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遊渡辺直二高須左草野指山崎武三中村紀中鉄平一セギノール右中村真捕嶋投長谷部 試合回顧 期待の2年目左腕長谷部康平が先発として初勝利を挙げたが、内容的にはどちらに転んでもおかしくないゲームだった。 初回、2回の先頭打者に真っ直ぐで簡単にカウントを取りにいったところを痛打されるなど、まだまだ随所に甘さが残る投球だったのは否めない。 そんな中目を引いたのは4回の小谷野に対する投球だった。初球に大きなスローカーブ、2球目に100キロ台のチェンジアップで簡単に追い込んだのだが、こういった緩いボールの使い方こそが彼が先発として生き残っていく為に必要なものなのではないだろうか。 プロ入りする際の長谷部評は「150キロ近い真っ直ぐと三種類のチェンジアップを投げ分けるアマ球界屈指の左腕」といったものだったが、実際にプロの世界に入ってからはそういった片鱗が全く見られなかった。昨年は膝の故障の影響があった為、真っ直ぐが走らないという理由はあったが、期待したチェンジアップの投げわけとそれによる打者への意識付けというものが全く出来ていなかった印象がある。 今季も良い時は真っ直ぐが走っている時で、それが良くない時にチェンジアップでカバーするといったところまでは行き着いていない。 野村監督は昨年のオープン戦の時期に「長谷部にはチェンジアップという意識付けが出来る球種があるから捕手は腕の見せ所だな」と語っていたが、公式戦での長谷部はそれが出来ておらず制球も安定感に欠ける為、どうしても投球が苦しくなる。今日の試合後の「長谷部はどこが良いんだ?」というコメントにもそれは表れているのではないだろうか。 今日は味方の攻守に渡る援護があった為何とか勝ち星を拾うことができたが、チェンジアップによる意識付けが出来ない限り、今後も安心して見ていられる内容は望めないと考えている。 せっかく勝ったのだから、こういった不安や不満ばかりを書きたくはないのだが、彼には岩隈、田中に次ぐローテの柱になってほしいし、そうなれる資質があると思うからこそ注文を付けたい。 それからバッテリーを組んだ嶋。5回に金子誠に許したタイムリーは彼のミスによるものだったと思う。 金子は初球、内寄りのやや甘い真っ直ぐを見逃し、2球目のボール球のチェンジアップに手を出してきた。ここで金子が変化球を狙っていると感じられたが、嶋はカウント2-1からスライダーを選択し、これをレフト前へと運ばれる。見逃せばボールという低いボールを見事に捉えられたことも踏まえて考えれば、これは狙われたと言っていいのではないかと思う。 たかが1球かもしれないが、力の足りない投手をリードする際にはその1球が命取りとなり、敗戦に繋がってしまうもの。バッテリーには「勝って兜の緒を締めよ」という気持ちで次の試合に臨んでほしい。「興味深い」「参考になった」「賛同できる」と思われた方はポチっと協力お願いします。⇒
2009年04月30日
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遊渡辺直二高須三中村紀一セギノール指山崎武左草野右中島中鉄平捕嶋投田中 試合回顧 抜群の安定感で田中将大が開幕から4試合連続の完投勝利を収め、見事野村監督に通産1500勝をプレゼントした。 特に今日は立ち上がりから抜群の原点能力を見せ、文字通りファイターズ打線を力で捻じ伏せた内容だった。 真っ直ぐでストライクを先行させることによって追い込んでからの攻めに余裕を持つことが出来たのが今日の好投の要因であるように思う。 真っ直ぐ主体でカウント2-0、2-1となれば、打者は今日の田中の出来から言って、非常に対応が難しくなったはずだ。落ちるボールで誘ってくるのではないか、と変化球に意識を高めれば真っ直ぐに対応できず、真っ直ぐに遅れないように、と考えれば、誘い球のフォークやスライダーにバットが止まらない。つまり真っ直ぐによる意識付けによって全ての球種が活きてくるのだ。 点差が2点になった7回は余裕が油断になってしまった感はあったが、1点なら良い、四球でランナーを溜めてはいけない、という意識の下でフルカウントから打たれたホームランなので、大きな問題とは言えないだろう。 これで防御率は0.50。開幕から36イニングを一人で投げきり、4月の月間MVPは確定的だ。 「ガラスのエース」を追いかける二十歳の鉄腕。イーグルスのエース交代はカウントダウンに入ったのかもしれない。 ※毎度毎度のナイスピッチングで書くことが無くなってきたのが嬉しい悲鳴。但し、安打多くして得点少なしは解消されず・・・。「興味深い」「参考になった」「賛同できる」と思われた方はポチっと協力お願いします。⇒
2009年04月29日
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一昨日のホークス戦、イーグルスはエース岩隈が7回無失点の好投を見せるものの、救援陣が炎上し、貴重な星を落としてしまった。 これによって野村監督が試合後「エースがあれでは困る」「すぐにマウンドを降りたがる」と岩隈を非難した、という報道が出た。 この報道に対し、イーグルスファンから様々な意見が出ているようだが、全体的には岩隈を擁護する人が多数を占めている印象がある。 私の意見はというと、正直なところどちらが正しいとも間違っているとも思っていない。まず岩隈自身が降りたくてマウンドを降りているわけではない、というのがある。出来ることならば最後までマウンドに立っていたいはずだ。しかし、肘や肩に不安のある自分が無理して続投すれば、その日は勝てるかもしれないが、それが原因で故障すればチームは早々に優勝争いから脱落し、チームやファンなど自分に関わる全ての人に迷惑が掛かる、という気持ちがあるからこそ降板を申し入れたはずなのだ。 こういった彼の気持ちはイーグルスファンなら皆理解の出来るものだと思う。ただでさえ投手が足りない台所事情なのに、エースである自分が抜けてしまったら、そう考えるのは極めて自然なことだ。だからこそ岩隈を擁護する人が多いのだと思う。 しかしそれと同時に、監督を非難する意見や反論も見かける。その中には「監督は理想が高すぎる」「今は先発・完投の時代ではない」といった理解できるものだけではなく、「野村は今年で最後だから勝つことだけで岩隈の将来を考えていない」というような中傷ともとれるものもある。 はっきり言ってそんなことはありえない。岩隈が故障して一番困るのは(当人を除けば)野村監督自身だからだ。では何故監督が岩隈に苦言を呈するのか。 監督には「エースは鑑であってほしい」という願望がある。