毎年 10 月 1 日が「日本酒の日」として定められているのだが、「日本酒の日」はなぜ 10 月 1 日に制定されたのかというと、その由来は 2 つあってひとつは多くの蔵で酒造りが始まる時期だということで、 10 月に入ると新米の収穫が始まり全国各地の蔵が日本酒造りを始めるいう。日本酒業界では一般的な年度とは異なる「酒造年度」という暦が採用されており、毎年 7 月から翌 6 月までがひとつの年度として定められているが、従来は毎年 10 月から翌 9 月までとされていたそうで、もともと 10 月 1 日は日本酒にとっての年明けだったというのだ。もうひとつの理由には十二支が関連してそれぞれの干支は各月にも当てはめられており、 10 月は「酉」でこの「酉」という漢字はもともと酒壺や酒そのものを意味しているのだというのだ。
このような理由から 10 月 1 日が「日本酒の日」として制定されたわけだが、日本の國酒である日本酒を後世に伝えるという思いを新たにするとともに、一層の愛情とご理解をという願いを込めて 1978 年に 日本酒造組合中央会が「 10 月 1 日は日本酒の日」と定めたそうなのだ。 「乾杯」には神様の前で人々が心をひとつにする願いが込められており、日本酒造組合中央会は「日本酒の日」に日本酒での乾杯を推奨しているそうなのだ。各都道府県の酒造組合はもちろん関連団体や飲食店が全国各地でイベントを開催しているのだが。現在では 10 月 1 日の 19:00 に日本酒で乾杯するのが通例となっているようで、都内では日本酒造組合中央会が主催する大規模なイベントが開催されているというのだ。
日本酒の国内需要は人口減少で減り続けるが海外では愛好者が着実に増えているとされ、一方で「甘口」とか「淡麗」といった味をどう海外に伝えるかが課題だという。日本酒はワインのように国際的な酒になれるのかということでは、日本酒の利き酒を競う「第5回 世界〓酒師コンクール」が東京都内のホテルであり、台湾から出場した張鴻亮さんが外国人として初めて総合優勝を果たしたという。張さんも「本当にうれしかったですね。国際化に向け、日本酒は新たな時代に入ったと言っていいのではないでしょうか。1杯1000円と3000円の日本酒の違いが分かる外国人を一人でも多く増やしたい」という。日本酒も中華料理も米の文化の中で生まれていることから、酒のプロとしてどんな日本酒が中華料理と合うのかわかるという。
またフランス人のローレ・アルノさんは日本酒の輸出事業に取り組んでいるが、ワインの国での日本酒の現状について「以前に比べ人気は高まり、輸入量も増えてきました。日本料理や文化に興味を持つ人は多く、この流れは続くでしょう」という。それでもフランスで「SAKE」と言えばアルコール度数が高い中国の白酒を思い浮かべる人が多いそうで、「フランスの日本食レストランのオーナーは中国人であることが多く、白酒を日本酒と勘違いして飲んでいる。試飲会で私が本物の日本酒を体験させると、みんなが驚きます」と語っている。そして「日本酒のうまみはワイン以上ですから。フランスでチーズとカップリングさせて日本酒を売り、逆に日本では日本酒に合うチーズを売りたい」と意気込んでいる。
日本酒を海外に紹介することについてなのだが、日本酒は各県・各地域に蔵元があって土地の歴史だけでなく水や風土といったものと密接に関わっているが、そうした背景こそが日本酒の持つストーリーだという。一例が欧米での人気が日本に伝わりブームを巻き起こし、サミットでも使用された山口県の「獺祭」なのだが、「カワウソが捕らえた魚を岸に並べる様子が祭りのように見えること」が名前の由来で、そのストーリーが欧米では分かりやすいというのだ。欧米人はラベルに書かれた漢字が読めないので帰国後に特定の日本酒が飲みたいと思っても「あのお酒がほしい」と言い出すことができないという。そこで「こんな背景や物語がある日本酒」と伝えた方が分かりやすいはずだというのだ。
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