教育というのは制度として平等性は担保されていても、そこにたどり着くまでの受験勉強のあり方等はさまざまなツールがあるので、そこをすべてイコールにすることは難しいという問題意識の中で、難しかろうが出来るだけイコールにするよう努めるのが文部科学省の仕事のはずなのだ。それが大学入学共通テストで導入される英語民間試験について、 萩生田光一文部科学相が「自分の身の丈に合わせて勝負してもらえれば」と発言した問題を巡り、萩生田光一文部科学相は閣議後記者会見で「昨日、真意について説明した。発言を撤回した上のものだ」と述べ改めて謝罪した。発言は出演したTV番組でのものだが野党は批判を強め国会で徹底的に追及する姿勢を示しているが、「国会でただされれば、きちんと真意を説明するとしている。
英語民間試験は 現在の高校 2 年生が初めて受験することになっているが、英検や TOEFL ・ GTEC などで現在の高校 2 年生からが対象になるという。それを高校 3 年生の 4 ~ 12 月に 2 回まで受験しその成績が志望大学に提供され合否の判断材料となるというのだ。 3 年生の間で受けた 2 回までの成績が志望の大学に送られるが、 1 ~ 2 年生の時に練習として受験する回数に制限はないという。英語民間試験は試験料が高額なものがあるほか会場が都市部に多くなると予想され、経済・地域格差が指摘されている。大学入学共通テストで導入される英語民間試験をめぐり萩生田光一文部科学相はテレビ番組で、金銭的・地理的な条件で不公平が生じるとの懸念に対し、自分の身の丈に合わせて勝負してもらえれば」と発言したちうのだ。
教育基本法では「すべて国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず、人種・信条・性別・社会的身分・経済的地位又は門地によって、教育上差別されない」と定めている。萩生田光一文部科学相はTVの番組で司会者が「お金や地理的に恵まれた生徒が有利になるのではないか」と指摘したのに対し、教育機会の平等の実現にゴールはないのだとしても理念は絶対に捨ててはいけないなのに、「それを言ったら『あいつ、予備校通っていてずるいよな』と言うのと同じだ。裕福な家庭の子が回数を受けてウオーミングアップできるようなことはあるかもしれないが、そこは自分の身の丈に合わせて 2 回を選んで勝負してもらえれば」と発言しこのことが教育の格差ということで問題になっているのだ。
さらに 萩生田光一文部科学相は「できるだけ近くに会場を作れるように業者や団体にお願いしてはいるが、人生のうち自分の志で 1 回や 2 回は故郷から出て試験を受ける、そういう緊張感も大事」などと述べたが、この発言にネット上では「地方の貧乏人は身の程を知れってことか」などと反発が相次ぎ多くの受験生から批判の声を強めている。教育関係者も中京大の大内裕和教授などは「萩生田さん、『身の丈』って何ですかと言いたい」と問題視し、ツイッターで「萩生田氏の発言は、経済格差による教育格差の容認。ここでの『身の丈』とは『本人の努力』ではなく『出身家庭の財力』を意味する。『教育の機会均等』を定めた教育基本法にも違反する問題発言である」として教育を司る文部科学省を批判している。
民間試験導入を「いいかげんな制度」と酷評し立憲民主党など野党 4 党は衆院に共同提出した延期法案の審議を求めているが、立憲民主党の枝野幸男代表は大学入学共通テストへの英語民間検定試験の導入を巡る萩生田光一文部科学相の発言に関し「文科相としてあるまじき発言だ」と批判し、「教育の機会をいかに均等にするかが政治の役割なのに、放棄している。責任をしっかり問うていかねばならない」と強調した。国民民主党の玉木雄一郎代表も記者会見で「格差を容認するような発言は看過できない。強く抗議したい」と述べ国会で真意をただす意向を表明した。萩生田光一文部科学相は文部科学省内で報道陣の取材に応じ「受験生に不快な思いを与えかねない説明不足な発言だった。おわびしたい」と謝罪したという。
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