縁起物である招き猫において三毛猫がモデルにされることが多いとされるが、招き猫は日本人なら誰もが知っている金運・開運グッズで、もともとは農作物や蚕を食べるネズミを駆除する猫にあやかるための養蚕の縁起物から始まっているという。近頃はまねきねこにも様々な色や柄の物が有るがその中でも一番伝統的でスタンダードな猫がこの三毛猫なのだ。これにはキチンとした由来があって猫は遺伝子上三毛になるのは基本的にメスなので、三毛猫のオスというのは大変珍しく希少な存在で 30000 匹に1匹ぐらいの確率だという。古くから世界中でその希少性は知られており、それにあやかって船乗りの間では船に乗せると福を呼び船が遭難することがないとも言い伝えられて船にオスの三毛猫が乗せられていたというのだ。
福を呼ぶ存在であったため三毛猫のオスをモチーフにして三毛の招き猫が多く作られているわけなのだが、基本的に三毛猫の性別はメスなのにごくまれにオスの三毛猫が産まれる事があって、特にオスの三毛猫はその希少性のためからか福を呼び船が沈まないと言われているのだ。日本の第一次南極観測隊でも珍しくて縁起が良いという理由で民間人からオスの三毛猫が贈られたことがあったそうなのだ。この三毛猫は当時の観測隊の隊長であった永田武氏の名前にちなんでタケシと名付けられ、昭和基地内のペットとして隊員たちと共に南極で越冬しているそうなのだ。ところがこの猫のタケシは南極から日本に戻った後に、隊員の一人に引き取られたものの間もなく隊員の家から脱走し行方不明となったという。
ネコの遺伝子の特徴上三毛猫はそのほとんどがメスでオスはめったに出現しないうえ、オスの場合生殖機能を持たない事が多いためオスではないとの考えもあるという。生殖能力のある三毛猫のオスは1979年に英国と 1989 年に豪州で確認されたものの他に、 2001 年に日本でも確認されている。映画化もされた「ねこタクシー」に出演した「みーすけ」が生殖能力のある三毛猫のオスなのだが、生殖能力のあるオスの三毛猫が交配してもオスの三毛猫の子猫が生まれる確率は変わらずその可能性は非常に小さいという。オスの三毛猫を船に乗せると福を呼び船が遭難しないというのは「猫が騒げばしけになり、眠れば天気平穏」と信じられたためで、江戸時代には高値で取引されていたという説もあるが実際の取引事例は不明だという。
三毛猫のオスがなぜ少ないかといえば毛色の遺伝子がメスの性別を決めるX染色体の上にしかのらないことが理由で、遺伝子は細胞の中にある染色体の上にのっていて猫は性染色体1対と常染色体18対の計19対38本の染色体を持っており、性別を決めるのはその中の2本で「性染色体」と呼ばれている。猫も人間と同じでメスの染色体はX染色体が2本あり「 XX 」でオスはX染色体とY染色体が1本ずつある「 XY 」になる。ちなみに「白」は常染色体にのっているため染色体に関係なくオスでもメスでも持つことができるが、黒や茶にする有色の遺伝子はX染色体の上にしかのっておらず、このような異常な染色体をクラインフェルター症候群と呼び猫だけでなく犬も馬や人にもあるそうで人間の場合には、 500 人に 1 人もいるという。
日本では珍しくない三毛猫だが日本国外では比較的珍しく「キャリコ」またはフランス語風に「トリコロール」と呼ばれることがあるという。また欧州などでは「ミケ (Mi-ke) 」の愛称で珍重されているそうで、海外では血統書付きの三毛猫がなんと 2000 万円で売られたという噂があったそうなのだ。それこそ驚愕の値段でなのだが残念ながら日本猫は血統書付登録が無いので価格は 0 円のうえそもそも市場が無いという。オスの三毛猫ではないが招き猫と言うことでは私は先週岡山県高梁市の「備中松山城」に行ってきたのだ。現存天守が国内随一の高さの場所にある「備中松山城」に西日本豪雨災害後住み着いて「猫城主」として豪雨災害で激減した来城者数の回復に尽力している「さんじゅーろー」にも会ってきたのだ。
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