仁志・多喜馬の戯言日記&戯言通信

仁志・多喜馬の戯言日記&戯言通信

PR

プロフィール

HbA1c 6

HbA1c 6

フリーページ

2023年09月27日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類




 このため的を絞った物価高対策と幅広く恩恵が及ぶ賃上げによる底支えがなければ消費回復の勢いが鈍りかねないのだが、各国がインフレに見舞われる中でも日本はその影響を特に大きく受ける可能性があるというのだ。日本は今後もしばらくはインフレ課税の圧力にさらされるだろうといわれるが、その度合いを考えると計算上、均2%の消費者物価の上昇で10年後には円資産の価値は18.0%減になるとされている。国民が有無を言わせぬ値上げで苦しんでいるにもかかわらず秘かに微笑んでいる存在があってそれは、膨大な借金を擁している日本政府であるというのだ。国債等の国の借金の金額が変わらないゆえにインフレになればなるほど政府の借金は相対的に軽くなるというのだ。

 政府債務残高が軽くなるとき同時に家計金融資産残高も軽くなることだが、日本全体のバランスシートでは資産と負債は裏腹の関係でつながっていて、家計が金融資産を取り崩して納税するとその税収の一部が政府債務の返済に回って政府債務残高を減らし、反対に政府が低所得者向けの給付金を支給すると家計金融資産残高は増えることになる。このインフレ課税は債務者には有利である反面債権者には不利に働き、長期貸付をしている人には特に不利であるため、債権者は貸付金にしかるべき金利を適用しそれも期間が長くなるほど高い金利を上乗せしている。国債利回りはもともとインフレ見通しを織り込む仕組みなのだが、日本の場合は日銀が国債市場に介入して長期金利は極端に低下させているという。

 この傾向は「イールドカーブ・コントロール」という仕掛けを作って10年金利の基準を0%にすることで極まった感があるといわれており、つまり将来のインフレリスクに見合う分を債権者は受け取れない状態にしているのだという。日本の投資家はインフレ課税のリスクに対して極めて脆弱になってしまっていて、超低金利が当たり前という感覚が浸透して不意打ちのようなインフレに遭遇しても投資家たちは機敏に動けなくなっているという。こうしたインフレ課税には日銀の金融政策が極めて深く関与しているとされていて、超低金利によって内外金利差が拡大することが一層の円安を促進させ、円安が加速するから輸入物価が上がって消費者物価も上昇するが、それでも超低金利を修正しないので円資産の減価を進ませているというのだ。

 日本政府自身が増税や大胆な歳出カットを行って政府債務を減らしにかかったとしたらその痛みが批判の的となり、政治的反発や国民からの不満も高まっていくのだが、それに比べるとインフレ課税は秘かに円資産の価値を減価することができるという。つまり政府債務残高も気づかれないうちに重さが軽くなっていくわけなのだが、国民は自分たちの円資産の購買力が徐々に消えてしまうことに意識を向けにくいというのだ。しかも円資産を持っている限りは国民が逃れることが最も難しいかたちの課税方式で、債務者は秘かに得をして債権者は何も動けないままに損失を被ってしまうというのだ。これが財布の現金や預金通帳の数字に何も変化が起こらないのにこっそりと購買力を失っていくのが「インフレ課税の怖さ」だという。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2023年09月27日 02時52分12秒
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

キーワードサーチ

▼キーワード検索

お気に入りブログ

まだ登録されていません

コメント新着

砥部焼祭り@ Re:減税派の方が少数だといわれているが・・・(04/17) 砥部焼祭りについては、 0896240183 をど…
スマホ@ Re:ディールの好きな大統領といっても・・・(03/31) スマホの知りたいことは、0896244450 か…
aki@ この様な書き込み大変失礼致します 日本も当事国となる台湾有事を前に国民の…
aki@ Re:速歩をはじめよう・・・(03/17) この様な書込大変失礼致します。日本も当…
aki@ Re:能登半島地震で行われていること・・・(01/16) この様な書込大変失礼致します。日本も当…

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: