今月は毎週週末には大雨が降っているのだが、今週末も前線に湿った空気が流れ込んでいる影響で、近畿や東海、北陸などでは激しい雨が降っているようなのだ。京都市では断続的に激しい雨が降っていて 1 時間には、 62mm の非常に激しい雨が観測されたというのだ。京都市右京区では河川の氾濫のおそれがあるとして 700 世帯に避難指示が出されているのだが、京都市周辺の局地的な豪雨は暖かく湿った空気が通常よりも多く前線に入り込み、大気が不安定な状況で同じ地域に積乱雲の流入が集中したためとみられるというのだ。京都御苑の周辺では道路が冠水し付近の住宅地が床下浸水したほか、市バスも通行できなくなりダイヤが大幅に乱れたそうなのだ。
京都市内を南北に縦断する鴨川でも河川敷が一時水没するほど水位が上昇したし、大量の雨水が下水道管に流入した影響で少なくとも市内6カ所でマンホールから雨水が噴出した。噴出した下水道管は広範囲から流入する幹線管渠で地下6~10メートルを通っており、京都市上下水道局は管内が密閉構造のため急激に流入した雨水が管内の空気を押しだし、マンホールを持ち上げて路上に水を噴射したというのだ。マンホール周辺のアスファルトも引きずって路面が隆起した場所もあり、京都市上下水道局は「これほど多数で噴水状になったことはない」という。大雨等により下水道管内等の水位が急激に上昇するおそれのあるときは下水道管内等での作業を行わないこととなっているそうなのだ。
そのような状況の中自宅前で土のうを積む作業をしていた会社員が、鉄砲水に足をすくわれ用水路に転落して流され、警察などの捜索でおよそ2時間後に近くの用水路で沈んでいるのが見つかり病院で死亡が確認されたそうなのだ。我々は作業中において大雨等により河川等の水位が急激に上昇する恐れが生じたときは、直ちに作業を中止し労働者を安全な場所に待避させることとしており、河川内等で作業を行う労働者に対して大雨により急激に水位が上昇する場合がある場合の待避方法についてあらかじめ周知しているのだが、なくなった人はそのような業の常識も知らずに、大雨で河川の氾濫のおそれがあるとして 700 世帯に避難指示が出されている中土のうを積む作業をしていたというのだ。
兵庫県でも激しい雨が降っていて川西市では砂防ダムで土砂崩れが起き、土木作業員が巻き込まれその後病院で死亡したというのだ。川西署によると工事現場付近の斜面が幅約20メートル高さ約30メートルにわたって崩落し、その土木作業員はひざから下が土砂に埋まり身動きがとれない状態で、近くにあった木の枝を揺らして助けを求めていたそうなのだ。休日と大雨ということで工事をしていなかったが、その土木作業員は家族に「重機を移動する」と言って出掛けたというのだ。1人で山に入るのを見ていた付近の神社の宮司が不安に思い、消防団に連絡し地元の消防団員に約40分後に救助されたが、発見時は膝から下が埋もれており搬送の時点では意識があったというのだが死亡したそうなのだ。
私もこれまで多くの災害時に現場に出ていった経験があるのだが、そのような状態で一番頼りになるのが作業員さんたちなのだ。道路建設や維持修繕だけでなく河川の治水など土木工事の中にはどうしても重機等ではできない作業があるし、機械化が困難な工種など人力で行う必要のある作業が数多く残っており、このような時に手作業でコツコツと工事を施工してくれるのが土木作業員なのだ。そうは言っても作業内容は特殊なものではなく人力による比較的簡易な作業が多いのだ。そこで体力があり他人との協調性があれば勤まる職種なのだ。工事では裏方の存在ではあるのだがどうしてもなくてはならない作業であり、建設工事の円の下の力持ちと言える存在なのだ。
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