだまだ韓国料理には未知な料理もたくさんあるんだろうなあ。近頃は自宅で簡単なものを作ってみたりしますが、外食しようってことになって韓国料理店を選ぶことはまずないのです。チゲ風のスープで鯖を煮たのも食べたみたいですね。これはまあ自分で作っても似たようなものが作れそうです。でもキムチが非常に美味しい。キムチは美味しいか大して旨くないかのいずれかしかないと思っていますが、こちらのは嬉しいことに非常に美味しかったです。これだけで眞露の一本は吞めてしまいそうです。店の造りはぼくの好みではないけれど、お手頃さと美味しさは好感が持てました。
2024/07/15
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記憶というのは不可思議なもので(別に記憶ばかりが不思議な訳じゃなくて、世の中不思議なことばかりなんですけど)、子供の頃のことはやけに鮮明に覚えているのに、つい最近の出来事は昨夜の食事などすっかり忘れてしまっているなんてことが生じます。単なる脳細胞の老化に過ぎないのかもしれません。と凡庸極まりない前振りをしてしまったことを後悔しつつも挫折することなく書き継ぐことにしますが、要は今回初めて訪れた(それもつい数日前の事)居酒屋のことをほとんど失念してしまっている現状を述べたかっただけなのです。と言って何から何まで忘れてしまうということでもないのであって、こうして書いているうちに記憶も断片的に蘇っては来ているのです。とここで中断せざるを得なくなったのですが、読み返しながらあまりの退屈さに嫌気が差したので、相当に唐突ではありますが、本題に入ることにします。 さて、今回お邪魔したのは、「居酒屋 三蔵」です。西日暮里には何度も訪れて呑んでいるけれど、よく道を間違います。地図を頭に叩き込んでみようとしても何故か間違った方向へ進路を向けているということが少なからずあるのです。そんなに複雑な地理でもないんですけどね。そんな場合は下手に記憶に頼らず、本能に従う方が上手く目的地に辿り着ける場合があるものです。ただし、今回に関しては本能に狂いが生じたようです。というか本当は狙っていたお店を目指したもののその店の位置を失念してしまい(普段なら思い出そうという意図がなくても湧いて出てくる暗証番号なんかが、突然にどうしたって思い出せなくなる場合と似ていました)、ならば目について酒場ならどこだっていいやといういい加減な態度でこのお店を選んだのでした。思い出したと言えばこの酒場の店名は忘れませんでした。にしても三蔵とは思い切ったネーミングとしたものです。入るとすぐにカウンター席に通されたのですが、この際に店のご夫婦らしきお二方は中国の方と察しました。品書きを見る限りでは中国風の何かがある訳じゃないのです。ホッピーに焼鳥盛合せ、揚げチーズ(この日、お勧めはカマンベールの揚げたのがあったようですが、すでに売切れ)を注文します。どちらもあくまでも普通の品物でした。これだけ普通だと逆に「普通」であることが特徴に思えてくるのでした。
2024/07/14
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詩という文学様式で慣用句を用いてもいいのだろうか、と疑問を抱いてしまうのでした。にしても「韮を噛む」ごとき「怒り」、すなわち「まったく面白くない怒り」、「つまらない怒り」、「味気ない怒り」ということになろうけれど、この詩がそのような「怒り」を語っているとは思えないのだ。ぼくの読解力不足故なのだろうか。ニララーメン【材料】中華麺(とんこつ/茹でる) 1玉/ニラ(3cm幅) 1/2束/ごま油・すりごま・紅生姜・白胡椒 適宜【作り方】1. 丼に中華麺、スープを盛ってニラ、紅生姜、すりごま、白胡椒を散らしす。 ニラと中華麺の組合せのあれこれです。最初はとんこつラーメンのニラトッピング。うん、悪くないですね。特製ニラそば【材料】中華麺(醤油/茹でる)・ニラ(1cm幅)・卵(茹でる) 1/2個分・湯・ごま油 適宜【作り方】1. 丼に付属のスープ、湯を入れて中華麺を盛る。ニラを散らして熱したごま油をかけ、茹で卵をのせる。2024/5/12 続いては、練馬にある「多良福」を模したものです。こんなに簡単なのに抜群に旨い。茹で卵のトッピングも思ってもみない働きです。これはリピートありですね。ニラそば【材料】中華麺(醤油/茹でる)・ニラ(1cm幅)・ごま油 適宜【作り方】1. 丼に中華麺を盛ってニラを散らし、熱したごま油、付属のスープをかける。 上の汁気なしヴァージョンです。これは期待したんだけどなあ。存外に単調な味。これは汁ありがダントツに美味しい。ニラそば【材料】中華麺(茹でる)・ニラ(5mm幅)・万能ねぎ(5mm幅)・醤油・オイスターソース・ごま油(熱する) 適宜【作り方】1. 丼に中華麺を盛って醤油、オイスターソースを加え、混ぜる。ニラ、万能ねぎをのせてごま油をかける。 上を市販のタレを用いずに手持ちの調味料のみで試してみたもの。これは悪くないですね。こちらの方が市販のタレよりもおいしいです。
