仁志・多喜馬の戯言日記&戯言通信

仁志・多喜馬の戯言日記&戯言通信

PR

プロフィール

HbA1c 6

HbA1c 6

フリーページ

2018年05月29日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
メンタルヘルスの不調を原因に休職や離職に至るケースが問題になっており、メンタルヘルスの不調によって4兆円を超える経済損失が出ているとの報告もあるという。ストレスの原因とされる毎日の残業や長時間労働の解消に向けた議論がされるが、職場環境の改善にはなかなかつながらない中、企業の管理者が従業員のメンタルヘルスの不調に直面したときどう対応するのが適切なのかはあまり議論されていないという。労働者が毎日を健康でやりがいを持って働いていく上でメンタルヘルスの大切さについては誰もが認めるところなのだが、具体的に何をどのようにすれば職場からメンタルヘルスの不調者を出さなくできるのか等、企業は従業員のメンタルヘルスにどう向き合うべきなのかが考えられているという。

 心の健康は定期的なチェックで状況はある程度分かるというが、体と異なり薬では根本的な解決にはならないとされている。なぜならメンタルヘルス不調のそもそもの原因は「人間関係のストレス」や「物事のネガティブな捉え方」にあるからで、東京大学社会科学研究所の石田浩教授らの調査で労働時間や人間関係などの職場環境が、メンタルヘルスにどの様に影響するのか関係性が明らかになったという。過去10年間に20歳から40歳代の男女を対象に11回行われた追跡調査では、長時間労働や残業の慢性化や締め切りに追われることが男女ともにメンタルヘルスに負の影響を与えることが明らかになったという。一方で職場に助け合いの雰囲気がある場合はメンタルヘルスに良い影響を与えることも分かった。

 データの分析を行った東京大学社会科学研究所の藤原翔准教授は、メンタルヘルスへ正または負の影響を与える因子が同時に存在する場合互いの効果は「相殺される」としつつ、「助け合いの雰囲気がメンタルヘルスに良い影響を与えても、長時間労働や残業が慢性化するのであればメンタルヘルスは悪化する」と指摘している。管理職層のコミュニケーションスキルはよりよい職場環境を作っていく上で非常に重要で研修等が必要になるという。職場環境がメンタルヘルスに関係していることがデータとして示されるなか、精神科専門医で認定産業医は「本人の生まれつきの体質や、パーソナリティーの関連も見過ごしてはいけない」と強調し、同じ労働環境でもメンタルヘルスに不調をきたす人もいれば平気な人もいるというのだ。

 不調になった従業員にとって人間関係や仕事量の負荷といった職場の環境因子が大きなストレスになっているのか、または本人のもともとの体質やパーソナリティーが原因の多くを占めるのかで解決の道筋は異なることから、これらの原因を早期に見極め適切に対応することが重要で、従業員に対する安全配慮義務の観点から管理職はメンタルヘルスに関する研修を受けることが義務付けられている。こうした取り組みが進んでいるものの「従業員のメンタルヘルス不調を認めたときにどう対応すべきか、実行性のある内容ではない場合が多い」と医師は指摘している。労働時間や仕事量に数値目標を設けて一律に管理するのではなく、ストレス因子と従業員の特性を照らし合わせるという視点が大切だというのだ。

 例えばミスをした部下が、当たり前の反応として落ち込んでいるのか、不向きな仕事を強いられることによって「適応障害」を発症した状態なのか、または鬱状態であるか一見して見極めることは難しいが、問題なのは管理者が原因を特定できないことではなく、メンタルヘルスの不調が「医療的な介入が必要な問題という発想が抜けていることだ」と医師は話している。管理者に「落ち込んでいる部下に対し、どう対応するか」と問いかけた場合、「飲みに誘う」とか「励ます」や「人事に相談し、環境を変える」といった答えは出てくるものの、「受診をすすめる」との答は少ないという。管理者は従業員のメンタルヘルス不調の原因特定のため産業医の力を借りるなど医療的なアプローチを視野に入れる必要があるというのだ。

 労働環境の改善が進まない理由としてメンタルヘルスに影響を与える因子が仕事継続の意思にどう作用しているかが関係しているという。東京大学社会科学研究所の藤原翔准教授は「長時間労働や慢性的な残業をしていても、仕事継続の意志には影響がなく、労働者は同じ仕事を継続したいと考える。この傾向は男性で特に顕著だ。これが日本の長時間労働がなかなかなくならない理由の一つではないか」としている。従業員のメンタルヘルスを良好に保つことが企業にとって有益だということなのだが、「働く意欲や良好な人間関係、良好なメンタルヘルスは、すべて同じ線上にある。いつもと様子が違う従業員には、医師に診てもらうようすすめることも含めて早期の対応が必要だ」と医師はアドバイスしている。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2018年05月29日 02時23分13秒
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

キーワードサーチ

▼キーワード検索

お気に入りブログ

まだ登録されていません

コメント新着

砥部焼祭り@ Re:減税派の方が少数だといわれているが・・・(04/17) 砥部焼祭りについては、 0896240183 をど…
スマホ@ Re:ディールの好きな大統領といっても・・・(03/31) スマホの知りたいことは、0896244450 か…
aki@ この様な書き込み大変失礼致します 日本も当事国となる台湾有事を前に国民の…
aki@ Re:速歩をはじめよう・・・(03/17) この様な書込大変失礼致します。日本も当…
aki@ Re:能登半島地震で行われていること・・・(01/16) この様な書込大変失礼致します。日本も当…

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: