もう30年くらい牌を握ってはいないのだが私も若いときはマージャンが好きで毎日のように仲間と卓を囲んでいた。最近でもTVのマージャン番組を見ることはあるのだが、「検察庁前でテンピンレート麻雀大会をやろう」という企画がツイッター上で告知され、東京都千代田区の東京地方検察庁前で「第1回検察庁前テンピン麻雀大会 黒川杯」が開催されたそうなのだ。新型コロナウイルスによる緊急事態宣言中に産経新聞記者の自宅で賭けマージャンしていたことを週刊誌に報じられた黒川弘務氏が東京高検検事長を辞職したわけなのだが、その際に話題となったのが賭博を取り締まる側の検察のナンバー 2 がいくら世間一般的なレートとはいえ「テンピン」という賭け麻雀をおこなっていたことだった。
黒川氏は訓告処分を受けたがまだ懲戒などの処罰を受けていないため、ネット上では「テンピンなら問題ない」という「黒川基準」が成立したと話題になったというのだ。ネット上に「祝レート麻雀解禁、検察庁前テンピン麻雀大会」とイベント告知するサイトが登場し、「法務省刑事局の公式見解によると、テンピン麻雀は問題ないらしいので『黒川基準』によるレート麻雀解禁を祝してテンピン麻雀大会を公然と実施することになりました」とうたっている。「社会の実情をみましたところ、必ずしも高額と言えないレートでした」と述べた件を、微細に揶揄したものとみられているそうで、すでにネット上では「テンピン合法キター」とか「新たな黒川基準」と皮肉られており、今回の「黒川杯」もこの騒動にそった皮肉が盛り込まれているという。
告知には「時局柄マスク着用での参加をお願いします」と呼びかけているが、「開催前に黒川元検事長が賭博容疑で逮捕ないし起訴等された場合は、自らの浅薄さを深く恥じ入り本大会は中止とします」とのお断りもあって、とても皮肉な話でこんな話が出てくるのも検察 No.2 のやったことも問題だがテンピンレベルでは問題ないという法解釈事態が問題となっている。過去には自衛隊で懲戒処分を受けた事例もあるのに、「違法行為をしても黙認される人、見逃される人、大きく露見してもお咎めなしになる人、反対に意地でも逮捕するため、法律を利用して捕まる人もいる。こういった『差』がある現状は非常におかしいと思います。その問題提起が理由です。風刺ですね」として、ツイッター上で企画を告知したというのだ。
検察庁前の開催を予定していたため最寄りの霞ヶ関駅に集合し午後 3 時に検察庁前に到着したそうで、検察庁前の路上に麻雀卓をセットし始めたがすぐに警察官が現われたという。最初の警官が応援を呼んだのか瞬く間にグループは多数の警官に囲まれる事態になり、開催前から「路上の占拠が問題になる」と指摘されていたがやはり警官から「路上はだめ」と注意が入ったという。その後警察との押し問答の末、グループは検察庁前での開催を断念。 その後、一行は開催場所を検察庁近くの日比谷公園に移動し多数の警察に見守られながら麻雀大会はスタートとなった。黒川氏の名前にちなみ黒色の麻雀牌が使われたが、 東場三局途中で公園の閉園時間により無念の終了となって肝心の「賭け」も成立しなかったそうなのだ。
この麻雀大会の存在がネット上で伝わり「このセンス羨ましすぎる」や「黒川杯、オモロすぎ」というばかりでなく、「何かと思った超ウケる」や「黒川杯っつーのがアツい」などと面白がる投稿が相次いだという。大会に参加した女性は、「ネット上の生配信もあったので、私の下手さがバレてしまいました。いつか安倍さんに気に入られて検事総長になれたら、霞ヶ関の中で堂々と麻雀大会をやりたいですね」と笑顔を見せ、主催グループのリーダー男性は「検察庁前で一局ぐらい打てるかなと思ったんですけどね。いい思い出にはなりました」と振り返っていた。演出家のテリー伊藤氏は「面白いね。こういうマージャンはどんどんやってほしいね。こういう皮肉を込めてやっていく事を、警察が止める事はおかしいですよ」と賛同していたという。
キーワードサーチ
コメント新着