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2021年05月10日
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カテゴリ: 民間航空
 コロナ禍で世界中の国外旅行者が激減。
 航空会社は将来性の乏しい機種の導入中止、退役の早期化を進めている。
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 2019年2月14日、欧州エアバスは世界最大・総2階建ての旅客機「A380」の生産を中止し、2021年以降は納入しないと発表した。2002年1月24日に生産開始された「A380」は、巨額の開発費を要する現代の航空機として極めて短期間で生産中止となった。
2007年10月25日の運用開始となった時期から、 LCC(格安航空会社)の台頭で世界の航空機市場は小回りが利き、燃費の良い小型・中型機主導の時代になっており、受注の低迷が続いていた。
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 2020年7月29日、米ボーイングが「ジャンボ」の愛称で親しまれた4発エンジンの大型機「747」シリーズの生産を2022年に終了すると発表した。
 「747」は
1968年 生産開始、 1970年1月22日 運用開始。
 それまでの
ジェット旅客機の2倍以上の乗客数を実現し航空業界に大量輸送時代を到来させた。航空旅行、特に国外旅行の大衆化を可能にした立役者だった。
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 双発旅客機の洋上飛行可能時間が延びたため、燃費性能に優れ、4発より維持費が低廉な双発ワイドボディ機の需要が高まり、各国のエアラインは保有する747を、おなじボーイング社の「767」や「777」、そして「787」に入れ替える動きが進んでいた。

 コロナ禍は超大型旅客機の時代に止めを刺した。
 そしてその波は大型旅客機にも及んで、ボーイング777の退役が着々と進んでいるという。
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退役進むボーイングの巨人機「777」を振り返る
世界を近づけた双発機
2021年4月25日 乗りものニュース
  … (略) …
1995年にANAでデビュー
 1995(平成7)年12月23日、ANA(全日空)の羽田-伊丹線の旅客便で国内デビューしたボーイング777。このモデルは、標準型で約64m、長胴型で約74mの長大なボディをもち、「トリプルセブン」の愛称でも広く親しまれた大型双発機です。
  … (略) …
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 777は開発当初、エンジン制御用のコンピューターシステムをはじめとする多くの要素を、同社の主力機のひとつ「767」と共通性をもたせたモデルでした。また、767を運航している航空会社から受注しやすいように、当初は「767X」という名称を用いて開発が進められました。
 飛行速度としては既存の高亜音速で飛行し、 航続性能としては太平洋を横断 でき、300人程度の乗客を乗せるキャパシティを持ちながらも、既存の空港施設を可能な限りそのまま利用できる――このようなモデルを開発することに主眼が置かれていました。
  … (略) …
     ​
 その後、アメリカ国内では、1973(昭和48)年のオイルショックを経て、1978(昭和53)年にデギュレーション法と呼ばれる、航空路線設立の自由化に関する航空規制緩和法が可決されました。これにより、一部の航空会社の独占状態だった路線にも、航空会社が参入できるようになったわけです。
 その結果、航空旅客需要の拡大に対応して航空旅客運賃のレベルが下がり、アメリカ国内の航空自由化につながりました。また、それまでのハブ&スポークという、どちらかというと航空会社側にとって都合の良い路線展開から、ポイント・トゥー・ポイントという小さな空港にも直行便を数多く運用して、旅客にとって利用しやすい便を設定できるようになりました。
 やがて、ポイント・トゥー・ポイントに基づいた路線ネットワークは、国際線でも見られるようになりました。当時、これを主に担当するボーイング機は767でしたが、航空自由化によって大きく増えた搭乗客数に対応するには、容量が小さすぎるという課題もありました。そこで、767X、のちの777の開発となったというわけです。
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「ジャンボ」最大の課題も一掃! 777の強さとは
 一方で、大型機ボーイング747も、コンピューターシステムを更新し、空力改善などに対応した新型機「747-400」がデビューするなど、まだまだ全盛期は続いていました。もちろん効率は大きく向上しているのですが、このモデルは「エンジン4基」というのがネックだったのです。
 実は1980年代後半から、エンジン2基の「双発機」の時代が始まっていました。かつて双発機は洋上飛行に制限(60分以内に代替空港へ着陸できる範囲しか飛べない)がありましたが、 エンジンの性能や信頼性が上がるにつれ、767で初めて、双発エンジン機の運航を緩和する規定が定められました。その後進となる777は設計時から「エンジン1発で、代替空港に3時間以内で着陸できる範囲まで飛べる」と担保されているような高いスペックを獲得 しています。
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 こうなるとボーイング777は、中長距離のポイント・トゥー・ポイントでの運航に対応しながらも、747並みの乗客を運べる機体としても運航できるようになる一挙両得のモデルとして開発されたわけです。このモデルをひと言で表すと、長距離を、亜音速で、数多くの旅客を乗せて運航できる旅客機です。多くの航空会社で、それまで747が飛んでいたような国際線の主力機として活躍します。JAL(日本航空)、ANA(全日空)も、その例に漏れませんでした。
 ただ、双発であるゆえ、搭載しているエンジンは大出力を発生するため限界まで高度化しています。結果として高い整備レベルが要求されるため、維持費がかさみます。また、旅客が少ないと、小型機を運航するのに比べて燃料消費量が多く、客室乗務員も数多く必要とするため、運航経費が余分にかかります。
  ―  引用終り  ―
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 登場時、
4発機の ボーイングB-747、3発機のダグラスDC-10、ロッキードL-1011より経済的な選択肢 であったボーイング777だったが、航空会社のニーズは変わった。
 2010年代に入り、機体規模がひとまわり小型で、飛行速度や長距離性能がほぼ同等、かつエンジン、主翼の効率がよく運航費用が少ない「第7世代」旅客機、
ボーイング787 が登場。 LCC台頭、 航空機利用の旅行の一層の大衆化とともに、世代交代は急速にすすんだ。
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​ 2021年4月28日早朝、全日本空輸(ANA/NH)が運航するエアバスA380型機「FLYING HONU(フライング・ホヌ)」の2号機が初のCチェック(重整備)を終えて中国・アモイから成田空港へ戻った。
 満席でハワイ・ホノルル線に飛び立つのはいつ日か。
 JALは、現在保有しているB777型機を、順次A350型機に置き換える予定。
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最終更新日  2021年05月10日 06時00分09秒
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