他の投手に対して「岩隈を見習え」というだけでチームが正しい方向へと進む、そんな希望があるのだと思う。「中心なき組織は機能しない」という監督の哲学から名実共にエースと呼べる存在になってほしいと強く願っているのだ。 イーグルスファンご承知のように監督は期待の大きい選手、給料の高い選手にほど厳しい。しかしただそれだけの理由で岩隈に苦言を呈しているのではないのではないか。岩隈の持つ能力・人間性を考えれば、将来監督やコーチとして球界に残ることが出来ると思っているからこそ、誰よりも彼を評価しているからこそ厳しい発言をしているのだと思うのだ。 「信は万物の基を成す」と言って憚らない監督がわざわざエースとの信頼関係を壊すとは到底考えられない。 監督は自著の中で他球団のエースだった人間が、その後監督になったものの、選手として好き勝手にやっていたために人望が無く、監督として成功出来なかった例を述べている。 岩隈が将来監督(あるいは投手コーチ)になり、投手に「もう1イニングいってくれ」と言った時に「自分は現役の時すぐに交代したくせに」という風に思われてほしくない、という親心があるからこそ、岩隈の将来を案じているからこそ自ら降板を申し出て欲しくないのだと思う。 一部スポーツ紙では岩隈が「今日の負けは岩隈にあり、そう書いておいてください。どうせそう言われるでしょう」といった半ば投げやりとも取れるような記事が掲載されていたようだが、どうか岩隈には理解してほしい。 こんな一ファンが書くブログなど彼自身が見るわけはないと分かってはいるが、「絆」を大切にしようとする彼にこういったことで監督との関係を悪くしてほしくない。 それからイーグルスファンの方々にも岩隈・野村監督の両者をどうか責めないでほしい。両者の発言・行動はチームの為、あるいは選手の将来の為という気持ちから出たものであり、決して悪意はない。 ただ1つだけ監督にお願いしたいのは、メディアに対し「岩隈病」などというシニカルな表現は今後謹んで欲しいということだ。いくら期待の裏返しとはいえ、ものには言い方というものがある。勢いで口走ってしまったのだとは思うが、選手は監督の発言には敏感に反応するはずなので、記者に対するリップサービスもほどほどにしてもらいたい。「興味深い」「参考になった」「賛同できる」と思われた方はポチっと協力お願いします。⇒
2009年04月27日
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遊渡辺直二高須左リック一セギノール三中村紀指山崎武右中島中鉄平捕嶋投ラズナー 試合回顧 前日に勝てる試合を取りこぼしただけに、勝てば非常に大きなゲームだったが、見事な完封リレーで貴重な貴重な1勝を手に入れた。 持ち前の制球力を発揮したラズナー、抜群の球威を見せた小山、値千金の先制弾を放った山崎武の活躍も大きかったが、個人的な今日のMVPは文句無く嶋基宏だ。 前回登板まではベテラン藤井が女房役を務めていたが、バファローズ戦の惨状を見て監督は嶋を抜擢。これが見事に功を奏した。 これまでのラズナーは武器になりうるカーブを有効に使えず、また左打者に対しての攻め方が内角のカットボールに偏っていた為、どうしても攻め方が単調になっていた。 しかし、今日バッテリーを組んだ嶋は初回に左打者に対して投球のほとんどを外角に集め、ホークス打線の裏をかいた。これは前回のラズナーの投球を見て、彼の球威ではホームラン打者を筆頭に左打者に対して内角一辺倒の攻めでは抑えきれない、という考えと普段ホークス戦では内角を使う割合が極めて高いので、相手がそれを狙ってくるだろうという読みがあったのではないかと思う。 これが見事にハマった。打力の無い高谷や金子に対しては1巡目から内角を使っていたが、それ以外の左打者に対してはラズナーの制球力を活かし、外一杯のボールでカウントを稼いで投球を楽にしていた。これによってホークスの左打者達に「いつも内角ばかりだが、今日は外角主体か?」という疑惑を持たせることが出来たのではないだろうか。 そして2巡目以降はその迷いを利用するように内外を使い分け、終始狙いを絞らせることなく配球を組み立てていた。また内角を使う際にボール覚悟の厳しい高めのカットボールを利用し、仮に内角一本に絞ってきても打たせないという工夫が見られた。 右打者に対してはカーブを使うなど外角主体で長打を防ぎ、カウントによって内角のボール球の真っ直ぐを見せるなどの配慮が見られ、終始安定した配球を見せてくれた(特に田上に対する配球は秀逸だった)。ラズナーは結局6回被安打4だったが、小久保に打たれたライト前ヒットが唯一の嶋のミスで、それ以外はほぼ完璧と言える素晴らしいリードだったと思う。 先日嶋はインタビューで岩隈など他の投手の時にも任せてもらえるようになりたい、という旨のコメントをしていたが、今日の好リードによって次回のラズナー登板の際の先発マスクの座を確定させたと言えるだろう。 将来の為に嶋を使って欲しい。そういう声もファンからは聞こえてくるが、ポジションは自分の力(結果)で掴むものだということを嶋自身はしっかりと自覚していることだろう。 「興味深い」「参考になった」「賛同できる」と思われた方はポチっと協力お願いします。⇒
2009年04月26日
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遊渡辺直二内村右中島一セギノール指山崎武三中村紀左リック中鉄平捕嶋投永井 試合回顧 好投手和田を前に序盤から完全に沈黙していた打線が終盤に息を吹き返し、貴重な勝利を手に入れた。 先発永井は序盤やや真っ直ぐがシュート回転している傾向があり2点を失ったものの、その後は要所を抑えて見事今季2勝目を挙げた。 初勝利の時にも取り上げたがやはり今日も目を引いたのはスライダーだ。昨年までならば左打者に対してカウントを稼ぐ方法が内角の真っ直ぐとカーブに限られていたが、スライダーという球種が加わったことによって投球、配球の選択肢が広がっている。これが無ければ長打力のある打者に対しては余程遅いボールが頭に無いという根拠が無いかぎりカーブという球種は要求しにくく、よって真っ直ぐの比重が高くなり、それを狙われる危険性が増すが、スライダーがあることで見逃しやファールでカウントを稼ぎやすくなっている印象があった。基本的に制球の良い永井だけにこの「カウントの稼げる変化球」の習得によって得られる効果は非常に大きく、これまでよりも一回り大きな投手になっていってくれるのではないかと思っている。 打線では山崎武司の2試合連続のホームランが飛び出したが、沈黙ムードを払拭する意味合いを含め非常に価値のある1発だった。 開幕から不振が続いていた山崎だが、この2試合連続のアーチは言わば必然の結果であったと思う。 彼は球種を絞って狙い打つD型の打者だが、昨日の小野、今日の和田共に狙い球をはっきりと絞ることが出来る投手であったというのがその理由だ。 まず小野は基本的にシュートピッチャーであり、縦ではなく横の変化で勝負する投手。そして山崎の弱点が内角高めにある以上、相手の攻め方が容易に想像出来る。小野ならば外に真っ直ぐ、スライダーを見せておいて内のシュートという組み合わせ(あるいはその逆)だ。 そして和田。鋭い真っ直ぐを投げる上に左対右であり弱点がそこにあるのだから当然内角攻めが多くなる。加えてカウントはバッティングカウントである1-3。こうなれば内寄りの甘い真っ直ぐの狙い撃ちである。この2本のホームランは山崎がD型であるが故に生まれたものであり、彼の特性を活かした結果であると言えるだろう(逆に言えば相手捕手の配球ミス)。 不振に陥った時の山崎は読みが合っていてもミスショットでチャンスを棒に振ってしまうのだが、この連続アーチで量産モードに入ってくれることを期待したい。それからイーグルスファンの方々には彼の見逃し三振を決して責めないでもらいたいと思う。今日の第一打席もそうだが、D型打者である以上、読みが外れての三振というのは仕方が無いことであり、只の結果に過ぎない。むしろ三振を恐れて全ての球種を追いかけていくようになれば途端に彼の強みや相手から見た嫌らしさを失ってしまうだろう。 相手の配球を読んで「勝負している」からこそのホームランであり三振。明日からもスタイルを貫く山崎のバットに期待しよう。「興味深い」「参考になった」「賛同できる」と思われた方はポチっと協力お願いします。⇒
2009年04月24日
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右聖澤二高須中鉄平一セギノール三中村紀左草野指山崎武遊内村捕嶋投田中 試合回顧 スライド登板もなんのその。先発田中が3試合連続の完投、そして早くも今季2度目の完封勝利で無傷の3連勝を飾った。 今日もまた立ち上がりから真っ直ぐに球威があり、初回は9球連続の真っ直ぐで三者凡退に抑えるなど、「本格派」への変貌ぶりを見せ付けた。 昨季までは真っ直ぐを見せながら変化球で打ち取るというスタイルだったが、今季はまず真っ直ぐありきの組み立てが可能になっている。 そして真っ直ぐの向上と同時にシュートも威力が増している為、右打者への内角攻めに不安を感じさせなくなったのも大きい。これだけ真っ直ぐに球威があれば右対右の場面で相手打者が「外の真っ直ぐを右方向へ」という意識で合わせにくることが考えられるが、これがかえって配球を易しくしているような印象があった。 つまり相手の狙いを外し、外へはスライダー内へは速いボール(シュート)という組み合わせによって打者心理を揺さぶることが出来るのだ。これは2ストライクと追い込んだ場面でより顕著になる。カウント2-1などから外にボール気味のスライダーやフォークを投げて空振りを誘うのは常套手段だが、それ故に相手にカットされる場面も少なくない。しかし、外の誘い球に意識を奪われた後に150キロのシュートを放られれば大体は空振りか内野ゴロになる。良くてもファールだ。更にこの二つ(誘い球の変化球とシュート)をカットされて粘られれば今度は原点がある。内の速い球の後は外の変化球ではないか、という心理の死角を突くのだが、今季の田中の球威があれば空振りを奪える可能性が充分にあり、悪くても振り遅れや力負けの外野フライに打ち取ることが出来るはずだ。これは今日の井口との対戦を思い出してもらえば分かるだろう。 今日の田中を見て印象に残ったことがもう一つ。その投球フォームだ。力感充分と形容するよりも些か力が入り過ぎている感があった昨年までの2年間。しかし今季はゆったりと振りかぶり、リリースする瞬間に力を爆発させているような印象があり、脳裏に松坂大輔の姿が浮かんだ。WBCで共に戦った「平成の怪物」から「北の怪物」はその技術を吸収して帰ってきたのかもしれない。田中自身はWBCで得たものについて「試合に入り込みすぎてもいけないということとマウンドでは自分が一番だと思わなければいけないことを学んだ」と語っていたが、そういった内なるものとは別に大きな収穫を得たのではないだろうか。 これで防御率は0.33。昨季の沢村賞獲得とWBC優勝によって燃え尽き症候群が心配される岩隈にも大きな刺激となるはず。「イーグルスの次期エース」はもうすぐ後ろに来ている。2枚看板が互いを高め合い、限界を限界で無くす「MIX UP」が繰り広げられることを期待してやまない。「興味深い」「参考になった」「賛同できる」と思われた方はポチっと協力お願いします。⇒
2009年04月22日
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遊渡辺直二高須中鉄平一セギノール三中村紀指山崎武左リック右中島捕嶋投永井 試合回顧 勝てる試合を落とした。それがイーグルスファンの総意ではないだろうか。 個人的には残念ながらこの敗戦は継投を誤った監督の采配ミスによるものだと思う。 6回。2死からバーナムジュニア、今江に連打を許し1,3塁。後には早川、福浦という左打者が並んでいるため、ここで当然有銘あるいは佐竹の投入だと思われた。だが、監督の判断はグウィンの続投。「なぜ?」という思いが消えなかった。当然得点を許す悪い予感もしていた。 先発永井が危険球により早々に降板したことによって、後ろの投手のやりくりが難しかったのは理解出来る。だが、逆転に成功し、流れを完全にこちらのものにするには絶対に無失点で終わらなければならなかったはずだ。無論左対左なら絶対に抑えれるということはないが、最善の選択だとは思えない。 加えて明日は移動日の為ゲームが無い。多少リリーフ陣に無理をさせられる(有銘などに長めに放らせる)ことが可能だったのではないだろうか。 結果的にこの1点が、その後のマリーンズ打線、中でも里崎の打席での打者心理に影響を及ぼしてしまったと感じた。 7回裏。一発が出れば同点という場面で里崎を迎える。もしもこの時の点差が(ホームランでも追いつけない)3点であったなら里崎は繋ぐことに徹し、外のボールを右方向へという意識で打席に入ったはず。しかし2点差だったことにより「一発で同点」という選択肢が彼の中に生まれてしまった。 この場面での嶋の配球も決して責めることの出来ないものだと思う。カウント1-1から明らかなストライクのカーブをボールと判定され1-2。くどいようだが、これが3点差ならば、里崎が右狙いでくる公算が高い為、インコースに真っ直ぐ(シュート)を投げるという選択肢も生まれたのだ。だが、2点差の為ストライクの欲しいカウントで真っ直ぐでカウントを取りに行くという選択肢が消されてしまった。 これには直前のストライク同然のカーブをあっさり見逃されたということも関連しているように思う。これで嶋は(カウントからいっても)真っ直ぐの一本釣りを里崎が狙っているのではないかと疑心暗鬼になる。そこで選択したのがフォーク。真っ直ぐを狙っていると思われる里崎の打ち気を交わして空振りで追い込む、という計算だ。しかしこれがど真ん中に入り痛恨の被弾。里崎はここで真っ直ぐでカウントを取りにはいけないという嶋の心理を見透かしていたのだろう。 それでも嶋を責める気にはなれない。試合の状況、打席での里崎の反応を考えれば、スライダー、カーブを見逃させるかフォークで空振りを誘うしか選択肢が無かったと思えるからだ。 これは最後に井口にサヨナラホームランを許した藤井にも同じことが言える。打たれたのは外寄りの甘いスライダーだが、状況は1死満塁で外野フライでもサヨナラの為、選択肢が限られてしまった。 外の真っ直ぐに合わされたら犠牲フライ、フォークをワイルドビッチにしたら3塁走者生還、内角の真っ直ぐをぶつけたら押し出し、甘く入っても犠牲フライか長打。こうなったら外のスライダーか小山の球威を信じて真っ直ぐで空振りを奪いにいくしかない。 一つの継投の遅れで点差が詰まり、捕手の配球の選択肢を狭めた。これが今日の敗因だと思う。「興味深い」「参考になった」「賛同できる」と思われた方はポチっと協力お願いします。⇒
2009年04月16日
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遊内村二高須中鉄平一中村紀三草野指セギノール左リック右礒部捕嶋投田中 試合回顧 連続完封とはならなかったものの、先発田中が見事な完投勝利を収め、苦手マリーンズを相手に初勝利を挙げた。 今日も完封した前回同様、立ち上がりから真っ直ぐにキレがあり、安心して観ることが出来た。3回が終了した時点で「今日の田中なら2点あれば勝てる」という印象を持ったが結果はその通りとなった。 今日の田中-嶋のバッテリーには満点とはいかないが、95点をあげても良いのではないだろうか。 田中のミスは8回の2つの四球と福浦に打たれた2安打のみ。福浦に打たれた1本目はカウント2-0から嶋が外角のボールになるシュートで(あわよくば)3球三振を狙ったところでボール2つ分ほど甘く入ってしまった。 2本目のヒットも嶋はおそらくボール気味の真っ直ぐを投げさせ、1-1あるいは2-0とし、その後にマリーンズ打線が全く合っていないフォークを活かそうと考えていたのだと思うがこれも真ん中低めに甘く入り、2試合連続完封を逃してしまった。 もちろん3安打1失点での完投勝利は上出来であり、立派の一語に尽きる。ただ欲張りなファン心理として、今日の出来ならば2試合連続完封も可能だったと思ってしまうのである。 一方リードした嶋も今日は素晴らしい内容だったと思う。唯一の配球ミスが5回のサブローに許した二塁打だ。サブローの前を打つ大松が初球、3球目のスライダーに手を出し、2球目の真っ直ぐに反応を見せなかったことから、好調の田中に対しロッテ打線がスライダーに狙い球を絞ってきていると察知しなければならなかった。だが、その後は不用意にスライダーでカウントを取りにいくこともなく、真っ直ぐ、フォークを交えて配球に迷彩を施し、スライダーを狙っても打てないような工夫が見られた。 ただ今日の嶋が好リードをすることが出来たのは他ならぬ田中の成長によるものだと思う。まず第一に真っ直ぐが良くなったこと。昨年までの嶋であれば左打者に対して執拗な内角攻めで、甘いボールを長打される危険があったが、田中の真っ直ぐが良くなったことで、左打者に対する攻め方の選択肢が広がったように感じることが出来た。 普通、右対左の場合、外角に真っ直ぐを投げるのは、軽く合わされてレフト前、(高く甘く入れば)外野の頭を越される、というリスクが生じる為、捕手は中々要求しにくい。だが、今年の田中の球威があれば内角を強く意識させておけばファールになる公算が高い為、左打者に対して内角だけを頼りにする必要が無くなったのだと思う。 それから2つ目はスライダーの投げ分けだ。昨年まではスライダーが縦に大きな変化をしていたが、今日はそれに加えてやや小さめの横の変化、つまりカットボールのような軌道のボールが見られた。 豊富な球種を持ちながらも、変化が縦に偏るという欠点があったこれまでの田中。だが、このスライダー(カットボール)と真っ直ぐの向上と共に威力を増したシュートがあれば、よりストライクゾーンを広く使うことが出来る上に、相手打者は容易に狙い球を絞ることが出来なくなるだろう。 ルーキーイヤーが終わり、新人王を獲得した直後、このブログでは田中将大に3つの進化を求めた。クイックモーションの改善、真っ直ぐの向上、横の変化球の習得。その3つを彼は見事手に入れつつある。 止まらない成長。次の登板が待ちきれない。「興味深い」「参考になった」「賛同できる」と思われた方はポチっと協力お願いします。⇒
2009年04月14日
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遊渡辺直二高須中鉄平一中村紀指山崎武三草野左リック右礒部捕藤井投ラズナー 試合回顧 拙攻続きの打線に終盤ようやく繋がりが生まれ、連敗を止める大きな1勝を手にした。 先発ラズナーは来日初登板の前回同様、初回からスライダー系を外角に丁寧に集め、終わってみれば3安打1失点の完投勝利を収めた。 前回と比べてどこが良かった、ということは無いが、ライオンズ打線が終始カットボールに合わなかったことで、リズム良くアウトを積み上げることに成功した。 引き続きバッテリーを組んだ藤井も、配球傾向は前回と特に変わりは無かった。おそらくライオンズ打線がカット、スライダーに苦労していたので「打たれるまではカットボールで行こう」と考えていたのではないかと思う。それが捉えられだしたらカーブの割合を徐々に増やして的を絞らせないように、という作戦だったのではないだろうか。 個人的には中島の見逃し三振などを見るともう少しカーブを使っても良いのではないか、と考えていたが、スライダー系中心で抑えられているのだから、わざわざカーブを見せてやることはない、という考えだったのだと思う。これは藤井の好判断だった。 しかし、課題が無いわけではない。8回、この日初めてランナーを背負い、セットポジションになった途端に投球が高くなった。前回も走者を出すまでは快調な投球を見せていたものの、そこから崩れだしたように、やはりセットからの投球に課題を感じさせた。