株式市場では新型ウイルス問題に歯止めがかからないみたいで、東京株式市場で日経平均は乱高下していて一昨日は200円を超す上昇となったが、その後は伸び悩んで昨日も200円くらい下がっているのだ。黒田東彦日銀総裁は「最近の内外金融資本市場では、新型コロナウイルス感染拡大により、経済の先行きに対する不透明感が強まるもとで、不安定な動きが続いている」と指摘し、その上で日本銀行としては「今後の動向を注視しつつ、適切な金融市場調節や資産買い入れの実施を通じて、潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めていく方針である」としていたのだが、この黒田日銀総裁の談話が好感されたものの上値に対して慎重な見方が多かった結果だという。
日銀が金融市場の混乱に対して総裁談話を出すのは異例だが、市場から国債や上場投資信託の買い入れを積極的に行う方針で、新型コロナウイルスの感染が広がる中先週の東京株式市場では 12 年前のリーマンショックの時以来となる記録的な株価下落に見舞われ、その後も取り引き開始から株価の下落が続いていたのだ。外国為替市場でも円高ドル安が進み金融市場の動揺が続いていたことから、黒田総裁は「最近の内外の金融資本市場では新型コロナウイルスの感染拡大による経済の先行きに対する不透明感が強まり、不安定な動きが続いている」としています。新型コロナウイルスの感染拡大に端を発した世界的な金融市場の混乱に日米の中央銀行がそろって警戒感を示した形となっていたそうなのだ。
そのうえで「日銀としては、今後の動向を注視しつつ、適切な金融市場調節や資産の買い入れの実施を通じて潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めていく方針だ」として、今後は市場に十分な資金を供給し金融面からの対応を強化する姿勢を強調していたのだ。日銀は市場から国債や数多くの株式をまとめてつくる上場投資信託の買い入れを積極的に行う方針で、国債を買い入れる形で金融市場に 5000 億円を供給すると発表したが、日本と同じく株価が急落したアメリカでも中央銀行にあたる連邦準備制度理事会のパウエル議長が緊急の声明を出して追加の利下げの可能性を示唆したうえで、市場の状況を見ながら必要に応じて追加の資金供給を積極的に行う方針であることを表明している。
新型コロナウイルスの感染拡大は株価だけではなくアメリカ国内の企業の活動にも影響を及ぼしているそうなのだ。アメリカ東部のマサチューセッツ州ボストンにある社員およそ 30 人の音響機器メーカーでは生産コストを削減するため中国の工場に生産を委託しているが、スピーカーなどすべての商品を自社のブランドでアメリカ国内のほかヨーロッパやアジアで販売していつという。しかし新型コロナウイルスの感染の拡大の影響で中国の工場が稼働を停止し、およそ1か月前から商品が生産できない状態となっている。会社によると商品の在庫はあと数週間で底をつくということで今月半ばまでに生産が戻らなければ販売する商品がなくなるという。しかも生産が再開したとしても事業への影響が懸念されているというのだ。
一昨日の日経平均は上下に500円以上振れ東証1部の売買代金は現時点で1兆4000億円を超す大商いだったが、さらに数日前には新型コロナウイルスの感染者が増え続けているイタリアの販売代理店から、「先行きが見えない」として注文がキャンセルされたほか、販路の拡大のために参加を予定していた見本市の開催が取りやめになってしまったという。東京株式市場で日経平均株価は反落し前日比 261 円 35 銭安の 2 万 1082 円 73 銭と安値引けしたが、関係筋の話として「現時点で声明文には協調利下げや財政出動といった具体的な政策対応は盛り込まれない」見通しだと報じているが、新型コロナウイルスへの警戒が続くなかで相場の支えとなっていた政策対応への期待が後退し売りが膨らんでいるという。
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