2024/07/13
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以前も書いたけれど、ぼくは料理を作る際には大抵の場合、レシピを参照するけれど、書籍版のレシピを見ながらということはまずありません。また、スマホでもタブレットなどで動画を眺めたりしながら調理するということもありません。料理中だと油跳ねなどでそれらが汚れるのを嫌うというごく穏当な理由からであります。だからレシピを見るといってもA4用紙に文字だけを印刷したものを見ながら料理することがほとんどです。これなら多少汚してもまた印刷し直せば済むからです。でもこれが失敗に繋がることがままあることもすでに説明しています。文字だけでは、完成形をイメージし切れない場合が少なくないのです。ぼくが文字だけレシピを作成する際にはネットや書籍などの媒体からできる限りコンパクトかつ単語の整合性を図りつつといった配慮をするのですが、一度写真で完成形を見てしまうと納得したつもりになって文章に反映されない場合があるのです。本当に困惑した場合は、ネットで検索などして確認する場合もあるのですが、大抵は勢いそのままに調理して食べてしまうのです。食べ終えてから何となく腑に落ちない気分になりネットで調べてみると、見るも無残な位に別物だったりするのです。しかし、これもまた最近では愉快なことに思えるのですが、今回は「『スミソニアン』誌によって「アメリカを象徴する20大料理」に挙げられ」たというシンシナティチリを作ったのですが、完全に違った食べ方をしてしまいました。まあ、今回に関してはさほど愉快な気分にはなれなかったのですが、これはレシピそのものに肝心の食材が含まれていなかったから仕方なくもあります(たびたび参考にさせていただいている方のレシピなのにディスってしまい申し訳なし)。シンシナティチリ[アメリカ]【材料】玉ねぎ 1個/にんにく 2片/牛ひき肉 500g/オリーブ油・チリスパイス 大さじ2/クミンパウダー・シナモンパウダー 小さじ1/オールスパイスパウダー・塩 小さじ1/2/トマト水煮 1缶/ビーフブロス 355ml/製菓用チョコレート 15g/ウスターソース 大さじ1/ローリエ 1枚/タイム 2枝/スパゲッティ(茹でる) 適宜/【トッピング】レッドキドニー・香菜・オイスタークラッカー・チェダーチーズ・玉ねぎ(みじん切り) 適宜【作り方】1. 鍋にオリーブ油を熱して玉ねぎを炒める。牛ひき肉を加える。にんにくを加える。トマト水煮、ビーフブロス、塩を加える。チリスパイス、クミンパウダー、シナモンパウダー、オールスパイスパウダーを加える。チョコレート、ウスターソース、ローリエ、タイムを加えて蓋をし、弱火で1時間煮る。2. 器にスパゲッティを盛って1.をかける。【トッピング】を添える。【備考】US Southern Kitchen アメリカ南部の台所 「シンシナティチリ」https://southern-kitchen.com/cincinnati-chili/チリスパイス[アメリカ]【材料】パプリカパウダー 小さじ2/カイエンヌペッパー・胡椒・ガーリックパウダー・オニオンパウダー・ドライオレガノ・ドライタイム・クミンパウダー 小さじ1【作り方】1. 全ての材料を混ぜる。【備考】US Southern Kitchen アメリカ南部の台所 「シンシナティチリ」https://southern-kitchen.com/cincinnati-chili/ なんと「シンシナティ・チリの食べ方はギリシャ風のパスタソースや一般的なチリドッグに近く、ボウルに盛り付けてそのまま食べることはまずない」とのことなのだ。そのまま食べてしまったではないか。ちなみにそのままでも十分美味しく食べる事ができるし、酒の肴にも非常に適していると思われました。チーズがチェダーでないのは、ストックがなかったことが原因で理由はそれ以上でも以下でもないのだ。玉ねぎのみじん切りをトッピングしなかったのは単なる失念であります。がこの2点だけでもう十分に正当なレシピとはいえぬのであります。シンシナティチリ しかも定番のパスタにのせるのをさも自分のアイデアであるかのごとく作ってみたのだけど、オリジナルからも遠ざかるように、粉チーズとイタリアンパセリをのせたりと余計なことをしてしまっています。