コカ・コーラ社製品を希望小売価格で買うことはあまりないが、 清涼飲料メーカーのコカ・コーラ ボトラーズジャパンは「コカ・コーラ」など大容量サイズの清涼飲料の価格改定を 4 月出荷分から行うと発表したという。 コカ・コーラ 社の価格改定は 1992 年以来 27 年ぶりだというが、対象は 1.5 リットルと 2 リットル入りペットボトルの大容量製品などで、「コカ・コーラ」のほか「アクエリアス」や「綾鷹」などの 16 アイテムとなっている。希望小売価格で一律 20 円の 6 ~ 10% の値上げになるそうだが、「コカ・コーラ」の 1.5 リットル入りペットボトルでは税抜きの希望小売価格を、現在の 320 円から 340 円に値上げする。 コカ・コーラ 社は大容量を価格改定する理由として物流費や包材費における 1 本あたりの影響を考えたためとしている。
コカ・コーラはミネラル水「い・ろ・は・す」を容量や価格を問わずに据え置く以外は、缶やペットボトルともに原則 10 円上げるし、茶飲料「綾鷹」・「爽健美茶」などは容量を 5% 多い 525 ミリリットル入りにするという。これは単純に 10 円上げると値上げ幅が増税分の 3% を超えるので、様々な施策を組み合わせたという。サントリー食品の小郷三朗副社長も「大枠はコカ・コーラに合わせることになる」と表明し、缶コーヒー「ボス」は 10 円上げて 130 円にする一方でミネラル水は据え置くなど全体を最終調整中だと発表した。キリンビバレッジは「午後の紅茶」・「ファイア」などの主力品で 10 円価格を引き上げる方針だし、伊藤園は「お~いお茶」を中心にアサヒ飲料も主力ブランドでそれぞれ 10 円の値上げや容量変更を軸に詳細を詰めているという。
ミネラルウォーター市場は伸張を続けているといわれるが、その中で「サントリー天然水」は水源にこだわった清冽なおいしさや徹底した品質管理による安全・安心な商品であることが支持されているという。そこでサントリー食品インターナショナルは日本国内における大型サイズの飲料を 5 月の出荷分から価格改定すると発表したという。値上げ幅は一律 20 円だが値上げは 21 年ぶりとなるという。原材料価格の高騰や物流コストの上昇を要因としているが、飲料製品の値上げの発表は 27 年ぶりの価格改定を発表したコカ・コーラ ボトラーズジャパンに続くもので、対象商品は 1.2L 以上のペット容器商品全品を値上げし「サントリー 南アルプスの天然水」の 2 リットルペットボトルは、 230 円が 250 円となるという。
価格改定について「物流費の高騰に加えて原材料価格も上昇を続けている。当社ではこれらのコストアップを吸収すべく、生産・オペレーションの効率化や経費削減などの企業努力をしてきたがその吸収が極めて困難な状況となり、一部製品の価格改定を実施することとなった」とし「業界のリーダーとして健全な市場成長をリードしていきたい」としている。また「高品質な商品を安定的に提供するため、これまで生産性の向上、物流合理化、諸費用の削減など様々な企業努力と経営の合理化に努めてきたものの、原材料価格の高騰や物流コストの上昇は業界全体の課題であり、企業努力だけで吸収することが非常に困難な状況になったことから一部の商品について、製品出荷価格およびメーカー希望小売価格を改定する」としている。
自販機は平均して飲料各社の販売量の 3 ~ 4 割を占め価格設定が収益に直結するが、飲料業界は増税時には 1 年遅れで値上げした。今回は原料や包装資材に燃料費の高騰で「増税分を価格に転嫁しなければ利益が吹っ飛ぶ」という。既に 500 ミリリットルのペットボトルはスーパーやドラッグストアでは 100 円前後で売られているが、自販機とは 50 円程度の価格差があるし店頭価格との差が一段と広がる可能性が高いという。消費者の自販機離れが起きる可能性もあるため容量変更などにも取り組み自販機の割高感を薄める方針だという。サントリーは茶飲料「伊右衛門」で通常より少ない 435 ミリリットルで価格も 10 円安い 140 円の商品も出すというが、他の飲料メーカー大手では「検討の必要はある」と語っている。
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