SAC.COM

2022年12月27日
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カテゴリ: ロシア、ソ連
 PMC(民間軍事会社)は民間企業であり、主な仕事は要人警護や重要施設、危険地帯の武装警備とされている。
 だが、ロシアの”最恐”PMCワグネル(ワグナーグループ)は、傭兵として正規軍に代わって戦争をしている。
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 2014年に「クリミア危機・ウクライナ東部紛争」が勃発したときも、プーチンのロシア政府はPMCワグネルを派遣して正規軍に代わって代理戦争を行わせた。ロシア軍の軍事施設で訓練された彼らはロシア軍に代わってウクライナ軍と戦った。ロシア政府は一貫して参戦していないと主張している。
 2022年のウクライナ侵略は、「クリミア危機・ウクライナ東部紛争」のときのようにうまくはいかなかった。
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ロシアの傭兵部隊
David Axe
2022年12月20日 Forbes JAPAN
 12月2日に撃墜され、ウクライナ東部バフムト郊外のほぼウクライナ軍陣地に墜落したロシアの航空機メーカーSukhoi(スホーイ)の超音速爆撃機Su-24Mは、ロシアの悪名高い謎の傭兵会社Wagner Group(ワグネルグループ)と契約した2人のベテランパイロットが操縦していた。
 このSu-24はロシアが2月にウクライナとの戦争を拡大して以来、ウクライナ軍が撃ち落とした少なくとも3機目のワグネル傭兵が操縦する戦闘機だ。ワグネルはSu-25も2機失っている。
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 この損失はウクライナ軍の防空がロシア軍の航空機にとって絶え間ない脅威であることを強調しており、またウクライナ上空でのロシア軍の作戦におけるワグネルの占める割合が大きく、そしておそらくその割合が増しつつあることも示している。
 ワグネルが大規模な地上軍を展開するとき、自社の傭兵パイロットを古いロシア製の戦闘機のコックピットに乗せ、地上の兵士を直接支援するためにそうした戦闘機を飛ばしていることは明らかだ。
 だがワグネルの航空作戦の法的、物流的、指揮的な枠組みは怪しいままだ。
 ワグネルは航空機を購入したり、レンタルしているのか。あるいは単にレンタルしているだけなのか。ロシア政府はワグネルのパイロットを直接管理しているのか、それとも傭兵会社が自社ですべての標的を選び、出撃すべてを計画しているのか。増え続けている戦闘で命を落とすワグネルパイロットの遺族に誰が補償するのか。
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 ワグネルがウクライナ上空での戦いに関与していることは遅くとも5月下旬に明らかになった。ウクライナ軍が携帯式の赤外線誘導ミサイルのスティンガーを発射し、ウクライナ東部ドンバス地域のバフムトの東約32キロのポパスナ上空でSu-25を撃墜したからだ。
 英放送BBCは、ポパスナ周辺でのロシア軍の攻撃を支援しながらSu-25の操縦席で死亡した男性がカナマット・ボタシェフであることを確認した。
 63歳のボタシェフは軍を引退していた。ロシア空軍の将軍だった2012年に操縦資格のないスホーイSu-27戦闘機を「レンタル」し、アクロバティックな飛行の末に墜落させて空軍を辞めた。引退後、ボタシェフはワグネルと契約したと報じられた。
 1カ月後、ウクライナ軍の第72機械化旅団は肩に担いで発射できる防空ミサイルであるイグラで別のSu-25を撃墜し、この戦闘機を操縦していた高齢パイロットのアンドレイ・フェドルチュコフを捕らえた。フェドルチュコフは月3200ドル(約44万円)でワグネルと契約していたと尋問で明らかにした。
  ―  引用終り  ―
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 PMCであるワグナーグループはGRU(ロシア連邦軍参謀本部情報総局)のスペツナズ隊員だったドミトリー・ウトキン元中佐が創設した。
 ウトキンは2013年にGRUを退職後、香港にあるスラヴ軍団という別のPMCに務め、シリア内戦で油田の警備にあたっていた。スラヴ軍団はシリアでイスラム国の攻撃を受け大きな被害を受ける。
 2014年、退職したウトキンは自身のコールサインであった”ワグナー”を名付けたPMCを創立する。ウトキンに資金援助したのがロシアの実業家エブゲニー・プリゴジン。プリゴジンはプーチン大統領と密接な関係を持っており、ワグナーグループの創設にはプーチン大統領の意向があったされる。ワグナーグループを操っているのはクレムリン(ロシア政府)とプーチン大統領とみられている。
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 ロシアでは傭兵は違法 であるためワグナーはロシアに登記しておらず、アルゼンチンに登記している。
 2022年4月時点のワグナーの社員数は8000人規模とされる。

 ロシア政府は傭兵禁止の法律を改定することを考えている。もし、傭兵がロシアで認められればシリア内戦派遣を経て巨大組織となったワグナーグループは更に巨大化すると考えられ、世界最大のPMC・準軍事組織になる可能性がある。

 2022年11月4日、ロシアで初となる公式事務所をサンクトペテルブルクに開設した。





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最終更新日  2022年12月27日 06時00分12秒
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