シンシナティチリのフジッリ これは比較的忠実に思えるが、ショートパスタを使うということも現地ではなさそうです。まあ、必ずしもオリジナルに拘るまでもないのだけれど、初めての料理はやはりオリジナルに近い食べ方をしたいものです。シンシナティチリのそば春菊をトッピング という割にはそばにのせてしまっている。しかも2回目に作った際にはすでに食べていたことを忘れていて、さらには春菊までのせているのでした。中華麺にはニラをトッピング なんと中華麺の具材にもしています。実のところ炭水化物ならなんだってそれなりに美味しいはずです。ごはんだってそのままのせても良さそうだし、炒めてチャーハンにしても良さそう。じゃがいもなんかもいいかも。シンシナティチリのピザ風 コッペパンに挟むのもパスタ同様に定番のようだからピザ風に食べるのもちっともオリジナルではないのでしょう。ピザクラフトではなく春巻きの皮であろうとそうは違いはないのです。 にしてもこれにチェダーチーズを大量にぶちまけて食べるのが一般的とするとオリジナル至上主義の方は余り大量に作るのはお勧めできかねます。理由は申し上げるまでもありません。
2024/07/12
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西日暮里駅周辺の呑み屋には、余り好ましい印象はありませんでした。以前好きな酒場があったのですが、そこが閉店して以降は一人で立ち寄る店は皆無となりました。その状況は今でも変わらないのですが、最近になって従来までの西日暮里に対する見方に変化が生じてきました。それはこのブログを読み継いでいただけている方であれば感じ取っていただけているかもしれません。結論を言えば、一人で訪れるような酒場には事欠くけれど、2名もしくはそれ以上の人数で訪れてそれなりの金額さえ支払える状況にあれば、それに見合う程度のちょっといい酒場が少なからず存在するのです。店の種別も多様でありますが、特に魚介系居酒屋の優良店が思いの外に多く存在していると思うのです。ぼくは普段呑みに行く際には肴の良し悪しなんかにはさほど頓着しません。でもこの人と一緒ならきっと美味しい物が卓上に並ぶだろうと想像してしまうと途端に気分がグルメモードに切り替わるのです。昨日、宴会なんかで一定時間の拘束を強いられて食べるペースが落ちると案外たくさん食べられるみたいなんてことを書いたばかりですが、どうもそうではないみたいな気がしてきました。店に入るまでに旨いものを食うんだって心に決めておけば瞬時にたくさん食べて呑める人に変貌するみたいなのです。何事も気持ち次第ってことなのかもしれません。 この夜お邪魔したのは、「いざかや 漁火」です。ぼくが仮にここを大いに気に入っていたとしても毎晩通うには元手が足りないので、せいぜい月に一度通えるかどうかでありましょう。そうしたお店が西日暮里には多いってことなのかもしれません。値段もそうですが、魚介系、特に刺身などの生の魚介ってのは、続けて食べるといくら好きでもウンザリするもので(とはいえ本当に好きな人は毎日食べても平気みたいですね、ぼくもある時期にはそんな魚好きに誘われて毎晩のように寿司屋に連れて行かれた時期があります)、さらには同じ鮪を食べても同じ店だと嫌気が差すのが早いように思われます。同じ刺身でも目利き次第や腕次第で差異がかなりあるということのようです。さて、こちらはそういった定番料理に加えて、ちょっとだけシャレた和食アレンジ料理の品揃えもそれなりに充実しています。自分でも作れそうだけど、自分で食材を調達して調理するにはいくら何でも量が多過ぎたりして買い求めるのに躊躇するような食材を使用した料理などもあるので、そういったのを食べるのは実に楽しいものです。世の中にはちょっぴりだけ食べたい物は実にたくさん存在するはずなのです。でもそういった食材をちょっぴりだけで販売してしまうとお得様の飲食店の売上げに悪影響を及ぼすから一口サイズはあまり普及しないんじゃないかなあ。とこの店とは無関係なことばかり書いているけれど、そういったちょっと気の利いた食材があるからだろうと思うのですが、ここは女性客の支持を得ているようなのです。客の半数以上は女性じゃなかろうか。店の方たちに特別のイケメンはいなさそうだから恐らくそうなんじゃないかと思うのです。
2024/07/08