だが、そこさえ改善されれば。制球力は素晴らしいものがあるので、今後もしっかりと試合を作ってくれるのではないかと思う。 打線は今日も満塁のチャンスを逸するなど、不穏な空気が漂っていたが、当たりが止まっていたリック、セギノールに待望のタイムリーが生まれ、ようやく悪い流れを払拭した。 おそらく今日のイーグルスファンの話題の中心はお立ち台に立った3人とリックだと思うが、私はあえて鉄平を取り上げたい。 というのも鉄平が昨季までとは違い、明らかな進化を見せているからだ。昨季までの鉄平は長打力こそあったものの、内も外も皆引っ張ってしまっていたために、内野ゴロが多く、打率が伸びなかった。また真ん中から外寄りの高めも同様の傾向があったためにポップフライも非常に多く、ヒットに出来るコースがかなり限定される打者という印象があったのだ。 本人はその理由を「逆方向を狙うとヘッドが下がってしまう」と語っていたが、今日を含め、今季は逆方向への逆らわないバッティング、ショートの頭上を越え、レフト前に落とす打撃が出来ている。 このように広角にヒットを打てるようになれば、相手バッテリーは非常に攻め方が難しくなる。外に投げればレフト前、真ん中から内寄りが甘く入れば長打、となれば、「ここに投げておけば安心」というゾーンが無くなってくるからだ。 今後もこの打撃を維持することが出来れば、年間を通しての3割は現実的な目標となり、チームの中心打者として大きな活躍を見せてくれるのではないだろうか。 野村監督との間に育ちつつある信頼。それを今季、確固たるものにする。 さあ「まさお」で再び連勝だ!「興味深い」「参考になった」「賛同できる」と思われた方はポチっと協力お願いします。⇒
2009年04月12日
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遊渡辺直二高須中鉄平一セギノール三中村紀指山崎武左リック右宮出捕嶋投長谷部 試合回顧 今日の試合結果、内容が残念ながら現在のイーグルスの状態だろう。チャンスを作り、良いところまではいくが、後1歩が足りない。 今季ここまで5勝2敗で来ていたが、相手投手の不調に助けられた試合も多く、内容的には4勝3敗、3勝4敗でもおかしくないものだった。 先発長谷部は結果的に自責点5ではあったが、今季初登板に比べれば腕も振れていたし、真っ直ぐもキレていた。勝ち星が付いても良い内容だったと思う。バッテリーを組む嶋も長谷部の真っ直ぐが良かったので右打者に対して内角の真っ直ぐを多様することが出来たのではないだろうか。 惜しまれるのはやはり初回の拙攻。セギノールは完全に蟻地獄にはまってしまっているようだ。ここ数試合ボール球や厳しい内角攻めで結果が出なかったことで、打席で完全に迷ってしまっている。 特に5回、1死1,3塁で迎えた第3打席ではそれが顕著に現れていた。ショートゴロを打った直後、「しまった」というように顔を歪め、中々1塁へと走り出さなかった。このゴロは当たりが弱く、全力疾走をしていればかなり際どいタイミングになったはずだが、それを怠った為にあっさりとライオンズに併殺を許してしまった。しっかりと全力疾走をしていたとしても、アウトだったかもしれない。だが、際どいタイミングになれば、相手のセカンドが併殺を焦り、送球を乱す可能性もある。そうなれば5回の時点で試合を振り出しに戻すことが出来たのだ。 誰にだって不調はある。ヒットが出ない時もあれば、名手がエラーをすることも。だが、そういう時こそ今自分に出来る精一杯のプレーを見せて欲しい。ベストを尽くしてダメだったのならばファンも「切り替えて次頑張れ!」と応援することが出来るが、怠慢プレーを見せられればその選手に対する怒りが湧いてきてしまう。打てなかったことよりも、必死に走らなかったことが残念でならない。 連敗となったものの、明日以降へ向けての明るい材料もあった。今季初のトップバッターに起用された渡辺直人の活躍だ。フォア・ザ・チームの精神で献身的にプレーする彼だが、打席で制限が付き、犠牲心が求められる2番はやはり適任ではないのかもしれない。高須のように安定してバントを決めることが出来ないことと初球の決め打ちや盗塁という彼の良さが半減してしまうのがその理由だ。 加えてリックの不調である。そもそも早打ちで四球が少なく、脚がない彼に1番は不適正なのだが、絶好調ならば常にヒットが期待出来る為にトップで使っていたのだろう。だが今の状態ではチームの機能性を下げるだけであり、7番への降格は至極当然の帰結と言えるだろう。 小坂の守備にも大きな魅力があるが、明日も是非1番渡辺直・2番高須のコンビでいってほしいと思う。「興味深い」「参考になった」「賛同できる」と思われた方はポチっと協力お願いします。⇒
2009年04月11日
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左リック遊小坂中鉄平一セギノール三中村紀指山崎武二高須右横川捕藤井投岩隈 試合回顧 完敗。その一言が最も適切な表現であると思えるようなゲームだった。 先発岩隈は開幕戦同様、制球力、安定感に欠け、終始自分の投球が出来ずに終わってしまった。特に5回は力みが感じられ、本来の柔らかくしなやかな投球フォームからはかけ離れていたように見えた。WBCで日本よりも硬いマウンド、滑りやすいボールを使用していた弊害が表れているのだろうか。今後に不安を残す内容であった。 マスクを被った藤井は3回、先頭のボカチカに初球のフォークをクリーンヒットされたことで西武打線がフォークを狙いにきていると感じたのだろう。その後はフォークをほとんど使わずに配球を組み立てていた。これは良い判断だったと思う。しかし、いかんせん今日の岩隈は真っ直ぐの制球を著しく欠いていた為、西武打線を抑えきるには至らなかった。 内容が完敗だったこともあるが、今日は終始西武の正捕手である細川に感心しながら観戦していた。 彼の優れたところは、肩の強さはもちろんだが、カウントの性質、ボールカウントと打者心理というものを完全に掌握していることと、打者に対する洞察力の高さだ。 0-0、0-1、0-2、1-3といった打者が甘い真っ直ぐを狙っているカウントで、不用意に真っ直ぐでカウントを取りにいくということが皆無だった。特に初球の入り方が実に慎重で、ほとんどがスライダー、カーブ、シュートだった。 早打ちのリックにはカーブ、スライダー、打力の無い小坂には内角の真っ直ぐ、内角の弱い山崎、右打ちのうまい高須にはシュートといった具合に入り球を使い分け、投手有利のカウントを作り出すのが実に巧かった。もちろんこれは涌井の球種の豊富さ、制球の良さがあればこそなのだが、そういった彼の良さを細川は存分に引き出していたように思う。 