クレジットカードや電子マネーの利用は近年大幅に拡大しているが、日本クレジット協会の調べによるとクレジットカードの取扱高は昨年に初めて 50 兆円を超えたという。日本銀行の統計では電子マネーの決済額は7年前の 1 兆 6363 億円から、昨年には 5 兆 1436 億円と 3 倍以上に増加しているそうなのだ。このようにクレジットカード等の利用は近年大幅に拡大しているが、これらキャッシュレス決済の拡大は個人の買い物のスタイルを大きく変化させたとされている。費目別ではおもに被服・履物・家具・家事用品・光熱・水道・教養娯楽・食料の購入方法が現金からクレジットカードや電子マネーにシフトしているという。また家具などは比較的高額な買い物になることもあってもともとクレジットカードで支払う機会が多かった費目だという。
そのような大型商品がネットショッピングの拡大などでキャッシュレス決済が増えた一方で、家事用品や食料は 1 回当たりの購入額が比較的少額でだが、キャッシュレス決済による購入の金額、割合ともに 5 年間で大きく増加しているという。総務省の「家計消費状況調査」によると電子マネーを利用した人がいる世帯の割合は7年前の 27.4% から昨年は 40.4% と増加しているそうなのだ。もっとも日本人の買い物がまだまだ現金主義に偏っているそうで、総務省「全国消費実態調査」によれば 1 カ月当たりの 消費支出に占める現金決済は、10年前は 26 万 7119 円で支出額の 88.8% から昨年は 24 万 1604 円の 82.5% と減少しているものの、いまだに消費支出の大半であることがわかるというのだ。
これはマクロで見てもほぼ同じことがいえ経済産業省のまとめによると、民間消費支出に占めるクレジットカードや電子マネーによるキャッシュレス決済額の割合は約 18% で、残りの約 8 割は現金決済が占めているそうなのだ。実はこの水準は国際的にみて低く韓国 54% や中国の 55% だけでなくアメリカの 41% の半分にも届いていないという。しかしながら現金主義の方は「貯蓄」が上手で「アリとキリギリス」でいえばアリさんタイプだという。家計をしっかり管理し貯蓄の計画を立てて毎年しっかりと貯蓄残高を増やしていくが、貯蓄残高がある程度増えてくると「減らしたくない」という感情が沸きますので、支出に関しても厳しい目で判断できるようになり更に貯蓄が増えるという良いスパイラルに入っていくそうなのだ。
しかしながら現金主義でもマイホームだけは住宅ローンを組むケースが多いとされ、貯蓄がしっかり貯まっているので自己資金を多く入れることができ、健全性の高い資金計画で住宅ローンを組む事ができるというのだ。更に繰上げ返済をする為にせっせと貯蓄するので早期での完済を実現さるそうなのだ。現金主義の場合は家計が窮地に陥るというケースは稀で、やはりクレジットカードやローンといった借金癖がある人の方がはるかに家計は窮地に陥る可能性は高くなっているそうなのだ。それでも現金主義の失敗パターンは手元に残しておくべきお金まで使ってしまうことで、ローンや借金が嫌いなので「マイホーム」等以外は現金で買い、住宅ローンも繰上げ返済で早期完済してしまうというのだ。
それが故に手元の現金が大幅に目減りしてしまい不安を抱えてしまうタイプで、大学進学を数年後に控えているのなら教育費として現金はとっておいたほうがベターなのに、新車などを現金で買ってしまうとというのだ。生活費半年分程度の緊急予備資金や数年以内に使う事が決まっているお金は、使う事なく手元にお金を残しローンを上手に活用する事がよいそうで、家計管理がしっかりされている場合に限りますが個人的には世帯に一つだけなら「ローン」はあってもいいという。このように現金だけにこだわりすぎずに家計状況と将来のライフプランを考慮しながら、老後資金の準備をするようなバランスよくお金やローンと付き合っていく事もひとつの金融リテラシーといえるというのだ。
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