岐阜県高山市のトンネルの掘削工事現場で岩盤の一部が崩れ、作業員の男性1人が死亡したという事故があったのだが、この事故があったのは岐阜県高山市一之宮町の国道41号線の宮峠トンネルで、岩盤を取り除く作業中に岩盤の一部が崩れたというのだ。この事故でトンネル内の作業をしていた作業員の安岡義久さんが崩れてきた岩盤の下敷きになり、病院に運ばれましたが頭を打つなどして約1時間後に死亡したそうなのだ。事故現場はトンネルの入口から約200メートル進んだ場所で、事故当時に、トンネルの中には安岡さんの他に 4 人の作業員がいたそうなのだが、安岡さんを含む5人で掘削作業をしており、安岡さん以外のけが人はなかったというのだが、警察が事故の原因を詳しく調べているそうなのだ。
岐阜県警高山署によると安岡さんは他の作業員4人とともにダイナマイトで発破作業をしていたそうなのだが、ダイナマイトの使用後に崩れた岩盤の取り除きや確認作業をしていたところ岩盤の一部が崩れてきたという。トンネルは現在使われている国道とは別に造成されている未開通の部分にあり、現場はトンネルの北側出入り口から約200メートルの場所だったそうで、岐阜県警高山署が事故原因や安全管理に問題がなかったかどうかを調べているという。建設関係の死亡事故という事で警察は、業務上過失致死の疑いも視野に捜査を進める方針だといわれているが、最近はこの手の事故が増えてきているような気がするし、予算削減で安全を疎かにしてきた時代に戻ってきているのではないかと思ってしまう。
事故のあった国道 41 号 は愛知環名古屋市から富山県富山市へ至る一般県道で、通称として路線番号から「 ヨンイチ 」と呼ばれているそうなのだ。岐阜県美濃加茂市以北は概ねJR高崎本線のルートと一致しているが、岐阜県の飛騨市から富山県の富山市の区間では、JR高山本線が勾配を避けて宮川に沿う「越中西街道」を通っているのに対し、国道 41 号は数河峠を越え飛騨市を経由する「越中東街道」を通っているそうなのだ。他の名称として「ぶり街道」とか「ぶり出世街道」と呼ばれており、冷蔵・冷凍の技術が未発達の頃には富山湾でとれた寒ブリを塩漬けにして、人が歩いて山国の飛騨国まで運んだ歩荷の道で飛騨ではこうして運ばれたぶりを「塩ぶり」とか「越中ブリ」と呼んで珍重したそうなのだ。
現在の国道41号は名古屋方の片側 2 車線或いは 3 車線区間は平日・休日問わず混雑しているそうで、また富山方面では休日に混雑が見られるそうなのだが、近頃は「名古屋高速道路」や「東海北陸自動車道」の整備により緩和されているそうなのだ。それでも「東海北陸自動車道」の一部は危険物積載車両の通行が禁止されているので、この国道41号が迂回ルートとして活用されており、高い高速料金を浮かす為に大型長距離トラック・トレーラーが当線を利用することも多いという。50年くらい前には台風によって岐阜県の飛騨川に沿う国道 41 号の各所が崩落する災害によって、道路が寸断され立ち往生した 15 台の観光バスのうちの 2 台が土砂崩壊に巻き込まれて川中に転落する事故が発生し多くの人命が失われたそうなのだ。
この事故を教訓として国である道路管理者は防災施設を設置するだけでなく、防災点検を定期的に実施して異常気象時に通行止めの措置を講ずるよう道路安全管理の従来の在り方を改める大きなきっかけとなったとされており。また高山市久々野町と高山市一之宮町境に位置する標高782mの宮峠は急坂・急カーブが連続することから、大型車の横転や正面衝突などの重大事故が多発していたこともあって、事故のあった宮峠トンネルが整備されることで峠区間を解消し安全な通行が確保されるとされていたのだ。この宮峠トンネルは宮高山バイパスと合わせて地域高規格道路「高山下呂連絡道路」の一部として指定されており、完成時の全長1・9キロとして地域の連携強化や活性化に寄与すると期待されているそうなのだ。
キーワードサーチ
コメント新着