西武側から見て唯一のピンチだった3回2死満塁の場面でも、セギノールの弱点である選球眼の悪さを利用した巧みな配球を見せていた。 まず初球は低めのボールになるフォーク。ローボールヒッターであり、満塁のチャンスで意気込んでいたであろうセギノールの心理を読んだように空振りを誘う。 2球目。これも高めの真っ直ぐの見極めが出来ないというセギノールの欠点を突き、カウント2-0. 3,4球目は同様のボールで誘うものの見逃され2-2. そして5球目。初球の空振り、3,4球目の見逃し方から、フォークと高めの真っ直ぐに完全に意識を奪われたセギノールの心理を読みきり、外角の真っ直ぐで空振り三振。データと洞察力を活かした見事な配球であった。 巨星古田敦也がユニフォームを脱ぎ、球界を代表する捕手である谷繁元信に年齢的な衰えが見え始めている今、球界最高の捕手はこの細川亨ではないかと考えている。昨シーズンに対戦した際も良い捕手だと感心し、そういったことを記事にしてきたが、今日の試合を見てよりその思いは強くなった。 「優勝チームに名捕手あり」。昨シーズンの日本一には細川亨の多大な貢献があったのだと改めて感じさせられる敗戦であった。「興味深い」「参考になった」「賛同できる」と思われた方はポチっと協力お願いします。⇒
2009年04月10日
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左リック遊渡辺直中鉄平一セギノール三中村紀指山崎武二高須右牧田捕嶋投永井 試合回顧 息詰まる1点差ゲームをものにし、しっかりと連敗を免れた一戦。連敗せずに岩隈へバトンタッチ出来るかどうかが重要だっただけに今日の勝利は非常に大きな1勝だ。 先発永井は立ち上がりいきなり初球を本多に強打され3塁打を許すと続く川崎にも同様の甘い真ん中の真っ直ぐをセンターへと運ばれ、犠牲フライであっさりと先制点を許してしまった。 この2球は明らかに永井の失投ではあるが、嶋には本多に対しての初球の入り方に気をつけてほしかった。今季嶋が先発マスクを被った試合では初回の先頭打者に対しての入り球が真っ直ぐばかりだったのがその理由だ。そういった辺りを狙われるのではないかと心配していたのだが、それが的中してしまった。 野村監督は初回に外角低めの真っ直ぐを必ず放らせて、その日の投手の原点能力を見極めるように捕手に指示をしているが、少し安直すぎたのではないか、というのが率直な感想だ。 だが、その後は永井の真っ直ぐの制球が安定したこともあり、思い通りの配球が出来たのではないかと思う。 今日の永井に関心した点はスライダーでしっかりとカウントを稼ぐことが出来ていたところだ。ルーキーイヤーは球種が真っ直ぐ、カーブ、フォークの三種類で、配球が単調になりやすかったが、今日の永井はスライダーでカウントを整えることが出来たことで、真っ直ぐやフォークの効果が増していたような印象があった。田中将大の影に隠れがちではあるが、彼にも着実に進歩の跡が見られる。今後も持ち前の制球力を武器に、ローテーション投手としてチームに貢献してもらいたい。 攻撃面では不振が続いていた山崎武に待望の今季第1号が生まれた。このホームランは「さすが山崎」という読みが発揮されていたように思う。 カウント1-2からの4球目、外角低めの落ちるボールに完全に泳がされてフォールを放ち、これでカウント2-2と追い込まれる。だが、形を崩されたことによって、相手捕手がタイミングが合っていないと見て同様のボールを続けてくる、と読みきり、ボールになる誘い球をしっかりと見逃してフルカウントに持ち込む。 1死走者無しでフルカウント。四球で歩かせたくない。開幕から山崎は真っ直ぐに振りまけている。低めの誘い球をしっかりと見逃された。こういったことを踏まえ、単打ならOKという考えのもと、相手バッテリーが外角の真っ直ぐで勝負してくることを読み、見事にセンターへとホームランを放った。 山崎に当たりが戻れば、相手チームに与えるプレッシャーは現在よりもずっと大きくなる。暖かくなるに連れ、主砲のバットも満開となることを期待したいと思う。「興味深い」「参考になった」「賛同できる」と思われた方はポチっと協力お願いします。⇒
2009年04月09日
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左リック遊小坂中鉄平一セギノール三中村紀指山崎武二高須右横川捕嶋投田中 試合回顧 二十歳の若武者の過ごす一年とはこれほどまでに濃密なものか。昨シーズンの苦悩。世界を舞台とした経験。名伯楽の教示。観ているこちらが田中将大の成長についていくことが出来ない。 昨年のシーズン序盤とは180度異なる快投だった。ストレートの制球が定まらず、スライダーを置きにいくような投球を見せていた昨年。しかし今日は序盤から素晴らしいストレートのノビ、抜群のスライダーのキレを見せてくれた。 正直に述べるが、序盤の投球を見て、中盤以降に不安を感じていた。というのもあまりにも真っ直ぐが素晴らしく、球速も150キロを超える頻度が多かった為、とばしすぎではないか、と考えていたのだ。 だが、それは杞憂に終わった。9回124球。終始抜群のボール放り、本拠地開幕戦で素晴らしい完封劇を見せてくれた。 やはりこの好投の要因と言えるのは課題であった真っ直ぐの向上だ。真っ直ぐが良かったことでファールでカウントを稼ぐことが出来、更に打者に対する意識付けに成功した。これはこの上なく大きなことだ。ご覧になっていた方は分かるだろうが、今日のソフトバンク打線は真っ直ぐに遅れまいとしていた為にスライダー、カーブを見逃す確率が非常に高かった。 ただでさえ田中のスライダーは曲がりが大きく捉えにくいのだから、真っ直ぐを意識させることが出来れば鬼に金棒である。後はいかにこの好状態を維持出来るかだ。今日はたまたま良かった、ということでなければ、故障がないかぎり二桁勝利は鉄板だろう。いや安定感を手に入れることさえ出来れば、岩隈やダルビッシュとタイトルを争うことも夢ではない。重箱の隅をつつくようにあえて課題を挙げるならば、左打者に対して外角の真っ直ぐをもう少し低めに集めることだ。それさえ出来ればほぼ完璧である。 そしてその田中をリードした嶋。こちらも本多の第2第3打席に許したヒット以外はほぼ文句のない配球だったと思う。その中でも秀逸だったのが初回の松中に対する配球だ。 抜群の選球眼を持つ松中に対しカウント1-1からボール球のフォークで空振りを奪い、次も同じボールを要求して見逃されカウントは2-2。この時点で追い込まれた松中が1-1から手を出してしまったボールになるフォークに意識を奪われていたことが感じられた。そこで嶋は1球スライダーでファールを打たせると、最後は内角低めの真っ直ぐでフォークを意識した松中から見事に見逃し三振を奪う。これは素晴らしい配球だった。今後もバッテリーを組む田中に負けないような成長を是非見せてほしい。 今日はとにかく安心して観戦することが出来た素晴らしいゲームだった。 破竹の開幕4連勝!! おかげでランキングも上昇中です^^「興味深い」「参考になった」「賛同できる」と思われた方はポチっと協力お願いします。⇒
