昨日は「旗開き」ということで飲み会に参加したのだが、参加したのだが、その席で話題となったのが安倍内閣の外交姿勢で、米紙ニューヨーク・タイムズが「日本はクジラの虐殺をやめよ」と題した社説を掲載し、「多くの点で模範的な世界市民である日本は捕鯨に関しては例外だった」と指摘したうえで、国際捕鯨委員会が 1982 年に採択した商業捕鯨の一時停止に反し科学的調査を認める抜け穴を使って何千頭ものクジラを殺し、その肉を国内市場で販売してきたと非難したうえで、日本政府が国際捕鯨委員会脱退を決めたことについて「危険で愚かな動き」と批判し再考を求めているということに関して、今回の脱退表明は「世界大戦の時の国際連盟脱退とイメージが重なる」としてあまり得策ではなかったという意見が多かった。
「地球儀を俯瞰する外交」などをキャッチコピーとして掲げる安倍首相だが、あらためてその無能っぷりを見せつけたというのが対ロ交渉で、ロシア外務省はモスクワで開かれる日露外相会談に先立ち声明を発表したそうなのだ。前回山口での首脳会談前は「プーチン訪日で北方領土返還」などというムードをつくり上げた安倍首相だったのに、日露平和条約交渉に関し「南クリル諸島のロシアの主権を含め、第2次大戦の結果を日本が完全に認めることが問題解決の主要な条件になる」と主張し改めて日本をけん制したという。外相会談では「双方の立場を示し、意見を交換することになる」との見通しも示し、旧ソ連が日本のポツダム宣言受諾後に不法占拠した北方領土に関しロシア側は会談で原則的な立場を示すと言われている。
安倍首相はこれまで何回も口にしてきた「私とプーチン大統領が必ず問題に終止符を打つ」などという威勢だけがいい言葉を吐いているが、それが「歯舞群島、色丹島の 2 島引き渡し」へとトーンダウンした挙げ句いつのまにかテーマは「北方 4 島の共同経済活動」にシフトしてしまっているし、日本が導入する予定の地上配備型迎撃システム「イージスアショア」を念頭に「米国による世界的なミサイル防衛システムのアジア太平洋地域への配備についても、我々の見解を示す」と言及さえしている。ロシア側の懸念を外相会談で伝える意向を示唆したものだが、日米の軍事防衛システムのことまで会談でいわれるなど安倍首相がプーチン大統領に舐められきっているのはもはやあきらかな事実だということのようなのだ。
この「第2次大戦の結果を日本が完全に認めることが問題解決の主要な条件になる」ということでは、日韓が激しく対立している徴用工問題で元徴用工の韓国人男性が日立造船に対して損害賠償を求めた裁判で、ソウル高裁は 1 審に続き日立造船側に 5000 万ウォン、日本円でおよそ 500 万円の支払いを命じる判決を言い渡した。年頭会見で文在寅大統領は「日本政府は徴用工問題について、もう少し謙虚な姿勢を持たないといけないと思う」と不快感をあらわにしたという。二国間協議や国際司法裁判所で日本に勝てる見込みの低い韓国側もまた動けない状況にあるというのだから日本が動かず「韓国側の出方を待つ」という落ち着いた態度を取った方がよかったということのようなのだ。
安倍首相輸出案件の全て失敗したことでも、原発や鉄道インフラなどの輸出を 22 兆円にすると大見得切ってたが、ベトナム国会が日本からの原発輸入を撤回する案を可決したという記事も掲載されたし、東芝だけでなく日立の英原発凍結で全て失敗して大損害を出したそうだし、これも原発の輸出を成長戦略の一環に置付けて推進してきた安倍外交の失敗にほかなりません。成長戦略の一環としては、軍事技術の輸出も進められてきました。その輸出先として有望視されていたオーストラリアへの潜水艦技術の売り込みにも失敗しています。原発技術や軍事技術の輸出を成長戦略の柱と位置付けるようなことはやめるべきだとの批判があるにもかかわらず、安倍政権はそれを無視し強行しそれらがいずれも挫折したというのだ。
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