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近頃、めっきり呑みながらの飲食量が落ちています。と言いながら、不思議なことに宴会なんかでコース料理が出されるときっちりと食べ切ることができてしまうのです。酒量は普段と変わらないのに。普段呑むのがチューハイ、もしくはビールというのが定番であるから、炭酸で腹が膨れるのが原因ではないかと思ったりもするけれど、どうやら違うようです。というのが自宅では、主に焼酎やウイスキー(いずれもロックか水割りが多い)、ワインがメインとなるけれど、この場合も同様で、すぐに満腹状態に陥ってしまうのです。そこから推し量るにどうやら飲食に費やす時間の長短が理由のように思えてきました。宴会の場合は、一定時間の拘束を余儀なくされるのに対して、普段の呑みは時間の縛りもないからどうしても短時間で済ませる場合が多くなりがちです。大体においてぼくは呑みのペースが他の人に比べてかなり速め(吸い口が速いと評される)なので、そう時間を要することもなくそこそこ満足して席を立つということになります。それもあって尿意も催さぬうちに呑み終える場合が多いのです。なので、中華屋さんで呑むのは日に日に厳しくなっているのを感じています。餃子の一皿もあればビールなら2本、チューハイなら3杯はイケてしまうので、どうしてもシケた客となってしまうのが否めないのです。と書けば書くだけ実態とはかけ離れていく気もしますが、近頃、中華屋に行く際は大概二人で訪れて3品程度は頼むように配慮しています。そんな気遣いはもしかすると無用かもしれないが、客として店で過ごす際にケチ臭いと思われながら呑むのはなんとも居たたまれない気分になるからです。 さて、この夜は、「中華料理 ふくや 後楽園店」にお邪魔しました。先般後楽園を訪れた際に見掛けていたお店です。にしても先般夜間に通っていなかったら気付くことのできなかったような著しく目立たないお店であります。そもそも余り馴染みのない壱岐坂通りの裏通りになりますし、しかもそこがわざわざ抜けて通ったからといってもどこかに通じるような場所ではないから夜道の店の灯りを目に留めない限りは気付けっこないのです。さらには店舗の構えも飲食店と認知ができるかどうかの瀬戸際のような非常に控え目なものであったのです。さて、店に入ります。ご夫婦2人でやっておられるようです。町の中華屋さんは夫婦二人三脚というのが非常に多いですね。居酒屋を夫婦でやってる店は少ないように思えるからこの点が、中華屋さんで呑むのと居酒屋で呑むのとの違いとなって感じられるポイントなのかもしれません。旦那は寡黙にもくもくと調理、細君は元気ハツラツに応接対応。で、サービスの冷奴を摘まみながらのんびりと料理を待ちます。ドリンクと料理1品のほろ酔いセット風のメニューもあるとのことなので、ニラ玉と豚肉のなんかを頼んだのでありますが、これがすっごいボリュームなのです。特に後者は食べど減らないって感じでありまして、しかもいずれも正直驚く位にちゃんとした料理に仕上がっていて、ここはきっとなんだって美味しいんだろうなあと思わされるのでした。にしてもこのハーフサイズがあればいいのになあと思わされるのです。
2024/07/07
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2011年3月11日に東日本大震災が発生しました。ぼくの人生のみならず日本(もしくは世界的にも)にとっても未曽有の大差異であったはずですが、やはりこれまた大変に衝撃的な出来事もあって、ぼくにとって、早くもこの記憶は風化しつつあり過去の出来事として回収されようとしています。その一方で、同じ年の些細な出来事が個人的には未だに無念なこととして記憶されています。1月14日の市ヶ谷「九龍飯店」の閉店がそれです。多くの死者・行方不明者を出した災害と一軒の中華屋さんの閉店を同列に語る愚は犯したくないけれど、今に至ってもなお、「九龍飯店」閉店の悲報から解放されていないのでした。市ケ谷経済新聞 「市ケ谷の老舗四川料理店「九龍飯店」が閉店-45年の歴史に幕」https://ichigaya.keizai.biz/headline/1014/「同店一番の人気メニューは、細切りにしたタケノコと豚肉、卵、キクラゲなどの具材を入れたあんかけ麺で、酸味のあるスープが特徴の「九龍飯店特製麺(通称=九龍麺)」」。 そう、「九龍飯店」を惜しむというよりは、よりピンポイントには、この九龍麺が食べたくて仕方がないのです。しかし、この一文が気になるのです。というのが、ぼくの記憶では九龍麺にキクラゲが入っていたという印象はまるでないのです。ネット上に残る数少ない写真を見ても大概の写真にそんな痕跡は認められないし、黒いポツリとした物体が映り込んでいるものあるけれどキクラゲには見えません。実のところ物は試しに再現してみようと思っているのですが、具材すら覚束ないとは情けない(よく一緒に食べに行った知人に聞くと、確かに入っていたとのこと、そうかなあ)。 ところが、なんと、福井県の鯖江に市ケ谷の店舗で働いていた次男さんが店を構えていることが判明したのです。九龍飯店https://kyuryuhanten.foodre.jp/日々URALA(ウララ) 「35年愛されるお店、愛され続ける味。vol.2|九龍飯店」https://urala.today/206902/「『九龍飯店』の味のルーツは東京にある。敏晴さんの父、武さんが浅草で中華料理店を始め、その後、市ヶ谷に移転。敏晴さんは市ヶ谷の店で父から中華料理を学び、兄の恒雄さんと店を盛り立ててきた。結婚後も重要なポジションを担っていたが次第に独立を考えるようになり、留美子さんが鯖江市出身という縁で福井の地で開業。」 しかも、鯖江に行けば「九龍めん」が食べられるというのだ。「ふわふわの卵とお酢を効かせたスープが特徴の「九龍めん」もその一つだ。初めてだと酸味のあるスープの味に驚くが、次第にクセになっていく。」 「九龍麺」の「麺」が「めん」になっていることはまあさしたる問題ではないけれど、その写真にぼくはどうしても納得がいかなかったのだ。四谷・市ヶ谷で美味しいランチ♪ 「【閉店】 高級四川料理 九龍飯店 @市ヶ谷」http://nao0522.blog100.fc2.com/blog-entry-80.html こちらの写真をご覧いただきたい。そして鯖江のものと見比べていただきたい。明らかに色が違っていると感じられませんか。ぼくはビンビンに感じます。鯖江のものはキリっと醤油色に染まっていますが、市ヶ谷のものはぼくの記憶ではこの写真のようにどんよりとした色合いだったはずなのです。もしかすると、次男さんは九龍麺の担当ではなかったんじゃないかなあ。独立した後に市ヶ谷の味を再現しているとか。もしこの推測が当たっているとすれば鍵は長男さんが握っているのだろうけれど、ぼくのリサーチ力では消息を掴むことはできませんでした。九龍飯店特製麺(九龍麺/九龍飯店)[日本・東京都千代田区]【材料】中華麺(醤油/茹でる) 1.5人前/豚肉(細切り) 30g/タケノコ(水煮/細切り) 50g/キクラゲ(水で戻す/細切り) 2個/卵 2個/長ねぎ(みじん切り) 2cm/付属のスープ 0.75人前分/鶏がらスープの素・とんこつスープの素・白胡椒 小さじ1/2/ラード・紹興酒・オイスターソース・醤油・ラー油 小さじ1/黒酢・酢・片栗粉・水 小さじ2/湯 200+100ml【作り方】1. フライパンにラードを熱して豚肉を炒める。タケノコ、キクラゲを加える。湯、付属のスープ(2/3量)、鶏がらスープの素、とんこつスープの素、白胡椒、紹興酒、オイスターソース、醤油を加える。水溶き片栗粉を加える。溶き卵を加える。長ねぎ、ラー油、黒酢、酢を加える。2. 丼に付属のスープ、湯を入れて混ぜ、中華麺を盛る。1.をかける。 ということで、それらしく再現してみました(青いねぎを散らし過ぎました)。そこそこ似たような味にはなりましたが、まだまだ改良の余地がありそうです。四谷・市ヶ谷で美味しいランチ♪ 「【閉店】 高級四川料理 九龍飯店 @市ヶ谷」http://nao0522.blog100.fc2.com/blog-entry-445.html青椒肉絲麺(ピーマンと肉の細切りそば/九龍飯店)[日本・東京都千代田区]【材料】中華麺(醤油/茹でる) 1.5人前/豚肉(細切り) 30g/タケノコ(水煮/細切り) 50g/ピーマン(細切り) 2個/付属のスープ 0.75人前分/鶏がらスープの素 小さじ1/白胡椒 小さじ1/2/ラード・紹興酒・老抽(中国醤油)・醤油・ラー油 小さじ1/オイスターソース 小さじ2/湯 200+100ml【作り方】1. フライパンにラードを熱して豚肉を炒める。タケノコを加える。ピーマンを加える。湯、付属のスープ(2/3量)、鶏がらスープの素、とんこつスープの素、白胡椒、紹興酒、老抽(中国醤油)、醤油、オイスターソースを加える。水溶き片栗粉を加える。ラー油を加える。2. 丼に付属のスープ、湯を入れて混ぜ、中華麺を盛る。1.をかける。 勢いでこれも作ってみました。実はこちらは一度も食べたことがないので、再現でも何でもないのですが、かなりいい具合に出来上がりました。味もかなり狙っていたのに近いものとなりました。
2024/07/06
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ぼくは俳句というものにどうしても興味を持てないのです(夏井いつきの分析は非常に楽しく拝見しています)。芭蕉やら一茶やらの大物の句には確かにいいって思えるのもあったりするけれど、それも感動というよりは気が利いてるなあと感心するといった質の良さに過ぎないのであります。だからといって俳人が書いた文章も嫌いって訳ではなく、近頃になって種田山頭火が好きで、気が向いたら青空文庫を繙いてみたりするようになりました。その文章に『漬物の味〔扉の言葉〕』があります。ぼくは小手先のレトリックというのに幻惑されやすい素朴な性質の持ち主なので、山頭火って結構、地の分ではレトリックを多用しているのですね。-- 私は長いあいだ漬物の味を知らなかった。ようやく近頃になって漬物はうまいなあとしみじみ味うている。 清新そのものともいいたい白菜の塩漬もうれしいが、鼈甲のような大根の味噌漬もわるくない。辛子菜の香味、茄子の色彩、胡瓜の快活、糸菜の優美、――しかし私はどちらかといえば、粕漬の濃厚よりも浅漬の淡白を好いている。 よい女房は亭主の膳にうまい漬物を絶やさない。私は断言しよう、まずい漬物を食べさせる彼女は必らずよくない妻君だ! 山のもの海のもの、どんな御馳走があっても、最後の点睛はおいしい漬物の一皿でなければならない。 漬物の味が解らないかぎり、彼は全き日本人ではあり得ないと思う。そしてまた私は考える、――漬物と俳句との間には一味相通ずるところの或る物があることを。――-- どの辺がレトリックであるかは、各々読み取っていただければよろしいかと思いますが、ぼくが取り分け好むのが列挙法と言われるテクニックであります。「辛子菜の香味、茄子の色彩、胡瓜の快活、糸菜の優美」という箇所ですね。この一節の切れ味はさほど良いとは思えないけれど、「胡瓜の快活」っていうのが的を得ているかはともかくどことなくユーモアを感じるのでした。ということで今回はきゅうりです。冷し胡瓜(監修:錫村よみ子/主婦之友 昭和十二年七月號附録「夏の和洋料理千種の作方」より)【材料】きゅうり(6mm厚)・水・塩・醤油・味の素・練り辛子 適宜【作り方】1. 器に塩水、氷、きゅうりを入れて醤油、味の素、練り辛子を添える。パリパリ胡瓜(監修:岡本初枝/主婦之友 昭和十二年七月號附録「夏の和洋料理千種の作方」より)【材料】きゅうり(6mm厚/水に浸す/塩をまぶす)・塩・大葉(千切り)・醤油・わさび 適宜【作り方】1. 皿にきゅうりを盛って大葉を散らす。わさび醤油を添える。 この2品のレシピは、以下を参照しています。昭和のレシピを発掘、紹介している山本直味氏という方ですが、今ではHPの更新はほぼストップしていて、インスタグラムがたまに更新されるといった状態です。是非、バリバリ投稿して楽しませて頂きたいものです。https://www.instagram.com/nawomayo/?img_index=1 で食べてみた感想ですが、これが驚いたことにすごく美味しいんですね。というかこれまで様々にきゅうりを調理して食べてきたけど、これがベストかも。何より手っ取り早く作れるのも素晴らしい。きゅうりスープ【材料】きゅうり(斜め薄切り)・ちくわ(斜め薄切り) 1本/水 350ml/【調味料】エシャロットチップ・胡椒 適宜【作り方】1. 鍋に湯を沸かしてきゅうり、ちくわを加え、煮る。エシロットチップを加える。胡椒を加える。 台湾の食べ方とのことでどこぞやのHPで見掛けたものです。きゅうりに火を通してスープの具材にするってのは日本人には余り思い付かない食べ方ですね。冷や汁の具材にする場合があるけれど、あれはきゅうりは具材の一部に過ぎないからこれとはちょっと違ってますね。案外、地方によっては熱々の味噌汁の具にしたりしてたりして。きゅうりサンドイッチ(Cucumber Sandwiches)【材料】食パン(クリームチーズを塗る) 2枚/きゅうり(斜め薄切り)・クリームチーズ 適宜【作り方】1. 食パンにきゅうりをのせて挟む。斜めに4等分する。 以前も書きましたが、ぼくにとっての究極のサンドイッチはきゅうりのサンドイッチです。水っぽいものとパンとは相性が悪そうですが、トマトやレタスなどもサンドイッチの具材として定番ですね。バターやこのスコットランド風にクリームチーズでパンをコーティングすることでべちゃっとなるのを防いでいるんですね。当然、乳製品との相性も考慮しているのだからなかなか良く考えられたレシピなのですね。
2024/07/05
