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2016年10月03日
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テーマ: 哲学(59)
カテゴリ: サイバーパンク
 コンピュータのハードの進化とともに、人工知能のプログラミング技術が急速に発達している。
 また、「ビッグデータ」を背景として、人工知能の類推能力、自自律判断能力は過去に比べて飛躍的に進化してきた。
 自動運転技術、ロボット軽微システムなどのように自律型のプログラム、搭載機器も実用化しつつある。
 2001年宇宙の旅、地球(テラ)へ・・・、The Matrixなど、あまたの近未来SFで描かれてきたスーパー・コンピュータによる人類支配の時が近づいているよう見受けられる。
2016年9月28日 ダイヤモンド社書籍オンライン

 …(略)…

 スウェーデン出身のオックスフォード大学の哲学者ニック・ボストロムは、2014年に『スーパー・インテリジェンス 道行き、危険、戦略』を出版しています。
 ビル・ゲイツが「この本を強く推薦する」と述べたこともあって、ボストロムの書物は大きな波紋を惹き起こしました。その中で彼は、次のように語っています。

 いつか私たちが、一般的知性において人間の脳を凌駕する機械の脳をつくるならば、その時にはこの新しいスーパー・インテリジェンス(超知性・超知能)はきわめて強大になるだろう。

 そして、ゴリラの運命が今、ゴリラ自身というよりも、私たち人間にいっそう依存しているように、私たち人間という種の運命も機械のスーパー・インテリジェンスのアクションに依存することになるだろう。



 ところが、アドルノとホルクハイマーによれば、こうした合理的な「啓蒙」は、やがて自分自身を否定するようになり、「反‐啓蒙」である神話や暴力へと転化する、というわけです。

 この「反‐啓蒙」として、彼らはナチズムやスターリニズムなどの「全体主義」を見ていました。
 このような「啓蒙」から「反‐啓蒙」への弁証法は、人工知能の未来を考えるとき、一つのモデルとなるように思えます。

 人工知能は「人間のような知能」をもつために作製されたのですが、今や人間と同じように「自律的学習」ができるようになって、さらには「人間の知能」を大きく超え出ようとしています。

 …(略)…
 ゴリラ同様、人間の運命もそのひと一人に委ねられているわけではない。
 類としての人に運命を委ねることは可で、機械的知性なら不可というなら、おかしなことだ。
 記事では、既に幾度もSFで描きまくられているスーパー・コンピュータが支配るディストピアが現出する可能性を危惧している。
 人間の独裁者であれば生命としての死がいかなる形でか訪れる。
 スーパー・コンピュータは不死の存在、打倒不能の存在なのかどうかが最大の課題のように思える。

 社会資源の最適配置ができる、国富を最大化できるスーパー・コンピュータは一つとは限らない。
 巨大なシステムを開発可能な主体が国家であるなら、世界統一コンピュータの手前に、スーパー・コンピュータの対決があるかもしれない。
 あるいは、コンピュータ同士が手に手を取り合って結束し、地球環境に有害なものとして、ヒトの制御をはじめるかもしれない。
 SFの夢、悪夢のタネは尽きない。
 人の間違いは許せても、機械の間違いは許せないと哲学する者もなかろう。





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最終更新日  2016年10月03日 06時35分46秒
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