帝国データバンクの調査では飲食店の倒産が先月末で736件に達しこれまで通年で最多だった昨年の732件を抜き11月時点で過去最多となることが確定したという。飲食店ではこれまで原材料費の高騰や人手不足などの課題に直面し中小零細事業者を中心に倒産が増加していたが、それに加え今年は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う国や自治体の要請で休業や時短営業を余儀なくされ売上が急減していた。雇用調整助成金や家賃支援給付金など政府の資金繰り支援パッケージを活用しつつ「Go To イート」など外食産業の支援策による需要喚起を期待していた事業者も多かったが、感染者が急拡大したことで再度の営業自粛を求める自治体が相次ぎ繁忙期となる年末年始需要も見込めなくなりつつあるという。
需要喚起策の「Go To Eat」キャンペーンが実施されたことで「キャンペーンの効果もあり、売り上げは戻ってきた」という声もあるが、全体の水準を上回っているのはファストフード業態やファミレス業態の中華・焼肉のみで、宴会などの需要が多い居酒屋やレストランでは回復が遅れているそうなのだ。さらに感染者数が再び急増していることから飲食業者からも「11月の感染増加で再び客足が落ち込み始めた」などといった声が聞かれるという。自治体によっては営業時間短縮要請も出ていることもあって本来は繁忙期であるはずの年末年始の需要も縮小する可能性が高いといわれている。帝国データバンクは「経営体力や内部留保などに乏しい中小・零細事業者ではすでに限界を迎えているとみられている」と分析しているそうなのだ。
飲食店は今後年内でも最大の繁忙期となる年末年始を迎えているが、需要喚起策だった飲食業界の支援策「Go To イート」事業のポイント付与も終了し、感染者が再び急増するなど「第三波」が到来して各地で再度の営業自粛要請が相次いでいる。飲食業者からも「11月の感染増加で再び客足が落ち込みはじめた」など感染拡大による影響を危惧する声が聞かれており、劇的な売り上げ回復が当面期待できないなど明るい材料に乏しいという。そのため「Go To イート」事業のうちプレミアム付き食事券について実施期間を延長し追加発行する方針だとされている。食事券の期限は最も長い場合で販売が来年の1月末で利用が3月末までとなっているが来年の6月まで延長する案などが検討されているそうなのだ。