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「東京の都心にありながら 江戸の面影をいまに伝える護国寺は 訪れる人々の心のふれあいの場として 昔も今も変わりなく親しまれています。」(公式HP)という護国寺界隈は、その正面となる江戸川橋方面こそ講談社があったりとそれなりの賑わいがありますが、他方面は住宅街と地域を分断する大きな道路、そして墓地が大部分を占める閑静といえばこの上なく閑静なエリアであります。そんな土地柄だから呑み屋どころか飲食店もごく限定される訳で、その分、界隈の人たちはこれらの店のことを大事に思っているように感じられるのです。店が少ないから愛されるのか、それとも大事にされている店だけが生き延びているのかは、それぞれの店の今を実際に訪れて食べて呑んでみるしか確認のしようがないのです。それにしても護国寺のような広大な敷地を持つ施設を背にして商売するというのは相当なプレッシャーがあるように思うのだろうけど、どうなのでしょう。 この夜は、「中華 栃尾」にお邪魔しました。ごく真新しく、町中華らしい風情は微塵も感じられぬ構えの店なのですが、この界隈で暮らす住民や講談社の関係者たちのような比較的リッチ層の人たちを満足させるためには店も小汚い訳にはいかないのでしょう。この夜は下戸の年長の友人と一緒でした。店に入り、店の方にビールの有無を尋ねるとぶっきらぼうに「ビールしかない」とのお答えであった。もう少し言い方ってのがあるんじゃないなんて思いつつもおくびにも出さぬよう気遣いつつ2人掛け席に腰を下ろすのでした。注文時に言葉が発せられる以外は、店内には厨房からのガコンガコンという中華鍋を叩きつける音が響き渡るのみでありまして、雑談しつつ長っ尻することを拒絶するという強い意志が汲み取られるのでした。しかしいいオヤジの我々は店主らが苛立ちをあからさまにするギリギリ手前を見極めてせいぜいくつろぐことにするのでした。にしても今改めて見てもここの焼きそばと餃子は立派だなあ。見た目の麗しさが若干実際の味を凌駕しているような気もするけれど、ちゃんと美味しいんだからねえ。ネットで他の料理も確認してみたのですが、とにかくチャーシューを筆頭に具材がごっつくでかくて実に魅力的なのだ。これは確かに長居されたくはないはずです。ここではグイグイガツガツに徹してちんたら過ごすことは諦めた方がいいかもしれません。きっと、我々が去ったら入れ代わり立ち代わりにお客さんが訪れるのでしょう。
2024/07/01
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日暮里駅の巨大タワーマンションの1階にとあるお店があります。そこの店名が「京の華」。この店のことを知らぬ方がこの店がどういう店であるか言い当てるのは困難だと思われます。「京の華」という文字面からするに京都にある華やかな何かしらであると想像されます。実際ネットを検索すると日本酒、和菓子、漬物、味噌などに加えて多肉植物や住宅型有料老人ホームなんかも引っ掛かってきます。老人ホームは何だかよく分からんけれど、先の食材は確かに「京」という言葉が想起させる日本的なものだったりするし、出来映え次第では「華」やかさも感じさせることもあるだろうと思うのです。多肉植物の実物写真を見たけれど、ぼくはそこに日本的な何某かを見出すことはできなかったし、「華」やかというよりは猛々しさを感じてしまいました。人によっては、日本的で「華」やかな植物に感じられるのかもしれません。にしても「京の華」という言葉はどうしてこうも頻出するのだろうか。もしや例えば「京の華」と呼ばれた芸妓さんが存在していたんじゃないか、などといった妄想も膨らもうというものですが、ざっくりと調べた限りそのような事実はなさそうです。一体いつ頃から「京の華」なう不可解な言葉が日本人にとってさほど違和感なく膾炙されていったのか気になるところです。 さて、東京都台東区の日暮里にあっては、「京の華」は中華屋さんになるのです。黄色い派手な看板に赤字で店名、青地で手打拉麺と焼小籠包を記しているから売りの商品は明白です。店内はファミレスよりはカジュアルでフードコートよりは開放度が低いといった感じで、つまりはファーストフード店そのものといったお店なのです。なのにメニューを眺めると少々強気な感じの価格帯であるからよく分からない。話を戻すが、中華屋さんほど「京の華」に似付かわしからざる店名はそう存在しないんじゃないだろうか。もしかするとインバウンド客を見込んでいるのだろうか。「京」の字は「京都」でインバウンド客にも馴染みがありそうだし、「華」は読めずともシンメトリーなイメージが漢字を知らぬ人の目にもどこか華憐に映っても不思議ではない気もする。でもそれにしたって「手打拉麺」や「焼小籠包」にせめて英語を併記しても良さそうなものだが、そうした工夫は見られないのです。