夏の暑い日に限らず仕事が終わった夜に、ゴクッとのどを鳴らして飲むビールの味は格別なのだが、昨晩のように11月にしては暖かい雨の日などは、一人静かにジョッキを傾けるのが私は好きなのだ。このごろは居酒屋などに寄らず自宅で晩酌を楽しむ「家飲み派」が増えているそうで、晩酌愛好家の私もその一人と言っていいだろう。(仲間と上司の悪口を言いながら居酒屋で飲むビールも、それはそれなりに美味いので、そのような会にも当然参加はするのだが・・・)そのうえビールには合わせる料理も「和洋中」何でもマッチしてしまうので、私も事務所からの帰りに近くのスーパーで、気の聞いた肴を見繕って買って帰るのだ。こんなことからビールは、酒飲みみんなから最も広く親しまれているお酒といえるだろう。その証拠に居酒屋では「とりあえずビール!」と瓶ビールをを頼んで、「シュパッ!」勢いよくビールの栓を開ける音を聞くのがたまらないのだ。
ビールのおいしさは、麦やホップなど原料のさまざまな味と香りの成分から作り出されているのだが、長い研究によってその成分はほとんど全てわかっているそうだ。今月のはじめには東京へ行ってきたのだが、恵比寿のビール博物館で飛行機の時間までの少し時間つぶしをしていたのだ。そこでは「ビールの王様」と「ビールの悪魔」が、美味いビールを造って「ビールの妖精」を競い合う展示物があったのだが、成分どおり造って美味いビールは出来ないそうだ。ビールの原料と言ったら麦芽は大麦を製麦したものを使用しているし、ホップは香りと苦味を出しながら過剰なタンパク質を沈殿・分離させ、ビールを澄んだものにして泡立ちをよくするそうなどだ。副原料の米やコーンスターチは、風味が適正になるように麦汁を調整し、醸造水は日本の淡色ビールには軟水が適しているそうで、このようなさまざまな成分がビールのおいしさをつくっているそうだ。
さて、家庭でおいしくビールを楽しむにはどのような点に気を付ければよいかというと、ビールは温度が高い環境に長時間置いておくと苦味ばかりが強調され、うま味がなくなっていくので、光を避けて涼しいところに置のがいいそうだ。 ビールを揺らすと溶け込んでいる炭酸ガスが気化しやすくなるため、冷蔵庫のドアに置くと開閉の振動が伝わってしまい不味くなるというのだ。ビールの命であるおいしい泡は、キレイなグラスから生まれるそうだ、油汚れや口紅・指紋などは残らないようによく洗い、洗剤はキレイにすすぎ、さらにフキンでふかずに自然乾燥させるのが一番なのだ。ビールは冷やせば冷やすほどおいしいと思われがちですが、あまり冷やし過ぎると凍結し品質低下が早まるそうだ、飲みごろの温度は好みや季節によっても異なるが、夏は5~8度冬は10~12度が目安にすると美味いビールが飲めるそうだ。それから製造年月日が新しいほど鮮度がよく、シャープなキレ味が楽しめるそうなので、新しいビールを買うことが肝心になると言われているのだ。ビールの保存方法も改良されて製造後から約半年は風味が保たれますが、おいしいビールを飲みたいのなら3カ月をメドに飲みのがベストだそうなのだ。
我々のだし好きなビールが誕生したのは、人類が農業を始めたとされる約5千年前といわれており、世界四大文明の発祥地のひとつであるメソポタミア地方に住んでいたシュメール人が残した「モニュメントブルー」と呼ばれる陶板に、ビール造りの様子が描かれていたそうなのだ。そのようなことは知らなくても、美味いビールの飲み方を嫁さんに伝授して、今日も美味しいビールを飲もうとしようか。
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