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2023年06月03日
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テーマ: ウクライナ(157)
カテゴリ: ロシア、ソ連
 ソビエト連邦育ちのエリートのプーチン大統領は、ロシアがどれほど嫌われ者であるか気が付いてないようだ。
 民間軍事会社ワーグナーのプリゴジン氏が述べたように、ウクライナへの武力侵攻で、ネオナチの撲滅、ウクライナの武装解除を目指してウクライナの武装現代化・強化を招いた。ネオナチはいなかった。ウクライナのNATO加入、東方拡大を阻止しようとして、中立国だったファインランド、スウェーデンのNATO加入を導いた。
 プーチン大統領は、自分の理想に基づく行動が、どんな結果を招くのかを考えないし、起きた現実を直視しない。
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プーチン氏
2023年5月27日 AFPBB News
 ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は26日、同国とジョージア間の直行便の再開を受けてジョージアで反ロシアデモが起きたことに驚かされたと述べた。
 ジョージアの首都トビリシの空港には先週、2019年以来初めてロシアからの直行便が着陸した。しかし、空港前では数十人が抗議デモを実施。「お呼びでない」「ロシアはテロ国家」と書かれたプラカードを掲げた。
 プーチン氏はテレビ中継された財界人との会合で、「正直に言って、この反応には非常に驚かされた」「皆に『ありがとう、いいね』と言われると思っていたが、この件をめぐる騒ぎは理解し難い」「ここから見ると、彼らは頭がおかしいとしか思えない」と語った。
 ロシアは2008年、ジョージアに軍事介入し、親ロシア派地域の南オセチア(South Ossetia)とアブハジア(Abkhazia)の「独立」を承認した。このため ジョージアでは反ロシア感情が今も根強い。
  ―  引用終り  ―
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 共産党の圧政のイメージが強く残る、ポーランド、チェコ、スロヴァキアもバルト三国と同様に根強い反ロシア感情がある国々だ。ロシアに武力侵攻されたくないので、NATOに加盟したし、侵略されたウクライナへの軍事支援を積極的に実施してきた。
 プーチン大統領は「米国支配、米国の謀略」を唱えるのだろうが、これらの各国、各国民ともに「ロシアの支配よりずっとましだ」と思っていることに気が付かない。
 ロシアを取り巻く国際世論の悪化と、ロシアへの逆風の強さをみたためか、最近、外交的に中立の振舞をしていた中国、ブラジル、トルコがロシアと距離をおく振舞をしているように見受けられる。
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ブラジル大統領、
2023年5月27日 AFPBB News
 ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)大統領は26日、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領との電話会談で、6月14~17日に開催されるサンクトペテルブルク国際経済フォーラム(SPIEF)への招待を辞退した。
 ルラ氏は「SPIEFへの招待に感謝し、今はロシアに行くことができないと伝えた」「しかし、ブラジルはインド、インドネシア、中国と同様、ウクライナ紛争の和平実現に向けて両陣営と対話できることを再確認できた」とツイッター(Twitter)に投稿した。
 ウクライナ紛争をめぐり、多くの西側諸国はウクライナに軍事支援を行い、ロシアに経済制裁を科しているが、ルラ氏は自らを調停者と位置付け、同紛争の解決に向けた多国間グループの創設を目指している。
  ―  引用終り  ―
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 中国はロシア寄りというよりも反米。トルコは国内の大統領選挙が忙しかっただけかもしれない。
 5月5日、中国とロシアが主導する、上海協力機構の外相会議がインドで開かれ、経済協力や地域の安全保障などで連携を強化していくことを確認した。インドのジャイシャンカル外相は「世界の人口の40%を占めるわれわれの決断は、必ずや世界に影響を与えるだろう」と述べ、中国、ロシアに加え、インドや中央アジアなどが加わる上海協力機構を発展させていく考えを示した。
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■ベラルーシ
 ロシアの友好国・ベラルーシのルカシェンコ大統領は5月9日、ロシアの首都モスクワで行われた第二次世界大戦の対ドイツ戦勝記念式典に出席した後、プーチンロシア大統領主催の食事会を欠席し、ベラルーシに帰国した。式典ではルカシェンコ氏の右手に包帯が巻かれていたほか、プーチン氏や他の旧ソ連諸国の首脳陣が徒歩で移動する中、ルカシェンコ氏だけが小型車で移動する様子が撮影されており、同氏の健康が悪化しているとの観測があった。同時にウクライナ侵略戦争に今以上に巻き込まれないための仮病説も浮上した。
  5月25日、ロシアとベラルーシは、 ロシアの戦術核ミサイルをベラルーシ領内に配備することを正式決定する協定に調印 した。
 5月27日、たびたび「健康不安説」が浮上していたベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領がモスクワで、救急搬送されたとの情報が駆け巡った。ルカシェンコ大統領は、プーチン大統領と密室で会談後に急変したことから、ロシアにより従順な指導者にすげかえるための「毒殺説」が浮上している。
 5月29日、ルカシェンコ大統領は、ベラルーシとロシアとの連合国家に参加したい国があれば、どの国にも核兵器を用意できるだろうと述べた。
 大統領の影武者との交替が秘密裏に行われたのか、ロシアへの協力姿勢が明確になりすげ替えが不要となったのか、よく分からない。
■国際経済会議
 5月25日、旧ソ連圏の経済ブロック「ユーラシア経済同盟」の首脳会議で、アルメニアとアゼルバイジャンの首脳が、アルメニア系住民が多数暮らすナゴルノカラバフを巡る領土問題で論争を繰り広げた。 プーチン大統領は首脳会議で、ウクライナ侵攻で低下した求心力の回復を目指していたが、逆に「勢力圏の亀裂」「影響力の低下」を露呈させた。
 5月26日、APEC(アジア太平洋経済協力会議)の貿易相会合は2日間の討議を終えて閉幕した。ロシアのウクライナ侵略を非難する内容に ロシアと中国が反対し、共同声明の採択は昨年に続いて見送られた。
 武力侵攻を予定しているらしき中国は、5月27日、空母・山東を含む中国海軍の艦船3隻で、台湾海峡を通過した。習金平の中国は、世界を相手に戦う覚悟に見える。衰えつつある中国共産党の隆盛を復活するために、軍事力を使ってでも台湾との統一を国内向けに唱える事情もあり、今後もロシアと同一歩調をとるのだろう。





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最終更新日  2023年06月03日 06時00分10秒
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