店の方に伺えば良さそうなものですが、生憎我々の司会に届く従業員の方たちは余り日本語が達者ではなさそうです。ならば店名など気にせず大いに呑み、食を堪能すべきです。ということで同行者が一挙に大量の点心系を注文。メニューを眺めた際に一品料理を見逃して点心とラーメンが大部分を占めていると思い込んでしまったようです。慌てて頼んだのがエビチリだったのですが、色味が茶色がかってしまったなあ。こちらのお店、店の雰囲気などぼくには難も多い気がしますが、恐らく味が良いということでネットでも評価が高いようなんですが、確かにいずれも美味しい。けれど例えば小籠包は焼きじゃない方がきっともっと美味しいだろうと思ったり、気になる点もあります。といかにも初めて訪れたかのような書きようですが、実は10年近く前にも来たことがあったようです。その時も店名に難癖など付けたんだろうか。ちなみに京都には「京の華」を掲げるたこ焼き店も存在するようです。
2024/06/30
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日記は面白い。先日も書いたけれど、他人の日記を読むのは実に楽しい読書体験です。なのにこれまで古川緑波の日記を読まずに過ごしてきたのは大いにもったいなかったと今更ながらに後悔しています。これから改めて読む楽しみがあると言われればそれまでですが、日記というのは丹念に頭から尻まで読み通すといった読み方よりは思い付くままに頁を繰ってたまたま開いた頁を読むといったようややり方が相応しい気もするのです。ともあれロッパ氏のことはコメディ俳優(それもちっとも面白くない)としての認識はあったけれど、文章家としての魅力を知ったのは比較的最近の事なのです。盗作疑惑なんかで表舞台から姿を消した唐沢俊一氏の本でその魅力は知っていたはずなのに。このロッパ氏、グルメとしても知られていますが、なんとそばが大嫌いだそうな。古川緑波『うどんのお化け』 そばも食いそうなものだが、僕は、そばってものは嫌い。嫌いと言うよりも、そばを食うとたちまち下痢する。子供の頃は、そんなことは、なかったんだが二十代から、そうなった。だから、江戸っ子の癖に、そばが食えない。従って、僕の食談には、そばに関することは、殆んど出て来ないのである。 ヘンなもので、同業エノケン、榎本健一君が、大変な、そば嫌いである。彼は、先天的の、そば嫌悪症らしく、初恋の女性が、そばを好んだために、彼は、彼女を、あきらめてしまったという話がある位だ。 同業ではありながら、何もかも僕とは正反対の芸を持っているエノケンが、そば嫌いという点でのみ、共通している(おっと、酒を好むことを落してはならなかった)のは、面白い。 ある時期まではエノケンをライバル視するあまりに険悪な関係だった二人ですが、この文章を読むと両者の関係も雪解け状態を通り過ぎて非常に良好な関係になったようでどこか微笑ましく思えるのでした。ということで今回は両名の嫌いなそばになります。今回はいつもと違ってアップするまでもなさそうなオーソドックスな食べ方ばかりです。なので個別のコメントは割愛。おろしそば【材料】そば(茹でる/冷水で洗う)・大根(おろす)・揚げ玉・めんつゆ・一味唐辛子 適宜【作り方】1. 器にそばを盛ってめんつゆを注ぎ、大根おろし、揚げ玉をのせて一味唐辛子を散らす。なめこおろしそば【材料】そば(茹でる)・なめこ(茹でる)・油揚げ(短冊切り)・だし・味噌・大根(おろす)・揚げ玉・一味唐辛子 適宜【作り方】1. 鍋でだしを沸かしてなめこ、油揚げ、味噌を加える。2. 丼のそばを盛って1.を注ぎ、大根おろし、揚げ玉、一味唐辛子を散らす。とろろそばそば((茹でる) 1人前/長芋(おろす) 30g/イクラ 大さじ1/めんつゆ 120m/青ねぎ(4小口切り) 適宜1. 丼にそばを盛ってとろろ、イクラ、青ねぎをのせ、めんつゆを注ぐ。 こういうトラディショナルな食べ方をする場合は、余程美味しいそばじゃない限りは避けた方がいいかも。普通の乾麺で作るのは冷たいのは極力避けた方がいいんじゃないかなあ。中華蕎麦【材料】そば(茹でる)・ラーメンスープ・鶏肉(胸/そぎ切り/茹でる)・小松菜(4cm幅/茹でる)・長ねぎ(小口切り)・胡椒 適宜【作り方】1. 丼にそばを盛ってラーメンスープを注ぎ、鶏肉、小松菜、長ねぎをのせて胡椒を散らす。 むしろラーメンスープでそばを食べるジャンクな食べ方が適しているかも。というかもともとラーメンスープが好きってのもあるんだろうなあ。
2024/06/29
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