2009年04月07日
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二高須遊渡辺直中鉄平一セギノール三中村紀指山崎武左礒部右横川捕藤井投ラズナー 試合回顧 5時間に渡る熱戦を制し、望外の開幕3連勝を飾った一戦だが、手放しに喜ぶことが出来ない内容となってしまった。 先発は来日初登板期待の新助っ人ラズナーだったが、今後に向けて大きな不安材料を残した。 立ち上がりは高低の制球こそアバウトだったものの、内外にしっかり投げ分け、上々の投球を見せていた。だが(球筋に目が慣れた)二巡目となった4回、ファイターズ打線に一気に攻略を許した。 この原因は何か。それは07シーズンまでの青山浩二と全く同じ理由だと考えられる。端的に述べると、空振りを奪えるボールが無いこととストライクゾーンを広く使うことが出来ないということだ。 もっと詳しく説明すると、ラズナーが今日投げていた球種はストレート、カットボール、カーブ、チェンジアップの4種類だったが、打者に意識付けの出来るボールとペアとなる球種の組み合わせが無いのだ。 ラズナーは投球の大半が真っ直ぐかカットボールであり、右打者に対する攻めは外角にその二種類のボールを投げ込むこと。つまり彼には対となる内角を攻めるボールが無い。もしも彼がシュートあるいはツーシームを操る投手であれば、今日のような結果にはならなかったはずなのだ。 以前にも書いたが、投球の組み立てはペアとなる球種があってこそ幅が広がるもの。スライダー・カットボールにはシュートやツーシーム。速い真っ直ぐには意識していないと対応出来ない落ちるボールのフォーク・チェンジアップという風に。 ラズナーはシュート系のボールが無い為横の変化のペアが無い。それによって相手の右打者は外の真っ直ぐ系を右方向へという明確な意図を持っての打撃が可能となる。左打者の場合も同様だ。バッテリー側からすると右対左ではどうしても内角の真っ直ぐ・カットボールが必要になるため、それを狙い打つことが出来る。しかし(右打者の場合)シュート(ツーシーム)があれば、外のボールを意識した打者を詰まらせることが出来る。 野村監督曰く打者は詰まらされると自身が負けたという印象を強く抱く為、次の打席から潜在的・顕在的に内角を意識してしまう。監督はこれを「詰まりの恥辱」と呼び、これを生かした配球を捕手に指示する。ペアとなる球種があることによってお互いの効果が倍増するからだ。 ラズナーは一応チェンジアップを投げていたようだが、変化量、キレ共に乏しく真っ直ぐを待ちながらでも充分対応可能な程度のものでしかなかった。150キロを超えるような真っ直ぐがあれば別だが、これではいくらコントロールが良くても投球は苦しくなる。しかしそうと分かっていてもすぐに球種を増やせるわけではないので、今後は彼の良質なカーブをいかに捕手が生かして配球を組み立てられるかにかかってくるのではないかと思う。 それから今日の気になった配球について。4回の小谷野に対する藤井の組み立てには首を捻った。 2点リードで1死満塁。小谷野の長打力を考えればセオリーは外角主体の組み立てだ。しかし藤井は初球・2球目共に内角の真っ直ぐを要求して2-0と追い込むと外に1球外し、4球目にまたも内角の真っ直ぐを要求して同点タイムリーを浴びた。 外角主体がセオリーと書いたが、初球の内角には納得がいく。それは小谷野が第一打席で外の真っ直ぐを狙い撃ちしてきたことを考慮し、満塁での外角攻めはセオリー通り過ぎてかえって狙われる危険性があったからだ。 だがその後の内角攻めには疑問が残る。小谷野は内角が弱いというデータがあったのかもしれないが、初球・2球目共に内角の真っ直ぐに手を出してきた以上小谷野が内角を意識していること、バッテリー心理を読んで外角にヤマを張る、ということはしていないのが分かったはずだ。 先に述べたようにラズナーの持つ球種ではリードが難しいのは分かるが、もう少し工夫のしようがあったのではないだろうか。無傷の3連勝を飾ったものの、バッテリーには課題と反省材料の残る一戦であった。「興味深い」「参考になった」「賛同できる」と思われた方はポチっと協力お願いします。⇒
2009年04月05日
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左リック遊渡辺直中鉄平一セギノール三中村紀指山崎武二高須右宮出捕嶋投長谷部 試合回顧 1回森本・中安打、3回金子誠・左本塁打、稲葉・左安打、5回ヒメネス・右本塁打。 これは今日の試合で嶋が「狙い撃ち」された、配球次第で防ぐことが出来たと感じられた被安打の一覧だ。 その中でも特に快勝ムードが漂う中、3回裏1死から金子誠に打たれたソロ本塁打がこの試合を難しくした要因であるように思う。金子が打ったのはど真ん中の真っ直ぐ。完全に長谷部の失投だ。だが、ここで真っ直ぐを要求した嶋にこそ最大の責任があるのではないか。 狙い球を絞る「ヤマ張り」の金子は初球外角の真っ直ぐを強振し、真後ろへのファールを放つ。この時点で金子が真っ直ぐを狙っていること、またその真っ直ぐにタイミングが合っていることが分かる。にもかかわらず嶋は続けて真っ直ぐを要求し、それが真ん中に入り反撃の狼煙を上げさせた。 なぜ真っ直ぐを要求したのか理解に苦しむ。長谷部のボールが来ていたので狙われても打てないと思ったのか、2順目以降の為にチェンジアップをとっておきたかったのか。いずれにせよ5点というリードが余裕ではなく油断を生んでしまったということだろう。 このホームランからしばらくの間、嶋に対する失望と怒りで頭が一杯になった。「全く成長していない」。正直そう思わずにはいられなかった。初回の森本に許したヒットもカウントを考えれば防げるものであったことも相まって、暗澹たる気分で嶋を見つめていた。 金子や稲葉のようなD型(球種を絞って狙い打つ)タイプの打者との対戦こそ、捕手の洞察力が問われると考えているだけに、この嶋の「敗北」はあまりにもショックだったのだ。 加えてヒメネスに打たれたホームランの談話は「カットボールを狙っていた」というものだった。「狙い打たれたら100%捕手の責任」。