私は日曜日の朝はTVの政治番組を見ることにしているのだが、昨日に放映されたテレビ朝日の番組に前日本郵政社長の西川善文氏が出演して、鳩山政権が進める郵政民営化見直しについて、「非常に非効率な組織体が生まれる」と懸念を表明したのだ。たしかに「民でできることは民で」という小泉改革の本丸とされた郵政改革だったわけで、西川元社長はその手腕を買われ三顧の礼をもって日本郵政のトップに迎えられたのだ。それまでの西川前日本郵政社長の経歴と言ったら旧住友銀行出身で、さくら銀行との合併で誕生した三井住友銀行初代頭取に就任し、全国銀行協会会長を2度務め「最後のバンカー」とまで称された大物銀行家だったのだ。
ところが「かんぽの宿」をオリックスの関連企業へ売却する問題で、不透明な選定方法が暴露されて窮地に追い込まれ、「国民の財産を二束三文で何事か」と集中砲火を浴び、時の総務省からは業務改善命令を受け、当時の鳩山邦夫総務大臣からはあからさまな辞任要求を突きつけられたのだ。ここでは西川前日本郵政社長はこれに粘り腰を見せて抵抗し、当時の鳩山邦夫総務相の更迭を経て西川氏の再任となったのだが、8月の総選挙で風向きはガラリと変わってしまったのだ。政権交代で郵政民営化の基本方針も大転換されてしまい、「閣議決定の基本方針は私がしてきたことと隔たりがある」と、社長を去るしかない状態にされてしまったのだ。(これを自業自得と言うのだ・・・)
今回の西川全郵政会社社長の解任劇については、前社外取締役の丹羽宇一郎・伊藤忠商事会長も同じテレベ朝日の番組に出演して、取締役を選任する指名委員会を10月1日に開いて、西川氏の社長続投を確認していたことを明かしたのだ。それが西川前社長が亀井静香金融・郵政担当相らと面談した際に、「後任人事などを伝えられ辞任の意向を固めた」と発言したのだ。丹羽氏は一連の経緯について番組のなかで、「完全に株式会社組織のガバナンスを無視している」と厳しく批判したのだ。我々にとってはそのようなことはあまり関係がないわけで、ようは便利だった郵便局をそのまま継続してもらいたいだけなのだ。
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