この野村監督の言葉がすぐに脳裏を過ぎった。 「もう藤井に交代させるべきだ」「しばらくスタメンから外した方がいい」。そんな風にさえ考えていた。しかし、そこから嶋は本来の観察力・洞察力を徐々に発揮しはじめた。 最終回。2死から同点のランナーを許し、打者はスレッジ。一発が出ればサヨナラとなる為、長打力のあるスレッジに対しては当然外角中心の配球になると思われた。 初球、2球目と外に要求しカウント1-1となる。だが打席のスレッジは外角攻めを完全に読んだように思い切り良く踏み込んでくる。ここで嶋はおそらく3球目に内角のボール球を見せ、内を意識させた後に外角で打ち取る、というシナリオを用意していたのだと思う。 しかし、続く4球目。外寄りの変化球をスレッジが左方向へ思い切り叩き、あわやサヨナラホームランという大飛球(ファール)を飛ばす。ここで場内は完全にサヨナラ勝ちのムードになっていた。 嶋はおそらく(同点のランナーが得点圏に進むとはいえ)最悪歩かせても良いと考えていただろう。続く5球目を外に外しフルカウントとなる。 ここでタイムを取るとマウントの川岸の元へと駆け寄った。二人がどんな会話をしていたかは分からない。ただ推測するに「スレッジは完全に外のボール(シンカー)を狙っているから内角でいこう。ただ決して甘くならないように。最悪歩かせても、次の高橋なら抑えられる」という趣旨のことを伝えたかったのではないだろうか。 結果的に最後は内角のスライダー(カットボール?)でファールフライに打ち取るのだが、これは実に見事だった。いくら相手が外のボールを狙っていると感じていても、一発が出ればサヨナラという場面で長打力のある打者に内角を要求するのは勇気がいる。しかし、嶋は自らの洞察力を信じ、見事に決断した。しかも最悪歩かせるという保険をきちんと掛けた上でだ。 打者金子に対して要求した真っ直ぐで試合の流れを手放し、スレッジに対して要求した内角のスライダーで勝利を掴む。「1球の重さ」。これを改めて認識したであろう嶋の成長を心から願っている。「興味深い」「参考になった」「賛同できる」と思われた方はポチっと協力お願いします。⇒
2009年04月04日
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左リック二小坂中鉄平一セギノール三中村紀指山崎武右礒部捕藤井遊渡辺直投岩隈 試合回顧 喉から手が出るほど欲しかった勝利を手にいれた。内容はともかく、今日は何よりも勝つことが重要だった。 先発はエース岩隈。日本中が期待したであろう白熱の投手戦による0行進とはいかなかった。今日は昨シーズンやWBCで見せた低めを丁寧に付く本来の投球からは程遠い立ち上がりだった。序盤はいつ失点してもおかしくないほど制球を乱していて、そして案の定3回にファイターズに1点を許す。 だが4回以降は徐々に本来の投球を取り戻し、最後となった6イニングス目にはいつもの岩隈に戻っていた。もちろん欲を言えば完投してほしかった。59球という弾数は降板するにはあまりにも早かったし、尻上がりに投球が良くなってきていただけに尚更そう感じた。しかし、シーズンは長く、ここで疲労を溜め込むことは長いスパンで見ればチームに不利益をもたらすだけ。万全とは到底言えないコンディションで最低限の仕事はしっかりと果たしてくれた。 初回に鉄平のタイムリーとセギノールの第1号ホームランで3点を先制したチームは岩隈の後をリリーフ陣がしっかりと0封し、見事に「守り勝った」。 試合を観戦して感じたことはやはりサードがフェルナンデスから中村紀に変わったことによって大きな安心感がもたらされたということ。しかし、逆にレフトリックはやはり今季も大きな穴になるということだった。3回田中に許した2ベースは牧田ならばただのレフトフライだったろうし、その後に1点を失うことも無かったはずだ。リードを持って終盤を迎えた為、7回裏からは牧田が投入されたが、今季はずっとこういった采配が取られることになるだろう。場合によっては礒部に代えて宮出を投入し、より強力や外野手トリオを結成することも考えられる。 そして投手陣は細かい継投で少ない点差を守りきる。これが2009年のイーグルス「守り勝つ野球」の基盤となるだろう。 今日の守備陣、ディフェンス面で目に付いたのは藤井の有銘に対する配球だ。2イニングほぼ完璧と言っていい内容だったと思う。特に左打者に対する洞察が鋭く、見事に内外を使い分けていた。 その中でも特に気に入ったのが田中賢介に対する攻め方だ。初球は有銘の生命線である外角へのスライダー。これでストライクを奪いカウント1-0とする。昨季も書いたが、まず前提として相手の左打者は有銘と対戦する際には外のスライダーを意識して打席に入ってくる。だが、変則フォームから繰り出される彼のスライダーはシーズン初対戦ではまず捉えるのが難しい。そこでしっかりとストライクを先行させたことでその後の配球が実に楽になる。 2球目は内角のボール球のシュート。「カウント1-0」に関する野村監督の基本的な教えは次のようになる。 ・2-0と親戚のカウントと考えず、打者は追い込まれていないから、思い切りは持っている。 ・サインプレー、内角球の見せ球、さぐり球、ピッチドアウトのチャンス。 ・次の球との関連を考え、有効に使え。 ・1度勝負球で勝負をかける状況もある ここで藤井は「次の球との関連」を考慮し「内角の見せ球」を要求した。そして打者田中が打ち気を見せなかったことと「1球内に放って意識させて外のスライダーで来るだろう」という風に田中の心理を読み、もう一つ内角にシュートを要求したのだと推察される。 内角を意識させられた田中は続く4球目のスライダーに手が出ず2-2。追い込まれたことによって田中はおそらく(ストライクゾーンを広げながら)ストライクからボールになる外角のスライダーへのマーク度を高めたはず。それを見越したように藤井はもう一度内角にシュートを要求する。これをファールとされ、次も同じボールで見逃され2-3。 ここまで内角を意識させておけば有銘のスライダーは当てるがやっととなる。最後はフルカウントから外のスライダーで三ゴロ。藤井の勝利だった。 藤井はその他稲葉に対しても(1安打は許したものの)良い配球を見せていた。明日の先発は長谷部だが、スタメンマスクは引き続き彼のものになるだろう。今日のような洞察力を発揮してくれれば長谷部に対しても良いリードが出来るはず。開幕連勝に期待しよう。「興味深い」「参考になった」「賛同できる」と思われた方はポチっと協力お願いします。⇒
2009年04月03日
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